PROBLEM CHILD DEVIL WHO COME FROM ANOTHER WORLD ~創造する者達の原典と運命を導かれる交響曲と箱庭の神魔大戦 作:タケノコ屋
本作はPROBLEM CHILD DEVIL WHO COME FROM ANOTHER WORLD(プロブレム・チャイルド・デヴィル・フー・カム・フロム・アナザーワールド)の前日譚で、壱松銀太の章、野崎優の章、秋月あさぎの章、出会いの章、白ウサギの章、始まりの章の計6つの章が構成されたプロローグで、主人公3人の幼少の過去と出会い、白ウサギの幼少時の頃と1話に繋がる出来事が描かれており、一話を読む前にこれを読めば、白ウサギがどのようにして、銀太達と出会ったのか、これを読めばわかります。
オリジナルキャラとして、ルートヴィッヒ・グリムやリュート、魔王アジ=ダカーハを凌ぐ強大な力を持つ人類最終試練(ラスト・エンブリオ)、アルマゲドンなどが登場し、特に白ウサギの章では原作に起きた魔王アジ=ダカーハにより黒ウサギ達“月の兎”の故郷である“月影の都”を襲撃した事件で、その裏では白ウサギや箱庭の世界の存亡をかけて死闘を描かれており、1、2話に登場したレイチェルの秘密や実力を見せる事になり、さらに「NAMCO x CAPCOM」のオリジナルキャラクターである小牟(シャオムゥ)が登場、ジョジョに登場する波紋使いの設定を加え、風のクロノアの敵キャラであるジャンガと互角以上の戦いを繰り広げるなどの戦いや魔王アジ=ダカーハを凌ぐ強大な力を持つ人類最終試練(ラスト・エンブリオ)であるアルマゲドンを相手に恐れず立ち向かうなどの活躍も必見です。
また、白ウサギの秘密の一部が明かされますが、それはこれを読んでからのお楽しみです。
では、プロローグ「問題児の魔王達のとある日常と箱庭の冒険の序章(はじまり)」ご覧ください。
プロローグ「問題児の魔王達のとある日常と箱庭の冒険の序章(はじまり)」
プロローグ「問題児の魔王達のとある日常と箱庭の冒険の
これは三人の問題児の魔王達が白ウサギの力に巻き込まれて箱庭へ飛ばされる前のお話で、まだ幼い頃の三人の出会いと冒険の始まり、そして、物語の序章でもあった・・・・・。
壱松銀太の章
10年前、とある養護施設。
職員「すみません。わざわざ遠くから出向いてくれて・・・・」
女性「いえいえ。あの子を養子にする事を夫と決めたのですから構いません。」
職員「で、でも・・いいのですか?。彼は幼い頃に両親に捨てられて、転々と施設に回されて、ここへ来たのですが、誰にも心を許していないのです。そんな子を養子していいのですか?。」
女性「はい、子供もない私達にはああいう子は育てがいがありますから。」
職員「そ、そうですか。わかりました。案内します。こちらです。」
職員が案内した子供達が遊んでいる遊戯室に入る女性。子供達が遊んでいる中、隅っこで、空を見ている子供がいた。
職員「銀太君。君のお母さんになってくれる人が来たよ。」
銀太「・・・・・・」
無愛想な顔つきに鋭い目つきで睨む幼い少年。誰も心を許さない様子で、女性に対して睨みを利かせる。
職員「す、すいません。この子はいつもこうなんですが・・・。」
女性「いいえ、構いませんよ。後は私がやりますので、少し外してくれませんか?。」
職員「は、はい・・・わかりました・・・。」
職員が離れると、女性は銀太に向き合った。
クイント・中島「こんにちわ。銀太君。私が貴方の母親のクイント・中島よ。」
銀太「・・・・・・あんたが俺の母親代わりか。なれなれしいぞ。」
クイント・中島「まったく、生意気言っちゃって、そんな事だから、友達はいないのでしょ?。」
銀太「・・・・・・友達なんていねーよ。俺は俺だけしか信じてねーからよ。」
ポンッ、ナデナデ・・・。
銀太「うわっ、な、何しやがるだ、ババァ!!?。のわっ。」
ギュッ
頭を撫でられたことでびっくりし、暴言を放つ銀太に今度は鼻を詰まされた。
クイント・中島「駄目だよ。そんな事は言っちゃ。私の事を『お母さん』と呼んでね?。」
銀太「・・・・・・・・。」
ギュッと銀太の鼻頭を掴んで、困ったように微笑むクイント・中島。
さすがに銀太もクイントには上がらないようで、困惑している様子。
銀太「・・・・・・・・俺には家族なんていねーよ。ガキの頃、俺の親は俺をゴミのように捨てやがったんだ。俺は誰も信用しないだぞ。あんたも俺を養子にしても飽きたらすぐに他の孤児院に送るつもりだろう?。」
クイント・中島「・・・・・・」
銀太は親に捨てられたことで自暴自棄になって叫ぶが、そんな彼を彼女は・・・・・。
バサッ・・・。
銀太を優しく抱きしめるクイント。それは母の抱擁のように優しさを感じる。
銀太「!!?・・・・・・・・な、何しやがるんだ!?・・・は、離せよ!!?。」
クイント・中島「私はね。そんなつもりで来たんじゃないのよ。世の中には、子供を思う親もいるのにかけがえない命を平然と捨てようとする親を多く見てきたわ。生まれてすぐに捨てられ、親の愛を知らずに生きてきた子供達の悲惨な最期を私は見てきたわ。彼らはどんな思いで一人で生きてきたか、私にはわかるのよ。だから私は君を心から愛しているのよ。」
銀太「・・・・・・・・・」
クイント・中島「でも、これだけは約束するわ。銀太君。」
銀太「?・・・・・な、何をだ?・・・・・・・。」
クイント・中島「この先、何があっても君を絶対に見捨てたりはしない。約束するわ。」
銀太「・・・・・・・・・」
母の笑顔を見せるクイントの言葉に何かを感じる銀太。そこへ・・・・。
職員「あ、あのー・・・・お、お二人はまるで・・・・親子みたいですね・・・・・。」
銀太「お、親子じゃねーよ。つーかあんたもいつまで抱きしめてるんだ!。離れろよ!。」
クイント・中島「親子に見えるのですか?・・・・・この子と私が・・・・?。」
職員「え・・・・あ、す、すみません・・・・お二人を見ているとつい思ってしまって・・・・銀太君がこんなに大人しくなるなんて初めてなんです。他の里親達の多くは彼と折り合いがつかず、諦めていましたが、そんな銀太君を臆せず接するなんて貴方が初めてですよ。」
クイント・中島「・・・・そうですか・・・・あの、すみませんが・・・・約束通り。この子を引き取ってよろしいでしょうか?。」
職員「あ、はい。わ、わかりました。いい、銀太君?。」
銀太「・・・・べ、別に・・・・・・構わねえよ。」
そっぽを向きながらクイントの養子になる事を言う銀太。そんな銀他の言葉に驚きを隠せない職員と子供達。
職員1「お、おい・・・嘘だろ・・・あの問題児が・・・・・」
職員2「こんなにお、大人しくなるなんて・・・・初めてだ・・・・。」
子供A「・・・・・・」
子供B「・・・・・・」
驚く職員と子供達を尻目にクイントに手を引きながら養護施設を後にする銀太。
クイント「ねえ、銀太君。今日から貴方は私の家族よ。これからもよろしくね。」
銀太「・・・・・・好きにしろよ・・・・やれやれ・・・・。」
そっぽを向けながらも歩く銀太に笑顔で微笑むクイント。
こうして、銀太はクイントの養子になり、安住の地に住む事になった。
後にそこで箱庭と呼ばれる異世界で冒険と共にする二人の少女と出会うのである・・・・・。
しかし、木の影から彼の後姿を見つめる者が見つめていた・・・・・・。
赤いリボンの少女「・・・・・」
銀髪で、両手をつなぐ赤いリボンが特徴的な少女は、どこか悲しげに見つめていた。
後に彼女の存在は銀太と大きく関わる事になるが、それは別のお話である・・・・・。
野崎優の章
12年前、総合病院
ピッ・・・・ピッ・・・・ピッ・・・・ピッ・・・・ピッ・・・・ピッ・・・・ピッ・・・・ピッ・・・・ピッ・・・・ピッ・・・・。
ヒュ~~~~・・・・・ヒュ~~~~・・・・・ヒュ~~~~・・・・・ヒュ~~~~・・・・・。
とある病室で、呼吸器や生体情報モニタなどの多数の医療器具を付けられた少女がいた。
彼女の名は「
生まれつき病弱で両目は見えない上、重い呼吸疾患を抱えており、長い闘病生活をしていた。
看護婦「先生。この子はどうなりますか?。」
先生「・・・・・少なくとも・・・・あと2、3年しか生きられない・・・・・どんな治療や医療では不可能だ・・・もう・・・この病院だけでは治療は続けられない・・・・アメリカの病院に送って最新鋭の治療を受けければ・・・・助かる見込みは・・・・・・アメリカの病院の名医に期待するしかないか・・・・・。」
看護婦「・・・・ですが・・・今の彼女は生きる気力がありません。このままでは・・・・・」
先生「よせ、彼女の前でそんな事を言っては・・・。」
看護婦「あ・・・す、すみません。」
先生「今は向こうと話を付けているが、難航している。それにあそこへ行くまで彼女の身体が持つのか心配だが・・・・。」
看護婦「・・・・・・・・そうですか・・・・・・彼女には何て?。」
先生「今は喋らないほうがいい。この事実を彼女に話すのは残酷すぎるからね。しばらくはこの件はしゃべらないように。」
看護婦「わかりました。この子の御両親は何と・・・・。」
先生「聞いていないか?。彼女の御両親はアメリカで起きたテロに巻き込まれて亡くなってしまってるんだ。この事を彼女に話すには酷だ。話は叔父の野崎教授に話をつけているからしばらく様子を見てからアメリカへ輸送する。いいかね。」
看護師「はい、わかりました。」
タッタッタッタッタッタッタッタッタッタッ・・・・・・・・・・・・・。
担当の先生や看護婦は彼女の病状に深刻な表情を見せており、優秀な名医がいるアメリカにある病院への輸送を検討していた。
先生達が去った後、静まり返った病室。
ピッ・・・・ピッ・・・・ピッ・・・・ピッ・・・・ピッ・・・・ピッ・・・・ピッ・・・・ピッ・・・・ピッ・・・・ピッ・・・・。
ヒュ~~~~・・・・・ヒュ~~~~・・・・・ヒュ~~~~・・・・・ヒュ~~~~・・・・・。
野崎優「・・・・・・・・」
彼女は起きており、先生の会話を静かに聞いていた・・・・・・・・。
野崎優「(・・・・・・・私・・・・・・死ぬのかな・・・・・・。)」
自身の死を感じ取る彼女は今の状況を悲観していた。
野崎優「(・・・・・・・このまま、生きている理由がないよ・・・・・父さん・・・・母さん・・・・・。)」
す~~~~~~・・・・・・・。
目の包帯から静かに涙を流れ、両親の死を悲しむ優。もう生きる気力を失い、死を望むようになる。
しかし、とある運命的な出会いが彼女の運命を変えた。
カアアアアアアアアアア・・・・・・・・・カラカラカラカラ・・・・・・・・・・・・・・・。
扉の向こうから光が溢れ、扉がひとりでに開いた。
???「・・・・・・」
現れたのは小柄な少年で、年は14歳と思われる。優は目は見えずとも誰かの気配を感じ取った。
野崎優「(・・・・?・・・・誰か来たの?。)」
少年は優に近づくと彼女の頭に手を置いた。
野崎優「(・・・・?。)」
少年「"僕の声は聞こえるかね。"」
野崎優「(え!?。)」
優は驚いた。頭の中に声が響いており、まるでテレパシーを受けた感じであった・・・・・。
野崎優「(・・・・・・あ、あのう・・・・・聞こえますが・・・・・あ、あなたは一体・・・・・。)」
少年「"・・・・僕は君に助けに来たんだよ。僕の力があれば君は生きられるはずだよ。"」
野崎優「(・・・・・・・ありがたいけど、遠慮します。)」
少年「"・・・・・・!?"」
野崎優「(今の私には居場所が無いの・・・・・両親もいない・・・・・生きる希望もない・・・・・このまま死なせて・・・・・)」
少年「"・・・・・・"」
生きる気力を失い、死を望むようになった優。それに対し、彼は・・・・・。
少年「"・・・・・・それは違うよ・・・・・・・・人の絆はいつも繋がってる。君の家族もずっと繋がってる・・・・だから君は一人じゃない。いつかきっと、君を思いやる人達がいるはずだよ。"」
野崎優「(・・・・・)」
少年の言葉に少なからず心を動かされる優。そして、少年は意外な言葉を放った・・・・。
少年「"・・・・・・君の夢は何?"」
野崎優「(・・・・・わ、私の夢?・・・・・。)」
少年の問いに優は躊躇いながらこう答えた。
野崎優「(・・・・・私の夢は・・・・・宇宙を行く事・・・・・・父さんや母さんから宇宙にはまだ未知の神秘があるって言っていたよ・・・・・もし・・・・私の願いが叶うなら・・・・・宇宙の果てまで行きたいよ・・・・・・・・。)」
少年「"・・・・・・"」
彼女の願いを聞いた少年はしばらく寡黙していた。そして・・・・。
少年「"・・・・・・わかった・・・・・君の願いを叶えよう。"」
野崎優「(!?。)」
少年「"・・・・・・この木彫りのペンダントは君に“力”を与える。その“力”をどう扱うのかは君次第だけど・・・"」
野崎優「(・・・・木彫りのペンダント?。)」
少年「"これをかければ、君の目は見えるはずだよ。今からかけるから目を開けてごらん・・・"」
優の首元にペンダントをかけ、目を開けるようにと答える少年。彼の言葉に嘘か真かと思いながら恐る恐る目を開けてみると・・・・。
野崎優「(・・・・・・・・・・・あっ!!?。)」
何と見えないはずの両目が見えるようになった事に驚く優だったが、彼女が驚いたのはそれだけではなかった・・・・。
野崎優「(か、体も動く!!?)」
なんと体も動くようになり、多数の医療器具を外して体を起こした。
野崎優「・・・・・・動いてる・・・・・・私・・・・・・自分の体が動いた・・・・・!!?。」
彼女の目に何かが見えた。それは深宇宙の星々であった。
野崎優「こ、これって・・・・・深宇宙!!?。」
少年「そう、この宇宙には今だ人類未踏の領域がある。でも今の人類の科学力では無理だけどね・・・・。」
野崎優「・・・・・あなたは一体・・・・・。」
少年「僕?・・・僕は・・・・!。」
タッタッタッタッタッタッタッタッタッ・・・・・・・・・
誰かが来た音が近づいてきた。どうやら心電図が止まった事で医者達が急いで診に来たようだ。
少年「そろそろ、時間のようだね。僕も去るとするよ。」
野崎優「まって!。」
優は少年を呼び止めた。
野崎優「貴方の名前を教えて・・・・・。」
少年「・・・・・・・・僕の名前は・・・・・・・・・・"
野崎優「み、未来って・・・・貴方は一体・・・・。」
春日部優「いずれまた会えるよ・・・・君が望むなら。」
野崎優「・・・・また、会えるの?。」
春日部優「・・・・・・・会えるよ・・・・・未来でまた会おう。」
春日部優と呼ばれる少年は笑みを浮かべてドアを開き、光の中へと消えていった。
ギイイイイイン・・・・・・バタンッ・・・・・・サアアアアアアアア・・・・・・。
そして、閉じたドアから放たれた光は消えていった・・・・・。
バタッン!!?。
入れ替わりに現れたのは医者達であった。慌てた様子で優を見た。
先生「ゆ、優君!大丈夫か?。」
野崎優「・・・・・え、ええ・・・・大丈夫です・・・・・。」
看護婦「せ、先生!、優さんが・・・・優さんが・・・・立っています!!?。」
先生「な、なんと・・・・・ま、まさか・・・・立っているのか・・・・しかも・・・・め、目が見えている・・・・・信じられない・・・・僅か目を離した隙に・・・・こ、これは・・・・奇跡だ!!?。」
驚いた医者達は優に精密検査をし、診断の結果はなんと驚きの結果だった・・・・。
先生「・・・・・未だに信じられんが・・・・優君・・・・君の診断結果だが・・・・・・」
野崎優「・・・・・・」
先生「君の体だが・・・・・まるで健康体だ。」
野崎優「!!?。」
先生「私も・・・・長年医者をやってきたが・・・・これほど短時間で健康状態になるとは驚いた・・・・ただ・・・・まだ足の障害と呼吸疾患が残っているから・・・・あまり無茶をしないように。」
野崎優「・・・・はい、わかりました。」
先生「優君。今、上に頼んで君の専用施設を提供するよう話をつけている。あと御両親の変わりに家政婦さんが付くようだが、これは彼女からの強い推薦でね、彼女なら君の親代わりに任せられると思うよ。」
野崎優「ありがとうございました。先生。ここまでしてくれて・・・・。」
先生「何、気にしなくてもいいんだよ。君のお父さんには世話になっているからね。これくらいの恩返ししないと彼に申し上げはつかないだよ。君も両親の分まで強く生きるんだよ。君は一人じゃない。君の事を気遣う人達がいる事を忘れないで欲しい。わかったかね。」
野崎優「・・・・・はい、わかりました。先生・・・・・ぼ、“僕”・・・・このお言葉を忘れずに胸に刻んで生きてみます。お父さんとお母さんの分まで・・・・・・・・。」
優は自身を強く介護してくれた先生達や自身に生きるよう教えられた少年のおかげで両親の分まで明日へ生きようと決めた。
優は中庭で散歩していた。ひさしぶりに外に歩くのは何年ぶりであった・・・・・・。
優は踊るように歩きながら楽しんでいた。そこへ彼女は何かを見つけた。
野崎優「・・・?」
優は木下の影に横たわっている黒い猫を見つけた。その黒猫は傷だらけでかなり衰弱しているようだ。
野崎優「・・・・可哀想に・・・・・傷だらけになっちゃって・・・・・大丈夫・・・・僕がいるから大丈夫だよ・・・・。」
優は黒猫に我が子のようにあやかす。そこへ不思議な出来事が現した。
???「ふにゃ~~~~~~・・・・・・・・いい胸だぜ~~~~~・・・・・・・。」
野崎優「!!?・・・・・だ、誰!!?。」
辺りを見渡すが誰もいない。そこへ、また声が聞こえた・・・・・。
???「おいおい、譲ちゃん・・・・・目の前にいるぜ。イカしたダンディがな!!。」
野崎優「え!!?。」
声をした存在を向ける彼女が見たのは黒猫であった。
野崎優「・・・・・・も、もしかして・・・・・・・・さっきの声は君なの?。」
黒猫「・・・・・・」
半信半疑ながら問い詰める優に見つめる黒猫。すると黒猫は口元を動かすと・・・・・。
黒猫「・・・・・・あんたの言う通りだぜ。譲ちゃん。しゃべっているのは俺様だぜ。」
野崎優「えっ!!?。」
黒猫が喋った事に驚いた優。驚くのも無理もない。なぜなら猫は喋らないはずだったから・・・・・。
しかし、彼女の目の前にいる猫は喋っていた。人の声で喋る黒猫はこの世に存在しないはずだから・・・・・。
野崎優「・・・・・・・・こ、こんにちわ。猫さん。ぼ、僕は・・・・・野崎優です。よろしく。」
黒猫「って、礼儀正しい!!?。しかも驚いているのに丁寧にお辞儀しているぜ。ベイビー!!?。」
さすがに驚きながら丁寧に対応する彼女に逆に驚く黒猫。
野崎優「猫さん。あなたは何処から来たの?。もしかして魔法の世界から?・・・・・・。」
黒猫「・・・・違うぜ。譲ちゃん。そんなメルヘンチックな世界じゃないぜ。それに俺様は猫って名前じゃないぜ。」
野崎優「ご、ごめんなさい・・・・・・あなたのお名前を教えて・・・・・。」
黒猫「俺様の名はセーレム。箱庭最強の魔王“
野崎優「・・・・セーレム・・・・良い名前ですね。僕の友達になってくれませんか?。セーレムさん。」
セーレム「せ、セーレムさん!!?。な、なあ・・・・・お、俺様の名前はセーレム・・・・・気安く・・・・“セーレム様”と呼びたまえ。もしくは呼び捨てでもいいぜ。譲ちゃん。」
野崎優「じゃ、じゃあ・・・・・・お言葉お構いなく・・・・・セーレム、僕の友達になってください。」
笑顔を見せる優に対し、セーレムは困惑しながらこう答えた。
セーレム「・・・・・OK、わかったぜ。譲ちゃん。じゃあ、事情には聞かずに俺様に匿ってくれないか?。いろいろ訳あってこの姿になっているが、構わないか?。」
野崎優「いいよ。」
セーレム「即答だな!譲ちゃん。」
野崎優「うん、例え見知ない人でも怪我をしたらほっとけないの。誰にも人には言わないから安心していいよ。ただ、人前には喋らないでね。お願い。」
セーレム「わかったぜ。ベイビー!こちらこそよろしくな、譲ちゃん!。」
野崎優「うん、こちらこそよろしくね。セーレム。」
これが黒猫・・・いや、かつて魔王であったセーレムとの出会いであり、のちに彼がかの二人を導き事になり、また、“春日部優”を名乗る少年の出会いが彼女の運命を大きく変え、後に問題児の一人、
秋月あさぎの章
10年前、秋月邸。
日本で五本で入る財閥「秋月財閥」の屋敷で、親族同士が次期当主の後継者を決める親族会議が始まった。
しかし、後継者を決める事に数ヶ月もかかっており、当主である老人もそれらに苦慮していた。
そこへ、当主は一人の人物を呼び出したのだ。
親族1「後継者は我が金城家が相応しい。」
親族2「いや、星城家こそ相応しい。」
親族3「何勝手に決めているのだ。我が御堂家が秋月家の当主に相応しい。」
親族4「当主、ぜひ海音寺グループに任せてくれませんか?。」
当主「む~~~~・・・・・・。」
使用人「御当主。あさぎ様が着ました。」
当主「おお、そうか、通しなさい。」
使用人「はい。」
サ~~~~~~。
親族達「!?。」
当主「おお、来たか、あさぎ。」
あさぎ「・・・・・御機嫌よう。おじい様、皆様。」
万延の笑みを浮かべ、礼儀正しくお辞儀する少女、あさぎ。
本名、あさぎ・シャーロット・ダイアナ・エリザベス・秋月。縮めて、秋月あさぎ。
容姿は優しさと品格に溢れ物腰も柔らかな上品なお嬢様風の少女で、あれだけ言い争った親族達が彼女を見ただけで静まり返った。
彼女には不思議な力を有している事を知っているからである・・・・・。
親族達「・・・・・・あ、ああ・・・・・・」
当主「お前を呼んだのは他でもない。この会議に参加してもらう為じゃ。後継者選びにお前も含まれて折るのじゃよ。」
秋月あさぎ「そうですか。わざわざ私が作ったケーキを持参して来ましたが、皆さん。どうですか。今は会議を止めて、一緒にお茶会でもしませんか?。」
親族達「え、ええ!!?。」
あさぎの予想外の行動に驚く親族達。そんな事を気にせず、彼女はこう言った。
秋月あさぎ「私の作ったお菓子やケーキは美味しいですが、やっぱり、皆様と一緒に食べた方がより美味しいと思いますよ。」
親族達「・・・・・・・・」
あさぎの言葉に唖然する親族達。その中の一人が彼女に問いかけた・・・・。
親族1「あ、あの・・・・この会議は貴方を後継者を決める会議ですが・・・・・。」
秋月あさぎ「・・・・・あらら・・・・そうなんですか?。私はこのお菓子を皆様方に食べて欲しいと思って、持って来たのですが?・・・・。」
親族達「・・・・・・・・」
あさぎの天然な言葉に言葉をなくす親族達。今日は後継者に決める重要な会議であり、自身の子息を後継者にしようと必死にやっていた事に気にしない彼女ののほほんとした態度に苛立ちを抱いていた。
親族1「(ほ、本当に大丈夫なのか?・・・・この娘は?・・・。)」
