紅い衣の者/合流前の一連 パート1
燃え盛る町の中に一人佇む青年がいた。その周りにはおびただしい数の死体が無惨な姿で放置されていた。戦争や火事などの災害で死んだわけではない。獣に噛み付かれた後のような姿。中には手足や頭だけの死体まである。
当然、この青年が、ましては人間ができるわけがない。
直後、空から何かが降下してきたのだ。青年は右にかわして姿を見た。緑の鱗に覆われたコウモリのような翼、トカゲの胴体に近い姿の生物。
『ギャオォォォン!?』
ワイバーン、ゲームやアニメなどでは有名なモンスターの一種。それも一匹二匹ではない、空一面におよそ五十匹はいるだろうその数は青年にだけしせんをむいている。
青年は腰から一本のナイフをとりだし、ワイバーンに向けた。
ワイバーンは一斉に青年に襲いかかろうとした。ワイバーンの大きさは大体五メートルはあるだろう。その巨体ゆえにわずか五匹入っただけでその姿は消え去った。だが、ワイバーンの動きが止まった。次の瞬間、五匹のワイバーンは体を無惨に切られた。そこに立っていたのはワイバーンの返り血を浴びた青年だった。
「貴様ら誰に歯向かっているのか教えてやる」
ナイフを構えた青年は一気に空へ跳び、ナイフを投げた。投げたナイフは一匹、また一匹とワイバーンの首を貫通していく。五匹目になって貫通は終わり、ナイフを結んでいた糸で首を切り裂いた。そのまま、遠心力で中間あたりにいるワイバーンの首へ巻き付ける。引っ張ると同時に首を切り落とす。死んだワイバーンと共に自由落下していく青年。 ドスンっと地面に落ち、砂埃を撒きながら現れたのは無傷の青年。
「さあ、来いよ。力の差見せてやる」
ワイバーンは叫びながら降下して青年の所へ突撃した。
Loading ~地鎮ライカがレイシフトをする前に遡る~
先にレイシフトした海月たちはフランスの村、ドンレミに着いた一行は、そこで近くにいたフランス兵に海月が行き、話を聞いた。
その話はジャンヌ・ダルクが竜を従えて魔女として蘇った、と言う内容だった。
イングランド兵は撤退、そしてシャルル七世はジャンヌ・ダルクによって処刑され、オルレアンは占拠された。
それが特異点の原因だろ、と言う考えに至った。
それからドンレミから離れた場所にヴォークルールと言われた廃墟寸前の町に着いた。そこでも情報は得られずどうこうしている内に骸骨兵とワイバーンが襲撃してきた。
ここで海月たちのサーヴァントたちを紹介しよう。
海月のサーヴァントはマシュのほか、二人いる。一人は特異点Fで戦ったアーチャーの英霊、エミヤと別世界から来た女性の宮本武蔵。クラスはセイバー。
立香のサーヴァントは佐々木小次郎のほか、こちらも特異点Fで戦ったアサシンの英霊ハサン・サッバーハとルーマニアの英雄ブラド三世。クラスはランサー。
合計五人のサーヴァントとデミ・サーヴァント一人、マスターが二人、フォウさん一匹で相手することになった。
戦いはあっけなく終わった。エミヤとハサンが弓と投げナイフで射殺し、小次郎がワイバーンへ斬撃を放って終わり。武蔵、ブラドで骸骨兵を二本の刀で斬り、手に持った二本の鉄杭でなぎ払いで終わらした。
海月たちを守るためにいたマシュと謎のサーヴァントのお陰でヴォークルールは守られた。
Loading ~会話抜粋~
「ジャンヌだ」
「魔女がいるぞ」
「も、もうお仕舞いなのか……」
口々からジャンヌ、魔女と言う声が聞こえてくる。
ヴォークルールを守ろうとしたサーヴァントへ視線が向けられていた。金髪の三つ編みを揺らし、白い旗を持った女性のサーヴァントは海月たちへ歩いていった。
「ここではなんです。あそこの森で話を聞いてもらえますか?」
嘘を付いているわけではなかったそのサーヴァントに従って森へ入っていった。
奥へ進んでいくと開けた場所に着いた。
「初めまして私の名はジャンヌ・ダルク。クラスはルーラー。貴女方は?」
「俺は藤丸海月。隣にいるのはマシュとエミヤ、武蔵」
「初めましてマシュ・キリエライトです。クラスはシールダーです」
「エミヤだ。アーチャーをしている。マドモワゼルジャンヌ」
「宮本武蔵、クラスはセイバーをしている。よろしくね」
「それでこっちが……」
「私は嶺上立香、よろしくね。それでこっちが……」
「佐々木小次郎、クラスはセイバー。よろしく頼むでござる」
「我が名はハサン・サッバーハ。クラスはアサシン。よろしく頼むぞ」
「ブラド三世である。ランサーだ」
「私たちはカルデアと言う組織です」
「カルデアとはなんですか?」
ジャンヌはカルデアについて聞いてくる。それに答えたのはドクターロマン。
『ボンジュール、マドモワゼルジャンヌ。僕の名前はロマニ。みんなからドクターロマンと呼ばれている。僕たちカルデアはここから遠い未来、約三百五十年前からきた組織です。目的は特異点と呼ばれる所で起きる人類史では絶対に起きない要因の解明、修復することです。ここまで質問は?』
ジャンヌは首を横に振り、ないと答える。
『それで僕たちに接触した理由は?』
代表で海月が聞く。
「オルレアンの奪還ともう一人の私を倒すのを手伝ってもらいたいのです」
「なぜ、俺たち何ですか?」
「神のお告げで今日来る者たちは仲間にしておけば必ずやフランスを救えると」
「神のお告げって、いくら英霊でもそれは無理じゃない?」
「いえ、私にはミカエル様の声を聞きましたので、確かなことです」
「すまないが、マドモワゼルジャンヌ」
「はい、なんですかエミヤさん?」
「私たちはキリスト教徒ではないためその声はわからないのだが?」
「……確かにキリスト教徒ではないですが、それでも神は、ミカエル様はいると」
「……少し話をさせて」
「いいですよ」
立香が全員集めてジャンヌに協力するか話し合うことにした。
「率直にみんなはジャンヌに協力したい?」
「俺はいいと思うけど」
「目的は一緒ですし」
海月と立香は賛成の意見を言う。
「私は反対だね。第一、事実なのかはわからないからな。もしかしたら、罠に「うわぁ!?」……賛成でもいいな」
ジャンヌの行動で賛成になったエミヤ。
残りもマスターの意見に反対はなかった。
「ジャンヌ、貴方の目的とこっちの目的は同じなので協力しましょう」
「ありがとうございます。では……」
「その前に、みんな戦闘体勢!」
森の中から出てきた狼人集団はサーヴァントの力により撃退した。