『彩雲国記』雲ハ何ヲカ求ムルヤ   作:緋槻

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性懲りも無く新しいものを書き始めてしまいました。原作があるぶんやりやすいところはありますが……
うーーーんというか名前変換出来ないのに夢小説って言えるんですかねぇ………

とりあえずこの作品は一つの物語を完結させるということに心血注ぎます。ので内容の稚拙さにはちょっと目を瞑っていただけたならと思います。が今年から受験生なので………はい。すいません!!


始まりの色は ❶

「ねぇ、陵王様。何故、私を拾ったのですか。」

 

「気が向いたのさ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

一一一一一藍州府

私は何度も同じ問を繰り返す。そしてその度に返ってくる答もまた、同じ。

もう何回もしたやり取り。だけどどうしても繰り返してしまう。あれ以上の答が返ってくることなどありはしないのに。

 

 

雲 ヒスイは6年前、白州で現藍州州牧、自他共に認めるイケイケなオジサマ一まだ三十代だけど一孫陵王に拾われた。別に生活に困って口減らしにあったわけではない。なにせヒスイは白門筆頭雲家である。でも、もう、残っているのはヒスイだけ。

 

 

 

 

 

大業年間が終わってからも多くの貴族が、破滅の妖公子と呼ばれた紫殲華によって次々に滅ぼされていった。ヒスイの生家、雲家も同じ。当時彼女はわずか五歳。一族のものが次々と消えて往くなか、ヒスイは一人、離宮と呼ばれた奥の一室でただ座っていた。

他の者のように消える気にはなれず、かといって自害するにはヒスイはあまりに幼く、力がなかった。だから、ここまで殲華がたどり着くのを、殺されるのを、待つ、

 

 

 

 

一一一一一一はずだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドン、という音がして離宮の重厚な扉が木っ端みじんにぶっ飛んだ。

 

 

 

……………………は?

 

 

誰だせっかくのシリアスっぽい雰囲気ぶち壊しやがったのは!!

なんか急に、死ぬのやめようかな…なんて思うくらいには腹が立ってきた。さっきまでは殺されてもいいかと思っていたのだけれど。

 

 

とりあえず一言文句言おうと思う。

 

 

 

 

 

「ん?おおお良かったーーー!!人、居んじゃん!!!!」

 

 

目の前に現れたのは柄まで真っ黒な規格より刀身が長い剣をもった、これまた真っ黒な人。

 

 

 

 

 

「………なにを、しにきたのですか。」

 

「何って、散歩のついで?みたいな?」

 

散歩だと?ふざけているのかこいつは。もうすぐで紫殲華がここを滅ぼしに来るというのに。主家である白家にも見棄てられたと云うのに。

 

 

 

「あなたはばかなのですか。」

 

「ちょ、真顔でなんて事言うのさ。お嬢ちゃん?」

 

「あなたはばかです。」

 

お嬢ちゃん?なんか、イラッときたから断言してやった。ら、ちょっと傷ついたカオしてから、ふっと笑った。

 

「はは、ひでぇな。けどその言い方旺季に似てんぜ。よし、嬢ちゃん、俺と来い!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

………………………………はい?

 

「どこに?」

 

「うーん………どこって言われても俺も家出てっから……どこ行きたい?」

 

「……ほんとにばかだった」

 

思わず笑ってしまったじゃないか。この私に何処へ行きたいか、なんて。

私は此処を出たことなど無いから、外の世界なんて知らないから、何処へ行きたいかと言われたところで何とも返すことなど出来ないのだ。

 

 

「……………では、あなたはわたしをどこへつれていってくれますか?」

 

「嬢ちゃんが行きたい所、見たいもの、知りたい事……何処でも連れてってやるよ。」

 

決めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「では、王さまがくるまえにはやくここをでねばなりませんね。」

 

「おう、それなんだが何でこんな本邸から離れた行きにくいとこにこの部屋あんだ?お前まだちっちぇえのに。俺凄え迷ったわ。」

 

「でしょうね。わたしについてきてください。」

 

ぜったいにはなれないでくださいよ!と念を押す。

 

「いちどまようとしんじゃいますから。」

 

「まじかよ……」

 

「まじです。」

 

この離宮はもともと私の母の為に建てられたもの…らしい。というか母は雲家では珍しく白家に主を見つけたそうなのだが、あまりにも凄惨たる策を弄しむしろ味方に恐れられ、母の主と敵対していた派閥に此処へ押し込められたそうだ。その時、母はならば、と簡単には辿り着けないようあえて複雑怪奇な罠やら仕掛けやらを掛けまくったらしい。

 

そして母が此処へ籠った僅か四ヶ月後に私が生まれた。

 

「これでもあのひとのむすめですし、ときどきですがほんていにもいきますからだいじょうぶです。まよいません。」

 

面白がってか、面倒がってか…本心はわからなかったけれど、母はこの涙も容赦もない仕掛けを私の遊び場にしていたから、解ける。

 

「どうやらおうさまがくるまえにでられそうですよ。」

 

「やるな、嬢ちゃん。」

 

「どうも。」

 

「殲華はともかく、黒髪の宰相が来ると面倒だったからな。あいつなら、この仕掛けくらい容易に解ける。」

 

………凄いな、その人。これ初見で解くのか、人じゃないぞそれ…

 

「なにはともあれもうすぐしゅうとのちかくへでますよ。みつからなくてなによりです。」

 

 

 

 

 

 

 

────────白州最大の都市、灯烙<とうらく>

 

 

 

「そととは、こんなにもにぎやかだったのですね。」

 

思わずぽつりと呟く。初めて見る物や聞こえてくる言葉、活気が溢れてどれもがきらきらして見えた。

 

 

 

 

 

「………ありがとう、ございます。あそこからだしていただけて。」

 

 

 

闇色をした人はニヤッと笑って「おう、」とだけ言うとぐしゃりと私の頭を撫でた。

 

 

……………………………涙が出そうだった。

 

 

 

 

 

 

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