親族2「(こんな小娘が後継者だと・・・ふざけるな・・・・。)」
親族3「(ふん・・・・世間知らずの箱入り娘が。)」
親族4「(けがわらしいわ・・・こんな小娘が秋月財閥の後継者とは片腹痛いわ。)」
親族達は内心では彼女を見下しており、後継者を認めようとしなかった。
あさぎは皇族の血を引く日本有数の名家「秋月家」の父とイギリス王家の母を持つハーフであり、その生まれが原因で反対派の親族から嫌悪されていた。
だが、親族が本当に恐れていたのは彼女が持つ不思議な力である・・・・。
あさぎ「まあ、そんな事は置いといて、みんな仲良くお茶会は良いと思いますよ。確かに後継者選びは大切ですが、本当に大切なのは家の家系やとか名誉ではありません。大切なのは人と人の繋がりと相手を思いやる心です。それができない限り、例え後継者を決めようとしても、無益な争いをするだけですよ。私は自分の野心や金や権力が欲しくて、後継者になるつもりはありません。私が求めるのは人々の幸せと未来、平和です。」
親族達「・・・・・・・・」
自身の思いを包み隠さず話す彼女の真剣な顔つきに言葉を忘れる親族達。
秋月あさぎ「さあ、皆さん、今は立場を忘れてお茶会で楽しみましょう。みんなで食べれば美味しいですよ。どうぞお食べ。」
親族1「・・・・え、ええ・・・・・・」
親族2「い、いただきます・・・・。」
親族3「そうだな・・・・みんなで食べればいいですね・・・・・・・。」
親族4「よし・・・みんなで食べようか・・・。」
親族達は彼女の作ったお菓子を分けながら試食を始めた。
今までいがみ合ってきた親族達の雰囲気は穏やかになり、まるで親睦会であった。
お菓子を完食した後、当主は親族達に説いた。
当主「では、次期当主の後継者は、誰にいいと思うのかね・・・・・。」
親族達「・・・・・あさぎ様が良いと思います。」
親族達は迷わず彼女を次期当主として推薦した。これで反対する者は誰一人は皆無であった。
こうして、次期当主の後継者を決める親族会議は幕を閉じるのであった。
秋月あさぎ「おじい様。私はこれで。失礼します。」
当主「うむ、ご苦労じゃったの。あさぎ。」
あさぎは当主に挨拶を終え、帰ろうとした時・・・・。
当主「あさぎ。」
秋月あさぎ「はい?。何でしょうか、おじい様?。」
当主と呼び止められたあさぎ。当主からある提案を出した。
当主「あさぎよ。お前は次期当主に選ばれた。正式な継承式は18歳になってから行う予定だ。長年多くの優秀な人材を輩出してきた我が秋月家で、高家とイギリスの王族の間で生まれたお前が当主に選ばれたのは歴代当主の中で初めてじゃ。当主に選ばれたからにはお前に覚悟があるのか問う・・・・・・。」
秋月あさぎ「・・・・・・・」
当主「我が秋月家当主あさぎよ。当主になり、お前は何に目指す?。」
当主の問いにあさぎは目を閉じ、しばらく黙想し、ゆっくりと目を開けるとこう答えた・・・・。
秋月あさぎ「私が当主になった暁には・・・・・・・私が作ったお菓子で世界中の人々に分け与え、幸せを与える事です。人々の笑顔が私の喜びです。」
当主「・・・・・」
使用人「・・・・・」
そう答えて笑顔をみせるあさぎ。彼女の笑顔にキョトンとしてみる当主と使用人。
当主「・・・・・そ、それが・・・・お前の答えか・・・・。」
秋月あさぎ「はい、それが私の進む道です。それに平等に分け合い、人々の笑顔を守るこそが、私の望みです。」
当主「・・・・・」
あさぎの真っ直ぐな答えに開いた口をぽかんとする当主と使用人。
当主は気を取り直して、目を閉じて瞑目、そして目を開くと・・・・。
当主「・・・・わかった・・・・・お前が決めた道ならば、わしは何も言わぬ。秋月家の名に恥じぬ道を行くがいい。」
秋月あさぎ「はい、ありがとうございました。おじい様。」
当主「それと、お前に護衛としてある人物を就かせる事になった。」
秋月あさぎ「護衛ですか?。」
当主「うぬ・・・・お前の“力”を狙う輩もいるようじゃ。そのため、お前の護衛に相応しい人材を我が秋月家傘下の傭兵企業から厳選して選んだのじゃ。その中でもずば抜けた戦闘能力と最後まで忠義を貫き、任務を忠実に守る人格を持つ人材を見つけたのじゃ。その人物はわざわざ海外にある傭兵部隊「フェンリル」から引き抜いて来たからの。優秀な護衛だが、少々変わり者だが、お前には気が合うと思うだが・・・・・・。」
秋月あさぎ「いいえ、それは会うのが楽しみです。その方の名は?・・・・。」
当主「うぬ・・・・その者の名は・・・・・・・。」
カンッ・・・・サアアアア・・・・・・・・・。
使用人「よろいいのですか?。御当主。あの者をお嬢様の護衛に就かせることに・・・・・いくら何でもあんな傭兵の者を護衛にするのは正直反対です・・・・・もし・・・・"彼女"がお嬢様の力が狙いで近づいたではありませんか?。」
当主「・・・・確かにそうかもしれんが・・・・だが、わしは"彼女"を信じている・・・・・わざわざわし自ら足を運んで見極めてきた。わしの目には狂いは無い。"彼女"こそ、あさぎの護衛に相応しい人材であると選んだのじゃ。」
使用人「・・・・・。」
護衛となる傭兵は女性らしく、使用人が何やら心配しているようだが、当主は自ら彼女を見極めて選んだようだ。
使用人「御当主。確かに御当主があさぎ様のご心配をしているのはわかりますが、あさぎ様の身の安全を図るとはいえ、屋敷内に軟禁、外界と一切の交流を絶たれて育てられ、護衛に就かせるのはあまりにもやりすぎでは・・・・・。」
当主「・・・・・確かに・・・・・お前の言う通りかもしれないが・・・・・・あの子の"本当の力"は初対面の相手ですら憧れすら抱かさせ、帰順させるカリスマ性ではない・・・・・。」
使用人「・・・・・!!?。」
当主「あの子の"本当の力"は・・・・・・・。」
一方、あさぎは庭園の外側を見ていた。彼女は一度も外も出た事もなく、いつか出てみたいと思い、外への憧れを抱いている。そこへ、小鳥が飛んできた。
小鳥「チチチチチチチチッ・・・・・。」
秋月あさぎ「あら、鳥さん。こんにちわ。ご機嫌如何?。」
笑顔を見せるあさぎが手を向けると小鳥は彼女の手の上に乗り、戯れる。
小鳥「チチチチチチチチッ・・・・・。」
秋月あさぎ「んふふふふ・・・・・・あなたはいいですわ。自由に空を飛び回り、何不自由も無くて・・・・・それに比べて私は・・・・・・・・。」
ふと暗い顔を見せるあさぎ。それは彼女自身が持つ"本当の力"のせいで、むやみにその"力"を他人の前に使用してはいけないのであった。
その"力"を利用する者、それを恐れて暗殺を目論む者など、様々な人間から狙われており、彼女に守る為に秋月家宗家により軟禁、外界と一切の交流を絶ち、外の世界を知らずに育てられた過去を持つ。
そんなあさぎに小鳥は慰めるように寄り添う。
小鳥「チチチ・・・チチチチ・・・・チチチチッ。」
秋月あさぎ「・・・・・・・・・小鳥さん、私を慰めてくれるのですか?・・・・・・。」
小鳥「チチチチ・・・・・。」
彼女がそう言うと小鳥が頷いた。
秋月あさぎ「・・・・・・ありがとう、鳥さん。貴方のおかげで元気になりましたわ。」
小鳥「チチチチ・・・・。」
秋月あさぎ「お礼に私の歌を聞かせてあげますわよ。あ、でも、これはおじい様たちには内緒ですから、今日は特別だけですわよ。」
小鳥「チチチチ・・・・。」
小鳥を空に放つと、瞑目して目を開き、息を吸い込んだり、吐き出す事を数回し、最後は息を吸って歌いだした。
秋月あさぎ「ラ~ラ~ラ~~~ララララ~~~~~・・・・・・・。」
×ここからPC、またはCDから"モーツァルトの子守歌(映画「ローレライ」)"を聞きながら朗読するとより楽しめます。×
彼女の歌「モーツァルトの子守歌」を歌い出すと、先ほどの小鳥だけではなく、多数の鳥達が飛んできて、そこへ犬や猫、リスまでもが塀を乗り越えて集まってきた。
動物達「ワンワン・・・・ニャ~~ニャ~~・・・・チュンチュンチュンチュン・・・・・・チチチチチチ・・・・・・キキキキ・・・・・。」
彼女の歌を聞いている内に動物達は静かに彼女の歌を聞いていた。
中には歌に会わせて踊ったり、彼女の周りに集まって和んでいたものもいる。
最後まで歌を終えたあさぎは息を吐いて終えた。
秋月あさぎ「とても楽しい一日でしたわ。さあ、お家にお帰りませ。」
小鳥「チチチチチ・・・・・。」
動物達「わんっ・・・・にゃ~~~・・・・・チュンチュン・・・・チチチチ・・・・・・キキキキ・・・・・・。」
彼女が動物達に家に帰るようにと諭すと、動物達は次々と帰っていった。
秋月あさぎ「・・・・・!?。」
蝉「ミ、ミ~~・・・・・ン・・・・・・・ミ、ミ~~~~ン・・・・・・」
寿命により今にも死に掛けた蝉を見つけたあさぎは蝉に対し、口を大きく息を吸い込むと・・・・・・。
秋月あさぎ「ラ~ラ~ララ~~~・・・・ラ~ラ~ララ~~~・・・・ラ~ラ~ラララアア~~~~・・・・・・・。」
彼女が歌い出すと周囲が光出し、蝉は光に包まれる。
蝉「・・・ミ、ミ~~~~ン・・・・ミ~~~~ン・・・・ミ~~~~ン・・・・ミ~~~~ン・・・・・・・・・。」
蝉達「ミ~~~ン、ミ~~~ン、ツクツクホーシ、ツクツクホーシ、ミ~~~ン、ミ~~~ン、ツクツクホーシ、ツクツクホーシ・・・・・。」
寿命で死に掛けたはずの蝉が元気よく鳴いて飛び去り、周囲の蝉達も元気よく鳴き続けた。
そう、それが彼女の"本当の力"である。その力は周囲の人間の心を動かすだけではなく、周囲に影響を与えるほどで、その気になれば世界を滅ぼす事も支配される事も可能である。
その力を知った秋月家は彼女を守る為に徹底的に情報操作や隠蔽を行い、周囲には名家の令嬢しか明かされていないのだが、それでも一部の情報が漏れ、外部に知られてしまう結果になり、彼女を軟禁、外界を絶つことで襲撃者達から守ろうとし、現在まで続いた。
強大な力を得た為に外界との交流を絶たれてしまった彼女であったが、それでも自身の力を理解し、自身の為ではなく、人々の為に使う事を決意していた。しかし、心の中では外の世界に強い興味を示していた。
秋月あさぎ「・・・・・・(外の世界・・・・・・一度でもいいから見てみたい・・・・・・・それが私のたった一つの願い・・・・・。)」
彼女は一度だけでも外の世界を見てみたいというたった一つの願いを望むのだった。
彼女の願いが後にある二人と出会う切っ掛けになるのであったが、彼女自身もまだ知らないのであった・・・・・。
出会いの章
銀太はある日、天候が晴れで気分が良い事もあり、気ままに散歩しようと出かけた。
クイント・中島「銀太、どこにいくの?。」
銀太「今日は天気が良いから、ちょっと散歩してくるよ。」
クイント・中島「そう、あんまり寄り道しないで帰ってきてね。」
銀太「わーーーってるよ。行って来るわ。」
クイント・中島「あらあら、気をつけて行ってしゃい。」
銀太「・・・・やれやれ。」
クイントに見送りながら、散歩に出かける銀太。彼はある二人の少女に出会いが待っていた。
一方、あさぎ邸では始めて外の世界へ出る事になるあさぎの冒険が始まろうとしていた。
あさぎ邸
あさぎ邸の一室で外を見ていたあさぎはある決意をする。それは一生に一度のたった一度の望み・・・・。
秋月あさぎ「・・・・・・」
???「お嬢様。外への外出は控えてください。いつ誰かに狙われているかもしれません。」
あさぎを話しかける女性。長身でスレンダーな体型が特徴で、髪型は肩までの長さの艶やかな黒髪、クールな印象を受ける涼やかな顔立ちで、うっすらとそばかすがついている少女。さらに、右手の甲には狼の刺青がある。
彼女の名は
そんな彼女にあさぎはこう言った・・・・・・。
秋月あさぎ「むくろさん。私、決めました。外の世界へ行くことを・・・・・。」
戦刃むくろ「はっ!!?。」
あさぎの突然の言葉に唖然して思わず言葉を発した。
戦刃むくろ「お、お嬢様・・・・そ、それは駄目です。御党首から貴方様の護衛を任されています。そのようなことで外へ出かけるとは自殺行為です。いつお嬢様を狙う輩が・・・・。」
秋月あさぎ「大丈夫ですわ。むくろさんがいますので安心ですわ。」
あさぎはむくろに笑顔を見せて言い、彼女の事を信頼していた事が窺える。
しかし、むくろは不安を隠さずにいた・・・・・。
戦刃むくろ「お、お戯れを・・・・私はただ、貴方を守る為に仕える為で、貴方のお爺様から依頼で来たに過ぎません。」
秋月あさぎ「それでも私は貴方を私の友達です。」
戦刃むくろ「・・・・・・お、お戯れを・・・・」
秋月あさぎ「あらら・・・顔が真っ赤ですよ。」
戦刃むくろ「・・・・・・」
これまで戦場で戦ってきた彼女は友達と言う言葉にはなく、さすがにその言葉に戸惑いを覚えてしまい、動揺している。
秋月あさぎ「むくろさん。私は確かに力があるゆえ、悪意ある者達に狙われているのはわかっていますが、いずれ秋月家当主の座に着きます。ただ、せめて一度だけ・・・・・一度でも良い・・・・・外の世界をこの目で見てみたい・・・・・・・・それが私のたった一つの望み・・・・・・。」
戦刃むくろ「・・・・・・お嬢様・・・・・・・。」
外の世界を見たいというあさぎの本心を聞き、申しなさそうな表情を見せるむくろ。
秋月あさぎ「むくろさん。お願いします。一日だけいいです。外の世界はどのような所なのか見に行きたいです。むくろさん。どうか外へ出る事を許してください。」
戦刃むくろ「・・・・・・」
あさぎの願いに悩むむくろ。彼女は当主である祖父から護衛を任されており、あさぎの護衛が主な任務であったが、護衛対象であるあさぎからの頼みには困惑するが・・・・・。
戦刃むくろ「・・・・・・わかりました。外への外出は私が引率しますので、くれぐれも私から離れないように。」
秋月あさぎ「はい、わかりました。むくろさん。私の我が侭を聞いてくれてあろがとうございます。」
戦刃むくろ「・・・・・・いいえ、わたしはただ・・・・・貴方の護衛ですから・・・・・・御党首には私からお話しますので、問題はありません。」
こうして、むくろに外出する事を認めたあさぎ。そこで事件が起こるが、彼女を助けるのはむくろではなく、あの少年に助けられるが、その少年こそが、主人公、銀太である。
一方、野崎優は専用の施設で生活していた。
障害者支援用住宅
ここは体に障害を持つ人を支援する為の家で、優はここで生活していたが、実は彼女の他に彼女の身の回りを世話をする家政婦がいた。
この家政婦の名前は
健気で、お人好し、生徒のことをとても大切にし、一度しかない青春時代にたくさんの思い出を作って欲しいと考え、生徒以上にはりきってしまうなど、頑張り屋かつ熱血教師な一面を持つが、天然な面が多い困った面も持ち合わせている。
現在、優のヘルパーとして世話を任されている。
雪染ちさ「今日も良い天気ですね。優さん。」
野崎優「あ・・・・・はい、良い天気です。ちささん。」
雪染ちさ「優さん。そんな暗い顔をして、せっかくの青春が台無しだよ。青春は一度しかないのよ!。二度と帰って来ないの!!。笑顔は元気の源よ。自信を持ちなさい。」
野崎優「・・・・・ちささん、お気遣いありがとうごじます・・・・けど、僕は・・・・一人でも大丈夫ですので、気を回さなくていいです。僕なんて気遣う必要は・・・・。」
雪染ちさ「優さん。自分の事をなんかなんて言わない事。自信を持った事からすべてが始まるのよ。返事は?。」
野崎優「あっ・・・・・は、はい・・・・・。」
青春に燃えるちさにうろたえる優。彼女の熱意にタジタジである。
雪染ちさ「そうだ、今日は優さんの誕生日ですから、私が買い物でしてくるので、待ってね。」
野崎優「あ・・・・は、はい・・・・。」
そう言うとちさは意気揚々と出かけるのであった。
雪染ちさ「そうだ、今日は優さんの誕生日ですから、私が買い物でしてくるので、待ってね。」
野崎優「あ・・・・は、はい・・・・。」
雪染ちさ「あ、それと優さん。」
野崎優「はい?。」
雪染ちさ「・・・貴方が一人じゃないよ。いつか分かり合える人が出会えると私は信じてるわ。」
野崎優「・・・・・・・・・。」
そう言うとちさは買い物へ出かけた。彼女が出た後、優は何処か悲しげな表情を見せた。
野崎優「・・・・・・一人じゃないか・・・・。」
実は彼女には深い悩みがあった・・・・・。
サッ・・・・・スウウウ・・・・・。
優が台に向けて手をかざすと、台はひとりでに宙に浮くようになった。
野崎優「・・・・(あの日・・・・この力を得た日から・・・・・・)」
木彫りのペンダントの力で体の自由を得た優であったが、ペンダントから得る力により、人には無い特別な力を持つようになり、それが彼女のコンプレックスを抱くようになり、その力で周囲の人間に傷つく事を恐れ、一人で行きていくことを決めた。
そのため、友達は黒猫のセーレム以外いなかった・・・・・。
セーレム「おいおい・・・・しけた
野崎優「!!?・・・・・・・セーレム?。」
セーレム「たまに散歩して気分転換してどうだ?。こんな所でいるより外の空気はうまいぞ。」
セーレムは優を外へ出かけようと話すが・・・・・。
野崎優「・・・・ありがとう、セーレム・・・・・心配してくれて・・・・・。」
セーレム「・・・・相変わらず心を読んでるな・・・・・おい・・・・。」
野崎優「!!・・・・ご、ごめんなさい・・・・・・。」
セーレム「お、おいおい・・・・・あ、謝ってどうすんだよ、おい・・・・・・。」
野崎優「僕の“心を読む力”で気にしないのはセーレムだけだよ・・・・・・・・。」
セーレム「は~~~~~・・・・・・・まいったな・・・・・・・・。」
優には超能力ような力の他に心を読む力を有しており、それが他人の心を読んでしまうという恐れから周囲に迷惑をかけないよう一人で生き抜こうと決めていた。それが心優しい彼女の思いやりでもあったが・・・・・・。
口の悪いセーレムだが内心では彼女を気遣っているなど、意外とお節介な面を持ち合わせている。
セーレム「優、ちょっくら、出かけてくるから待ってな。」
野崎優「?。出かけるって?・・・・・何処へ?。」
セーレム「おいおい、心を読む力があるなら読んでみればわかるんじゃないか?。」
野崎優「ううん・・・・この力を使わなくても、行き先くらい知っているよ。」
セーレム「へっ・・・・わかってるじゃないか・・・・・おめ~にびっくりするほどのプレゼントをやるから楽しみにしてな?。」
野崎優「うん、楽しみにしているよ。」
サッ・・・・シュタタタタタタタ・・・・・・・・。
セーレムは風のように颯爽には走り去った。
野崎優「・・・・・・・!?・・・・・・・・・誰かがここに来る?・・・・・・・・・」
ふと何かが来る事を察知する優。実は彼女には未来を見通す力もあり、ここに彼女に尋ねる者を未来予知するが、彼女に尋ねる者は銀太たちであることはまだ知らない・・・・・・。
一方、あさぎはとある町の中を歩いていた。
とある街中。
秋月あさぎ「ここが・・・・・外の世界ですか?・・・・・賑やかですね。むくろさん。」
戦刃むくろ「ええ・・・・ここは商店街と言って、様々な人達が買い物やショッピングする所で・・・・・いろんな店があります・・・・ただ、お嬢様、さっき言った通り、ここでは一人で出回らないでください。いつどこでお嬢様を狙う刺客が来るのか、わかりませんので、十分に注意を・・・・!!?・・・・お、お嬢様?・・・・。」
むくろが目を放した隙にあさぎは何処かへ行ってしまったようだ。
あさぎの自由奔放さに唖然、青ざめるむくろ。
戦刃むくろ「・・・・・い、言っているそばから・・・・・・・お、お嬢様~~~~~~~~~!!?。」
あさぎがいなくなった事に絶叫するむくろ。自由奔放な彼女は何処までも自由であった・・・・・・。
一方、銀太は街中を歩いていた。
とある街中
銀太「ふあああぁぁぁぁ・・・・・・・腹が減った・・・・・どこかの店でも食べるか・・・・・・ん?。」
腹が減った銀太の前に一人の少女が辺りをキョロキョロしていた。
銀太「・・・・・(迷子か?・・・・・それに見かけない奴だな・・・・・・)」
銀太は道に迷ったと思うも、この町では見かけない顔をしている為、隣の町から来た人物と感づくが、銀太は特に気になったのは陶器のような真っ白な肌、宝石みたいに青い目、キラキラと光る金髪、ずっと見ていたくなる不思議な魅力であり、日本人ではなく外国人でどこかのお姫様であるようだ。
銀太「まあ、俺には関係ないか・・・・・・ん!?。」
銀太はその場で立ち去ろうとした所、金髪の不良共が彼女に付きまとっていた。
チンピラA「へい、お譲ちゃん、こんな所で何しているんだい?。」
チンピラB「俺達が町を案内してやるからよ。へっへっへっへっへっ・・・・・・。」
チンピラC「俺達と遊ぼうぜ。もっとすごい所もあるぜ。」
秋月あさぎ「・・・・・・・お誘いありがとうございますが、お断りします。」
チンピラABC「はいっ!!?。」
自身に付きまとうチンピラ三人に対し、彼女は笑顔で断った。
彼女の速攻な返答に唖然するチンピラ達。
秋月あさぎ「
チンピラABC「あっ・・・ご、御機嫌よう・・・・・・って、おい、待てなよ!?、お譲ちゃん!!?。」
慌てて引き止めようとするチンピラたち。
秋月あさぎ「今、急いでいるのですが・・・・・。」
チンピラA「おっと、帰すわけには行かないぜ!。」
チンピラB「俺達と一緒に来てもらうか。」
チンピラC「そうだぜ、痛い目に合わなければな・・・・。」
銀太「・・・・・」
無理やりでも連れて行こうとするチンピラ達のやり方に気に入らない銀太はチンピラ達の方へ歩いた・・・・・。
チンピラA「へっへっへっへっへっ・・・・・大人しくすれば何もしないぜ。」
チンピラB「こりゃあ、上玉だぜ・・・・近くのラブホテルでも連れて込めば楽しめそうだぜ。」
チンピラC「お~~すげーーな!、下が疼くぜ!!。」
秋月あさぎ「・・・・・」
しつこく付きまとうチンピラに横に傾くあさぎ。そこへ、彼女を助ける救世主が現れた・・・・・・。
ドゴオオオオオン!!。
チンピラA「ハ、ハモ~~~~~~~~ン・・・・・・・ド・・・・・・・・ガクッ。」
股間を蹴られて、悶絶するチンピラ。
チンピラB「お、おい!?・・・だ、大丈夫か!!?。」
チンピラC「お、おい・・・し、しっかりしろ!?。」
銀太「やれやれだぜ。おいたはいけねーぞ!。ハイエナ共。」
秋月あさぎ「・・・・・」
チンピラB「て、てめ~~~~・・・・・・よ、よくも俺のダチを・・・・・・・・・。」
チンピラC「このガキ!?、ぶっ殺し殺る!!?。」
怒ったチンピラ達は銀太を襲い掛かるが、銀太は恐れる様子もなく、冷静であった。
チンピラB「おら~~~~~~!!?」
チンピラC「くたばれ~~~~~~!!?」
銀太「・・・・・」
ブンッ・・・・ヒュッ・・・・・。
チンピラB、C「な、何!!?。」
