ダンまちで下界に降りる神の立場になるブラゲーで遊んだら 作:名無しの神様
アンズー村では直ぐに村に1軒しかない宿屋兼酒場に向かった。こちらの宿屋は24時間制ということで午前11時ころ入れば翌日の午前11時まで部屋を使えるとのこと。夜8時に着いたならば日夜8時まで使えるそうだ。
とりあえず2人部屋を48時間分頼み、昼飯を摂った。その後荷物を2階の2人部屋に上げて夜まで寝ることにする。疲労補正が夜には取れていると良いが。
主神と眷属が寝ている間の15分間(ゲーム内時間で6時間)で蛙の戦闘結果の確認と眷属ができたことにより新たに有効になったファミリアメニューの確認をした。
ログアウト中にもどんどんゲーム内で月日が過ぎていくので、ファミリアメニューから毎日の日課を設定できるのだ。
例えば主神アントニオには情報収集、眷属候補捜索、眷属訓練:格闘術を設定。
そしてフランクには訓練:師匠アントニオ神(格闘術)、狩(生命優先)を設定すれば次のログイン時にそれまでの行動結果のレポートが確認できる仕組みだった。
また、ホーム指定とホーム倉庫が指定できるようになっていた。宿屋はホームとしては使えないの、現状ホーム無しとなっていた。ホームがあればホームインベントリ枠が設定されて荷物を保管できる道理だ。現状では襲撃現場より、ここまで運べたポーションとか雑貨とか護衛から剝ぎ取った革鎧、剣、弓などが個人のインベントリに入っていた。
夕食に降りると他の行商がいたので情報交換をした。この地域でモンスター出没件数が増えているのに間引きをしていないので隊商など旅人が苦しくなり、往来が大幅に減少しているとのこと。ここはど田舎なので騎士や兵なども近くにはいないので冒険者頼りといいたいがゴブリンだの蛙など群れると怖いモンスターは魔石が極小でモンスター狩りでは割に合わないので、腕の立つ連中は普通の動物を狩っているとのこと。そういえば蛙を倒しえて得た30個以上の爪の先ほどのおおきさの魔石はどこかでどのくらいのレートで換金可能だろうか?
この村では村長が1個5ヴァリスで引き取るそうだ。村長宅には魔石を使う魔道具があるとのこと。行商人ならば街に行けば雑貨屋などに10ヴァリス位で売れるので、5ヴァリス位で引き取る商人もいるとのことだった。田舎の物価はオラリオに比べればとても安くて2人部屋に泊まって3食外食すると、生活費が2人分で1日300ヴァリス程かかる。毎日モンスター60匹倒さないと生活できないことになる。フランクと二人でモンスター狩りしても毎日60匹はつらいだろう。そんなに遭遇するかどうかもわからない。
やはりオラリオ以外では冒険者稼業では食っていけない経済モデルだった。どうしよう?
翌朝は広場で売れるものだけは捌いて換金することにした。ただし武器、防具、ポーションは自分で使うから非売品。フランクは商人見習いだけあって計算もできるし客あしらいもできるし、行商人で食っていこうかな。結局午前中でわずかばかりの陳列商品は完売した。
もとから行商で持っていたお金と合わせて所持金は一万ヴァリスちょっととなっていた。襲撃地点からもってこられなかった商品を取り行くべきか悩むところだな。馬と荷車をレンタルできないかな?まー無理だろうなぁ、この田舎の村では。
午後は広場でフランクと格闘術の訓練を、あえて周りに目立つように実施した。格闘神が来臨していることを広く知ってもらって、しかも武の才能の有無も鑑定できることを宣伝した。村長の3男が見物に来て武の才能有無を鑑定しろといってきたので1000ヴァリスの値段付けしたら、値切ってきた。500ヴァリスまで下げたら商談成立、残念ながら才能はみつからなかったので金を返せと言われたが神威をちらつかせて断った。才能があればこの村を出て兵士か傭兵になることを考えていたようだ。3男は大変だよね。教育があるのだから商人の道も考えるように諭した。今後500ヴァリスで才能鑑定を受けるように日課に設定した。この村でほかに500ヴァリス出してまで才能鑑定を受けたい次男他は何人いるのだろうか?とりあえず主神も眷属も放置、じゃない、日課モードにして、今後の戦略を考えよう。
その日の夜までに集まった情報はこの地域と村の情報だけだった。また金を払って格闘術を学びたい村人も、新たに鑑定を希望する村人もいなかった。明日から近くの一番大きな町を目指して移動するかフランクと2人というか1神1眷属でモンスター狩りをして地域に貢献しながらしばらくこの村で金が心配になるまではその日暮らしをしようか。
そんなこと考えていたら広場に若いヒューマンの女が現れて会話が始まった。
「すみません。大変ぶしつけですが父が怪我をして、傷口が膿んで高熱を出しています。哀れに思ってポーションを譲ってください。」
商人にただで商品をくれってか?本気かこの娘?
とりあえず鑑定したら武の才能と気配隠蔽の才能がある。
興味が天を突きそうに湧き上がったのでフランクとともにシャーリーンという名の娘の家に向かうことにした。
道すがら、シャーリーンの父は猟師で自分も手伝っているのだが、今日の狩で森の中でいきなりゴブリンに襲われて、撃退はしたけれども父が足に切り傷を負った話をした。その傷口が家に帰るまでに膿んでしまい、数時間後に足が腫れて高熱を出したとのことだった。因みにこの村には薬師も医者もいないので、このようなときはポーションを飲むのだが、手元不如意で買い置きがないうえに、村の雑貨屋の在庫もなければあっても買うお金もないそうだ。
薬神だったら診断も対応もできるが、あいにく格闘神には知識も経験もない、ただプレーヤー知識として破傷風の疑いが強いと感じた。手持ちのポーションに抗生物質と同様な効き目があるポーションがあるのだろうか?
フランク曰く売り物ではないが同様な症状への対応策として行商ならば持っているポーションが1瓶あるそうだ。これはビジネスチャンスである。