作者は無事アルテラさんを迎い入れることができました。ついでにモードレッドも……
炎上汚染都市 冬木
それが今燃え盛り、崩壊した街の名前
私のことを先輩と呼んでくれたマシュと事故によってレイシフトした先
そしてそのマシュはデミ・サーヴァントというものになっていた。
それは英霊の力をその身に宿したというもので、その原理は魔術もなにもわからない一般人の私にはさっぱりだった。
でもおかげでこうして生きているし、この特異点で唯一の生き残りのキャスターに出会えた。
……セクハラ英霊だが…………
だけどそんなセクハラ英霊のおかげでようやくマシュは宝具が使えるようになった。
それが彼女の宝具につけられた名前だ。残念なことに本当の名前はわからないけど、オルガマリー所長が決めてくれた名前だ。
私もいい名前だと思う。
そうして私たちはこの特異点の根源であろう場所へと移動しようとしていた。
そのときである。子供の叫び声が聞こえたのは……
「さて、これでお嬢ちゃんの宝具もいつでも使えるし。行くとするか……」
「………………ぁぁ!」
なんだ?
「……だが気を付けろ、もうこの街ではなにが起きてもおかしくないからな。」
「…………ぁぁぁあああ!!」
『待って何かがそっちに物凄い速さで接近してくる!魔力反応はない!?ミサイルかこれは!?それにしても熱量はそんなには!?』
「ああ、なんていうかだな……おい、マスターの嬢ちゃん少し横にずれな。」
横に?
そう疑問に思いつつキャスターの言葉通り一歩横にずれる。
その時である!
「どどどど、どいてぇええええええーーーーーーー!!!!」
子供の悲鳴が私のすぐ横をありえない速さで通り抜けていった。
そう感じた瞬間
コンクリートの破砕音に、なにかが物凄い勢いで擦れる音が聞こえた。
惨い音だった。
私は恐る恐る後ろを向く。
その動きにギギギギそんな音が皆には聞こえたかもしれない。
そして私の後ろにあったのは
まだ形を残していた家が家だったものに様変わり……
ぶっちゃけ瓦礫の山である。
「お!嬢ちゃん意識ははっきりしているようだな。お嬢ちゃんのマスターならそれぐらいの度胸がないとな。」
「い、い、今のは!?もう!なんなのよ!」
「せ、先輩!?ご無事ですか!?」
キャスターの声に呆然としていた皆が我に返る。
確かに今のはなんだったのだろうか!?
子供の悲鳴が聞こえたが……
そう思っていると瓦礫の山が少しずつ動き出し……
「だらっしゃーい!!」
なにかが山の頂上から飛び出してきた。
蒼い翼に鎧を付けた子供だった。
「い、生きてる。俺生きてるよ!!し、死ぬかと思った!」
「う、うるさいな!俺もあんなに速度がでるなんて思わなかったんだよ!」
誰と話しているのだろうか?
「え!?人!?」
ようやく気付いたというか、思い出したのだろうか?さっき「どいて」と叫んでいたので後者か……
「ああ、第一村人発見じゃん!!」
ここは村じゃなくて街だから街人じゃないだろうか
「え、前に攻撃してきた変な奴がいた?そいつは人っぽくなかったしいいだろう。黒い布で髑髏の仮面だぞ!まともなやつじゃないって……よくよく考えればなんか見たことあるような……なんだっけ?」
また誰かと話し始めた。全く会話が進まない……
「こりゃ時間かかるだろうな。何者かは知らんがあっちにも助力者がいるようだしな。」
『ちょっとちょっと待って、先程貴方はこの街の人は消え失せたと言った。確かにこの地で人の反応はなかった!それじゃあ彼は何者だい!?魔力反応も確認できないし!?』
「魔力反応がない?それ本当でしょうね、嘘だったら容赦しないわよ。」
魔力反応がないというのはおかしなことなのだろうか?