銀太「チンピラめ。てめーの攻撃など・・・あくびが出るぜ。」
相手の攻撃を余裕でかわした銀太は構えると飛び上がった。
ヒュンッ・・・・・ドガガガガ~~~~~~~ン・・・・・・。
回し蹴りでチンピラの顔面を蹴り付け、そして・・・・。
銀太「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ・・・・・・ほわった~~~~~~!!?。」
チンピラB、C「じんぎ~~~~~~すっ・・・・・かんっ!!。」
ドガガガガガガガガガガガガガガガ・・・・・・・・・バゴオオオオオオオン・・・・・・ドオオオオオオン・・・・・・・。
拳の連打で叩き込み、最後は一撃のパンチでふっ飛ばし、ビルの壁へ叩き込んだ。
チンピラB、C「ひく・・・ひく・・・ひく・・・ひく・・・ガクッ・・・・・。」
チンピラ二人は完全に
銀太「やれやれだぜ・・・・・なあ、お前・・・・大丈夫か?・・・・・!!?。」
チンピラA「おい、ガキ!!、動くんじゃね~~~~!!?。」
秋月あさぎ「・・・・・」
銀太「・・・・・や、野郎・・・・・。」
先ほど股間を蹴られて悶絶したチンピラがあさぎを人質いにしており、彼女の首にはナイフが突きつけていた。
チンピラA「い~~ひっひっひっひっ・・・・・・よ、よくも俺のダチを可愛がってくれたな・・・・・・一歩でも動いて見な・・・・・こいつの首が噴水のように血が出るぜ・・・・・・・ぜ~~~~対っ・・・・動くんじゃねーーーぞ、ガキ!!?。」
銀太「・・・・・この糞野郎が・・・・・・。」
さすがの銀太も手も足も出きずにいた・・・・・・。
秋月あさぎ「す~~~~~~・・・・・・・・・・・・・・。」
銀太「・・・・!?。」
チンピラA「ん?・・・・・な、何だ、おい・・・・・息を吸ってよ・・・・・・。」
何故か息を吸い始めたあさぎ。彼女は目を閉じて、精神集中していた・・・・・・そして・・・・・。
秋月あさぎ「・・・・・・・・・はあああああああああ!!?」
ドゴオオオオオオオオン・・・・・・・。
チンピラA「ごふっ!!?・・・・・あっ、あっああ・・・・・・。」
カラン・・・・。
強烈な肘撃ちでチンピラの腹部にクリティカルヒット!!。あまりの痛さでナイフを落とした。
秋月あさぎ「はあああああああああ・・・・・・・・はいや~~~~~~~~!!?。」
チンピラ「のわああああああ~~~~~~~~どび~~~~~!!?。」
ガシッ・・・・・ドオオオオオオオオン・・・・・・。
チンピラ「・・・・ピクピク・・・ピクピク・・・・・・。」
自身より背の高いチンピラを背負い投げで一撃で撃沈、
銀太「・・・・な、何者だ・・・・お前?・・・・・。」
秋月あさぎ「あっ・・・・すみません、名乗るのを忘れましたが、
銀太「・・・・・あ、ああ・・・・・と、所で・・・・・今の武術は合気道と柔道を習っているのか?。」
秋月あさぎ「ええ、幼い頃から様々な武芸を教え込まれましたわ。こう見えても武術に心得がりますので、大抵の相手は病院送りにして来ましたわ。」
銀太「・・・・・お、恐ろしいな・・・・・お前・・・・・・。」
見かけによらず武術の達人である事を戦慄に覚える銀太であったが、彼はある疑問を彼女に質問する。
銀太「なあ、見た所、あんた、日本の出身じゃないな。何でこんな所で迷っていたんだ?。」
秋月あさぎ「あっ・・・・・・す、すみませんでした。
銀太「お供?。」
秋月あさぎ「
銀太「・・・・こいつらはこの辺りを根城にしているチンピラ共だ。危なかったな。おい。」
秋月あさぎ「チンピラさんですか・・・・・初めて知りましたわ。」
銀太「・・・・俺がこの町を教えてやるから案内してやるよ。こんな悪党共よりはマシだろ。」
秋月あさぎ「はい、ありがとうございます。それよりもどうして見ず知らない
銀太「・・・・・気まぐれだよ・・・・」
秋月あさぎ「・・・・気まぐれですか?。」
銀太「ああ・・・・・困っている奴を見るとほっとけない性分だからな・・・・・・だから、気まぐれで動いただけだ、それだけだ。」
秋月あさぎ「・・・・
銀太「・・・・?」
秋月あさぎ「貴方は
銀太「・・・・・何を根拠を言っているんだ?。」
秋月あさぎ「貴方の目を見て、安心したからです。貴方の目は何処か悲しくも優しさを溢れた目をしていました。慈愛と思いやり、優しい目をした方は初めて見ました。」
銀太「・・・・・」
彼女の指摘にクールに黙り込むも内心では動揺している銀太であった。
秋月あさぎ「もしよかったら一つお願いがあります。」
銀太「・・・・・何だ?。」
秋月あさぎ「
銀太「・・・・・へっ・・・・・。」
あさぎの問いに呆ける銀太。
秋月あさぎ「家の事情で外の世界との関わりが無く、専用の学園にしか行った事が無く、
銀太「・・・・・い、いや・・・・べ、別に・・・と、友達になってくれと言われても・・・・・それに・・・・俺には友達なんていなね~~~よ。」
秋月あさぎ「そうですか。貴方も友達がいないのですか?。嬉しいいですわ。初めてですわ。友達がいない方と友達になってくれて初めてですわ。」
銀太「・・・・い、いや・・・・・・だから・・・・その・・・・・・。」
秋月あさぎ「・・・・・・・・。」
困惑する銀太に対し、キラキラと目を輝かせるあさぎの前にたじろぐのである・・・・・・。
銀太「・・・・わ、わかったよ・・・・と、友達になってやるから・・・・・だ、だから・・・・・その・・・・大人しくなるんだぞ。」
秋月あさぎ「・・・・・・・・はいっ、ありがとうございました。」
友達になってくれると答えた銀太の言葉を聞いて、満面の笑顔を見せるあさぎ。さすがの銀太も彼女の前では形無しであった。
秋月あさぎ「それともう一つ教えてくれませんか?。」
銀太「・・・・今度は何だ?。あさぎ・・・・・何とか?・・・・・・。」
秋月あさぎ「あさぎで良いですわ。その方が呼びやすいと思いますわ。貴方のお名前を聞いていなかったので、教えてくれませんか?。」
銀太「・・・・俺の名か・・・・・俺は・・!!?。」
秋月あさぎ「?・・・・どうしたのですか?。」
名前を言おうとした銀太は何かを見て驚き、口を止めた。
銀太「・・・・やば・・・・・
秋月あさぎ「え?・・・・!!。」
銀太は急いであさぎを連れて現場から去って行った。
町の裏道
タッタッタッタッタッタッタッタッ・・・・・・
何とか逃げ切った銀太は町の裏道で休憩していた。
銀太「はぁぁ・・・・はぁぁ・・・・ふ~~~・・・・・ここまで来れば追ってこないな。」
秋月あさぎ「?・・・・・どうして警察から逃げるのですか?。」
銀太「・・・・俺は札付きの不良だからな・・・・警察には色々世話になっているからな・・・・・・あそこでいると面倒な事になっちまうからな。」
秋月あさぎ「不良さんですか?・・・・・
銀太「おいおい、不良はかっこいいもんじゃね~~よ。社会からのはみ出し者なんだぜ、俺は。」
秋月あさぎ「・・・・・感激しました。」
銀太「・・・・・は、はいっ!?。」
秋月あさぎ「素晴らしいですわ。不良はゴロツキと聞かされましたが、極道のような仁義の厚く、筋を通す方と出会うとは
銀太「・・・・・・い、いや・・・・・ふ、不良ってのは・・・・・・」
ガサガサ・・・ガサガサ・・・
銀太「ん?。」
草むらから何かが音がした。
銀太「何だ?・・・・・ん?。」
秋月あさぎ「あららら・・・・・・」
現れたのは何故かボコボコにされたセーレムであった。
セーレム「・・・ふ、ふにゃ~~~~・・・・・・・・・ガクッ。」
倒れてしまったセーレム。彼の身に何が起きたのか?。それは銀太と出会う一時間前で明かされる・・・・・。
一時間前 とある裏道
セーレム「はああ~~~~・・・・・・・・・・今日は良い天気だな・・・・・昼寝しそうだぜ・・・・・・ん?。」
セーレムが何かを見つけた。それは可愛らしいシャムネコであった。
セーレム「へ~~い、そこの譲ちゃん。」
シャムネコ「ん?。」
セーレム「どうだい。俺と一緒に楽しく行かねえか?。暇ならドライブでも・・・。」
???「お~~~い、てめ~~~、何、人のものを手を出しているんだ~~~・・・・。」
セーレム「・・・・・・!!?。」
そこへ現れたのは片目に引っかき傷を持つ貫禄があるオスネコであった。さらに多数の猫たちが現れた。
どうやらこの猫たちのボスであるようだ。
セーレム「・・・・あ、あはははは・・・・・・参ったぜ・・・・・よ、よう、旦那・・・・・・・景気はどうだい・・・・・・。」
オスネコ「景気だと・・・・・・ふざけた事を言いやがって・・・・・覚悟しろ!!。」
ボキボキ・・・・ボキボキ・・・・・。
指を鳴らすオスネコ。当然、こうなる事になる・・・・・・。
セーレム「・・・・あ、あはははは・・・・・・。」
ドガ、バキ、ボコ、バコ、ベキ、ドゴ・・・・。
ムキムキマッチョのオスネコ達にボコボコされるセーレム。
セーレム「ぐはっ・・・・・・ヤバ強・・・・・ガクッ。」
オスネコ「これが懲りたら、二度と人のものに手を出すんじゃね!!。行くぞ。」
手下の猫たち「へいっ。」
シュタタタタタタタタタタタタタッ。
ボコボコされながらも命だけは助かったセーレム。
セーレム「イテテテ・・・・・・・あ、あのボスネコ・・・・・・いつか・・・・リターンマッチしてやる・・・・・・・イテテテ・・・・・・。」
よろよろとふらつきながらも歩くセーレムだが・・・・・。
セーレム「・・・と、というか・・・・・・あ、頭が・・・・・ふ、ふらついて・・・・・・・ど、何処に・・・・・・・いけば・・・・・・い、いいんだ・・・・・・・?。」
頭がふらついて方向を狂ってしまい、あっちに来たり子に着たりこっちに来たりと迷走するセーレム。
一時間後、現代に至る・・・・・・・。
銀太「ネコか?・・・・ん?、良く見ると飼い主を飼っているのか?。」
秋月あさぎ「この首輪から住所が書かれていますね。このネコちゃんの飼い主に届けませんか?。」
銀太「・・・なんで俺が届けなきゃならないんだ。警察に届ければいいじゃね~~か?。」
秋月あさぎ「いいえ、たとえ迷子のネコでも人助けをするのが日本の
銀太「ヤ、ヤクザって・・・・おい、何処でそれを知ったんだ?、それ・・・・・。」
秋月あさぎ「それより、この子を届けに行きませんか?。きっと、飼い主さんも困っているはずです。一緒に行きましょう。」
銀太「・・・はああ・・・・・・・やれやれだぜ・・・・・・・・。」
結局、セーレムを飼い主の所へ届けることに決めた銀太達。そこで銀太達はある人物と出会う事になる。
障害者支援用住宅前
銀太「ここがこいつの家か。でけぇ~~な・・・・。」
秋月あさぎ「そうですね。ここに人がいるのでしょうか?。」
銀太「まあ・・・・留守だったら、こいつを玄関前で・・・・・ん?。」
銀太は何かを気づいた。
車椅子の少女「ふ~~ふ~~ふふ~~ん~~ふんふん~~~。」
白いワンピースに麦藁帽子を着た車椅子の少女で、鼻歌をしながら洗濯をかけている。
銀太「車椅子?。」
秋月あさぎ「人がいますね。すみませ~~ん。お尋ねしますが、これは貴方の猫ですか?。」
車椅子の少女「!?・・・・え、ええ・・・・そうですが・・・・・貴方達は?・・・・。」
銀太「俺達は通りすがりの・・・。」
秋月あさぎ「すみません。
銀太「おお~~~~いっ!?、何でいきなりそれを言う!!?。」
あさぎの突然の言葉に仰天、突っ込みする銀太。
秋月あさぎ「どうしてですか?。出会った方は友達だと聞いていますが?。」
銀太「どんな考えだよ!、おいっ!!。」
車椅子の少女「・・・・・。」
二人の漫才に唖然する車椅子の少女。この車椅子の少女こそが、野崎優本人で、後の箱庭の冒険をする三人の一人であった。
野崎優「あ、あの~~・・・・・すみません・・・・・。」
二人「あっ!?。」
完全に優のことを忘れていた二人は事の成行きを説明した。
野崎優「すみません。僕の猫を届けてくれてありがとう。」
銀太「いや・・・・偶然出会っただけで、たまたまこいつの首輪が会ったらここへ届けに来ただけだ。俺達はこれで・・・。」
秋月あさぎ「すみませんが、おじゃましていいですか?。」
銀太「お~~~~~~い!!?・・・・・な、何気違いしているんだ!おいっ!!?。」
秋月あさぎ「いいえ、ここの家は一人しかいないようで寂しいと思いますわ。」
銀太「・・・・・まあ・・・・見た所・・・・・・一人暮らしのようだが・・・・・。」
野崎優「ううん・・・・確かに一人暮らしだけど・・・・家政婦さんもいるんだよ。」
銀太「へ~~・・・・家政婦ね・・・・・。」
野崎優「うん・・・今は買い物をしていて、今は僕一人だけ留守をしているの。」
銀太「・・・・・・お前・・・・車椅子しているようだが・・・・足に怪我をしているのか?。」
野崎優「ううん・・・・僕は幼い頃から病弱で歩く事も呼吸する事もできなかったんだよ。今は車椅子で生活しているけど・・・ただ友達は一人もなく、そんな僕を気遣っているのが家政婦さんだよ。」
銀太「・・・・・・・・・(こいつは・・・・昔の俺と同じだな・・・・・)。」
銀太は優の境遇を聞き、どこか昔の自分と似ていると思っていた・・・・・・。
野崎優「僕の事を心配しているの?。」
銀太「・・・・別に・・・・そんなことは・・・・・。」
秋月あさぎ「お二人とも、ここでパーティーをして親交を深めませんか?。」
銀太「・・・・おい、あさぎ・・・・なんで他所の家でパーティーをするんだ・・・・おい・・・・。」
秋月あさぎ「ここで一人ぼっちでいるのは良くないですよ。
野崎優「え・・・・。」
銀太「なあ・・・・それって・・・・俺も含めてってことか?・・・・・。」
秋月あさぎ「ええ、そうですわ。この外の世界で
銀太「・・・・おいおい・・・・俺は・・・ただ・・・・」
野崎優「ふふっ。」
銀太「何で笑うんだ。お前・・・・。」
野崎優「あ・・・ごめんなさい・・・貴方は不良みたいだけど・・・・根は優しい人だと思ったの。」
銀太「・・・・・おいおい・・・・・ただの気まぐれだ・・・・気にしなくても・・・・・。」
野崎優「でも・・・迷子になった彼女をほっとけなかったでしょう・・・・それに・・・貴方は周囲を気遣い、他人の為なら命を掛けるすごい人でと思ったの。」
銀太「!!?・・・・・・。」
野崎優「・・・ご、ごめん・・・・本当は覗くつもりはなかったの・・・・君の心を・・・。」
銀太「・・・・お、お前・・・・エスパーか?。」
野崎優「・・・・・ううん・・・でも似たようなものかな・・・・。」
秋月あさぎ「素晴らしいですわ。
野崎優「え、ええ・・・・いいですよ・・・・ただ・・・今日は僕の誕生日なんだの・・・・。」
銀太「あっさりかよ!!?。」
秋月あさぎ「では、ここで優さんのお誕生日を始めましょう。貴方も手伝いをお願いいたします。」
銀太「何で俺も手伝うわけっ!!?。」
あさぎの自由放浪さと突然の思いつきに翻弄される銀太は、共に優の誕生日をお祝う羽目になった。
野崎優「あ、あの・・・・名前を聞いていないけど・・・・・いいかな・・・・・。」
秋月あさぎ「ああ・・・申し忘れましたわ。
野崎優「こ、こちらこそ、よろしくね、あさぎちゃん・・・・・ところでこの人は?。」
秋月あさぎ「あ・・・すみませんですわ・・・・・この方のお名前は聞き逸れてしまって・・・・すみませんが・・・・もう一度、お名前を教えてくれませんか?。」
銀太「・・・・やれやれだぜ・・・・・しかたねえから教えてやるよ・・・・・俺は銀太・・・・・
秋月あさぎ「銀太さん・・・・良い名前ですわ。」
野崎優「・・・・・壱松・・・・銀太君・・・・・。」
こうして、お互いの名前を言い合った三人。これが三人の問題児の魔王達の運命的な出会いでのある。
一方、あさぎの護衛である戦刃むくろは町を走り回っていた。
タタタタタタタタタタタタタタタタタタタッ・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
戦刃むくろ「はああ・・・・はああ・・・・はああ・・・・はああ・・・・」
むくろは行方不明になったあさぎを必死に探し回っていたが、今だ見つけずにいた・・・・・。
戦刃むくろ「・・・・・・(お嬢様は何処に・・・・・まさかお嬢様を狙った組織が・・・・・!!?。)」
彼女の目の前に現れたのは、青い髪の女性であった。
青い髪の女性「何かお探し中みたいようだけど、邪魔して悪いけど、話を聞いて良い?。」
戦刃むくろ「・・・・・・貴方は?。」
青い髪の女性「私はクイント・中島。この付近で傷害事件を調べているけど、貴方、この子を知らない?。」
戦刃むくろ「・・・・・・。」
クイント・中島「この子はね、実は私の息子なの。けっこう喧嘩早くて、問題を起こしているけど・・・・困っている人を見逃せない良い子なのよ。あっちで傷害事件で女の子を助けようとしたみたいね。」
戦刃むくろ「・・・・・・それと私と関係があるのですか?。」
クイント・中島「防犯カメラで取った写真だけど、この子が私の息子の銀太なの。それともう一人がいたのが、この子なのよ。」
戦刃むくろ「・・・・・・!?・・・・・・こ、これは!!?・・・・。」
むくろがクイントの写真を見て、驚愕するむくろ。
クイント・中島「この子を知っているみたいね。」
戦刃むくろ「・・・・・この方は私の主人です・・・・・今、お嬢様を探している所で・・・・・。」
クイント・中島「貴方の主人なの?・・・・・なら、一緒に探して見ない?。」
戦刃むくろ「・・・・貴方が?。」
クイント・中島「私もこの子を探している所なの。きっと、彼女もそこにいるかもしれないわ。一緒に協力しましょう。」
戦刃むくろ「・・・・わかりました。協力しましょう。御互いの目的の為に探しましょう。」
クイント・中島「ありがとう・・・・それと貴方の名前を聞いていないけど、君の名は?。」
戦刃むくろ「・・・・私は秋月家当主の娘、秋月あさぎ様の護衛を勤める戦刃むくろです。」
クイント・中島「秋月家って・・・・もしかして・・・日本で五本で入る程の世界的有名な財閥のご令嬢なの?。」
戦刃むくろ「ええ・・・・」
むくろから事情を聞くクイント。彼女から秋月財閥の令嬢であるあさぎが行方不明になった事を聞かされ、共に探す事になった・・・・。
クイント・中島「あの子ったら、寄り道しないでと言ったのに・・・・お灸をすわなきゃね・・・。」
戦刃むくろ「・・・・・(この者・・・・ただよらぬ闘気を感じる・・・・この者の力・・・・私以上の実力の持ち主・・・・できる・・・。)」
クイントを自身を越える実力者と見抜き、戦慄するむくろ。一方、クイントは事件を引き起こした銀太におしおきをしようと考えていた・・・・・。
壱松銀太「ぶえっくっしょんっ!!?。」
野崎優「だ、大丈夫ですか?。」
秋月あさぎ「大きなくしゃみですね。風邪を引いたんですか?。」
壱松銀太「・・・・いや・・・ただ・・・・・誰かが俺の噂をしているんだと思う・・・・・ぶえっくっしょんっ!!?。」
秋月あさぎ「聞いた事があります。他人が人の噂を言うとその人はくしゃみをすると聞いたと思います。」
野崎優「そ、そうなのですか?。」
壱松銀太「・・・・いや・・・・・何故か嫌な予感がするな・・・・。」
何故か悪寒を感じる銀太。自身が起こした事件をクイントに感づいていた事に銀太本人は知らずにいた・・・・・。
秋月あさぎ「それより、優さん。こんな所で何をしているのですか?。」
野崎優「え、ええと・・・・留守番をしてるの・・・・・ここで・・・・・。」
壱松銀太「留守番って・・・・・あんた一人だけじゃないのか?。」
野崎優「うん、お手伝いさん一人住み込みで・・・・。」
壱松銀太「・・・・じゃあ・・・・お前は一人でここで住んでいるのか?。」
野崎優「うん・・・・。」
秋月あさぎ「あの・・・・・その方以外にお友達はいないのですか?。」
野崎優「・・・・友達は必要ないよ・・・・・一人で大丈夫だから・・・・・。」
壱松銀太「・・・・・・・。」
銀太は優の悲しげな顔を見て、悟った。彼女は今まで友達を作らず、一人で生きてきたと・・・・・。
壱松銀太「・・・・・一人で大丈夫なのか?。」
野崎優「・・・・う、うん・・・・・・・大丈夫だよ・・・・・・・。」
壱松銀太「違うな。お前は何かを恐れて、友達を作る事を避けていた。違うか?。」
野崎優「!?・・・・・。」
壱松銀太「へっ・・・・どうしてわかったのみたいな
野崎優「・・・・・・・・。」
銀太の問いに横を向き、沈黙する優。
壱松銀太「答えないと見ると図星のようだな。」
野崎優「・・・・いつから・・・・・・わかったの?・・・・。」
壱松銀太「お前とあさぎの会話の中でお前が友達という言葉を聞いて悲しげな顔をしていたからな。お前が隠している何かは知らねが、それが友達を作らない事を拒んだ理由だろう。」
野崎優「・・・・・・確かに君の言う通りだよ。僕が隠している秘密は・・・・・これだよ。」
スウウウウウ・・・・・・・・フワワワ・・・・・・。
優が右手をかざすと木の椅子が浮かび上がった。
壱松銀太「・・・・・・・お、お前・・・・ま、まさか・・・超能力者!!?。」
野崎優「・・・・ううん・・・・まあ・・・・似たようなものかな・・・・・。」
秋月あさぎ「素晴らしいですわ。こんな素敵な能力を持つ方は初めてですわ。」
野崎優「それだけじゃないよ。相手の心を読む力を持っているの。たとえば銀太君。」
壱松銀太「ん?。」
野崎優「君は幼い頃、一松の下で捨てられ、福祉施設で暮らしていたけど、そこから出て、日本各地に巡っていた。けど、喧嘩三昧で少年院や孤児院を送られる事も多く、様々な里親や施設とのそりが悪く、何度も脱走しては喧嘩に明け暮れる日々を送っていたみたいだね。」
壱松銀太「・・・・・。」
野崎優「でも、そんな君を心より一途に思っている人に拾われ、幸せな生活を送っているね。」
壱松銀太「・・・・・驚いたぜ・・・・そこまで俺の心を読めるのかよ・・・・・・・。」
野崎優「・・・・で、でも悪くしないでっ!・・・・・ひょ、表面しか読んでいないから・・・・深く読んでいないから安心して・・・・・。」
壱松銀太「・・・・・。」
自身の心を読み、他人には明かされたくない過去を見られる事に良い感じしない銀太。そんな彼の心情を察した優は謝罪した。
野崎優「ご、ごめんなさい・・・・・悪気はなかったの・・・・触れたくない過去だったら謝るから・・・・・。」
壱松銀太「・・・・・別に謝る事はないぜ・・・・・・俺は過去に振り返らず、前だけしか見ない主義でな・・・・・そんな事に気にしねえからそんな顔を心配すんなよ・・・・・。」
野崎優「・・・・・。」
秋月あさぎ「銀太さん。実のご家族に捨てられたのですか?。」
