「では、これから班分けの発表を行う!」
アカデミーの卒業試験の日から数日が経ち、今僕たちはアカデミーの教室でイルカ先生から下忍の班分けの発表を聞いている。一班一班が発表されるたびに周りから歓声が聞こえてくる。まあ、これからずっと一緒に行動していくメンバーなんだから当たり前なんだけどね。僕も知っている人と同じになれるように祈っている。
「では次、第七班!うずまきナルト、春野サクラ、うちはサスケ!」
そうこうしているうちにいきなりナルトと同じ班になれないことが判明した。しかし、ナルトとサスケが同じ班か・・・。これはこれで楽しそうな班だな。ナルトはサスケのことをライバル視していて、事あるごとに勝負を挑んでいる。サスケもその度に文句を言いつつも毎回ナルトとの勝負を楽しみにしているとイタチさんから聞いている。なかなかいい班構成だと思う。
「最後の班だ。第十一班!うちはナツナ、屛風シイナ、猿飛シュン!」
なかなか呼ばれなくてもしかして合格扱いされていないの!?と危惧していたけどそんなことは無かった。最後の最後でようやく呼ばれた。うちはナツナはその名の通りうちは一族の人で実技系に秀でている。屛風シイナはアカデミー生の中で一番最初に仲良くなった人で学力に秀でている。2人とも知っている人で良かった・・・。
「もう少ししたら各班の担当上忍たちがここに来るからそれまでこの教室にいろよ」
どうやら担当の先生がこの教室まで直接来てくれるらしい。果たしてどんな人が来るのだろうか・・・と考えていたところで声をかけられた。
「シュン、同じ班だね!ナツナも一緒だし!良かった~」
「シュン、シイナ、これからよろしくね!」
「僕も仲のいい2人が一緒の班で良かったよ。これからよろしく!」
他の人たちも今発表された班のメンバーで集まっているようだ。その後僕たち3人が雑談をしていると教室の扉が開いた。そこにいたのは・・・
「第十一班の3人、オレについてくるように!」
僕の師匠であるうちはシスイさんだった。
僕たちは今シスイさんに連れられて、木の葉の里の演習場の一つにいる。僕も含めて3人とも緊張した面持ちでシスイさんが言葉を発するのを待っている。
「じゃあ、最初に自己紹介にしようか。まずはオレからだな。オレの名前はうちはシスイ、第十一班の担当上忍だ。これからよろしくな!知っている者もいるがシュンから自己紹介をしてくれ」
「自己紹介ってどのようなことを言えばいいんですか?」
「そうだな・・・名前と将来の夢とか好きな物とか、まあ何でもいいよ」
「分かりました。僕の名前は猿飛シュン、好きな物というか趣味は読書で将来の夢は立派な忍になることです。これからよろしくお願いします」
「ああ、よろしくな。では次の子」
「はい!私の名前は屛風シイナです。好きなことは料理で将来の夢は誰かを支えていけるような人になることです。よろしくお願いします」
「よろしくな」
「私の名前はうちはナツナです。好きなことは体を動かすことで将来の夢はうちはの名に恥じないような人物になることです。よろしくお願いします」
「よろしくな。・・・では自己紹介も終わったことだし明日の予定を伝える。明日は朝9時にこの演習場に集合だ。詳しい事は言えないが忍具などの準備をしっかりしてくるように!また万全の状態で臨むこと!」
「「「はい!!」」」
「うん、いい返事だ。今日はこれで解散する。明日は遅れないように」
そのシスイさんの言葉を最後に今日のところは解散となり、それぞれ帰路に着いた。僕は明日のことを考えながら帰った。
翌日の9時、誰1人遅れることなく集合することができた。・・・僕がシスイさんよりも先に着いておこうと思って1時間前に行った時にはすでにシスイさんがいたのには驚いたけど。他の皆が来るまで少し雑談していた。
「みんな集まったようだし、今日行うことを発表する。今日行うことは・・・」
ゴクリと唾を飲み込む音が聞こえた。もしかしたら僕が出した音かもしれないしそうでないかもしれない。
「模擬戦だ」
「「「え?」」」
3人の声が重なった瞬間だった。
「ルールは相手に重傷を負わせるような攻撃はしないこと、それとオレに参ったと言わせることだ。お前たちの実力が下忍に値しないとオレが判断した場合は問答無用でアカデミーに戻されるから真剣にやれよ?」
「!?」
せっかく下忍になることができたのに、アカデミーに戻される可能性があるだなんて・・・。おそらくこれはどの班でも行われているテストのようなものだろう。これは作戦を考えないとな。
「このクナイがオレの手から離れて地面に刺さった瞬間からスタートだ」
そう言ってシスイさんはクナイを手放す。僕の目にはゆっくり落ちていくように見えたクナイが地面に突き刺さり模擬戦が開始された。
(瞬身の術!)