「いいですか先輩。魔力というものは魔術を起動させるための要素。魔力と生命力は同一のものなんです。なので……本来どのような人でも少なくとも魔力反応が出るはずなんです。」
けどあの子供からはそれがないと。
「そうです今まで遭遇したエネミーですらあったというのにあの子からはそれが一切感じられません。」
「ま、そういうことは本人に聞けばいいんじゃねえの!なあ、そこの坊主!」
「フフフ、よくぞ聞いてくれたな。俺こそは世界の平和を守るため。デジタルワールドからやってきたパトローラー!人間界の消失を防ぐため、まだ見ぬデジモンたちの明日のため!テイマー美空大地!!推参!!」
言い争いが終わったのか、先程の子供が胸を張って名乗りを上げる。
確かに青い鎧や翼によって格好はいいのだが……見た目子供なため微笑ましいという思いのほうが強い。
いくつか知らない単語や聞き逃せないワードがあったがそこはあえて流してあげようか……
「あ、あれ?心なしか皆の俺を見る目がかわいそうなものを見たみたいな感じがするような……う、うるさいなあ!アルフォースブイドラモンがそう言えって言ったんだぞ!」
また気になる単語がでた。アルフォースブイドラモンというのは彼の協力者の名前だろうか。
聞き間違いだろうかドラゴンではなくドラモン?まるでパチモンみたいな名前だ。
『ああ、ゴホン!美空大地君……でいいかな?』
「うん?あ、ああそうだけど。これどこから聞こえてるんだ?」
それ君が言うの!?
『ははは、そんなことはどうだっていいじゃないか。それより気になるのは君は何者なんだい?デジタルワールドなるものを僕は知らないし、人間界の消失という話も気になる。』
「なにものって言われてもなー……選ばれし子供?えーっとなぁ、少し説明が長いけど……」
****
『なるほど……つまり人類の発展と共に生じたもう一つの世界があって、歴史改変による人類史の焼却によって君の世界は誕生しないということになる事実を回避するために君は派遣されたと。』
「そそ、いやー結構説明するの難しくて、物分かりのいい人でよかったよ。」
のんきに笑う姿に私は思わず息を飲む。
彼は世界のためにわざわざ異界から派遣されたというのだ。
まだ小さな子供だというのに……
『どう思います所長?』
「そうね……はっきり言って彼の言葉を全て鵜呑みにはできないわ。でも魔力もないのにあの子の力は説明できない。異界からというのもあながち間違いではなさそうね。おそらく私たちとは違う法則に従っていると考えられるわ。」
まあ確かに「私は異世界から来ました。よろしく!」とか言われてもすぐには信じられないよね。
「それで……坊主はどうするんだ。俺たちと共にこの異じょ」
「すげー!!本物のクー・フーリンじゃん!!あれでもコートとか着てたっけ?」
え?
『え?』
「はい?」
「……!!」
「……どういうことだ?坊主、なんで俺の真名を知ってやがる。」
「あれ?間違ってた?……っは!もしや顔が一緒なだけで全くの別人!?それはセイバーだけの特権じゃあ!!これが皇帝特権!??」
どういうことだろうか、この子はまだ私たちの知らないキャスターの正体を知っている?
先程異世界から来たと言ったばかりなのに?
というかセイバーの特権ってなんだ、セイバーは皆顔が一緒なのだろうか?
というか私たちの驚きと共に彼自身も混乱しているようだけど……
「坊主、確かに俺の真名はクー・フーリンだ。だがそれをどうしてお前が知ってやがる。答えな!」
「え!?なんでって言われても……見たことがあるっていうか、知ってるというか……え~っと……」
クー・フーリンってアイルランドの英雄だっけ?
「そうです。アイルランドの光の御子とも言われる、ケルト神話の大英雄です。まさに
「……はぁ~。まあ今更真名のことで騒いだって仕方ねえか。確かに俺はクー・フーリンで今はキャスターだ。それで坊主はこれからどうするんだ?この間みたいに空でも飛ぶのかね。」
空を飛ぶ?
「ああ、こいつ今とは違う見た目だがこの間……といってもお前らと会う前のことだがさっき突っ込んできたみたいに空を飛んでたんだよ。」
「っう!!それは知らないでいて欲しかったなあ……まあ手がかりもなにもないし付いて行こうかな。」
「じゃあ付いてきな。目指すは大聖杯だ。」
こうしてまた一人、この特異点で仲間が増えた。
まだ小さな子供だけどその快活さはこの燃え盛る街で沈みがちな私の確かな清涼剤のような感じがした。
ただ、キャスターの大聖杯という言葉を聞いた瞬間に、少し嫌そうな顔をしたのを私は見逃さなかった。
1話と1話がFGO成分があまり感じられないと思われてるかもしれなかったので今回はぐだ子視点です。
ついでにいうとこの小説主人公は小学校5年生です。設定上は……