壱松銀太「ああ・・・・3年前、まだ赤ん坊だった俺を一松の下で捨てられてな・・・・・孤児院に拾われて育てられたが、三年後、孤児院を出て、いろいろ日本各地に駆け巡ったけど・・・・里親とか警察とかでトラブルを起こしてな、少年院や孤児院に入っては脱走して喧嘩三昧した日々を送っている不良さ。今まで気に入らない奴らをぶっ潰してきたからな・・・・・。」
秋月あさぎ「・・・・・。」
野崎優「・・・・・。」
さすがにシリアスな雰囲気になってしまうが、そんな中、優は銀太に対し、こう言った・・・・・。
野崎優「銀太君の御母さんって、警察官でしょ。」
壱松銀太「ああ・・・・そうだが・・・・。」
野崎優「荒れていた君の心を救ったのがクイントさんでしょ。あの人に会って、色々と教えてもらい、安らぎを感じるようになったね。」
壱松銀太「・・・・・。」
野崎優「あと・・・・・クイントさんに武術を叩き込まれたり、問題を起こすたびに更生や指導されたり・・・・あとお風呂で一緒に入ったり・・・・・。」
壱松銀太「・・・・・・・・・・。」
優の恥ずかしい言葉に顔を赤くする銀太。
野崎優「あっ・・・・ごめんなさい・・・・・恥ずかしい過去を読んでしまって・・・・。」
壱松銀太「・・・・・・やれやれだぜ・・・・・お前が他人を拒む理由はこれだったのか・・・・・。」
野崎優「・・・・うん、そうだよ・・・・・この力で他人を傷ついてしまうから・・・・だから・・・・・一人で生きる事を決めたの・・・・・・。」
壱松銀太「・・・・・・それで他人を巻き込まないように一人で生きようと心がけているのか・・・・・・健気だね・・・・・。」
銀太は優の事情を悟り、悲しそうに顔を上げる銀太。そんな二人の会話を聞いたあさぎは・・・・・。
秋月あさぎ「それで・・・・友達を作らず、一人で生きようとしているのですか?。」
野崎優「・・・・うん・・・・・・ここで一人で生きようと決めたの・・・・・・友達は必要はないの・・・・・・。」
悲しそうに顔をうつむく優。自身の力が周囲を傷つける事を恐れる彼女にあさぎは・・・・・。
秋月あさぎ「そんな事はありません!!?。」
野崎優「!?・・・・・・。」
壱松銀太「!?・・・・・・。」
あさぎの突然の言葉に驚く優と唖然する銀太。
秋月あさぎ「人は一人では生きてはいけませんわ。互いを思いやり、大切と思えば誰でも友達になれますわ。大事なのは気持ちの持ちようですわ。」
野崎優「・・・・・で、でも・・・・僕には・・・・・。」
秋月あさぎ「でしたら、ここから出て、外の世界を見ては如何ですか?。外の世界は素晴らしいですわ。見たこともないものばかりがたくさんあります。きっと、貴方の悩みも晴れると思いますわ。」
野崎優「そ、外って・・・・・で、でも・・・・・担当の先生から出てはいけないって言われて・・・・・・・。」
秋月あさぎ「いいではありませんか。
野崎優「え、ええ~~~~!!?。」
壱松銀太「・・・・なあ、おい・・・
秋月あさぎ「はい、そうですわ。銀太さんも行きましょう。」
壱松銀太「おいおい、何勝手に俺に参加させようとするんだよ、おい・・・・・・言っとくが俺はお前らと一緒に行くつもりは・・・・・。」
秋月あさぎ「駄目ですよ。銀太さん。みんなと一緒に行けばより楽しめますわ。友達や親しい人、みんなと苦しみや悲しみを分かち合い、話し合えば分かり合えると
壱松銀太「だから・・・・俺は・・・・。」
秋月あさぎ「行きましょう。この先に
壱松銀太「・・・・・・・・・。」
彼女の笑顔に困惑する銀太。さらに彼女の笑顔の前に断ろうとする思いが消え、彼女のお願いに逆らえなくなっていたと感じていた。
壱松銀太「・・・・・・・・・はあ~~~・・・・・・・わかったよ・・・・・一緒に行けばいいんだろ・・・・・・・・・。」
秋月あさぎ「ありがとうございます。さあ、優さん。一緒に行きましょう。外の世界の素晴らしさが待っていますわ。」
野崎優「・・・・あ、あははははは・・・・・・。」
壱松銀太「・・・・・やれやれだぜ・・・・・。」
セーレム「にゃ~~~・・・・・・・。」
こうして、あさぎの大胆すぎる思い付きと行動に振り回される銀太と優。これが三人の問題児達の最初の冒険でもあった・・・・・・。
20分後・・・・・。
雪染ちさ「ただいま、優さん。お留守番してる?・・・・・・・優さん?・・・・・・。」
キョロキョロ・・・・キョロキョロ・・・・。
優がいない事を知り、辺りを見回すちさ。留守番しているはずの彼女がいなくなった事は今までなかったので、しばらく沈黙した・・・・・・。
雪染ちさ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・え~~~~~~~~~~~~っ!!?。」
しばらく沈黙したちさが突然、驚いていた。彼女の顔は恐怖漫画の顔つきになっていた・・・・・・・。
雪染ちさ「ゆ、優さんが・・・・・優さんが・・・・・ゆ、誘拐された~~~~~~~~~っ!!?。」
ダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダ・・・・・・・・・・・・・・・。
誰かに誘拐されたと勘違いしたちさは大急ぎで彼女を彼女を探し回った。
一方、優を連れて外の世界に散歩していた銀太とあさぎというと・・・・・・。
海辺の道路
三人は海を見ながら歩いていた。銀太は優の車椅子を引きながら歩いており、あさぎは後ろに歩いていた。空にはカモメが飛び回っている。
秋月あさぎ「見てください。鳥が空を飛びまわっていますわ。」
壱松銀太「・・・・・・そうだな・・・・・・。」
野崎優「・・・・・綺麗・・・・・あんなに自由に飛び回っているのはきっと・・・・カモメだね。」
楽しそうに和む優とあさぎ、何かと不満を持つ銀太。
秋月あさぎ「銀太さん。そんな顔したら幸せが逃げてしまいますよ。」
壱松銀太「・・・・別に・・・・。」
秋月あさぎ「銀太さんも優さんのようにこの素晴らしき世界に楽しみませんか。」
壱松銀太「・・・・優、ああ言っているが楽しいのか?。」
野崎優「・・・うん、僕は楽しいよ。外の世界を見て、いろいろなものが見れるし、それに・・・。」
壱松銀太「それに?・・・・。」
野崎優「ここならいろんな星が見られるかもしれないの。」
壱松銀太「・・・・星に?・・・・・。」
野崎優「うん・・・僕はいろんな星を見るのが好きなの。特に星座は季節によって変わるの。」
壱松銀太「へ~~・・・・お前、星座を見るのは好きなのか?。」
野崎優「うん・・・お父さんやお母さんから宇宙の広さや神秘を教えてくれたの。宇宙にはまだまだ僕たちが知らないものや見たことない感動があるって言ってたの。」
壱松銀太「・・・・・1人で住んでいるって言っていたな・・・・もしかして・・・・・お前の親は・・・・・。」
野崎優「うん・・・まだ小さい頃、お母さんとお父さん、テロに巻き込まれて亡くなったの・・・・・当時、僕は生まれつき、病弱で両目は見えない上に、重い呼吸疾患を抱えていたの・・・・・・。」
壱松銀太「・・・・。」
野崎優「僕は自身が生まれた事に後悔したの・・・・・・それに僕の両親が亡くなって、生きる希望を失ったの・・・・・。」
壱松銀太「・・・・・・・。」
野崎優「でも・・・・僕はある人と会って、生きる希望と奇跡を見せたの・・・・・。」
壱松銀太「奇跡?。」
野崎優「うん・・・・・その人は僕にペンダントをもらったの。そのペンダントを付けたとたん、目が見えるようになったり、体が歩けるようになったの・・・・・。」
壱松銀太「へ~~~・・・そいつがお前に奇跡を授けたのか?。」
野崎優「うん・・・・でも・・・・この奇跡が他の人を傷つけてしまうの・・・・・・相手の心を読んでたり・・・・・僕はこの奇跡で周囲に迷惑をかけてしまう・・・・・だから・・・・僕は周囲から離れるようにしたの・・・・・。」
壱松銀太「・・・・・・」
優の悲しい過去を聞いた銀太。しばらく沈黙、そして彼女に言った。
壱松銀太「てめ~一人考え込むな!。」
野崎優「!!。」
壱松銀太「確かにお前の力はすごいぜ。力を誤れば他人を傷つくこともある・・・・・だがな・・・・自分一人抱えじゃねえ・・・・自分を否定するな。信頼できる奴を信じろ。過去なんて振り返るな。明日を見ろ。そこにお前しか見えない道があるはずだぜ・・・・・・。」
野崎優「・・・・・・」
壱松銀太「かつて俺は両親に捨てられ、他人を信じず、自分の力だけで生きようとした事があった・・・・・・強大すぎる力を自覚し、己の怪物性に疑問と孤独を抱えて生きてきたが、お袋と出会い、力を正しい事の使い方を教えられ、誰かを守る為に使う事を誓ったんだ。要は力の使い方次第ってことだ。下を俯くよりも前に真っ直ぐ見れば自分が見えない世界が見えるはずだぜ。」
野崎優「・・・・・・銀太君・・・・・うん・・・ありがとう。」
銀太の励ましの声を聞いて笑顔を見せる優。二人の会話を聞いていたあさぎは銀太に聞いた。
秋月あさぎ「銀太さん、貴方のご両親はどんな方ですか?。」
壱松銀太「・・・・・警察官なんだが・・・・・あいつら俺より強い奴らばかりだよ・・・・・俺には叶わないばかりさ・・・・。」
秋月あさぎ「・・・・すごいですね。銀太さん。ご両親は貴方より強いのですか?。」
壱松銀太「まあ、そうだだな・・・・後・・・・・妹が二人いるがな・・・・・。」
秋月あさぎ「良い家族をお持ちですね。」
壱松銀太「あ、ああ・・・・ありがとうな・・・・・・。」
照れ隠そうにそっぽを向く銀太。その時、あさぎから時計を見てトンデモ行動を起こした。
秋月あさぎ「あらら・・・・こんな時間ですか?。皆さん、アフタヌーン・ティーを準備しますので、一緒に飲みませんか?。」
銀太・優「え!!?。」
秋月あさぎ「あっ!、そうでわ。ちょっと待ってください。」
銀太・優「?。」
あさぎが目を瞑って集中し始めた・・・・その時、空から何かが降って来た・・・・・。
壱松銀太「風呂敷とお菓子に菓子道具・・・・?。」
野崎優「?。」
秋月あさぎ「これも
銀太・優「あ・・・う、うん・・・。」
サッサッ・・・・サッサッ・・・・バサッ・・・・コポコポ・・・ゴオオオ・・・・グツグツ・・・・・チャッ・・・・スウウウウ・・・・・。
あさぎは道路のど真ん中に風呂敷を広げ、様々な菓子や紅茶などを置かれ、紅茶を作りだしてではないか!!?。
壱松銀太「・・・・・な、何しているんだ?・・・・・お前・・・・・。」
秋月あさぎ「何って、アフタヌーン・ティーを準備してるのですわ。」
野崎優「ア、アフタヌーン・ティーって・・・・・い、今、ここで!!?。」
秋月あさぎ「はい、皆さんもアフタヌーン・ティーを楽しみましょうですわ。」
二人「・・・・・あ、あはははは・・・・。」
さすがにあさぎの予想外の行動に困惑、互いの顔を見て笑い合う二人。しかたなくアフタヌーン・ティーを楽しみのであった・・・・・。
しかし、その様子を伺う者がいた・・・・・。
???「あの女が秋月家のお嬢様か・・・・。」
???「ああ・・・・依頼人から連れ出すよう命じているからな・・・・・護衛に守られて、屋敷に篭っていたが、一人で出歩いているとは好都合だ。千載一遇のチャンスだ。これを逃す手はない。隙を見て、行くぞ。」
???「ああ。」
どうやら彼らの目的はあさぎのようで、隙を狙って誘拐する気だ。
しばらくした後・・・・・。
秋月あさぎ「ふ~~・・・・・如何ですか?。
野崎優「美味しかったです。」
壱松銀太「あ~~・・・・うまいぜ・・・・・これ・・・・・。」
アフタヌーン・ティーを楽しんだ三人。銀太は最初は嫌々ながらもそれほどまんざらではないようだ。その時、優に何かを感じ取った・・・・・・。
野崎優「!!・・・・・・・。」
壱松銀太「?・・・・どうした?。」
野崎優「今、貴方が誘拐されるのを見えたの。」
秋月あさぎ「え?・・・・
壱松銀太「・・・・どういう事だ?。」
優の突然の言葉に驚く二人。彼女の問いに理由を聞く銀太。
野崎優「言い忘れてしまったけど・・・・・僕、少し先の未来を読む事が出来るの・・・・・・。」
壱松銀太「・・・・・まじかよ・・・・・っで、どんな未来を見たんだ?。」
野崎優「彼女が黒ずくめの男達に車の中へ連れて込まれてしまうの・・・・・。」
壱松銀太「まさか・・・・そんなある訳・・・・・・。」
キキィィィィィィィ~~~~~~~~ン・・・・・・・・・ガ~~~・・・・・・タタタタタタタッ・・・・。
3人「!!?。」
突然走って来た黒いバンが止まり、そして、ドアから開いて、覆面をした数人の軍人風の男達が出てきた。
軍人風の男1「標的を確保しろ!。確保次第、すぐに撤退だ!!。」
軍人風の男2「ラジャ。」
ガシッ・・・・ババババッ・・・・・ガ~~~~・・・・・バンッ・・・・・・キュキュキュ~~~~・・・・・・・ガアアアアア・・・・・・・。
あさぎをバンへ連れ込み、そのまま猛スピードへ走り去った・・・・・・あまりの出来事に唖然する二人。
壱松銀太「・・・・・お、おいおい・・・・・まさか・・・・目の前に誘拐が行われるとはな・・・・・。」
野崎優「・・・・・あの人達は恐らくあさぎさんを狙っていたようだね。それもかなりのプロらしいよ。」
壱松銀太「・・・・・・やれやれだ・・・・・・面倒事になってしまったが・・・・・早くあいつを助けねえとな。」
野崎優「まって。」
壱松銀太「!?・・・・何だ?・・・・・今、忙しいんだが・・・・。」
野崎優「あさぎさんを助けに行くんでしょう・・・・・僕も手伝いたの。」
壱松銀太「・・・・・。」
優から協力を申し込まれた銀太。一方、あさぎは言うと・・・・・・。
ガ~~~~~~~~~~~~~・・・・・・・・・・・・・・。
軍人風の男1「目標を捕獲するのは楽だったな。」
軍人風の男2「ああ・・・・後は例の取引場所へ行くだけだ。俺達の依頼も無事に済みそうだな。」
軍人風の男1「確かにだ・・・・・だが、油断は禁物だぞ。ここはまだ日本の領域だ。非正規ルートへ進まねえと警察に感づかれてしまうぞ。」
軍人風の男2「あ、ああ・・・・わかった。」
軍人風の男1「あんたも大人した方が見の為だぜ。お嬢ちゃんよ。」
秋月あさぎ「・・・・・・・。」
あさぎは手足を縛られ、
軍人風の男1「その声さえ封じれば力は発揮できない事は知っているんだぜ。このまま大人しくするんだな。」
秋月あさぎ「・・・・・・・。」
軍人風の男達はあさぎの能力を知っており、その力を封じる手段を持っていたようだ。このまま非正規ルートへ進もうとしたその時・・・・・・。
軍人風の男2「お、おい・・・・」
軍人風の男1「!?・・・・どうした?。」
軍人風の男2「う、嘘だろ・・・・あ、アレを見ろよ。」
軍人風の男1「何があったんだ?・・・・・・!!?・・・・な、何だありゃっ!!?。」
彼らが見たものとは・・・・・・・。
ブウウウウウウウウウウウウウウウウン・・・・・・・・・・・・・・・・・。
何と・・・・・車椅子を乗った少女が空中で浮遊しながら高速で飛行してきたのだ。
軍人風の男1「な、何だあれは!!?。」
軍人風の男2「お、おい・・・・・あんなの聞いていないぞ!!?。」
軍人風の男1「し、知るか!?・・・・と、とにかく・・・・あいつからとっとと振り切れっ!!?。」
軍人風の男2「あ、ああ・・・。」
キュウウウウウウウウ・・・・・・ブオオオオオオオオオオオオオオオオオン。
スピードを上げるバン。引き離されることになっってしまった優と銀太だったが・・・・。
壱松銀太「おいおい・・・・引き離れるぞ!?。」
野崎優「大丈夫。まだまだいけるよ。」
壱松銀太「一応聞いておきたいが・・・・・車椅子が飛び出すとは驚いたぜ・・・・・しかも速さはF1並のスピードだな・・・・・おい・・・・・・。」
野崎優「う、うん・・・・人前に使うのは初めてだから・・・・・・今のは半分しか使ってないけど、今から全力を出すから、しっかり捕まってね。」
壱松銀太「・・・・あ、ああ・・・・。」
キィィィィィィィィ~~~~~~~~・・・・・・・・ブオオオオオオオオオオオオオオン・・・・・・・・・。
銀太は取っ手を掴むと優は力を発揮、さらに加速を増し、目に留まらぬ猛スピードを飛行開始した。多数の車を軽々と避けながら誘拐犯のバンへ迫った。
軍人風の男2「お、おいおいっ!?・・・・・く、車椅子が追って来たぞ!!?。」
軍人風の男1「う、うろたえるな!?・・・・・・もっとスピードを出せば・・・・・!!?。」
ブオオオオオオオオオオオオオオオオン・・・・・・・。
バンを追い詰めた車椅子は並べて飛んでいた。
壱松銀太「おい、優。あの車の前に出てくれ。」
野崎優「えっ!?。」
壱松銀太「お前の力で俺を車の方へ飛ばしてくれ。俺がぶん殴って止めてやる。」
野崎優「・・・・・で、でも・・・・・車にいる彼女の身が・・・・。」
壱松銀太「安心しろ。俺を信じろ。」
野崎優「・・・・わかった。君を信じるよ。全力に出すからしっかり掴まってね!!?。」
ブオオオオオオオオオオオオオオオオン・・・・・・・・・・・クルッ。
銀太の目を見て、彼の真意を悟り、信じる事にした優。車椅子はバンを追い越し、道路のど真ん中に空中に静止した。
軍人風の男1「ま、間抜けか!?・・・轢き殺されてみていいようだぜ。」
軍人風の男2「だったら、望み通りに殺してやる!!?。」
ブオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン・・・・・・・・・・・・。
スピードを上げて、銀太達を轢き殺そうとする軍人風の男達。猛スピードで走るバンの前に恐れを見せず、凛とした顔つきで立ち向かう銀太と優。
壱松銀太「力いっぱいあの車に俺を飛ばせっ!!。」
野崎優「うん、わかった。全力で飛ばすよ!!?。」
壱松銀太「頼むぜ!。」
野崎優「うん、いっけええええええええええっ!!?。」
ビュウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウン・・・・・・・・・・・。
軍人風の男2「オーマイガーッ!?・・・突っ込んできたぞ!!?。」
軍人風の男1「い、いかれているぞ・・・・・うわあああああああっ!!?。」
壱松銀太「ぶっ飛べえええええええええええええええええっ!!?。」
ドゴオオオオオオオオオオオオオン・・・・・・・・・グシャアアアアアアアアアアン・・・・・・・・・ガシャアアアアアアアアアアン・・・・・・・・・・。
銀太の強烈なパンチでバンをぶん殴り、その衝撃でバンは多く変形し、さらに犯人やあさぎ諸共車外へ飛ばされてしまった。
軍人風の男達「うあああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・・・・・・。」
秋月あさぎ「あぁぁぁらぁぁぁあぁぁぁらぁぁぁ・・・・・・・・・。」
スローモーションのようにゆっくり動き出す犯人達とあさぎ。しかし、猛スピードで地面に激突すれば大怪我、運が悪ければ死亡する危険性があったはずだったが・・・・・・。
サアアアアアアアアア・・・・・・・・・・・・トストスッ。
優の能力で空中で受け止め、ゆっくり降ろす事で助かった。
壱松銀太「よくやったぜ。優。」
野崎優「ううん・・・・銀太君が僕を信じて頑張ったからだよ。それより・・・・早くあさぎさんを・・・・。」
壱松銀太「うん?・・・・・あああ・・・・・そうだな・・・・大丈夫か?。お譲ちゃんよ。怪我はないか?。」
秋月あさぎ「はい、大丈夫ですわ。それより・・・・見事までの連携ですわ。まるでお互いをわかるように動いていましたですわ。」
壱松銀太「そうだな・・・・・俺はこいつを信じていたから、この作戦は成功したんだ。」
秋月あさぎ「おおおっ!!・・・・・・まさに・・・・ミラクルですわ。これほど強い絆を結ばなければこんな奇跡が起きなかったですわ。」
壱松銀太「おいおい・・・・褒めすぎだ・・・・!!?。」
秋月あさぎ「どうしたのですか?・・・・・・!!?。」
銀太は殺気を感じて周囲を見渡した。そこには先ほどあさぎと一緒に助けた軍人風の男達が周りを囲んでいた。
軍人風の男1「て、てめ~~~~・・・・・・・・・ずいぶん舐めた真似をしやがって・・・・・・俺達の目的はそのお嬢様だ。部外者はさっさと失せろ!!?。」
壱松銀太「やれやれ・・・・嫌がる女一人を攫おうとする野郎に言われる筋合いがねえが・・・・・一度しか言わねえから警告してやる。とっとと失せろ。」
軍人風の男2「このガキ~~~・・・ふざけやがって・・・・・・やっちまえ!!?。」
軍人風の男達「うおおおおおおおおおおおおお・・・・・・・・・。」
壱松銀太「・・・・やれやれさぜ。」
襲い掛かる軍人風の男達。それでも銀太は恐れず余裕を見せるのである。
軍人風の男達「うらあああっ・・・・・死ねっ・・・おらああ・・・しっ、しっ・・・キェェェッ・・・おらおらおらっ・・・・。」
サッ・・・シュッ・・・・ササッ・・・・シャッ・・シャッ・・・タッ・・・タタタッ・・・・。
次々と襲い掛かる軍人風の男達の攻撃を軽々とかわす銀太。
壱松銀太「はあああああ・・・・・・・アタタタタタタタタタタタタタッ!!?」
軍人風の男達「うわああああああああ・・・・・・。」
ドゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ・・・・・・・バタタタタタタタタタタ・・・・・・・・。
壱松銀太「ストライクアーツ、アクセルスマッシュ。」
無数の連打で軍人風の男達を撃退した。そこへまだ残った二人がいた・・・・。
軍人風の男1「や、野郎・・・・舐めた真似をしやがって・・・・かなりの拳法の使い手のようだが・・・
壱松銀太「ほう・・・銃か・・・・とことん腐っているな・・・・てめえら・・・。」
軍人風の男2「ほざけやがれ・・・・こいつを見てわかんねえのかよ。」
壱松銀太「・・・・やめておけ・・・・・ストライクアーツの使い手の前では銃など止まった弾にすぎん・・・・。」
軍人風の男1「こ、このガキ・・・・・し、死ねええ!!。」
バンバンバンバン・・・・・サッ・・サッ・・ササササッ。
銃弾を次々とかわしていく銀太。そして・・・・・。
壱松銀太「はあああああ・・・・・・・ホアタアアアアッ・・・・オラアアアアアッ。」
軍人風の男1「てぇぇぇぇぇぇん!!?。」
軍人風の男2「じょ~~~~~!!?。」
バキッ・・・ドオオオオオン・・・・・・・バタバタ・・・・。
壱松銀太「はああああああ・・・・・・・ストライクアーツ、アクセルブレイク。」
銃を持った二人を一撃で倒した銀太。
壱松銀太「ふ~~・・・・これで全部だな・・・・。」
秋月あさぎ「すごいですね。銀太さんのストライクアーツはすごいですね。私が見た所、この方々達はかなりの使い手と見受けましたが、それをねじ伏せて倒すとは恐れ入りますわ。」
壱松銀太「今のは・・・・ストライクアーツのほんの初歩にすぎんだからな・・・・・。」
