俺、連装砲になりました   作:αスタイル

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あらすじ……

突然見知らぬ世界にやっきてしまった俺。
ついに、この世界の敵が目の前に現れる……。


第3話 : 《俺、敵と交戦しました》

 第3話 : 《俺、敵と交戦しました》

 

 

『照月さん!緊急事態です!!深海棲艦が現れました!』

 

「深海棲艦!?まさか、周回に出てた部隊が撃ち漏らしたの!?」

 

 深海棲艦……!

 遂に、この世界の敵とご対面である。しかし、まだロクに練習すら出来ていないのに大丈夫なのか?いや、悠長な事は言ってられない。

 

「実戦だ照さん!フォローを頼む!!」

 

 そう言いながら照さんの方を見る。きっといつも通り、火のついてない葉巻をふかしている…………

 

「や、ヤベェな……どうしたもんかな……手が震えあばばばば……」

 

「て、照さん?照さーん!!」

 

 ダメだ、あのハードボイルドさも、どっか行っちまってる。てか、ギャップあり過ぎだろ!

 仕方が無い!ここは照月に頼むしか…………

 

「ど……どうしよう……緊張でお腹の中から何か出てきそう。そうだ!こういう時こそ深呼吸!ヒッヒッフー……」

 

『いやそれ出す方の呼吸法だから!!』

 

 ダメだコイツら……実戦経験がゼロだ……。

 その時、前方から水しぶきを上げながら向かってくる影があった。ソイツはまるで……そう、黒い鯨もどきだ。

 アイツが深海棲艦……名前に引けを取らない不気味な姿だ。

 

『照月さん!前方、来ます!!』

 

 明石の無線通信にハッとした照月は顔を叩き、前方を見据える。

 

「砲門構え!行くよ照さん!!目標、前方深海棲艦イ級!撃てぇ!!」

 

 合図と共に照さんが砲弾を放った。放たれた砲弾はイ級と呼ばれた深海棲艦に直撃した。

 

「良し!一撃……!?」

 

「何!?あのイ級は……!?」

 

 傷一つ無く、スピードを緩めずにイ級はこちらに向かってくる。

 その行動に照さんが反応する。

 

「マズイ!奴はこのまま鎮守府に向かって自爆するつもりだ!」

 

「クソッ!」

 

 距離はすでに間近にまで迫っている!照月の指示を待っている訳にはいかない!!悪いが命令違反をさせてもらう!

 こう見えても、実戦経験はある!

 俺は照準をイ級に合わせる。船体が今日の高めの波で揺れてる為、照準が合わないが構っている暇は無い!

 俺は第一射撃を放った。ビームはイ級の前方に落ち、水しぶきを上げる。

 

『ギイイイ!?』

 

 イ級も予想外の破壊力に驚いたのか、速度が遅くなる。これならいける!!

 

「狙い撃つ!!」

 

 第二射撃を放った。放たれた第二射撃はイ級のこめかみを撃ち抜いた。

 

『ギイイイイィィィ!!』

 

 イ級は断末魔を上げながらその場で大爆発を起こした。

 その後の辺りは静けさを取り戻した。辺りには波の音が支配していた。まるで、先程の戦闘なんか無かったかのように……。

 

『照月、こちら提督だ』

 

「ひゃい!?て、提督!!」

 

 突如、無線通信で提督から連絡があった。

 

『照月、ご苦労だった。少し話が聞きたい。帰還後、執務室へ来るように』

 

「りょ……了解です!!」

 

 

 

 

 ______________________________

 

 

 

 

 

 執務室……

 鎮守府内でも最高権威を持つ人物、司令官が職務をしている。

 長机に乗せられた大量の資料、そして、その奥に白く光る海軍の制服を着た人物が座っていた。

 

「先の戦闘はご苦労だったな照月」

 

「ありがとうございます」

 

「それでだ、私としては一つ聞きたいことがある。駆逐艦の戦闘能力に関しては私は把握していたつもりだったが……再度、確認する必要がありそうだ」

 

 提督は少しため息をついてから横にいる長身で長い黒髪の艦娘である秘書艦(ひしょかん)長門(ながと)を横目で見た。

 秘書艦とは、提督と共に執務に励む秘書の役割をする艦娘のことである。

 長門は咳払いを一つすると話を始めた。

 

「先程の戦闘をモニターから見させてもらった。私個人としての意見は……駆逐艦一隻を一撃で破壊する威力など、戦艦でなければ無い。つまり、お前の艤装は少々検査が必要だろう」

 

「検査……ですか?」

 

 照月の不安そうな返しに対して更に提督は話を繋げる。

 

「確か照月は連装砲が足りずに実戦に出る事が出来ていなかったな?」

 

「はい、ですので仮出撃前に提出した資料の通り他の連装砲が合うことを明石さんと連携をとって確認した上で出撃をしました」

 

「連装砲ヴァジム……海外艦の艤装の可能性有り……か」

 

 提督は見慣れないこの名を見たまましばらく黙っていた。




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