Fate/Fascinate 作:眠くて寝たい
ある物語は、一人の少女が岩に刺さった選定の剣を引き抜いたことから始まる。一国の主であることから、男であることを余儀無くされた、少女の物語。人呼んで、アーサー王物語。
だが、忘れてはならない。後世に、魔導王と呼ばれ、畏怖されることになる、一人のキチガイな青年の魔術師がいたことを。その者の名は、マーリンといった。
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突然だが落ち着いて聞いて欲しい、某株式会社に勤めていた凡人の俺が、気が付いたらマーリンに憑依していたんだ!
はいそこっ!コイツアタマオカシインジャネェノ、とか思わないよーに。一応どんな状況か伝えると、
気が付く↓
見たことない部屋↓
知らない体↓
金髪碧眼の帯剣少女登場↓
「魔術教えて」↓
「何それ?」↓
「稽古して」↓
「君の名は?」↓
「何言ってるのマーリン、アルトリアだよ」↓
ええ!←イマココ
…今は稽古とやらに付き合っている時間はないと言って、丁重にお帰り頂きました。
・自分の名前、マーリン
・魔術なるものの存在
・金髪碧眼の少女の名前、アルトリア・ペンドラゴン…だと思われる
・クローゼットと思われる中身、白い聖骸布
ふむ、成る程、型月世界ですね分かります。(錯乱
最初は趣味の悪い夢だと思ってたさ。一週間位経つまでは。どれだけ痛みを加えても、夢から覚める気配もなし。ここでアルトリアからの一言。
「大丈夫マーリン、最近元気ないよ?」ウワメヅカイ
よし、やったろーやないか。
上目遣いで墜ちる程、ロリンンッ、ではないと思っていたんだがなぁ、、
ブリテンは英語圏なのに普通に会話出来てる件について。…成る程ご都合主義ですね分かります。
そんな訳で、今は魔術の勘を取り戻そうとしているところだ。因みに、アルトリアがまた稽古つけて、と言って来たが、やることがあるから、と言って断った。…goでキャスターで呼ばれる筈なのに、魔術?何それ美味しいの?状態じゃ一瞬で退場だからな…急ぎで魔術の勘を取り戻さなければ。
ああ、それと、魔術が難なく使えるようになり、準備が整ったら、飯テロでもヤッチャルデ〜…流石飯マズ代表国、飯のマズイことマズイこと。これは一刻も早く改善しなければ。とは言っても、今は魔術が先決だが。だってよー、アルトリアが、
「今日も、稽古、ダメ、ですか?」ウワメヅカイ
って言ってくるんだもん!!それで断ると、ちょっと泣きそうな顔するんだぜ?元々善良な市民である俺は、小さな少女を泣かせてるってことで、罪悪感があるんよ。どうすりゃいいと思う?
そりゃあ勿論魔術を十全に使えるようになればいい話だが、難なく使えても、難度の高い魔術はそうはいかないし、失敗したら恥ずいし、どうするか。
あ、そういえば、二人きりの時はアルトリアって呼んでる。もち公式の場ではアーサー王とか王って呼んでるけど。アルトリアって呼んだ方が機嫌が良くなるんだがし、二人きりの時はなんか熱い視線を送ってくることがあるんだが…何でだろうな?
sideアルトリア
ある日。いつも日が昇って少し経った頃には王城に来ているマーリンが来ていないことに気付き、探してみることにした。稽古もつけて欲しかったし。
けど、マーリンの部屋に行ってもいないし、周りの人に聞いても分からないと言う。偶々聞いたのが、まだ実家でゴロゴロしているのでは?ということだった。しかし、実家があることは知っていても、肝心の場所までは知らないときた。そこで恥を忍んで兄上に頼みこんで教えて貰った。勿論怒られたが。
「いくら私の義妹とは言え、お前は一国の王なんだぞ!王自らが護衛もつけずに部下を探しにいくなど…」
まただ。”王だから”。たった一つの理由だけで私の願いは却下される。私はもう少し自由に生きたいだけなのに。でも、
「ダメ…?」ウワメヅカイ
って言ったら、
「つ、次はないからな!」
って許してもらえた。…兄上、どうしたんだろう?(確信
そんなこんなでマーリンの家に行ってみたんだけど…マーリンってこんな所に住んでたの?周りの大半が森で囲まれてるんだけど…
取り敢えず家の中に入ってみることにした。
「マーリン、居る〜?」
少し間が空き、
「ああ、何だ?」
返答が返ってくる。ん〜体調が悪いって訳でもなさそう…
「ねぇ、何で今日はお城に来ないの?」
「え?城?…ちょ、ちょっとやる事があってさ」
「ふ〜ん?…まあいいけど、じゃ、いつもみたいに魔術教えてよ」
「魔術?何それ?」
「稽古の事だよ?」
…今日のマーリン、どこか変
「ああ、稽古のことな。…でもちょっと、やる事があってさ。それに俺、お前のことなんて呼べばいい?」
「何言ってるのマーリン、アルトリアだよ」
…おかしい
「っとああ、じゃこれからお前のことアルトリアって呼ぶな」
…え?
ただの一言で、私は固まってしまう。
「?どうした、アルトリア」
「〜っ何でもない!」
その響きに、私は蕩けてしまった。
マーリンが、私のことを、王としてではなく、一人の少女として、呼んでくれたから。ブリテンの王となってから、私をその名で呼ぶのは兄上位だったし、兄上でさえも、その名で呼ぶのは極偶にだったから。
「きょ、今日は帰る!」
「お、おい、アルトリア!!」
脇目も振らずに来た道を走る。
…ドンッ
誰かにぶつかってしまった。
「ご、ごめんなさい!…なっ、兄上!」
「心配して来てみれば…だから言ったのだ!護衛もつけずにあの様な何を考え居るのか分からん奴の場所に行くなど…」
何か勘違いしてるみたい。
「違う!これは私が勝手に行動してるだけ!マーリンは何も悪くないんだから!」
私の剣幕に伸されたのか、兄上は、
「そ、そうか、それならいいんだが…」
と言った。その後はそのままお城に帰って行った。
そんなこんなで一週間が経った。今でも稽古に付き合ってくれなくて少し寂しい。けれど、二人きりの時はアルトリアって呼んでくれて凄い嬉しい!…流石に公共の場ではアーサー王って呼ばれたけど。
最近のマーリンは何か悩んでるみたい。なんでだろう?マーリンが暗いと私もどこか辛い…でも、不意の笑顔は、とても素敵だと思うし、実際、マーリンの笑顔を見るだけでドキッとしてしまう私が居る。こ、これはきっと…そ、そう!師匠に対しての親愛なんだから!!
それはさておき。マーリンには、
「大丈夫マーリン、最近元気ないよ?」ウワメヅカイ
って言ったら、吹っ切れたみたいだった。それでも、稽古に付き合ってくれる訳ではなかったけれど。
吹っ切れてからというもの、マーリンは前よりも厳しく鍛錬しているらしかった。そんなマーリンの姿を見ているだけで私は…はっ!こ、これは違うんだから!私は別にマーリンのことが好きって訳では…どうしよう?マーリンと二人きりで居るだけで赤面してしまう私。…ああ、もう、私はこれから、どうすればいいの!?