野崎優「ふふ・・・・・!?。」
何気に話し合っている銀太とあさぎ。そんな二人をほほえましい笑顔を見せる優だが、何かを気づいた・・・・。
野崎優「銀太君。危ない!!?。」
壱松銀太「ん?・・・・・!!?。」
軍人風の男2「死ねええええええええええ!!?。」
何と先ほど倒した軍人風の男の一人が起き上がり、ククリナイフを持って襲いかかった。
壱松銀太「ちっ・・・・浅かったか・・・・。」
秋月あさぎ「銀太さん!!?。」
自身の攻撃がまだ未熟である事に舌打ちし、とっさにあさぎを庇う銀太。予想外の奇襲に対応できず、絶体絶命の危機に陥る銀太達であった・・・・・・。
ヒュウウウウウウウウ・・・・・・・・ドゴオオオオオオオオオオオン・・・・・・ガラガラ・・・・モクモク・・・・・。
軍人風の男2「うわああああああああ・・・・・・・。」
壱松銀太「ぐ・・ぐうう・・・・な、何だ!!?。」
秋月あさぎ「・・・・・・・・・。」
野崎優「・・・・・・・・。」
突然空から何かが降って来て、コンクリートの道路が粉々に砕き、爆発、その衝撃で軍人風の男が吹き飛ばされた。
壱松銀太「・・・い、一体何が起きたんだ?・・・・・!!?。」
土煙の中から徐々に現したのは長身でスレンダーな体型と髪型は肩までの長さの艶やかな黒髪が特徴の少女であった・・・・・・。
黒髪の少女「・・・・・・。」
壱松銀太「だ、誰だ・・・・あいつは・・・・・。」
秋月あさぎ「・・・・!!・・・・あの方は!?・・・・。」
予想もしない人物の登場に驚く銀太だったが、その時、黒髪の少女がこちらに向き、鋭い目付きで睨みついた。
壱松銀太「!!・・・・・(こ、こいつ・・・・・睨んでいやがる!?・・・・・こいつの殺気は・・・・・・・やばすぎる!!?・・・・・・・・・・!!?っ。)」
ヒュン・・・・・・ビュウン・・・・・ドオオオオオオン・・・・・・・・ポタ・・・・ポタ・・・・。
黒髪の少女が一瞬、姿が消えたと思いきや・・・・突然目の前に現れ、ナイフを繰り出し、銀太は咄嗟にナイフの斬撃をかわすが、腕に血が流れていた。後一歩で遅ければ頚動脈を切られていた・・・・・・。
さらにカウンターで拳で叩き込もうとしたが、左手で受け止めていた・・・・・・。
壱松銀太「・・・・・女のくせにやるじゃねえか・・・・・・。」
黒髪の少女「・・・・・・お前こそ・・・・悪党のくせになかなかのもですね・・・・・。」
お互い紙一重でかわし、互角以上の実力を見せる二人。しかし、そんな二人の戦いに水を差す輩が現れた・・・・。
軍人風の男2「・・・・や、野郎・・・・・な、舐めた真似しやがって・・・・・ぶっ・・殺してやる・・・・・死ねええええええ・・・・・・・・・ぷぎぼっ!!?。」
壱松銀太「!?。」
黒髪の少女「!?。」
ドオオオオオオオン・・・・・・・シュタッ・・・・・。
突然、空中から降って来て、軍人風の男の頭を踏みつけ、コンクリートがめり込んだ。華麗に着地したのは、長いポニーテールに水色のスーツの上に白いフリル付きエプロンを着用した女性であった・・・・。
ポニーテールの女性「探したよ。優さん。」
野崎優「ちささん!?・・・・ど、どうして?。」
壱松銀太「優、知り合いなのか?。」
野崎優「うん・・・僕の世話をしている家政婦さんだよ。名前は雪染ちささん。」
壱松銀太「へ~~・・・・家政婦さんね・・・・・。」
雪染ちさ「貴方を探し回っていたからよ。駄目じゃない。勝手に抜け出して心配していたから・・・・。」
野崎優「・・・・ご、ごめんなさい・・・・・。」
黙って家を抜け出した事に誤る優。しかし、ちさの後ろに黒い影が迫っていた。
野崎優「!!?・・・・・・ちささん、危ない!!?。」
雪染ちさ「?。」
軍人風の男2「し、死ねえええええええええ!!。」
壱松銀太「や、野郎!!?・・・・・!!?。」
黒髪の少女「・・・・・。」
軍人風の男に襲われるちさを救おうと動いた所、黒髪の少女に止められた・・・・・。
壱松銀太「お、おい!?・・・・・何で止めるんだ!!?・・・・・・早くしないと手遅れに!!?・・・・。」
黒髪の少女「・・・・・・大丈夫です。あの程度の小物に負けるような彼女ではありません。」
壱松銀太「お、おいおい・・・・・・一体何言っているだよ・・・・・このままじゃ彼女が・・・・・!!?。」
銀太は見たものは予想もしない予想外の光景であった・・・・・・・・。
パシッ・・・・・・・・ヒュンッ・・・・・・ドゴオオオオオオオオン。
軍人風の男2「!!?。」
雪染ちさ「・・・・・・・・ふんっ。」
軍人風の男2「ベギラバッ!!?。」
何と軍人風の男の手を掴み、豪快に肘撃ちで打ち込み、一撃で倒した。
壱松銀太「・・・・・・・お、おいおい・・・・・・嘘だろ・・・・・・。」
黒髪の少女「・・・・・彼女は希望ヶ峰学園の74期生で、元超高校級の家政婦です。あの程度の小物に軽くあしらえるも造作もありません。」
壱松銀太「家政婦?・・・・・あいつが・・・・・まさか・・・・あんなのほほしている奴が・・・」
雪染ちさ「いいえ、彼女の言う通りですよ。君が優さんを連れ出した誘拐君ね。話は後で・・・」
壱松銀太「い、いやいやっ!?・・・・ご、誤解だ・・・・俺はただ・・・・あいつが勝手に連れ出した・・・・!!?。」
ジャキンッ・・・・・・。
いつの間にか銀太の首元にナイフが付けられていた。
黒髪の少女「・・・・訂正してください・・・・・お嬢様の侮辱は許せません。」
壱松銀太「・・・・・・お嬢様?・・・・・お前・・・・あいつの護衛か?・・・・・・・お前は一体何者だ?。」
黒髪の少女「貴様のような下郎に話す言葉は・・・。」
雪染ちさ「戦刃むくろさん。“
戦刃むくろ「・・・・。」
壱松銀太「ちょ・・・ぐ、軍人?・・・・・お前ら一体何者だ!?。」
素性が明かされない二人に疑惑を持つ銀太で会ったが・・・・・。
秋月あさぎ「むくろさん。その方は
戦刃むくろ「・・・・お、お嬢様のお望みなら・・・・・失礼いたしました・・・・・・。」
あさぎを助けた方と知り、潔くナイフをしまい、謝罪するむくろ。
壱松銀太「・・・・・お前の知り合いだったのか・・・・あさぎ・・・・・・。」
秋月あさぎ「そうですわ・・・彼女は
壱松銀太「・・・・・マジかよ!!?。」
彼女の素性に驚く銀太。むくろと呼ばれる黒髪の少女はあさぎに駆け寄るとこう言った・・・・。
戦刃むくろ「お嬢様!・・・ご無事でしたか・・・・心配していましたんですよ・・・・もしお嬢様の身があったら御当主に何をお詫びするればいいか・・・・。」
秋月あさぎ「ごめんなさい・・・むくろさん・・・・
戦刃むくろ「・・・・この者は?。」
秋月あさぎ「この方は外の世界で始めて出会った、
戦刃むくろ「・・・・お、お嬢様の友達ですか・・・・・・。」
秋月あさぎ「それともう一人の方は野崎優と言いまして・・・
戦刃むくろ「・・・・先ほどのご無礼をお許してください・・・・・私は戦刃むくろ・・・・秋月家当主の命により護衛を任されました。お嬢様を救ってくださり、御当主に代わり礼を申し上げます。」
壱松銀太「いいや・・・・俺はただこいつが道を迷っているのを見かけてただけで、町への散歩に付き合っただけだ。気にしないでくれ。」
戦刃むくろ「そうですか・・・・・今はお礼は出来ませんが、いずれ必ずします・・・・・。」
壱松銀太「律儀だな・・・・。」
秋月あさぎ「でもよくここでわかりましたですね。」
戦刃むくろ「いいえ・・・・彼女のおかげでここまで着きました。」
壱松銀太「彼女?。」
むくろの言葉に何故か気になる銀太。しかし、その束の間に再び彼らに危機が迫っていた。
軍人風の男1「や、野郎・・・な、舐めた真似を・・・・し、死にやが・・・」
生き残ったリーダー格の軍人風の男が銃で銀太達を狙おうとした・・・・・・その時!!?。
ガチンッ・・・・グギギギ・・・・・メキメキ・・・・。
軍人風の男1「ぎにゃあああああああああ!!?。」
???「だめよ。子供にそんな物騒なものを向けては・・・・・。」
銃を踏みつけられ悶える軍人風の男。銀太達を救ったのは青髪のポニーテールの女性。
壱松銀太「!!?・・・・・な、何で・・・・あ、あいつが・・・・こ、ここに・・・・・。」
青髪のポニーテールの女性「銀太・・こんな所で何やんちゃをしているわね。後で乱闘や誘拐の件で詳しく話してもらうわ。」
壱松銀太「い、いやいや!?・・・・ご、誤解だ!!?・・・・俺は巻き込まれただけだ・・・乱闘は認めるが、誘拐した覚えはねえ・・・・・・。」
青髪のポニーテールの女性「そう・・・・話はゆ~~っくりとお話を聞かせてもらうわね・・・・この悪党を片付けたらね。」
壱松銀太「・・・・・」
青髪のポニーテールの女性の氷のような笑顔に青ざめる銀太。どうやら彼女に対して苦手意識があるようだ・・・・。
秋月あさぎ「あの方を知っているようですが、お知り合いですか?。」
壱松銀太「・・・・・俺のお袋だ・・・・。」
秋月あさぎ「・・・・・え、えええええええ~~~~~!!?・・・・・・お、お母様!!?。」
野崎優「・・・・も、もしかして・・・・あの人が銀太君が言っていた・・・・・。」
壱松銀太「・・・・・ああ・・・・クイント・中島・・・・俺のお袋で拳の師匠でもある・・・・・。」
銀太の母であるクイント・中島と戦刃むくろ、家庭教師の雪染ちさの活躍でテロリスト集団を一網打尽となり、全員逮捕に成功した。
ファンファンファンファンファンファンファンファン・・・・・・。
警察官「中島刑事。誘拐犯の逮捕、ご協力ありがとうございました。」
クイント・中島「いいえ。たまたま乱闘事件の捜査途中に出くわしただけですから気にしないでください。それより・・・・犯人の素性と動機はわかりましたか?。」
警察官「ええ・・・・彼らは名の知れた傭兵の集まりのようですが、誘拐を依頼した人物は誰なのかは聞けませんでした・・・・・。」
クイント・中島「そう・・・・ん?・・・・どうしたの?。」
クイントに近づいたのは優だった。
野崎優「クイントさん・・・・これを・・・・。」
クイント・中島「これって・・・・・有名な大企業や政治家、テロの組織の名前に所在地のようね・・・・・どこでこれを・・・・。」
野崎優「詳しい事はあとでお願いいたしますが・・・・これらがあさぎさんの誘拐を目論んだ黒幕だと思います。」
クイント・中島「・・・・わかったわ・・・・・貴方の言葉を信じるわ・・・これを私の上司に報告してください。私も調べ事をしてから後で本庁で行きます。」
警官「わ、わかりました!。」
優が渡したメモ書きにより上司に報告、調べものをしてから本庁へ行くクイント。優は銀太達の所へ戻っていった。
壱松銀太「なあ、お前・・・お袋に何を話したんだ?。」
野崎優「犯人の招待と所在地を話したの。さっきの男から依頼した人物を読み取ったの。犯人は政治家や世界有名な企業のらしくて、なかなか捕まれないけど・・・・。」
秋月あさぎ「
野崎優「政治家はあらかたわかるけど、その企業はかなり大掛かりな組織みたいで、日本の警察だけでは対処しきれないよ。」
秋月あさぎ「それなら
戦刃むくろ「はい、ただちに我が秋月家が誇る情報網で犯人及び関係者、組織などを洗い流し、さらに世界各国の国際警察や軍警察にも協力を要請します。三日があれば奴らを一網打尽にします。」
秋月あさぎ「よろしくお願いいたしますわ。むくろさん。」
壱松銀太「すげえな・・・・・お前とこの財閥は・・・・まあ、あとは警察か政府に任せて俺達は帰ると・・・・・!!?。」
ガシッ・・・・ググッ・・・・。
帰ろうとした銀太の肩にムズッと掴む人物がいた。その人物は・・・・・・。
クイント・中島「うふふふ・・・・・あらあら・・・・こんな所で何油を売っているのかしらね・・・・・銀太。」
壱松銀太「・・・・・あ、ああ・・・・お、お袋・・・・・こ、これには・・・・ふ、深い理由が・・・・・。」
クイント・中島「言い訳は取調室でゆ~~~~っくり話を聞かせてもらうわよ・・・・・今回の乱闘事件と誘拐事件。
どっちにしろ面白い話が聞けそうね・・・・・さあ、お父さん達が待っているからとっとと行くわよ。」
壱松銀太「オ、オ~~~~~ノ~~~~~・・・・・・・・。」
野崎優「・・・・・お気の毒に・・・・・。」
秋月あさぎ「・・・・・・ご冥福をお祈り申し上げます・・・・・・・。」
クイントに連行される銀太に気の毒に感じる二人。こうして、3人の不思議な冒険はこうして終わった・・・・・。
ある某国の施設。
ここはとある国にある施設で、“ある研究”を行っている模様。
研究員「な、何だと・・・・・国際警察に組織の施設の大半を押さえられたのか!?。」
組織の一員「ああ・・・・これまで誰も知られていないはずの施設や支援組織まで押さえられて、被害は甚大だ・・・・上はしばらく身を潜める事になる羽目になった・・・・・。」
研究員「今回の一件は秋月家の令嬢を誘拐する計画から始まったのか?。」
組織の一員「そうだ・・・依頼人の命令であの娘のを誘拐し、膨大な資金を奪い取り、依頼人が秋月家の実権を握る計画だったはずが、たかが少年や少女に邪魔された上、依頼主が逮捕され、関連企業や施設も大半を押さえられ、資金や研究に必要な物資を大幅に失う羽目になってしまった・・・・・おかげで“あの研究”は当分の間、延期になるそうだ・・・・・・。」
研究員「もし、あれの存在を知られてしまえば、我々はお仕舞いだぞ・・・・・大丈夫なのか?・・・・。」
組織の一員「ああ・・・・暗号機密の多くはあらかた処分しておいたが、極一部は取り押さえられてしまったが、あの暗号は複雑で、科学者1万人動員しても10年以上も解けない代物だ。抜かりはない・・・・。」
研究員「そうか・・・・“あの研究”は我々にとっては命綱だ・・・・あれを失えば我々の研究はすべて無駄に終わってしまう・・・・・。」
組織の一員「上が別の手段を考えてやるから安心しろ・・・・・引き続き、“血中粒子加速器”や気象兵器の研究・開発も怠らないようにな。」
研究員「ああ・・・・・わかった・・・・・。」
ウィィィィン・・・・・プシュウウウウ・・・・・・。
研究員は研究室に入った。中には様々な機材や多くの研究データを書かれたノートやホワイトボード、研究用の装置などが置かれていた。
研究員「“血中粒子加速器”の研究はどうだ・・・・・。」
研究員A「今、動物を使った実験をしましたが、まだまだ実用化には程遠いです。実験用の動物の追加及び人間を使った人体実験の予定ですが、各国の警察の目が厳しく、運搬や仕入れが難しいです。」
研究員「“星辰粒子体”はどうだ?。」
研究員B「現在、ブラジルにあるアマゾンの研究所で人間の素体を使った実験を行っていますが、まだ研究データは少なく、実験に失敗して死亡する者も少なくありません。ただ資金の大幅な損失で運用が難しく、現在、手持ちの資金でやりくりしています・・・・・・。」
研究員「気象兵器はどうだ?。」
研究員C「“星辰粒子体”からの転用はしばらくかかりますが、この間の事件で、研究員や重要施設、研究所を多数失い、設備や研究施設が乏しく、実用化はまだまだ先です。」
研究員「ふううん・・・・(まさか、“第三永久機関”の研究がここまで大幅に遅れるとは・・・・・)。」
どうやら銀太達の活躍で組織に甚大な打撃を受けたようだ。さらに追い討ちを掛けるようにとんでもない知らせが入った。
研究員D「しゅ、主任!?・・・た、大変です!!?。」
研究員「どうした?。あわてて・・・何が起きた?。」
研究員D「研究用素体として
研究員「な、何だと・・・・・い、一体誰が!!?。」」
研究員D「襲撃者はわかりませんが、現地の報告では襲撃した者は二名で、一人は女で、もう一人は子供だという事だそうです。」
研究員「ま、まさか・・・・たった二人で買収組織が潰されたのか・・・・・・・くっ・・・次から次へと・・・・。」
バサッ・・・・・。
研究員が机にたたきつけた書類にはある研究が書かれていた・・・・・・。
“
それは組織が研究していた研究内容で、それは12、3年後にて悪用し利用しようとするものだったが、後に銀太が引き起こした一件ですべてを失う事になるがまだまだ先での話である・・・・・・。
ちなみに巨大な買収組織を潰したの二人は一人は旧“ノーネーム”の参謀にして、“カナリアファミリーホーム”を設立した女性、
今回、あさぎの誘拐を目論むも銀太達に損害を被った組織は科学者である十六夜達の両親を殺し、永久機関の論文を盗み、箱庭に存在する魔王同盟“ウロボロス”と協力関係を持つ組織であったが、何も知らない銀太達の活躍で第三種星辰粒子体の研究データを大幅に遅れを取る事になり、後に銀太の存在により内部抗争を勃発させる事になるが、それは数年後の先の話になる・・・・・・・。
事件から一週間後。
壱松銀太「・・・・・なんちゅう・・・・・でけえ屋敷だな・・・・・・。」
銀太は今、大きな屋敷の入り口にいた・・・・それは1時間前に遡る・・・・。
学校の帰り道
授業を終わった銀太は学校から出て、家に帰る所であった。その時、一台のリムジンが目の前に止まり、ドアから老執事と数名の黒服の男達が降りてきた。
老執事「壱松銀太様ですね。」
壱松銀太「・・・・そうだが・・・・・あんたらは?。」
老執事「名乗りを遅れて申し上げません。
壱松銀太「・・・・何で俺を?。」
老執事「貴方様が御当主様の娘であるあさぎ様を助けたお礼として、御当主から屋敷へ招待するため迎えに来ました。貴方の御友達の野崎優様も招待していますので、ぜひ秋月家本家の屋敷へ案内します。さあ、どうぞ乗ってください。」
壱松銀太「・・・・わかったよ・・・・。」
銀太は老執事のご好意に甘え、秋月家のリムジンに乗り込み、そのまま発進して行く。
壱松銀太「・・・・悪いけど・・・お袋達には伝えたいが・・・・。」
老執事「ご心配なく・・・ご両親には話を通していますのでご安心ください。あさぎお嬢様も貴方方を来る事を楽しみにしていますので、どうぞお嬢様の事をよろしくお願い申し上げます。」
壱松銀太「・・・・わかった・・・期待に裏切らず応えてやるよ・・・・・あさぎには色々と世話になっているからな。」
老執事「そうですか・・・・さすがあさぎ様が見込んだお方ですね・・・・・このじいも安心して任せます。」
しばらくしてから・・・・
秋月家の屋敷
キキィィィィィン・・・・・・・バタッ・・・・・。
老執事「さあ、着きましたよ。どうぞ降りてください。」
壱松銀太「・・・・・なんちゅう・・・・・でけえ屋敷だな・・・・・・。」
秋月家の屋敷の入り口の前に下りた銀太は大きな屋敷に驚きを隠せずにいた・・・・・。
タタタタタタタタタタタッ・・・・・・・ザッ。
銀太を出迎えたのは多数のメイドであった・・・・・・。
メイド達「ようこそ、壱松銀太様。当家は貴方様を歓迎し、最高のおもてなしをしますので、楽しんでください。」
壱松銀太「・・・・あ、ああ・・・・。」
老執事「野崎優様も屋敷の大広間でお待ちしておりますので、当お屋敷を案内しますので、存分に楽しんでくだませ。」
壱松銀太「・・・楽しめって・・・・・・この広い敷地で?・・・・・・。」
内心、戸惑いながらも老執事の案内で屋敷内を歩く銀太。
秋月家 大広間
老執事「ここでお待ちください。」
壱松銀太「ああ・・・。」
大広間に着いた銀太。しばらくして、老執事から誘われ、中に入ると野崎優が礼儀正しく座っていた。
野崎優「あ、銀太君。ひさしぶりだね。」
壱松銀太「ああ・・・ひさしぶりだな、優。お前も呼ばれたのか?。」
野崎優「うん。あさぎさんのおじい様に招待されたの。」
壱松銀太「おじい様?・・・・それって・・・・ここの屋敷の主か?。」
野崎優「うん。あさぎさんの事で僕達に話があるみたいなの。」
壱松銀太「あさぎの事で?・・・・。」
老執事「銀太様、優様。秋月家の御当主様、
老執事がやってきて、当主である老人を連れて来た。忠次と呼ばれる老人はあさぎの祖父のようだ。
秋月忠次「君達があさぎが言っていた友達かね?。孫娘を助けてくれた事に感謝している。秋月家当主として、君達に礼を言いに来た・・・・孫娘の我侭に着き合わせてしまって迷惑をかけてしまったようだが・・・・・。」
野崎優「い、いいえ・・・・あさぎさんに出会った事でいろんなことを学ぶ事ができました。礼をするのはこちらです・・・・。」
壱松銀太「別に・・・・俺達はあいつの我侭に付き合っただけだ・・・・たいした事はないぜ。」
秋月忠次「いや、君達のおかげで孫娘は助かり、誘拐を目論んだ者や企業、組織を一気に壊滅したからね・・・・君達には返しきれぬほどの恩がある・・・・何があったらいつでも頼んでいいぞ。」
壱松銀太「お、おいおい・・・おおげさだな・・・・俺達はあいつの我侭に振り回されて巻き込まれただけで・・・欲しいものなんて・・・・・。」
野崎優「銀太君・・・・あさぎさんのお爺さんに失礼だよ・・・・・ご好意を受け取るべきだと思うよ・・・・。」
壱松銀太「・・・・やれやれだな・・・・・。」
秋月忠次「あさぎは君達を来る事を楽しみにしているのだが、私は君達に頼みがある・・・・・。」
壱松銀太「?・・・・頼みだと?・・・・。」
野崎優「そ、それは・・・・どのような事ですか?。」
神妙な顔つきで銀太達に頼み事を言う忠次。彼の言葉に困惑する銀太達。目を閉じ、しばらく沈黙した後、忠次はこう言った・・・・・・。
秋月忠次「あさぎの事を頼めたいのじゃ。」
壱松銀太「?・・・・どういう意味だ?。」
秋月忠次「あさぎは元々能力がある上、力を狙う輩も多くて、力を利用する者もいれば、彼女の力、存在を恐れ、命を狙う者もいるのじゃ。だから、孫娘を守る為に外界と一切の交流を絶ち、外の世界を知らずに育てたのだが、外への憧れを抱いておったのじゃ・・・・次期当主の自覚を持ちながらも、外への憧れゆえに一度だけ行く事を決めたのじゃ・・・・本心としては行かせる事には反対じゃったが・・・・・娘の力を恐れず、友になってくれた事、娘以外にも力を持つ者がいた事に驚いたのじゃ・・・・だから君達に任せたいのじゃ・・・・あさぎの初めての外の友達として・・・・。」
壱松銀太「・・・・・」
野崎優「・・・・・・」
あさぎを思う忠次の切実な思いを知った銀太達。彼らの答えは・・・・・。
壱松銀太「・・・わかったよ・・・・・あんたの頼みを聞いてやるよ・・・・・。」
野崎優「・・・僕もあさぎさんの友達になるなら構いませんよ。」
秋月忠次「・・・・そうか・・・感謝する・・・・。」
二人の返事に満足するように感謝する忠次。そこへ・・・・・。
ザザ~~・・・・。
秋月あさぎ「銀太さん、優さん。ようこそ、サプライズパーティーへ。」
壱松銀太「・・・サ、サプライズ・・・」
野崎優「パ、パーティー?・・・・・・。」
戦刃むくろ「それについては私がお話します。」