まずは体制を整えて作戦を考える時間が必要だと考えた僕は、模擬戦の開始と同時に瞬身の術を使って森の中に逃げ込んだ。こちらからシスイさんの様子が見えるような位置に隠れることのできた僕は、気配を殺しながらシスイさんの様子をうかがう。どうやら他の皆も無事に隠れることができたようだ。正面からぶつかっては下忍の僕たちが上忍のシスイさんに勝てる可能性は限りなく低い。これはどうするべきか・・・。僕1人がどんなに作戦を練っても・・・
「!?」
(1人!?そうか!そもそも下忍が上忍に参ったと言わせることなんてほぼ不可能だ。これはチームワークを試す目的があるんじゃないのか?)
そう考えているうちにシスイさんが移動した。これは方向的にナツナの方か!ナツナもシスイさんが近づいているのに気が付き逃げきれないと悟ったのか演習場に出てきた。下忍に森の中で戦うという技術はまだ無いから一番戦いやすいかもしれないけど・・・。
≪ダダッ≫
ナツナとシスイさんの戦いが始まった。
「くっ」
逃げきれないと悟ったナツナは自分が一番戦いやすい演習場の場でシスイと戦うことに決めた。しかしやはり実力的に天と地ほどの差がある。いくらナツナが実技系のトップレベルだとしてもそれはアカデミーでの話。下忍と上忍とではやはり差がある。しかも相手はうちは一族でも天才といわれているうちはシスイである。ナツナは押され気味であった。
≪バシッ≫
「わかっていたけど強い!!・・・火遁・豪火球の術!!」
「その歳で豪火球の術が使えるなんて優秀だな・・・だけど!」
「!!」
ナツナが多くのチャクラを込めて放った豪火球はシスイにかわされ、シスイはナツナとの距離を詰めてくる。術を発動させて硬直しているナツナはシスイの速さに対応することができない。
(やられる!?)
そうナツナが思った瞬間に煙が投げ込まれ誰かに抱えられた。そして、そのまま森の中へと移動していった。
シスイはシュンの持ち物である木製クナイを掴みながらつぶやいた。
「今のは・・・シュンか。やるな」
ナツナまであと少しの距離まで詰めていたシスイは、ナツナを気絶させようと手刀を構えていた。しかし目の前に煙玉が投げ込まれ、一瞬ひるんだ隙に木製クナイがこちらに投げ込まれ、それに対処している隙にナツナには逃げられてしまった。
「どうやらシュンはこの模擬戦の真意に気が付いたようだな」
シスイはシュンたちを追うようなことをせずその場に居座った。
「どんな手段で来るのか楽しみだ」
シスイから逃げ切ったシュンたちはシイナと合流していた。
「さっきはありがとう。助かったよ、シュン」
「どういたしまして・・・それよりもナツナ、シイナ」
「どうしたの?」
「普通に考えて僕たち下忍が1人で立ち向かっても上忍に勝てる可能性は低いと思わない?」
「でも、そうしないと私たちはアカデミーに戻されちゃうんだよ?1人でもどんどん立ち向かって・・・1人?そうか!」
「なるほどね。1人じゃなくて私たち全員で挑むべきなんだね」
「そうだと思う。多分この模擬戦の目的は1人1人の実力を確かめるってこともあると思うけど、最も重大な目的はチームワークを見ることだと思うんだ」
「じゃあ、作戦を立てないとね」
「うん、私もこのメンバーならいけると思う」
「作戦は・・・」
シュンたちの初のチームワークが今発揮される。
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