※修正中。鬼の瞳に映るは人の業   作:奈々歌

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どうも奈々歌です。

まだまだ初心者なので表現が分かりずらい部分などあると思いますが、よろしくお願いいたします!時系列的には、あいが地獄少女になってしまってから数十年後くらいになります。

それではどうぞ!




古い「鬼」の言い伝え。

「七つ送り」―――六道郷で行われていた七年に一度七つのなった子を捧げ、村の豊作を願う儀式。

 儀式の「贄」。つまりは人柱。

 その人柱に選ばれてしまった少女「あい」

 あいと親しかった少年は少女を庇う為、匿う為、村から二人で姿を消した。

 

 二人は里から離れると、山の中にある洞窟で何年も一緒に暮らし始める。

 食料や衣類は里で少年とあいの従兄妹であり、唯一の友人であった仙太郎が、あいの両親から預かり運んでくれていたので困ることはなかった。

 

 あいは人柱の儀式が行われた後に姿を消した為、村人たちは生きているものとは思っておらず、探すものはいない。

 同時に少年も姿を消したことに疑問を持つものもいなかった。

 

 六道郷であいは「物の怪」と気味悪がられており、少年も近隣の山中で、賊に襲われたらしく、両親を亡くし、彷徨っていた所をあいの両親が見つけ連れてきた子供であった。

 どこか人の子らしからぬ不気味な目をしていた少年は村人から恐れられ、避けていた。

 本当に「人の子」なのかと……。

 

 そもそも村人に受け入れられていなかった少年は、親しい友人であったあいが人柱にされたことで、自ら村を出ていったものだと思われていた。

 行方を知っているとすれば少年と暮らしていたあいの両親となるのだが、その二人が少年の姿を見なくなった。探してほしい。などと村人に言ってしまえば、誰も探さないし疑わない。

 恐れていたもの。気味の悪いものが村からいなくなってくれたのだから―――。

 

 そんな少年だったからこそ、あいを匿い、生き延びさせるには適任だったのだ。

 

 二人が隠れ暮らし始めて数年が過ぎたある季節。

 水浴びをしたいと言うあい。

 あの日から数年の月日が流れた。

 少年は大丈夫だろうと思い、洞窟から少女を出してしまう。

 それは油断だったのか、軽率な考えだったのか。

 それ故に六道郷の村人にあいが見つかってしまい、生きていることが知られてしまった。

 

 後悔する時も無く、村の大人たち、大きく成長した昔の顔を知る子供たちに二人は抵抗もむなしく捕らえられ、六道郷へと連れ戻される。

 そしてあいは再び「七つ送り」の人柱とされてしまった。

 

 あいを「七つ送り」の人柱としてから、村では謎の不作が続いていた。

 六道郷では、人柱であったはずのあいが生きていることが原因であるとし、村人たちはあいと匿うことに手を貸していた両親を掟破りの罪に問う。

 

 神木の下で、生き埋めにして殺してしまうしか償うことは出来ないと―――。

 

 あいを両親と共に匿い、村に災いをもたらしたとして、手を貸していた仙太郎は自身の両親と共に村人と生き埋めを手伝わされた。それで許されたのは幸だったか。

 

 一緒に暮らした少年は重い罪を課せられた。

 あいを守るべく、救うべく、最後の最後まで抵抗を続けていたが、村人に刺され、殴られ、殺されて。人が立ち入らないような山奥へと投げ捨てられた。

 

 少年の意識が遠のいていく中、聞こえてきたあいの悲痛な叫びを忘れることはない。

 

 ―――怨んでやる。……お前ら全員怨んでやる。

 

 あいを守れなかった少年は怨みの念により「人の子」を捨てた。

 動くはずのない体が黒く包まれる。

 生まれ変わる。

 まるで少女の悲しみを、怒りを、憎しみを、その身で体現するかのように―――。

 

 これは「鬼」と化した少年。「柊 真琴」の運命を綴りし物語。

 

 

 †

 

 

 ここは六道郷があった山の麓に位置する小さな村。

 その村には一つある言い伝えがあった。

 それはその昔。郷の一つが全焼した火事があったとされている山には一匹の「鬼」が出る、というもの。

 

 あの山には「鬼」が棲んでいる。

 だから何があってもあの山には立ち入ってはならない。

 

 これが村に伝わる伝承。

 村にいる子供は小さい頃からこの話を皆耳に胼胝ができるくらい聞かされる。

 人食いの「鬼」が出るという昔のお話。

 

 村で暮らしている一人の少女。

 その子の家はごく普通の農家の家。

 そんな少女の家でもその話は外へ遊びに出るたび、父から聞かされていた。

 

「ねぇ、その「鬼」って悪いものなの?」

 

「人食いの化け物だからね、良いも悪いもないよ。だから決してあの山には近づいてはいけないよ? 食べられてしまうからね」

 

 この話に少女はある一つ疑問を思う。

 でも、きっとそれは村の皆も気が付いていると思うこと。

 そんな恐ろしい「化け物」だったらどうしてお祓いしてもらわないのか?

 なぜ村を襲ったりしないのか?

 ひょっとしたら「鬼」なんていないのではないか?