壱松銀太「!?・・・・あんたは?・・・。」
現れたあさぎによるサプライズパーティーの言葉に困惑する二人にあさぎの護衛であるむくろが現れ、これについて説明をした。
戦刃むくろ「お嬢様の恩人であるお二人のために、あさぎお嬢様自ら主催、サプライズパーティーを計画を立てました。どうか、お嬢様が立てたパーティーを楽しんでください。」
壱松銀太「・・・・あ、ああ・・・・。」
野崎優「・・・・う、うん・・・」
秋月あさぎ「さあさあ、庭へどうぞ来て下さい。」
あさぎの案内で庭へ来た銀太達だったが、目の前に驚きを隠せなかった。それは・・・・・。
壱松銀太「・・・・・どういう事だ?・・・・・これは・・・・・。」
野崎優「・・・・あ、あははは・・・・・。」
クイント・中島「あははは・・・そうですか・・・・。」
雪染ちさ「いえいえ・・・・あははははは・・・・。」
銀太の母であるクイントや優の家政婦であるちさを含め、多くの人だかりが庭にたくさんいたのだ・・・・・。
壱松銀太「・・・・・な、なあ・・・・あさぎ・・・なんでお袋達がいるんだよ・・・・・。」
秋月あさぎ「はい、ご家族も一緒にいれば楽しめると思い、呼び寄せました。」
壱松銀太「ま、まさか・・・サプライズパーティーってのは・・・・お袋達も含めてのパーティーってことか?・・・・。」
秋月あさぎ「はいですわ。銀太さん達にびっくりさせようと思い、こっそり招きましたわ。」
壱松銀太「あのな・・・・俺のお袋はな・・・どんな屈強な犯罪者ですら泣いて許しを乞うほどの恐ろしさを持つ暴力女なんだぞ・・・俺は今まであいつにどんだけ地獄を見せられたのか数え切れねえ・・・・・あんな暴力女をパーティーに招くとろくな事が・・・」
ガシッ・・・。
壱松銀太「!!?・・・・・・お、お袋・・・・。」
クイント・中島「だ~~~~れが・・・・暴力女ですって・・・・・。」
壱松銀太「い、いや・・・・そ、それは・・・・。」
クイント・中島「言いたい事は向こうの離れでゆ~~~くり話しましょう。それと、フィリス先生も来てるから楽しい進路相談をなりそうね・・・・来なさい。」
壱松銀太「フィ、フィリスも来ているのかよ・・・・・ノオオオオオオオオオオオオオオオオ~~~~~~~~~~~~~~・・・・・・・・・・・・・・・・。」
野崎優「・・・・・あはははははははは・・・・・・。」
クイントの進路相談という名の説教を受ける銀太であった・・・・。
雪染ちさ「あさぎさん。パーティーの招待をもらいありがとうございました。おかげで優さんに楽しい思い出が出来たと思います。優さんと友達になってくれてありがとうございました。」
秋月あさぎ「いえいえ・・・。こちらこそ、初めて友達になってくれたのはうれしかったですわ。お二人に出会って本当に感謝していますわ。」
雪染ちさ「そうですか・・・・優さん。この先はお二人で楽しんでね。あと彼にもね。」
野崎優「ええ・・・ありがとうございました。ちささん。」
雪染ちさ「あ、それと・・・・貴方が笑顔を見せるのは初めてだったわよ。いい友達になったわね。」
野崎優「!?・・・・・あ、ありがとう・・・。」
ちさの言葉に赤くなる優。ちさは銀太とあさぎの出会いが彼女を元気付けたと思ったらしい。
秋月あさぎ「優さん。
野崎優「う・・・う、うん・・・。」
二人は銀太抜きでパーティーを楽しんでいた。
それから数時間後・・・・。
パーティーが終わり、銀太、優、あさぎの三人は屋根の上で夜空を見上げていた。
壱松銀太「・・・・・まさか、俺達三人がこの屋敷で寝泊りするとはな・・・。」
野崎優「うん、ちささんやクイントさんにも許可をもらっているみたいよ。」
秋月あさぎ「そうですね。おじい様に感謝せねばなりませんわ。」
野崎優「でも・・・・意外だったね。銀太君が屋根の上で夜空を見ようと誘うなんて驚いたよ。」
壱松銀太「ああ・・・・お前、確か・・・・星を見るのが好きだったと聞いたからな・・・・そこで俺からのサプライズプレゼントを考えて、ここに決めたんだ。感謝しな。」
野崎優「そうなんだ・・・・ありがとう・・・・銀太君。」
秋月あさぎ「皆さん。ここからは
壱松銀太「ああ・・・・。」
野崎優「うん。」
三人は今夜だけの無礼講をする事になり、好きなだけ遊び、笑い合う事になった・・・・。
夜空を見上げる三人は様々な星を見ていた・・・・・・・。
野崎優「・・・あ・・・あの星座は・・・・ふたご座だね。」
壱松銀太「へ~~~・・・・あの星座がわかるのか?。」
野崎優「うん、子供の頃、宇宙にはまだまだ僕達の知らない神秘があるって、天文学者だったお父さんやお母さんから聞かせてもらったの。それに憧れて、星や宇宙の研究を調べる為に天文部に入ったの。」
壱松銀太「・・・・そうか・・・・。」
秋月あさぎ「皆さん!!・・・・皆さんの夢は何ですか?。」
壱松銀太「・・・・いきなり何だ?。」
秋月あさぎ「皆さんはどんな夢を目指しているのか気になって・・・・優さんの夢は何ですか?。」
野崎優「ぼ、僕・・・僕の夢は・・・宇宙飛行士と天文学者。」
秋月あさぎ「宇宙飛行士と天文学者ですか。」
野崎優「うん・・・宇宙にはまだまだ人間が今だ発見していない未知の領域がたくさんあるの。それを発見し、研究して、まだ発見しない神秘を解き明かすのが僕の夢なの。」
秋月あさぎ「すごいですわ。優さんの夢は素晴らしいですわ。」
野崎優「ありがとう。あさぎさん。ちなみに貴方の夢は何ですか?。」
秋月あさぎ「
野崎優「パティシエ?。」
秋月あさぎ「はい。
野崎優「・・・・す、すごい夢ですね・・・・あさぎさん・・・・。」
秋月あさぎ「ありがとうございます、優さん・・・銀太さんは?。」
壱松銀太「・・・・恥ずかしいから言えねえよ。」
秋月あさぎ「お願いしますわ。今は
壱松銀太「・・・・。」
そっぽ向けながら赤くなる銀太。そこへ優がこう言った・・・・・。
野崎優「言わないなら、僕が答えるけど・・・いいかな・・・。」
壱松銀太「・・・・わ、わかったよ・・・・・一度だけしか言わねえからよく聞きやがれ・・・・。」
野崎優「うん。」
秋月あさぎ「わくわく・・・わくわく・・・。」
銀太の夢は何なのかを聞きたがる優とあさぎ。そして、銀太の口から放つ言葉は意外なものだった・・・・・。
壱松銀太「・・・・・正義の味方だ・・・・・。」
優、あさぎ「え?。」
壱松銀太「・・・・・・・だ、だから・・・・正義の味方なんだよ・・・・・弱い者を守るヒーローみたいな奴になりたいんだよ・・・・・・まあ、警察官に目指してみようと思うがな・・・・・・。」
優、あさぎ「・・・・・・。」
銀太の言葉を聞いた二人。しばらく顔を合わせ、銀太の方へ向くと・・・・・。
秋月あさぎ「素敵な夢ですわ。」
野崎優「うんうん。」
壱松銀太「・・・・・マジか・・・・。」
秋月あさぎ「はいですわ。弱い人を守るヒーローになりたいという夢は素晴らしいですわ。感動しましたわ。」
野崎優「僕もそういう夢は好きだよ。人を守る夢は・・・・。」
壱松銀太「・・・・・へっ・・・・。」
自身の夢を褒めた二人に笑みを浮かべる銀太。
壱松銀太「じゃあ・・・・どちらが先に夢になるのか、賭けようか。」
秋月あさぎ「それは面白いゲームになりますね。」
野崎優「ま、まあ・・・・面白そうだから・・・・・やってみるかな・・・・。」
どちらが夢を叶う賭けようと話す銀太に賛成する二人。
壱松銀太「よしっ、約束だ。3人で夢を叶おうぜ!。」
野崎優「うん。」
秋月あさぎ「はいですわ。楽しみですわ。」
三人は穏やかな表情で夜空を見上げるのであった。これが三人の幼い頃からの夢の始まりでもあった・・・・・・。
白ウサギの章
200年前、箱庭の世界にある町「“月影の都”」のはずれで一人の幼い少女がいた。
2222外門 “月影の都” 町外れの古びた祠。
ここは“箱庭の貴族”と呼ばれる眷族達「“月の兎”」が住む町「“月影の都”」。その町からはずれにある古びた祠があった。
ここは昔、箱庭に来た頃の“月の兎”の祖先が立て、彼らの魂を祭っていたものだったが、長い年月により忘れられ、ここに訪れる者がいなくなった・・・・・。
その祠の影にちっこい白いウサ耳の少女が隠れていた。
白ウサ耳の少女「・・・・・・・・!??。」
ザッ・・・ザッ・・・ザッ・・・ザッ・・・ザッ・・・ザッ・・・
少女に近づく謎の足音。そこに現したのは・・・・。
青いウサ耳の少女「白ウサギちゃん。遊びに来たよ。」
明るい声で話してきたのは、着物を着た青色のウサ耳の少女で、その声を聞いて、白ウサ耳の少女は安心したように、物影から現した。
白ウサギ「黒ウサギお姉さま。」
黒ウサギに抱きつく白ウサギ。
黒ウサギ「ごめんなさい。白ウサギちゃん。今日は白ウサギちゃんの為にプレゼントしようと選ぶのに遅れてしまいましたです。はい、これが白ウサギちゃんの服です。好きなもの選んでもいいですよ。」
黒ウサギから白ウサギの好きそうな服に渡された。
浴衣や袴、振袖などの和風の着物やワンピースやカクテルドレスなどの西洋の洋服など様々な服が並んでいた。
白ウサギ「え~~と・・・・・!!・・・・これです。」
白ウサギが選んだのは青い浴衣であった。
白ウサギ「白ウサギは青い服が好きです。青だと心が和みそうです。」
黒ウサギ「そうですか。じゃあ、着替えさせるからじっとしてください。」
白ウサギ「はいです。」
黒ウサギに浴衣を着替えさせられる白ウサギ。
白ウサギ「わ~~~い、黒ウサギ姉さま。どうですか?。」
黒ウサギ「はい、似合っていますよ。白ウサギちゃん」
お気に入りの浴衣を着て、喜ぶ白ウサギ。二人は明日の“月影の都”の誕生祭の日について話していた・・・・・・。
白ウサギ「明日はいよいよ誕生祭ですね。黒ウサギ姉さま。お誕生日おめでとうございます。」
黒ウサギ「ありがとう。白ウサギちゃん。」
白ウサギ「黒ウサギ姉さまはいいですね。“
黒ウサギ「確かに皆から喜んでくれて嬉しいですが、黒ウサギはやはり白ウサギの元気な笑顔が嬉しいです。」
白ウサギ「//////」
黒ウサギの言葉に顔を赤くなる白ウサギだったが、しかし、すぐに悲しそうに下を向けるのであった・・・・。
白ウサギ「・・・・・でも、白ウサギには祭りに参加する事も都へ入る事は許されないです・・・・・・白ウサギの髪が白いから・・・大人達からは“呪われた異端の子”と忌み嫌われています・・・・・・。」
黒ウサギ「そ、そんな事はありません!!・・・・・たとえ他の同士が忌み嫌われる異端の子と言われようとも白ウサギは黒ウサギにとっては妹です。」
白ウサギ「・・・・・」
黒ウサギの言葉に感涙する白ウサギ。よほど周囲から差別や軽蔑されてきた事が窺える。
黒ウサギ「明日の誕生祭で、お父様とお母様に説得して、黒ウサギの養子にしてもらおうと思うのです。」
白ウサギ「・・・・・黒ウサギ姉さま・・・・・。」
黒ウサギ「白ウサギちゃん、しばらく待ってください。黒ウサギが必ず養子にしますので、辛抱してくださいです。」
白ウサギ「・・・・、ほ、本当ですか?。」
黒ウサギ「YES。黒ウサギは今まで約束を破った事はありますか?。黒ウサギが必ず、みんなに説得して認めさせますので、信じて待っていてください。約束ですよ。」
白ウサギ「・・・・はい、約束ですよ。黒ウサギ姉さま。」
これが幼い頃の白ウサギと黒ウサギの約束であった・・・・・しかし、その約束はあの悪夢によって引き裂かれる事になる・・・・・。
それから一日後、今年は“月影の都”の誕生祭の日で、黒ウサギが“月の兎”の御子として、皆が祝っていた。
しかし、白ウサギは「異端の子」と呼ばれて嫌忌されており、誕生祭には参加する事を禁じられている。
白ウサギには両親はなく、一人ぼっちで生きていた。しかし、そんな彼女を気遣う黒ウサギの存在に勇気付けられ、今日まで懸命に生きようとしていた。
彼女は賑やかに祭りの準備をする人々を遠くで見かける白ウサギ。
白ウサギ「・・・・・・・・・・(賑やかですね・・・・みんなこの祭りを楽しんでいる・・・・・でも、白ウサギは・・・・・)。」
都の人々は祭りの準備をし、楽しみにしている様子を見て、悲しみに浸る白ウサギ。自身も祭りを楽しみしていたが、悲しい境遇ゆえに参加できずにいた・・・・・。
ガサガサ・・・・ガサガサ・・・・。
白ウサギ「!?・・・・・・だ、誰ですか!!?。」
草むらから何か足音を聞こえ、警戒する白ウサギ。ここには彼女しかいないため、黒ウサギ以外の者が近づいたらすぐに気配を察知するがここまで近づき、察知できなかった者は初めてだった・・・・・。
ガサガサ・・・・ガササササ・・・タッ。
謎の老人「ほ~~~ほっほっほっほっほっ・・・・・・ハッピーかい?。嬢ちゃん。」
白ウサギ「!??・・・・・・。」
そこへ現れたのは、緑色のみずぼろしい服装をした老人であった。警戒する白ウサギ。
謎の老人「そんなに警戒しなくてもいいんだが・・・わしは怪しい人ではないのじゃがのお・・・・」
白ウサギ「!??・・・・・・。」
社の裏に隠れながらこちらを見て警戒する白ウサギに警戒を解こうとする老人。
謎の老人「君の名は何だね?。わしの名は“ルートヴィッヒ・グリム”と申す者だが、お譲ちゃんの名前を教えてくれぬかの・・・・。」
白ウサギ「・・・・・し、白ウサギと申します・・・・・。」
礼儀正しく自身の名前を教える白ウサギ。その名を聞いて満足するように頷くルートヴィッヒ・グリムと呼ばれる老人。
ルートヴィッヒ・グリム「ふむふむ・・・・白ウサギか・・・・・いい名じゃの・・・・・こんな美しい娘は今まで見たことはないほどじゃ・・・・・。」
白ウサギ「//////」
ルートヴィッヒに美しいと褒められ、赤面する白ウサギ。
ルートヴィッヒ・グリム「ほほほほほほっ・・・・・・お譲ちゃん・・・・何やら悩みがあるようじゃのお・・・・・。」
白ウサギ「!!?。」
ルートヴィッヒに自身の悩みを人目で見抜いた事に驚く白ウサギ。
白ウサギ「・・・・わ、わかるのですか?・・・・・白ウサギの悩みが・・・・。」
ルートヴィッヒ・グリム「まあ、お譲ちゃんの心の悩みを見抜く事は容易いじゃよ・・・・お譲ちゃんの心は今まで見た奴の中でもこれほど無いほど透き通った綺麗じゃ・・・・・・。」
白ウサギ「・・・・あ、あの・・・・ルートヴィッヒさん・・・・・貴方は一体・・・・。」
ルートヴィッヒ・グリム「ああ・・・そうじゃ、言い忘れたじゃが・・・・わしはゲームクリエイターの
白ウサギ「・・・・・・・よ、預言者?・・・・・。」
キョトンと目を丸くなる白ウサギ。さすがにあまりの言葉に困惑していた。
ルートヴィッヒ・グリム「今は知らなくてもいいのじゃよ・・・・・お譲ちゃんに未来を伝えて進ぜよう。」
白ウサギ「し、白ウサギの未来ですか?・・・・・・。」
ルートヴィッヒ・グリム「そうじゃ・・・・今から数分後に“月影の都”は魔王に襲われ、滅ぶ・・・・。」
白ウサギ「・・・・え!?・・・・・・。」
あまりの衝撃の言葉に唖然する白ウサギ。
ルートヴィッヒ・グリム「信じたくないようじゃが、真実じゃよ・・・・・お譲ちゃん、ここからの向こうの森へ向かって逃げなさい。そこでお譲ちゃんの運命に変える出会いが待っているはずじゃ・・・・。」
白ウサギ「・・・・・で、でもそんな話は・・・・・し、白ウサギは・・・・!!?。」
ドオオオオオオオオオオオオン・・・・・・・・。
爆発の音を聞いて振り返ると都は炎に包まれていた。さっきまで祭りの準備をして楽しみをしていたはずだったが、今は炎に包まれ、阿鼻叫喚に沈んだ地獄と化していた・・・・・・・。
白ウサギ「・・・・・み、都が・・・・“月影の都”が・・・・そ、そんな・・・・・!!?・・・・・黒ウサギ姉さま!!?。」
姉の黒ウサギが心配し、急いで駆けようとしたが・・・・
ルートヴィッヒ・グリム「待つんじゃ!。」
白ウサギ「!!・・・は、放してください!?・・・・く、黒ウサギ姉さまが・・・。」
ルートヴィッヒ・グリム「安心なさい。お譲ちゃんのお姉ちゃんは無事じゃよ。」
白ウサギ「!!?・・・・・・・ほ、本当ですか?。」
ルートヴィッヒ・グリム「ああ、そうじゃ・・・・あの子が生き残る未来を見たのじゃよ・・・・お譲ちゃん・・・・わしは詩人だが自分の見た未来に嘘をつかないのじゃよ。」
白ウサギ「・・・・・・・。」
ルートヴィッヒ・グリム「ただ、あの恐ろしい怪物よりももっと恐ろしい化け物が迫ってきているじゃよ。ここで留まればお譲ちゃんは間違いなく殺される。わしの見た予言は絶対じゃ・・・・それに生き延びれば必ずお譲ちゃんのお姉ちゃんはいつか会えるはずしゃ・・・・・今は信じて逃げなさい。」
白ウサギ「・・・・・・・は、はい・・・・わかりました・・・・白ウサギは貴方を信じます・・・・・。」
ルートヴィッヒ・グリム「おそらくここは多数のコミニティとの死闘が繰り広げるようだ・・・・大勢の死者が出るじゃがのお・・・・・お譲ちゃん・・・・・ここから離れて森の奥へ行きなされ。」
白ウサギ「・・・・・・・し、白ウサギだけ逃げるのですか?。」
ルートヴィッヒ・グリム「確かに今のお譲ちゃんは一人じゃが・・・・ここから先にお譲ちゃんと共に冒険する仲間とであるのじゃよ。きっと、お譲ちゃんの助けになれるはずじゃよ・・・・わしが保障するよ・・・・・。」
白ウサギ「・・・・・わ、わかりました・・・・白ウサギは貴方を信じて行きます。」
ルートヴィッヒ・グリム「それでいいのじゃ・・・・さあ、行きなさい・・・・・まもなくあの怪物共が押し寄せてくるぞ・・・・わしが時間を稼ぐ間に逃げなさい・・・・・。」
白ウサギ「・・・・・ルートヴィッヒさんは?。」
ルートヴィッヒ・グリム「わしの事は心配無用じゃ・・・・あの程度の雑兵如きに遅れは取らんよ。さあ、行きなされ。」
白ウサギ「・・・・は、はい・・・・どうかご無事を・・・・・。」
ルートヴィッヒの無事を祈り、森の奥へと走り去っていった。
ルートヴィッヒ・グリム「ふう・・・・無事に行ったのお・・・・・これで良いのじゃのお・・・・レイチェル・アルカード・・・・さて・・・・こちらも露払いをやるかのお・・・・?。」
ドオオオオオオン・・・・ドオオオオオオン・・・・・・。
怪物「ギャオオオオオオオオオォォォォォン・・・・・・。」
白蛇の胴体と四肢を持つ双頭の怪物の群れが大量にやって来た。
ルートヴィッヒ・グリム「やれやれ・・・・こりゃああ・・・・・骨が折れそうじゃのお・・・・・何とかやれそうか・・・・リュート?。」
リュート「・・・・ええ・・・あの程度の雑兵如き・・・問題ありません。」
ルートヴィッヒの後ろに風のように現れた銀色の髪と赤い目、口元には僅かだが鋭いキバを持つ黒装束の少女。
ルートヴィッヒ・グリム「ほほほほほ・・・・・・ではやるかのお・・・・。」
リュート「イエス、マスター。」
双頭の怪物「ギャオオオオオオオオオ・・・・・・・・・。」
多数の双頭の怪物の群れの前に恐れず立ち向かう二人。この二人の実力はいかに・・・・・。
一方、白ウサギは言うと・・・・・。
森の獣道
白ウサギ「はあ・・・はあ・・・はあ・・・はあ・・・!!?。」
深い森の中を決死で走る白ウサギ。その後ろから凶暴な獣の咆哮が聞こえた。
双頭の怪物「ギャオオオオオオオオオ・・・・・・・。」
彼女を追ってきたのは白蛇の胴体と四肢を持つ双頭の怪物だった。
どうやら怪物は白ウサギを狙っているようだ。
白ウサギ「あわわわわわっ!!?。」
白ウサギは大急ぎで走り去った。幼いながらそれでも“月の兎”の端くれであり、驚異的な脚力で双頭の怪物から逃げ去った。さすがの怪物も白ウサギの脚には追いつけずにいた。
ササッ・・・・シュタ・・・・テクテク・・・・。
そして、怪物から逃げ切った白ウサギは川の辺で休んでいた。少しでも力を回復する為に。
バシャッ、バシャッ。
白ウサギ「ふ~~~・・・・・・・。」
白ウサギは顔を洗っており、川の水面で自分の顔を見つめて、何かを思っていた・・・・。
白ウサギ「(・・・・黒ウサギ姉さま・・・・・無事にいて欲しいです?・・・・・・)」
黒ウサギの身を案じる白ウサギであったが、突然、彼女ははっと何かの気配を感じ取った・・・・。
白ウサギ「・・・・だ、誰ですか?」
その気配は先ほどの怪物ではなく、さらに邪悪な気配を感じ取ったのだ。
白ウサギ「・・・・だ、誰かいるんですか?・・・・い、いるなら・・・・出てきてくださいです。」
彼女の問いに薄暗い森の奥から不気味な笑い声が聞こえた・・・・・・。
???「キキキキキ・・・・なかなか鋭いじゃねえか、お譲ちゃん。」
白ウサギ「!!・・・・・あ、貴方は誰ですか?。」
ザッザッザッザッザッ・・・・・・・
森の奥から現したのは紫のコートと帽子をつけ長いマフラーを巻いた、長身で右目が黄、左目が青のオッドアイの猫型の獣人であった。
凶悪な笑みと眼つき、そして、両手の鋭い爪を動かしながら、ゆっくりと白ウサギに迫ってきた。
猫の獣人「キキキ・・・・なるほど、おめェが“エンヤ婆”が言っていた“白い兎の娘”か。」
白ウサギ「あわわわわ・・・・・し、白ウサギに何か用ですか?。」
相手の目的を問いかけながらも人一番気配を敏感に感じ取る白ウサギは先ほどの怪物とは比べ物にならないほどのドス黒い邪悪さと殺意を感じ取り、恐る恐る後ろに下がっていく・・・・・。
猫の獣人「キキキ・・・・悪いがおめェに恨みが無いが死んでもらうぜ。俺様の毒爪でな・・・・キキキキ。」
白ウサギ「ひっ!!?。」
猫の獣人から放つ言葉から彼は本気で殺す気である事を感じ取り、その場から逃げようとしたが・・・・。
猫の獣人「オイオイ、一体何処に逃げようとしてんだ?、お譲ちゃんよぉ。」
白ウサギ「!!?・・・・・い、何時の間に!!?。」
猫の獣人「キキキキ・・・・・切り刻んでやるよ。俺の毒爪でな!!。」
白ウサギ「ひっ!!?」
後ろへ逃げようとした白ウサギの前にいつの間にか猫の獣人が回りこんで来た。
オッドアイの両目で睨みながら極上である獲物を前に舌なめずりをする猫の獣人。今まさにその爪で白ウサギを振り下ろそうとしたその時・・・・・。
双頭の怪物「ギャオオオオオオオオオ・・・・・・・・・。」
白ウサギ「!!?」
猫の獣人「んん~~・・・・・何だ!!?。」
現れたのは先ほど白ウサギを追っていた双頭の怪物だった。白ウサギを追って、ここまで来たようだ。
紅玉のような魔眼で白ウサギと猫の獣人を睨みつけると、前足で圧し掛かろうとした・・・・・・。
ザシュウウウウウウン・・・・・・ザバアアアアアアン・・・・・・。
双頭の怪物「ギャオオオオオオオオオ!!?。」
何と前足の一つを一瞬で切り裂き、川へ落ちた。あまりの光景に怪物は驚きを見せた・・・・。
猫の獣人「オイオイ、人の獲物をやろうとしているの邪魔するとはなァ・・・・キキキ。」
あまりの光景に言葉を失う白ウサギであったが、今の内に逃げようと隙を伺っていた・・・・・。
