俺、連装砲になりました 作:αスタイル
明石の検査をから無事(?)帰ってこれた俺に照さんがある提案をしてくれた。俺は気分替えのついでについて行くことにした。
第5話 :《俺、外に出ました》
穏やかだった海に水しぶきが幾つも上がる。
そして、空には多くの戦闘機が飛び交ってお互いを撃ち落とそうと戦っていた。
ここは激戦区となった海域、状況は……良くはなかった。
「こちら大鳳!敵に制空権を奪われました!!」
『こちら那智!撤退命令が出た!敵に圧力をかけながら撤退する!!』
「了解!」
イレギュラー……とも言うべきだろうか?それとも、私達の作戦が間違っていたのだろうか?
「何故……」
何故、ここに戦艦級がいる!?
敵の戦艦級はフードの下からニヤリと笑みを浮かべた。その姿は紛れもなく人の姿、なのに……何がこれ程まで……?
徐々に撤退していく中で、私は油断をした。
直上から敵機が急降下してくる。
『直上!?大鳳!!』
「…………っ!!」
敵機は、自爆攻撃を仕掛けてきたのだ。
第5話 : 《俺、外に出ました》
明石の悪魔の様な光景(腕は確かだった!)の検査を受け、一週間が経った。今回の検査には俺も何かと期待する事がある。もしかしたら、何かしらの元に戻る方法がある筈なのだから。
特にやることも無く、日向に座っていると照さんが声をかけてくれた。
「少年、外に行こうと思っているのだが、一緒にどうだね?」
「外?」
「そうだ、艦娘の宿舎辺りにでも行こうと思っている」
「外って……出れたんだな」
「当たり前だろう?艦娘がここに入ってこれるのだから」
そう言えば、この世界に来てから俺が移動した場所と言えばこの作業場と海だけである。なんとも虚しいものである。
ここについて知るくらいなら問題ないだろう。俺は「行く」と一言行って照さんの後ろについて行った。
外に出ると様々な人が歩いていた。その殆どが青い服を着た作業員であった。
「人間の作業員っていたんだな」
「ん?あぁ、俺達の作業場は明石が持ってるからな、人が入って来ないのさ」
「一緒に作業したりしないのか?」
「彼らはしたがっていたが、彼らには妖精が見えない。だから不可能だ」
そして、妖精が見えるのは艦娘と意思を持つ艤装、そして『資格』を持った人間のみである。
『
連装砲の身である俺だが、妖精は見えなかった。照さんに「明石から検査の時何か言われなかったのか?」と聞かれたが何も言われなかったので体などが悪い訳では無いらしい。
と言うことは……俺の分類は人間とされてるのか?この答えは結局分からないままであった。
「彼らにも『資格』があれば良いのに……」
「そうもいかないのが世の常さ」
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宿舎は各舎艦種によって分かれている。その為、宿舎は規模が大きい。そして複雑である。
「新人はよく迷子になる、離れるんじゃないぞ少年。…………少年?」
まさかと思い、照さんは後ろを振り向いた。
案の定、そこには誰もいなかった。
「……フッ、やるな少年。宿舎に入って三秒で迷子になったのはお前が初だぞ」
そんな事を呟きながら照さんは俺を探す為に歩き出した。
そんな照さんからはぐれた俺は文字通り宿舎内をさまよっていた。
「マズイ……非常にマズイ……」
俺は文字通りの方向音痴である。
作戦行動時などは分かりやすい地図があるから良いものの……日常的になると気が抜けるせいなのか、よく道に迷う。
まさか照さんを角を曲がった所で早々に見失うとは……我ながら呆れるものである。
「どうしたもんかな……体も小さいし……ん?」
歩いていたら、ふと一つのドアが開いたままの小部屋に視線がいった。
その部屋は本当にベッドと丸型の小机しか無かった。小机の上にも様々なものが乗っかっていた。折り鶴なども置いてあるのに違和感を覚えた。
(もしかして……病室か?)
ベッドの上にいる人物の顔が見えない。後ろの方の髪を短く切り、前のもみ上げにかかる部分の髪を伸ばしている事ぐらいしか分からない。その人物が窓の外を眺めていることだけである。その光景に、俺は何故か悲しさを覚えた。その時……
「キュウ、キキュウキュウ〜!」
「んぁ!?島ちゃん!?」
後から付いてきていたのか、それともたまたまなのか……後ろから島ちゃんが俺を追い越して部屋の中に入っていった。俺は慌てて止めようとしたが、静かな「誰?」と言う声に体が反応し、行動を止めた。
「連装砲……?」
『えーと、どうもこんにちは』
こうなる予定ではなかったので言葉が単調なものになってしまった。そもそも島ちゃんが勝手に入っていって俺も入ってしまった時点でアウトな訳だが……。
下手したらこの人のプライバシー侵害になりかねない。
やだよ俺?《連装砲、女性のプライバシー侵害により逮捕》なんて新聞に書かれてみろ!元の世界に帰るどころか、俺の社会的地位が永遠に帰らぬものになっちまう……それだけは絶対にあってはならない!
『いや、あのですね?別に下心があったとかそう言う訳ではなくただ単にこのバカが……』
「島ちゃんの事?」
『え?知り合い?』
「そうよ、よく遊びに来てくれる子なのよ」
『……そうか、畜生ガッデム!』
最悪だぁぁぁ!!
巻き添えで要らん罪を被せられそうになってたのに、自分で勝手に被っちまったぁぁ!!
どうするのコレ!?ガッツリ下心うんたらかんたらとか言っちまったし!印象最悪だよ!『入ってきたヤツ早々に盛ってやがった』みたいな感じになってるよ!
俺は島ちゃんの肩をがっしりと掴んだ。
「何してくれてんだぁぁ!要らん誤解が出来ちまっただろーが!」
「キュウ?」
「『え?』じゃねぇよ!知り合いならそう言ってくれよ!」
島ちゃんはしばらく首をかしげて考えてから「キュウ!」と何かを思いついたのか、持っていた燃料入り水筒をこちらに差し出した。
「キュウ!」
「腹減ったなんて一度も言ってないけど!?頼むから人の話を聞いて!?」
俺達が騒いでいると、痺れを切らしたのか女性は「コホン」とわざとらしい咳をして俺達の注意を引いた。
「取り敢えず……こっちに来ない?大丈夫よ、騒いだりしないから」
……いやもう何か本当にスンマセン。
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