 そんなことを少女は考えていた。

 

 そう、彼……「鬼」に出会うまでは―――。

 

 

 †

 

 

 夕焼け。辺りは朱色に染まった頃。

 二つの影があぜ道に照らされていた。

 

「ねぇ、兄さんはあの話信じてる?」

 

 少女は歩きながら隣にいる自分の兄へと問いかける。

 

「言い伝えなんてほとんどが作り話だろ? 山に入って何かあったら困るから、怖がらせて俺たちみたいな子供が山に入って行かないようにしてるだけよ、あんなのは」

 

 兄さんと呼ばれた少年は、頭の後ろで手を組みながら妹にそう答えていた。

 確かに兄の言う通り、そういった話はあるとは思う。

 でも「鬼」の話をする村の大人たちの反応はとても作り話をしている雰囲気とは思えなかった。

 

 私の両親みたいに、まだ若い大人の人たちは、伝承を子供たちへ自分たちが聞かされてきたようにただ話しているだけ。

 でも、昔からこの村に住んでいる村長さんやお爺さんお婆さんの中には、本当に「鬼」を見たことがあるかのように怯えた様子で話す人もいるのだ。

 

(どうしてなんだろう……?)

 

 少女がそんなことを考えていると後ろから黒い影が迫ってくる。

 だが、少女は気が付いていない。

 

「危ないっ!」

 

「―――えっ?」

 

 突然横から兄が腕を引っ張ってきたので、少女は間の抜けた声を出してしまう。

 そして少女は兄に抱き寄せられるような形で黒い影を避けていた。

 

 先程まで少女がいた場所を、微風を起こしながら通っていったのは一羽の鳥。

 黒い影の正体は『(カラス)』だった。

 

「大丈夫か? 怪我したりとかしてないか?」

 

 鴉が通り過ぎていったのを確認すると、自分の胸に抱き寄せていた妹に心配の声を掛ける。

 

「ありがとう兄さん。………あっ!」

 

 兄にそう言われて自分の体を確かめているとあることに気が付く。

 頭を触った時、髪をまとめていたある物が無いことに……。

 

「ない………。父さんが買ってくれた髪飾り………」

 

 小さい頃、村にたまたま立ち寄った商人が売っていた物の中から父が買ってくれた大切な髪飾り。父が珍しく女の子が喜びそうな物を選んだことに母も驚いていたことは今でも覚えている。

 大切な物なのに……、と少女は涙ぐむ。

 

(カラス)は光り物が好きだからなぁ、でもこの辺の鴉たちの巣って―――」

 

 少年は妹の様子を見ながら、そう言葉を区切る。

 視線は(カラス)が飛んで行った方角。

「あの山」へと向けられていた。

 

 入ってはいけないとされる山。

「鬼」が棲むとされる山。

 この辺りの(カラス)たちは「鬼」の棲むその山に巣を作る。

 村の周りには他の山もあるのだが、何故か(カラス)たちは好んでいるかのように「鬼」の棲む山に集まる。

 人が立ち入らないからなのだろうか?

 

「―――仕方ない、諦めよう。ちゃんと話せば父さんも分かってくれるさ」

 

 もし言い伝えが嘘だとしても、こんな時間から山に入るのは危険だ。

 そもそもの話、どの鴉の巣かも分からない。

 兄として妹の大切な髪飾りを取り返したい気持ちはある。

 でもここは日を改めて、明るいうちに大人の人にも頼んで探しに行こう。

 

 考えた少年は、その趣旨を妹に伝えた。

 

「………うん。分かった、帰ろう兄さん。わがまま言って兄さん()()怪我させたくないし」

 

 最初は頷かず、ただ「あの山」を見つめていた妹だったが、理解してくれたようで二人は帰路につく。

 小さい頃はわがままが多かったのを思い出した少年は「成長したなぁ」と心の中で思いながら安堵していた。

 

 だがその時、妹の言葉に隠された本当の意味に気が付いていれば、あんなことにはならなかったと後悔することになるとは思わずに―――。

 

 家についた二人は正直にあった出来事を父と母に話した。

 (カラス)に髪飾りを取られたこと。

 その(カラス)が「あの山」に巣を作っていること。

 それと、ごめんなさい。

 

 そんな二人を見た父と母は、顔を見合わせた後、二人に怪我がなかったことに安堵していただけで、髪飾りのことには怒らなかった。

 

「なに、また機会があったら買ってやるさ。おまえは兄と違って、ちゃんと物を大切にするからな」

 

 そう言うと、少女の頭を父は優しく撫でる。

 一人だけ「兄と違って」と言われて怒っていたが、皆が皆、笑顔だった。

 明るく幸せそうな団欒のまま、夜は更けていく。

 家族は床についた。

 

 暫くして皆が寝静まると、一人が起き上がり家の戸をそっと開け、外に出る。

 

「兄さんの話が本当なら大丈夫だよね………、ちゃんと戻ってくればいいんだし」

 

 少女は走り出し、一人で「鬼」が棲む山に足を踏み入れて行く―――。

 




本当は小説を読んでから書きたかったのですが、入手することが出来ず、アニメやネット知識のみで書いていくので、ここ変だよ? などありましたら教えていただけると嬉しいです<(_ _)>


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