双頭の怪物の前足から流れた血から大蛇や蠍が変幻し、猫の獣人に絡み付いた。
猫の獣人「!!?。」
双頭の怪物「ギャオオオオオオオオオ・・・・・・・・・・。」
白ウサギ「今です!!?。」
一蹴の隙を見て、戦力失踪で逃げ出す事に成功した白ウサギは森の奥へと走り去っていった。
猫の獣人「ケッ、ウゼンんだよ。おらァ!!?。」
ザシュウウウウウウン・・・・・ジュウウウウウウウ・・・・・ドロロロロロロ・・・・・・・。
絡み付いた大蛇と蠍を一瞬で切り裂き、泥のように溶けてしまった。
その爪には毒々しい紫色の光が放っていた。
猫の獣人「チッ!、オォォイ、人の仕事を邪魔するんじゃねぇぇぇぇよ!!?。」
双頭の怪物「ギャオオオオオオオオオ・・・・・・。」
白ウサギを逃げ出してしまった事で怒りを見せる猫の獣人に対し、双頭の怪物は二つの首で襲い掛かろうとした瞬間・・・・・・。
ザシュウウウウウウウウウウウウウウン・・・・・・・シュウウウウウウウウウウウウウウウウ・・・・・・。
双頭の怪物は猫の獣人の爪の斬撃で紙の様に斬り裂かれ、その切り裂かれた胴体はドロドロに溶けてしまい、跡形もなく溶けてしまった。
猫の獣人「チッ・・・・まあいい、ゆっくり甚振ってから切り刻んでやるか・・・・キキキキ。」
不気味に笑いながらゆっくりと爪を突き出す猫の獣人。そこへ・・・・・。
ゴボゴボゴボゴボ・・・・・・・・・・・ザバアアアアン・・・・・・・ザシュッ・・・・・ジュウウウウ・・・・・ブクブクブクブク・・・・・。
川から大蛇や蠍などが襲い掛かったが一瞬にして切り裂かれ、そしてドロドロに溶け、川も毒々しい色に染まってしまった・・・・・・。
猫の獣人「キキキキ・・・・逃がさねーぜぇ・・・・・子兎ちゃん。」
一方、何とか猫の獣人から逃げ切った白ウサギは森の奥まで逃げ続けていた。
白ウサギ「・・・・・(あの猫の人・・・・・明らかに白ウサギを狙ってきたのです。何者なのでしょうか?・・・・・・!!?。)」
白ウサギが後ろに邪悪な気配を感じ取った。何と、あの猫の獣人が白ウサギの真後ろまで迫ってきたのだ。
ビュウウウウウウウウウウウウウウウン・・・・・・・・・・・・・。
猫の獣人「キキキキ・・・・逃がしはしねえよ・・・子兎・・・・。」
白ウサギ「!!?・・・・・・あれだけ突き放したのにここまで迫ってくるまで・・・・・・・・は、早すぎるです・・・・・・」
猫の獣人の恐ろしいまでの身体能力に恐怖する白ウサギ。このままでは追い詰めるのは時間の問題だった・・・・・・。
白ウサギ「・・・・・!!・・・・・あそこなら!!?。」
白ウサギが見つけたのはかつて黒ウサギと共に遊んでいた遺跡であった。白ウサギはそこで隠れて隙を見て逃げ出そうと考えた。
シュンッ・・・・。
猫の獣人「!!?・・・・・消えた・・・・。」
白ウサギの姿が一瞬消えた事に驚き、遺跡へ降りた猫の獣人。しかし、何故か獰猛な笑みをしていた・・・・。
猫の獣人「キキキキ・・・・・この俺を隠れ通すなぞ、100年
白ウサギ「・・・・・・・」
遺跡に隠れ、猫の獣人の追撃から逃げ延びた白ウサギであったが、まだまだ危機が去っていなかった・・・・・・。
一方、ルートヴィッヒ・グリム達はいうと・・・・・。
ズバババババッ・・・・・・・ザシュウウウウウウウウウン・・・・・・・。
リュートと呼ばれる女性の二本のダガーが双頭の怪物数匹を一瞬の内に細切れにして切り裂かれた。
ルートヴィッヒ・グリム「ホッホッホッホッホッ・・・・・・他愛ない奴らじゃのお・・・・。」
リュート「マスター・・・・・調子乗りすぎです。」
ルートヴィッヒ・グリム「・・・・・リュ、リュート・・・・・少し・・・きついの・・・・・。」
何とたった二人であれだけの双頭の怪物をほんの数分で殲滅していた。そんな軽いやり取りをしていると周囲に異変が起きた・・・・・・。
ルートヴィッヒ・グリム「!?・・・・森の中に霧が・・・・・。」
リュート「こ、これは・・・・・・!!?。」
森から霧が出て来て、周囲に包まれてしまった。その中から人影が現した。
???「のほほほほ・・・・さすが“裏切りの詩人”にして“預言者”の異名を持ち、かつてコミュニティ“
ルートヴィッヒ・グリム「!?・・・・お前は・・・・“ジョーカー”か・・・・・。」
ジョーカーと呼ばれる丸みを帯びた1頭身の道化師のような者を見て、鋭い眼光で睨むルートヴィッヒ。
どうやら浅からぬ因縁らしく敵対しているようだ。
ルートヴィッヒ・グリム「お前さんが来るのは予想していたが、たった一人でわしら二人を立ち向かうのか。」
ジョーカー「のほほほほ・・・・確かに
ルートヴィッヒ、リュート「!!?。」
ゴオオオオオオオオオオオオオオ・・・・・・・・・・・・。
霧がより濃くなり、まるで生きているかのように二人の周囲を包み込んでいく・・・・・・。
リュート「!!?・・・・・マスター・・・・これは・・・・。」
ルートヴィッヒ・グリム「・・・・・・まさか・・・・“奴”が来るとは予想外だとはな・・・・・。」
どうやら意外な強敵の出現に驚きを隠せない二人。霧の形が王冠を被った骸骨の姿をした不気味な姿に形作っていく・・・・・。
ルートヴィッヒ・グリム「・・・・・・そろそろ出て来な・・・・・“エンヤのクソババア”・・・・・。」
???「ヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ・・・・・・・・・。」
霧の中から不気味な笑い声をし、その姿が現した・・・・・・その姿は小柄な女性の老人であった・・・・・・。
ルートヴィッヒ・グリム「やはりお前だったとはなあ・・・・・エンヤのクソババア・・・・・。」
エンヤ「ケケケケケケ・・・・・ほざけ、老いぼれめが!・・・・お前ら二人はこのわし自らが直々に始末してやるわ!・・・・このわしの力、
ゴオオオオオオオ・・・・・・・・ガタッガタッ・・・ガタッガタッ・・・・。
ものすごい霧が流れ出し、霧の中で何かが蠢いていた・・・・・・・。
双頭の怪物やゾンビ達「ウガアアア・・・・・アアアアア・・・・・ウラアアアア・・・・・。」
何と死人や倒したはずの怪物がゾンビとして蘇って来た。これがエンヤの力によるものらしい。
ルートヴィッヒ・グリム「やれやれ・・・・死者を蘇やがって・・・・えげつねえ事をよお・・・・・。」
エンヤ「ヒャ~~ヒャヒャヒャヒャヒャ・・・・お前達の目的は知っている・・・・だが、ここから出る事もなくこいつらに八つ裂きされながら死ぬがいい!!?。」
ルートヴィッヒ・グリム「上等だあ・・・・さっきの怪物と甘く見ない方がいいぞ・・・気をしっかりやるぞ、リュート。」
リュート「イエス、マスター。」
ルートヴィッヒとリュートは無数のゾンビやゾンビ化した双頭の怪物の群れと死闘を繰り広げる事になる。
一方、猫の獣人の追撃から逃れ隠れた白ウサギというと・・・・。
森の遺跡
キョロキョロ・・・キョロキョロ・・・・・。
白ウサギ「・・・・(・・・・あの獣人さんは・・・・今何処に?・・・・・)。」
辺りを見渡す白ウサギであったが、周囲には誰もいなく、気配すらしないほどだった。どうやら去ったようだ・・・・。
白ウサギ「・・・・はああ・・・・・去ったようですなあ・・・・・ここから離れて・・・・。」
???「ここから離れて何処に行く気だ・・・・子兎ちゃんよ?。」
白ウサギ「!!?。」
後ろを振り返るといつの間にか猫の獣人が白ウサギの背中にいた。しかも気配一つもしなかった・・・・・・。
猫の獣人「キキキキキ・・・・お前が隠れている事は
白ウサギ「!!?。」
白ウサギは素早く逃げようとしたが・・・・。
ササッ・・・・シュバンッ・・・・ドサッ。
白ウサギ「え?・・・・・・。」
何が起きたのか分からず地面に落ちた白ウサギは、立ち上がろうとしたが、立ち上がれなかった・・・・・・。
白ウサギ「立ち上がらない?・・・・・どうして?・・・・・・!!?。」
白ウサギは驚愕した。それは・・・・両足の腓腹筋が切り裂かれており、血塗れになっていた。
白ウサギ「あ・・ああ・・・・。」
自身の凄惨な光景に悲鳴が出ないほど、驚愕していた・・・・・・。
猫の獣人「キキキキキ・・・・あまりの恐ろしさのあまりに声が出ねえか・・・これでゆっくり
白ウサギ「あ・・ああ・・・・。」
絶体絶命の危機に追い込まれた白ウサギ。猫の獣人の禍々しい毒爪が迫り来る・・・・・その時!!?。
猫の獣人「キキキキキ・・・・・・まずは足から切り裂いて・・・・!!?。」
バササササ・・・・・ドオオオン・・・・。
何かが猫の獣人にぶつかりました。
猫の獣人「ぐっ・・・・な、何だ?・・・!!?。」
激怒した猫の獣人の目の前に青い鳥が・・・・。
青い鳥「チチチチ・・・・・。」
青い鳥は猫の獣人に威嚇していた。自分より遥かに大きい獣人に勇敢に立ち向かっていく・・・・。
猫の獣人「邪魔すんじゃねええええ!!?。」
青い鳥「チチィィィン・・・・・・。」
ズバアアアアアン・・・・・・ドサッ。
猫の獣人「けっ、邪魔しやがって・・・・・ん!?・・・あの子兎は?。」
白ウサギはいつの間にか消えていた事に気づいた猫の獣人。
猫の獣人「・・・逃げやがったな・・・・まあいい・・・・あの傷だそう遠くには行っていない筈だぜ・・・・・キキキキ・・・・ゆ~~っくりと・・・・恐怖と絶望を味わせてから殺してやるぜ・・・。」
血の痕を追って歩き出す猫の獣人。一方、グリム達は・・・・。
双頭の怪物やゾンビ達「ギャオオオオオ・・・・ウウウ・・・アアアアア・・・・・・。」
ルートヴィッヒ・グリム「フンッ。」
ドゴオオオオオオオオオオオン・・・・・・ゴオオオオオオオオオオオオオオ・・・・・・・・。
リュート「フンッ。」
ズババババババ・・・・・・バラバラバラバラ・・・・・。
グリムの強力な炎とリュートの二本のダガーにより双頭の怪物やゾンビ達を殲滅した・・・・が・・・。
ムクムク・・・・ザッ・・ザッ・・ザッ・・ザッ・・。
何と・・・双頭の怪物やゾンビ達が蘇っているではないか・・・・・・。
双頭の怪物やゾンビ達「ギャオオオオオ・・・・ウウウ・・・アアアアア・・・・・・。」
ルートヴィッヒ・グリム「・・・・やはり・・・しつこいの・・・・。」
リュート「・・・・ええ・・・・何度も倒しても切りがありません。」
エンヤ「ヒャ~~ヒャヒャヒャヒャヒャ・・・・無駄だ無駄だ・・・我が
ルートヴィッヒ・グリム「そうかい・・・・なら本体を倒せばいいだけよ!・・・・リュート!!。」
リュート「はっ・・・・はあああああ。」
ゴオオオオオオ・・・・ヒュウウウウウ・・・・・ドゴオオオオオオオオオオオオオオン・・・・ゴオオオオオオオオオ。
グリムの炎とリュートの風の力を合わせ、巨大かつ無数の炎の渦が霧全体を覆いつくした筈だった・・・・・・。
ゴオオオオオオオオオオオオ・・・・・ブオオオオオオオオオオオオオオオオン・・・・・・・・・。
な、何と王冠を被った骸骨の姿をした不気味な霧が一振りで業火を一瞬で消し去ってしまった・・・・・・。
ルートヴィッヒ・グリム「な、何と・・・・・一瞬で消されてしまったわ!!?。」
エンヤ「ヒャ~~ヒャヒャヒャヒャヒャ・・・・無駄だ無駄だ・・・拳で霧がはったおせるかッ、剣で霧が切れるかッ、銃で霧を破壊できるかッ、無駄じゃ無駄じゃ きゃきゃケケ──ッ!!。」
ルートヴィッヒ・グリム「・・・・・。」
エンヤ「ヒャ~~ヒャヒャヒャヒャヒャ・・・・冥土の土産に教えてやるわ・・・・貴様が逃した白兎の少女は今頃ワシの手駒が始末されるはずじゃ。」
ルートヴィッヒ・グリム「!!・・・・な、何じゃと・・・・。」
エンヤ「貴様は未来を読んでわしらを足止めをするつもりようじゃが・・・残念じゃが・・・・足止めされるのは貴様らのようだな・・・・。」
ルートヴィッヒ・グリム「!!・・・・。」
エンヤ「ヒャ~~ヒャヒャヒャヒャヒャ・・・・遅かれ早かれ、あの娘はどの道、死ぬ運命じゃ・・・・貴様らもあの娘の後を追うがいい!!・・・・・・!!?。」
一気にグリム達を倒そうとしたエンヤ婆であったが、突然、霧の上部に何かを察知したようだ。
ドオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン・・・・・・・。
巨大なエネルギーにより、森に包まれた霧があっと言う間に消え去ってしまった・・・・・。
ジョーカー「な、何と!!・・・・こ、これは!!?・・・・・。」
さすがのジョーカーも驚きを隠せないでいた・・・・・。
ルートヴィッヒ・グリム「・・・・霧が消えた・・・・・。」
エンヤ「ヌヌヌ~~~・・・・・・わしの力を打ち消す者は一人しかいない・・・・・貴様か、レイチェル・アルカード!!?。」
グリム&リュート「!!?。」
空から現れたのは赤と黒のゴスロリ服を着た金髪のツインテールの少女で、手に傘を持ったままゆっくり落ちて来た。
ジョーカー「な、何と!!・・・・ま、まさか・・・・あの伝説の
エンヤ「フンッ・・・アルカード家当主自ら直々にここへ来るとは・・・・たかがあの小娘の為に助けに来るとは驚いたわ・・・・貴様の一族“箱庭の管理者”はいかなる事が起きても箱庭世界に干渉は許されないはず・・・・貴様も一族の端くれならわかっているはずじゃ。」
レイチェル・アルカード「・・・・そんなルールは知らないわ・・・・・私はただ・・・・自分のルールに従っているだけよ・・・・覚悟しなさい・・・エンヤ婆。」
エンヤ「・・・・・。」
今まさに形勢逆転!。レイチェルの登場で勝負は決まるのかと思われていた・・・・・。
ジョーカー「エ、エンヤ婆様。“箱庭の管理者”相手では勝ち目がありません。ここは撤退した方が得策だと・・・・・。」
エンヤ「・・・・まあいい・・・・わしの役目は果たせたわ・・・・ここで引くとしようか。」
レイチェル・アルカード「!?・・・・どういう心境の変化?・・・・用心深く執念深い貴方が・・・・。」
エンヤ「ヒ~~ヒッヒッヒッヒッ・・・・貴様らがわしらを足止めのつもりようだが・・・・わしらは陽動に過ぎん!!。」
レイチェル・アルカード「・・・・!?・・・・ま、まさか・・・・。」
エンヤ「ヒ~~ヒッヒッヒッヒッ・・・・そのまさかじゃ・・・・今頃白兎の少女は地獄へくたばっているはずだ。」
レイチェル・アルカード「・・・・。」
エンヤ「ヒ~~ヒッヒッヒッヒッ・・・・己の無力さと無能さに呪うがいい~~!!・・・・・ヒ~~ヒッヒッヒッヒッ・・・・。」
エンヤはそう言うと霧が出現し、霧の中へ飛び去っていった・・・・。
リュート「!!・・・・逃がしは・・・」
ルートヴィッヒ・グリム「待つのじゃ!リュート!!。」
リュート「!!。」
ルートヴィッヒ・グリム「今は追う必要はないわ。ここはあの子の安全が最優先じゃ。」
リュート「・・・・・わかりました・・・・マスター。」
ジョーカー「おやおや・・・・他の事よりご自身の心配をなさった方はいいですよ。」
ルートヴィッヒ・グリム「なんじゃと・・・・・・。」
ジョーカー「のほほほほ・・・・。」
パチン・・・・・・コオオオオオオオオオオオオ・・・・・・・・。
ジューカーが指を鳴らすと空中の魔方陣が展開、そこから何かが出てきた・・・・・。
怪物「ゴアアアアアアアアア・・・・・・。」
魔方陣から現したのは、炎と溶岩の体を持つ巨大な怪物だった。
リュート「!!・・・・あ、あれは!?・・・・。」
ルートヴィッヒ・グリム「・・・・・ま、まさか・・・・厄介なもんを呼び寄せやがったのお・・・・・。」
レイチェル・アルカード「・・・・・“アルマゲドン”・・・・世界の終末的な善と悪の戦争や世界の破滅そのものを司る“
ジョーカー「のほほほほ・・・・お褒めいただき感謝します。レイチェル・アルカード様・・・・あの一体なら貴方と互角以上ですが、他の方々にはこれらの相手をしてもらいますよ。」
パチン・・・・・・コオオオオオオオオオオオオ・・・・・・・・。
ジョーカーが指を鳴らして、またも魔方陣を展開、中から無数の何かが出てきた・・・・・・。
リュート「!!・・・・こ、こいつらは!!?。」
ルートヴィッヒ・グリム「・・・・“アジ=ダカーハ”・・・・“拝火教”神群が一柱、五大魔王の三頭龍の
リュート「!!・・・・そ、そんな・・・・・“アジ=ダカーハ”は一体のはず!!・・・・・現に“月影の都”で暴れているはずです!!?・・・・何故!!?。」
ジョーカー「のほほほほ・・・・いやいや・・
レイチェル・アルカード「・・・・“
ジョーカー「のほほほほ・・・・いやいや・・・さすが、レイチェル様。よくわかりましたね。」
レイチェル・アルカード「見た所は・・・まだオリジナルには遠く及ばないようね・・・・・・見た目は良いけど・・・内部は未完成のようね・・・・・。」
ジョーカー「のほほほほ・・・貴方の言う通り・・・・これらは試作用に作られた量産品ですよ・・・・ちょうどテスト相手を探していた所ですので、実験体として戦わせてもらいますよ・・・・のほほほほ。」
ルートヴィッヒ・グリム「ふん・・・たとえ
アジ=ダカーハ達「“アヴェスター”起動――相剋して廻れ!!。」
アジ=ダカーハ達が謎の言葉と共に赤く光りだした。
ルートヴィッヒ・グリム「な、なんじゃ・・・これは・・・。」
ジョーカー「あ、そうそう・・・・出来損ないの“
ルートヴィッヒ・グリム「・・・・相変わらず、薄汚い奴じゃのお・・・・反吐が出そうじゃ。」
ジョーカーの言葉に怒りを燃やすグリム。
ジョーカー「では・・・
ジョーカーは霧の中へ飛び込んで消えていった・・・・・。
ルートヴィッヒ・グリム「・・・まあ・・・・“
アジ=ダカーハ達「
ルートヴィッヒ・グリム「!!?。」
ドゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン・・・・・・・シュタッ。
リュート「気をつけてください。マスター。
ルートヴィッヒ・グリム「・・・・確かに奴の言う通りじゃ・・・・こいつらを倒すのは骨が折れそうじゃ・・・・・レイチェル。すまんのう。まさか
レイチェル・アルカード「気にしないわ・・・・敵はここまでの戦力を有すると私も予想外だわ。」
ルートヴィッヒ・グリム「まさか、“アルマゲドン”とは召喚してくるとはさすがのわしも予想外じゃ。アジ=ダカーハ一体ならともかく、奴がここに落下すれば、下層どころか、上層・・・いや、箱庭そのものを消滅しかねないぞ!?。レイチェル、周辺へはどうじゃ?。」
レイチェル・アルカード「その辺は大丈夫さっき、結界を張っておいたから周りに認知できないし、見えないはずよ。あとはこれをどうにかしなとね。」
ルートヴィッヒ・グリム「それよりも、心配なのはあの子兎の女の子じゃが・・・・すまんの・・・レイチェル。わしも油断をしてしまったわ・・・・・わしのミスじゃ・・・・・。」
レイチェル・アルカード「・・・・心配しないで、ルートヴィッヒ。“彼女”に護衛に向かわせたわ。」
ルートヴィッヒ・グリム「“彼女”とは・・・・!!・・・まさか“あやつ”か?。」
レイチェル・アルカード「ええ、そうよ・・・・ただ・・・間に合えばいいけど・・・・今は彼女に信じるしかないわ。」
ルートヴィッヒ・グリム「そうか・・・・なら、わしらもわしらの役目を果たすだけじゃ・・・・露払いはまかせろじゃ、おぬしはあの大ボスを任せる。行くぞ、リュート。」
リュート「イエス、マスター。」
多数のアジ=ダカーハ達と怯む事なく挑むグリムとリュート。
レイチェル・アルカード「さて・・・・こっから先は本気を出すわ・・・・・行くわよ。ナゴ、ギィ。」
ナゴ「わかりましたよん。」」
ギィ「了解ッス。」
レイチェルに答える黒いデブ猫と赤い蝙蝠。どうやら彼女は本気を出すようだ。
レイチェル・アルカード「召喚して悪いけど、数分で消し飛ばしてもらうわ。」
アルマゲドン「ゴアアアアアアアアア・・・・・・。」
超巨大な怪物と対峙するレイチェル。彼女の実力はいかに・・・・・。
一方、猫の獣人に襲われ、足に怪我をした白ウサギは・・・・・。
森の遺跡
白ウサギ「はああ・・・はああ・・・はああ・・・はああ・・・・。」
白ウサギは足を引きずりながら森の中を必死に逃げていた・・・・・。
白ウサギ「はああ・・・・はああ・・・・ここまで逃げ切れば・・・・。」
???「何を逃げ切ればだい、子兎ちゃん?。」
白ウサギ「!!?。」
何と後ろに振り返ると猫の獣人が獰猛な笑みを浮かべながら立っていた。
猫の獣人「キキキキ・・・・邪魔が入ったが、今度こそ死んでもらうぜぇ。」
白ウサギ「!?・・・・はああ・・・はああ・・・はああ・・・・・。」
猫の獣人「キキキキ・・・・逃げろ、逃げろ・・・怯えながら逃げて、恐怖と絶望しながら死んでいけ。」
必死に逃げるも負傷した足では引きずることしかできない白ウサギ。そんな白ウサギをもがきながら必死に逃げる姿を冷酷に見つめ、楽しむ猫の獣人。
白ウサギ「はああ・・・はああ・・・はああ・・・はああ・・・・。」
猫の獣人「キキキキ・・・・どうした?・・・・早く逃げないと殺されちまうぜぇ・・・・。」
必死に逃げる白ウサギの悶える姿を楽しみ、挑発する猫の獣人。
猫の獣人「キキキキ・・・・鬼ごっこはここまでだぁ・・・・・死ねええええええええぇぇぇぇ!!。」
白ウサギ「キャアアアアアアアアアアアア・・・・・。」
ザシュウウウウウウウウウウウン・・・・・・・・ドサッ。
猫の獣人の鋭い爪の凶刃により、背中を切り裂かれた白ウサギ。背中から夥しい血が流れ出していた・・・・。
猫の獣人「キキキキ・・・・・終わりだな・・・・・・。」
白ウサギ「う、うう・・・・。」
爪を舐めて、獰猛な笑みを浮かべる猫の獣人の凶刃が白ウサギに迫る。
猫の獣人「これで・・・・ゲームオーバーだ!!?。」
白ウサギ「!!。」
今まさに凶刃が白ウサギに襲い掛かった・・・・・・その時!!?。
ドオン・・・・ヨロ・・・・。
何かが猫の獣人の顔面にぶつかり、よろけた。
猫の獣人「グッ・・・こ、今度は何だ!?・・・・・・!!?。」
青い鳥「チ、チチチチ・・・・・。」
先ほど猫の獣人の攻撃から守った青い鳥であった・・・・・・。
猫の獣人「ちっ・・・また、てめえか・・・・今度は容赦しねえぞ!!?。」
青い鳥「チ、チチチチチチチチッ!!。」
深手を負ったにも関わらず、勇敢にも立ち向かう青い鳥。
ブン・・・ブン・・・ドカッ・・・ドスッ・・・・シュッ・・・サッ・・・・・。
激しい攻防を繰り広げる青い鳥と猫の獣人。その様子を見る白ウサギ。
白ウサギ「・・・・あ、あれは?・・・・・。」
意識を混濁しながらも、青い鳥に見覚えがあったようだが、意識は朦朧していて覚える事ができなかった・・・・。
ザシュウウウウウウウウン・・・・・・ドサッ。
青い鳥「チチィィィン~~~~~・・・・!!」
