ドウゾ、よろしくお願い申し上げます。
とりあえず回想が終了した俺はエシュロスを解放した。
「エリートの俺様を縛り付けるなんてなんてやつだ!こんなのが俺様のパートナーなんて信じられん」
もっかい縛ってやろうかな。
「一応自己紹介しておくけど、俺の名は秋山進一。秋山製薬社長でお前のパートナーになる男だ」
「俺様はエシュロス。魔界のエリートであり、この戦いで王になる者だ」
「じゃ、自己紹介もすんだし外に行くか。呪文試すんだろ」
俺は本を持ち外へ向かおうとする。
「お、おう。そうこなくてはな」
話をあっさりと信じられ、少し動揺しているエシュロスは俺に続いて外に出ようとする。
その瞬間、
ぐーきゅるるるるるる
エシュロスの腹が鳴り、沈黙が訪れる。
「・・・・・・」
「・・・・・・」
エシュロスは俯き、俺はエシュロスを見つめる。
「まずは、飯食うか」
「・・・・・・っく!早く用意しろ!」
飯を食べた後、俺たちは山へと来ていた。
俺が住んでいるのはなんと北海道。
少し奥へ入ってしまえばすぐさま圏外だ。
ここなら呪文ぶっぱなしても問題ないだろ。
「さあ!進一呪文を叫べ。その力を俺に見せてみろ」
「・・・・・・口に食べかすつけてるぞ」
エシュロスはハンカチで俺から隠れながら口を拭う。
飯時にフライドチキン出したら、最初はナイフで食べてたのに味が分かった瞬間に手掴みで飛びつくように頬張ったからな。
拭い終わったエシュロスが構える。
とりあえず読むか。
呪文に感情を込めてと・・・・・・
「第一の術『グランダム!!!』」
俺たちのいる少し前から左右から土壁が出現した。
そして元から目標にしていた案山子を挟み込み、押し潰した。
うーん、凄まじい威力だな。
母が死にそうな時に俺が病院に忍び込んで特効薬を作ろうとした時の気持ちを込めたんだが、やっぱり強かったな。
あの時はしこたま怒られたが良くなって良かったな、母さん。
術を解くと標的にした案山子が粉微塵になっていた。
技を出した本人であるエシュロスも唖然としている。
とりあえず、
「帰るか」
俺はエシュロスを担ぎ上げ、家路に向かった。
それにしても最初の呪文は小技な感じかと思ったがなんとも使いづらい技だな。
挟むだけだなんて、応用が少なくて泣けくるわ。
技使用時に地面に手をつけてしまうのも微妙だな。
これ、今敵現れても勝てる気がしないぞ。
人はこれをフラグという。
山を下山し、人里辺りまで降りてくると目の前には偶然にも俺と色違いの本をもった男と首を抱えた鎧が立っていた。
「こっちから向かおうとしてたがラッキーだったな。そしてお前はぁ!アッ・・・・・・・・・ッン、ラッキー!!!」
「わあ、面倒くさそうだな」
つい、声に出てしまった。
いや、サラリーマンにそんな事言われたらそう、反応しちゃうよ。
ビックリしたもの。
それにしてもこんなに速くエンカウントか。
「進一!構えろ!!」
「やるしかないか」