猫の獣人「キキキキ・・・・・虫けらのくせにでしゃばりやがって・・・・・さあ、今度こそ息の根を止めてやるぜぇ。」
猫の獣人は白ウサギに止めを刺す為に近づいてきた・・・・・。
猫の獣人「念入りに始末してやるぜぇ・・・・恨むなら自分自身を恨むんだな・・・・・・。」
白ウサギ「・・・・・。」
猫の獣人の凶刃が今まさに白ウサギに止めをさそうとしていた・・・・・。
猫の獣人「キキキキ・・・・これで・・・・最後だああああああああ!!?。」
シュッ・・・ゴオオオオオオオ・・・・・・。
凶刃を振り下ろす猫の獣人。狙いは真っ直ぐに白ウサギの首を狙っていた。
絶体絶命の白ウサギ・・・・・その時っ!!?。
ガキィィィィィン・・・・・・・・サッサッ・・・・シュタッ。
金属のような甲高い音が周辺に鳴り響き、猫の獣人が後ろを数歩飛び下がった。
猫の獣人「!!?・・・・て、てめえは!!?。」
???「・・・・どうやら、間に合ったようじゃのお・・・・・・。」
猫の獣人の攻撃をはじき返した人影は、月の光に照らされ、その姿を現わした。その姿はノースリーブにしてチャイナ服を着た狐耳と尻尾を持つ少女だったで、猫の獣人も見覚えがあるようだ・・・・・。
猫の獣人「・・・まさか・・・・てめ~が来るとは予想外だったぜ。なあ、
小牟「ふん、ぬしのような外道に褒められても嬉しくはないわ。ぬしの悪行はここまでじゃ。地獄に送ってやるから覚悟しろ!。“ジャンガ”。」
ジャンガ「キキキキ・・・・てめ~のようなロリババァが来るとは・・・・・面倒だが・・・てめーが相手ならしかたね・・・・本気を出さなきゃならねえとはな・・・・。」
小牟「誰がロリババァじゃ、確かに765歳だが、まだまだピチピチの美少女じゃ。あやつの頼みじゃ、本気を出してやるじゃ・・・・行くぞ!!?。」
ジャンガ「しゃらくせ~~~~!!?。」
シャッ・・・シャッ・・・ガキィィィィィン・・・・ドオオオオオオオオオオオオオオオン。
凄まじい戦いを繰り広げる二人。その時、白ウサギの様子が・・・・・。
カアアアアアアアア・・・・・・・。
白ウサギの体から青白い光が放っていた。次第に光が増すようになっていく・・・・・・。
小牟「!?・・・ま、まさか・・・・あれは!?・・・・。」
ジャンガ「ちっ・・・“時渡りの
小牟「そうはさせないじゃ!?。」
ジャンガが早々に始末しようとしたが、小牟が食い止めようとした。
ジャンガ「邪魔すんじゃねえよ・・・ロリババァ。」
小牟「あやつに約束した。あの娘を守る。それだけじゃ・・・・地獄への片道切手を持って行くがいい。」
ジャンガ「ちっ・・・・・面倒だが、一気に決めてやる!!?。」
ジャンガの体から毒々しい闘気が放っていた。闘気により周辺の植物が一瞬にして枯れ果ててしまった。
小牟「ほお・・・一気に勝負を出るのか・・・・いいじゃろお・・・・ならば、わしも本気を出してやろうではないか!!?。」
小牟は構えると、体から光が発行し始め、両手にエネルギーが集めていく・・・・・。
ジャンガ「くらえ~~~!、ヘルポイズン・クロー!!。」
小牟「
ドオオオオオオオオオオオオオオオオオン・・・・・・・・・・・・・。
ジャンガが繰り出す毒のエネルギーで実体化した巨大な爪と小牟の強大なエネルギーの気功砲がぶつかり合い、大爆発した。
小牟「はああ・・・はああ・・・はああ・・・はああ・・・。」
ジャンガ「はああ・・・はああ・・・はああ・・・はああ・・・。」
お互いの必殺技の爆発を受け、ダメージを負っていた。
ジャンガ「ちっ・・・・今はてめ~を構っている暇はねえ・・・・先に始末しないとな!?。」
小牟「ぬっ!?。」
ジャンガは白ウサギの方へ飛び向かった。
小牟「させぬわ!!?。」
小牟もジャンガに素早く飛び走った・・・・・。
ジャンガ「キキキキ・・・・これなら守りきれるか!!?。」
小牟「ぬっ!!・・・・分身か・・・・こしゃくな真似を!!?。」
ジャンガが複数に分身し、撹乱を狙った。
小牟「わしを舐めんじゃないわ!!。」
ジャンガ「!!?。」
シュッ・・・・・ダダダダダダ・・・・・・シャッ。
小牟の姿が消えたと思ったら、ジャンガの分身達が一瞬にして攻撃されて消滅、ジャンが本体の目の前に小牟の姿が表わした。
ジャンガ「なっ!!?。」
小牟「ぬしには地獄すら生ぬるい・・・この
ジャンガ「!!?。」
ダダダダダダダダダダ・・・ガシッ・・ゴオオオオオオオオオオ・・・ドオガアアアアアアアアアアアアン。
小牟「
激しい連撃を加え、最後はパイルドライバーで止めを刺す小牟の必殺技であった・・・しかし・・・・。
小牟「!!。」
小牟が気配を感じ振り返ると、何とジャンガがいるではないか・・・・・。
ジャンガ「キキキキ・・・・さすがに危なかったぜ・・・・今、てめ~ガ倒したのは俺の分身だ。残念だったな・・・・俺にとどめを刺すことができなかったようだなあ。」
小牟「・・・じゃが・・・・手応えはあったはずじゃ・・・。」
ジャンガ「な、何~~~・・・・グ、ググ・・・・ゴ、ゴフッ!!?。」
突然、ジャンガの体に衝撃が走り、口から血反吐を吐き出した・・・・。
ジャンガ「ゴ、ゴフッ・・・ゴハッ・・・・て、てめ~~・・・・い、何時の間に!!?・・・。」
小牟「わしを甘く見たようじゃのお。ジャンガ。ぬしの敗因は自分の力を過信した事じゃ。」
ジャンガ「ちっ・・・・!!?。」
ヒュウウウウウウウウウ~~~~~シャシャッ。
森の奥から何かを近づいて来る事に気づいたジャンガ。森の奥から風のように現れたのは・・・・・。
リュート「・・・・小牟様。助太刀に来ました。」
小牟「おお、ぬしはリュート。ぬしが持ち場に離れて大丈夫か?。」
リュート「ええ・・・・マスターから貴方の支援をするよう命令しました。マスターとレイチェル様は己の力を解放して対処しているはずので、ご安心ください。」
小牟「・・・そうか、なら、わしも早く片付けないとな・・・・・。」
ジャンガ「ぐっ・・・。」
小牟「どうやら年貢の納め時のようじゃのお・・・・ジャンガ・・・・地獄へ帰るがいい・・・ここは、ぬしのような外道がいるべき世界ではない。」
ジャンガ「・・・ちっ・・・ふざけた事を言いやがって・・・・(さすがにこの状況はヤバイな・・・・ダメージが大きい上に・・・・小牟相手でも手間取るのに・・・・あの・・・元箱庭の騎士まで相手にするとは・・・・面倒だ・・・・ここは何とかしないとな・・・・)。」
さすがのジャンガも二人相手には苦戦すると感じていたようだ。その時、白ウサギに異変が起きた・・・・。
カアアアアアアアア・・・・・・・ボァァァァァァァァ・・・・・・スウゥゥゥ・・・・・フッ。
白ウサギの体から放つ光がさらに増し、次第に光に包まれ、そこへ巨大な穴が現れ、白ウサギを包んだ光はその穴に吸い込まれるように入り、穴は消滅した。
小牟「どうやら、“時渡りの
ジャンガ「・・・けっ・・・そんなもんは・・・・・・ごめんだああああああ!!?。」
ザッ・・・・・ゴオオオオオオオオオオオオオオ・・・・・・・。
ジャンガが地面に爪を刺すとそこから毒々しい煙が大量に噴出した。
小牟「ぬっ!!?・・・・毒ガスか!!・・・・・リュート!息を止めるのじゃ!!。」
リュート「はっ!!。」
すぐに息を止めて、毒ガスを回避する小牟とリュート。毒ガスが徐々に晴れていくと、ジャンガの姿が消えていた・・・・。
小牟「・・・・くっ・・・さすが“毒爪のジャンガ”じゃ・・・・引き際と逃げ足だけは速いわ。」
リュート「・・・小牟様、あの例の子は?。」
小牟「ふむ・・・・あれについてはわしの専門外じゃが・・・“時渡りの
リュート「そうですか・・・なら私たちはレイチェル様やマスターの支援を。」
小牟「ああ、そうじゃの・・・・・ぐっ!?・・・・・。」
リュート「!?・・・小牟様!!?・・・・怪我をなされているのですか?。」
小牟「・・・ああ・・・・あやつ・・・さすがにわしに気づかず深手を負わせるとは・・・やはり侮れん奴じゃ・・・・。」
リュート「小牟様!・・・私が回復させますので、任せて・・・!?。」
小牟「・・・・いや・・・今はレイチェル達が先だ。“
リュート「・・・・・わかりました・・・・・。」
レイチェルたちへ向かおうとした小牟達だったが、小牟はふと何かを気づいた。
小牟「!?・・・・あれは?。」
見つけたのは先ほど、白ウサギを助けようとジャンガに勇敢に立ち向かった青い鳥であった。
リュート「・・・・小牟様?。」
小牟「待ってくれ。すぐに終わる。」
コオオオオオオオオオオ・・・・・・・・・・スウウウ・・・・・。
シャオムゥが手を青い鳥に向けると光だし、ジャンガが付けた傷がみるみる治っていく。
小牟「よく頑張ったな・・・・ぬしの命を懸けて生み出した“勇気ある数秒”があの子の命を救い、たった今、世界の運命を大きく変えてくれたのじゃ。礼を言う・・・ゆっくり休むが良い。」
リュート「小牟様。お急ぎを!。」
小牟「ああ、わかってるわい!。」
そういうと優しく青い鳥を置き、すぐにレイチェルの所へ向かって走って行った。
一方、レイチェルも“アルマゲドン”に苦戦していた。
アルマゲドン「ゴオオオオオオオオ・・・・・・・・・・・。」
レイチェル・アルカード「・・・・・確かに私一人では無理がありそうだわ・・・・・・。」
アルマゲドンの圧倒的な力に苦戦するレイチェル。アルマゲドンに苦戦するのは理由がある。
“
ヨハネの黙示録を起源とし、千年戦争や自然災害や隕石の衝突のような外的要因を伴う終末論を司り、人類の滅亡を追い込むほどの大戦争や惑星を破壊するほどの星の超エネルギー、伝承による信仰により顕現され、すべての悪が滅亡するまで破壊をやめない最強最悪の破壊神である。
さらに体の表面は伝説の金属オリハルコン以上の強度を誇る超硬質な上、顕現したら最後、内部に溜まっている「メギドの炎」が膨張し、僅か一時間で、
レイチェル・アルカード「体はオリハルコン以上の強度に超高温高密度のエネルギーが膨張して、爆発寸前・・・このままでは、箱庭が消滅してしまうわ・・・・・・・・。」
ギィ「や、やばいッスよ。姫様。ここは一旦引いた方がいいッスよ・・・・。」
ナゴ「そうだよん。お嬢様。あの怪物の膨大な霊格、質量はあの“アジ=ダカーハ”の数千倍以上あるのよん!。あれを突破するのに1000万の神群が1000年以上をかけて攻略しなければならないのですよん・・・・しかも、爆発するまで残り10分しかないわよん・・・・・。」
レイチェル・アルカード「・・・・・・それでも、ここで引く訳にはいかないわ。ここで奴が箱庭を破壊すれば、彼女と“彼ら”の未来が途切れ、二度と出会わなくなってしまう・・・・・そのために奴を倒さなければならないわ・・・・・・。」
ギィ「ひ、姫様・・・・。」
ナゴ「キィィィィィ!!、こんな事に“あいつ”がいてくれば百人力なのに~~~!!?。」
レイチェル・アルカード「・・・・・私が時を止めるわ。」
ギィ、ナゴ「えっ!!?。」
レイチェル・アルカード「今から“箱庭の管理者”の特権を使用するわ。この世界のときを一時だけ止める。」
ギィ「で、でも・・・姫様・・・・使用すれば、体力を大きく使う上に、しばらく能力が使えなくなる代償があるんでッスよ。」
ナゴ「そ、そうよ、そうよ・・・・そ、それに・・・・使用するのにチャージがかかる上、チャージ中は無防備なのよん。」
レイチェル・アルカード「・・・・・それでもやるしかないわ・・・・・・。」
カアアアアアアアアア・・・・・・・。
レイチェルは覚悟を決め、“箱庭の管理者”の特権の使用を決め、魔方陣を展開したが、それを見逃すアルマゲドンではなかった。
アルマゲドン「ゴオオオオオオオオ・・・・・・・・・・・。」
レイチェル・アルカード「くっ!・・・・。」
ギィ、ナゴ「ひ、姫様!!?。」
口から大量の火炎弾を吐き出し、レイチェルに攻撃した。絶体絶命のレイチェル・・・・・・その時!!?。
ドガアアアアアアアアアアン・・・・バフウウウウウウ・・・・・・。
小牟「ふうう・・・・どうやら間に合ったようじゃ・・・・・大丈夫かい?。レイチェル。」
レイチェル・アルカード「・・・・ふん、遅いわよ、小牟・・・・最も早く来なかったの・・・・。」
小牟「・・・・・そ、それが助けに来た人への態度か・・・・・。」
不満そうに言うレイチェルに突っ込みを言う小牟。
小牟「わしが時間を稼ぐ。その間、特権の発動はぬしに任せるぞ・・・・。」
レイチェル・アルカード「・・・・任せるわ・・・・後はお願いするわ。小牟。」
レイチェルは小牟を信じて任せる事にし、魔法人の準備を始めた。
アルマゲドン「ゴオオオオオオオオ・・・・・・・・・・・。」
ゴオオオオオオオオオオオオオ・・・・・・ヒュッ・・・タタタタタッ・・・・・。
アルマゲドンは巨大な腕で殴りつけようとしたが、小牟は軽々とかわし、その腕の上を走っていく。
小牟「ふっ、そんな攻撃、遅すぎてあくびが出るわ。」
小牟は走りながら右腕に光が集まりだした・・・・・。
小牟「いくら膨大かつな霊格、質量があろうが、わしの“波紋”の前では無駄じゃ・・・はああああ・・・・・ふるえるぞハート!、燃え尽きるほどヒート!!、おおおおおっ、刻むぞ血液のビート!。」
シュッ・・・・・・コオオオオオオ・・・・・ドオオオオオオオオオオオオオオオオオン。
小牟「
ピキピキ・・・・ピキピキピキピキピキピキ・・・・・・・ドガアアアアアアアアアアアアアン。
溶岩と岩石の体がひび割れ、粉々に砕けた。オリハルコン並の強度の上に“アジ=ダカーハ”の数千倍以上の膨大な霊格、質量をたった一撃で打ち砕いたのだ。
アルマゲドン「ゴ、ゴガアアアアアアアアアア!!?。」
小牟「体を硬くしようが、無駄じゃ・・・・わしの波紋は外部と内部を同時に破壊する極意を持つ。もはやお前は裸の王様にすぎん・・・・・滅っせよ。」
さらに追撃を加える小牟。全身に闘気が流れ出し、集中し始めた。
小牟「はあああ・・・・刻むぜ 波紋のビート!、裁くのは わしの波紋だ!!、骨ひとつとてこの世に残さず、歴史の闇に永遠に沈め!!!・・・・
ダダダダダダダダダ・・・・・ドオオオオオオオオオオオオオオン。
アルマゲドン「ゴ、ゴガガアアアアアアアアアア・・・・ゴハッ!!?。」
波紋と呼ばれるエネルギーを纏った超連続攻撃を受け、アルマゲドンに大ダメージを与える成功した小牟。
小牟「ふうう・・・わしの役目は終わったわ。後は任せるぞ。」
小牟は向こうを見ると、レイチェルが魔方陣の展開は終わり、光出していた。
レイチェル・アルカード「待たせたわね。小牟。特権発動!!、“
カアアアアアアアア・・・・・・カチ・・・カチ・・・カチ・・・カチン・・・・コオオオオオオオオオン。
魔方陣から出現した大時計が出現し、時計の針が左右に展開し、カウントダウンの要領で1カウントごとに閉じていき、針が完全に閉じると同時に世界の時間が止まった。無論、アルマゲドンや小牟も止まった状態になっていた。
小牟「これで心置きなく、貴方を倒せるわね・・・・アルマゲドン・・・貴方の時間はここで終わりよ。」
コオオオオオオオオオ・・・・・・カアアアアアアアア・・・・・。
レイチェルは胸元から光りだし、そこから光の剣が現れた。
レイチェル・アルカード「
その剣はまるで雷の形をした黄金の剣であり、刀身から凄まじい電撃が飛び放っていた。
レイチェル・アルカード「
アルマゲドンの周囲の空間に黒い球体が包まれた。それは空間と空間を切断し、周囲への被害を及ばないのだ。
レイチェル・アルカード「シンクロゲイザー。」
カチャ・・・ザンッ・・・・ザシュウウウウウウウウウウン・・・・・バチバチバチバチ・・・・・。
停止したアルマゲドンはタケミカヅチの一振りを受け、一刀両断され、電撃を帯びながら、胴体が二つに分かれた。
レイチェル・アルカード「タイムアップ・・・・
ドガアアアアアアアアアア・・・・・・シュウウウウウウウン・・・・・・フッ。
レイチェルが「タイムアップ」と言うと両断されたアルマゲドンが爆発、しかし、その超高熱・高密度の大爆発は空間内に圧縮され、消滅した。
レイチェル・アルカード「ふ~~・・・・終わったわ・・・・。」
ナゴ「あは~~~~ん・・・死ぬかと思ったわよ~~~~ん。」
ギィ「はあ・・・はあ・・・はあ・・・も、もうバテバテッス・・・・・・。」
レイチェル・アルカード「・・・・まあ、あんな怪物を倒すのに私一人だけでは一苦労だったわ・・・・さあ、あんた達も休まず、とっとと、後始末をするわよ。」
ナゴ&ギィ「へ、へ~~~い・・・・・・。」
小牟「こらっ!・・・わしも忘れるじゃないわ!!。」
レイチェル達は森の下へ降りて行った。一方、ルートヴィッヒ・グリムは言うと・・・・。
森の中
ドドドドド・・・・・・ボシュウウウウウウウウウン・・・・・・・・。
多数のアジ=ダカーハのレプリカを一撃で粉砕したグリム。彼の周りに無数の光の剣が回っており、それが攻撃に使われているようだ。
ルートヴィッヒ・グリム「ニーベルング第二章・
右手の長剣を装備し、タクトの指揮者の如く舞い振り、無数の光の剣を縦横自在、変幻自在に操る。
ザッザッザッザッザッザッ・・・。
ルートヴィッヒ・グリム「まだ残っていたかのお・・・・ざっと数えて1000体・・・・一気に終わりにしようかあ。」
グリムが長剣を構えると、無数の光の剣が集まりだし神々しい9つの剣が現した。
ルートヴィッヒ・グリム「ニーベルング第三章・
×ここからPC、またはCDから"ワルキューレの騎行"を聞きながら朗読するとより楽しめます。×
ワルキューレの騎行の音楽に会わせて指揮者のように舞い振り、その動きをを会わせる如く、9つの剣を縦横自在、変幻自在に操り、アジ=ダカーハのレプリカ達に斬撃や射撃、突貫などの多彩な攻撃を加えた。
ヒュッヒュッ・・・・・ピュピュピュ・・・・ザンッザンッ・・・・ドオオオオオオオオオオオン。
半数以上を倒したが、まだ500体以上が残っていた・・・・・。
ルートヴィッヒ・グリム「まあ、ざっ見れば500体以上残っているが・・・・これで仕舞いよ!。」
ヒュンヒュンヒュンヒュンッ・・・・・・カアアアアアア・・・・・・・。
グリムの頭上に9つの剣が空中に回りだし、そこから光の輪を形成した。
ルートヴィッヒ・グリム「ニーベルング第四章・
カアアアア・・・・・チュドオオオオオオオオオオン・・・・・・・。
光の輪が光だし、一気に光が放たれ、グリムの周囲にいる500体以上のアジ=ダカーハのレプリカを一瞬にして、消し去った・・・・・・。
ルートヴィッヒ・グリム「ふうう~~~・・・・・・終わったわい・・・・・ふうう~~・・・・しんどいわい。」
そこへリュートが駆けつけた。
リュート「マスター。ご無事ですか?。」
ルートヴィッヒ・グリム「なあああに・・・・・わしが本気を出せばこんなもん・・・」
グキッ・・・・。
ルートヴィッヒ・グリム「!!?」
リュート「?。」
グリムの腰から鈍い音がした。それは・・・ギックリ腰の音であった・・・・・・。
ルートヴィッヒ・グリム「・・・こ、腰が・・・・。」
リュート「・・・・マ、マスター・・・・調子乗りすぎですよ・・・・。」
グリムに肩を貸し、一緒に歩くリュート。そこへレイチェルと小牟が現した。
レイチェル・アルカード「・・・派手にヘマをしたようね。グリム。」
小牟「何じゃ、何じゃ・・・・ギックリ腰でへばってるじゃのお・・・グリム。」
ルートヴィッヒ・グリム「そ、そういうお前さん達も・・・・かなり苦戦しているではないか・・・・。」
小牟「むっ!?・・・・よ、余計な御世話じゃ!!。」
ルートヴィッヒ・グリム「ま、まあ・・・そ、それを置いといて・・・・あの娘はどうしたのじゃ?。無事かい?。」
小牟「安心しろ・・・・あの娘は無事に旅立ったぞ・・・・まあ、深手を追っているが・・・・“時渡りの
ルートヴィッヒ・グリム「そうか・・・・これで安心じゃのう・・・・・イデデデデ・・・。」
レイチェル・アルカード「しばらく休養が必要ね。グリム。」
ルートヴィッヒ・グリム「まあ、わ、わしよりもここの状況はどうするのじゃ?。」
小牟「ああ・・・確か・・・アジ=ダカーハが暴れているようじゃが・・・・奴との戦いで深手を負っているが、今のわしなら一瞬で封印できるくらいやれるわ。」
レイチェル・アルカード「その必要はないようね。」
小牟「?。」
レイチェル・アルカード「あのアジ=ダカーハと戦っているのわ・・・・・あの“アルカディア”よ。」
小牟「“アルカディア”じゃと!!?。」
小牟は遠目でその旗を見た。その旗には日の昇る丘と少女が描かれており、小牟は驚きを隠せなかった。
小牟「ま、間違いないわ・・・・あの旗は“アルカディア”大連盟の盟主のコミュニティに違いない!!・・・・まさか、最強の神殺しといわれた人類最終試練である“
ルートヴィッヒ・グリム「それだけではないのお・・・・他にも100に等しい数のコミニティに、中でも名の知れたコミニティが4つあるぞ・・・・“ラプラスの悪魔”、“サラマンドラ”、“
小牟「・・・わしの出番はないのか・・・・・ガッカリじゃ・・・・。」
レイチェル・アルカード「そんな事より・・・ここの後始末をお願いするね・・・・ここの痕跡を残さないように。」
小牟「わかってるわい。きれいさっぱり消し去ってやるわい。」
ルートヴィッヒ・グリム「そうじゃ・・・リュート・・・確か、お前さんの“かつての主”があの“アルカディア”大連盟にいるはずだが・・・・今から会わなくていいのかい?。」
リュート「・・・・・いいえ・・・・私はコミニティから追放された“大罪人”です・・・・いまさら“あの方”に合わす顔がありません・・・・今はその気がありません・・・・。」
ルートヴィッヒ・グリム「・・・・すまんのお・・・リュート・・・・。」
リュート「いいえ・・・マスター・・・・お気遣いありがとうございます・・・・。」
どうやら過去にコミニティで起きた事件が原因で追放されたようで、悲しげな表情を見せるリュートに気遣うグリム。
小牟「よし、破壊された所ははわしの仙気で修復してやるわい。ん?・・・・!!・・・・レ、レイチェル!!?・・・・・その体は!!?。」
何とレイチェルの体が徐々に薄れていくではないか?・・・・体が消えるたびに苦痛に苦しむレイチェルだが、それを苦にせず、自身を心配する小牟にこう言った・・・・。
レイチェル・アルカード「・・・心配しないで・・・・“箱庭の管理者”の特権の使用を使った代償よ・・・・しばらく、ここに存在を維持できなくなるだけよ・・・・・。」
それがレイチェル・アルカードの“箱庭の管理者”の特権の代償であった。“箱庭の管理者”の特権は
レイチェル・アルカード「後は任せるわよ・・・・・小牟・・・・。」
小牟「ああ・・・任せろ・・・・わしとグリムで何とかしてやるわ。ここは大船を乗った気分で期待しておくれ。」
ルートヴィッヒ・グリム「大船ね・・・・ずいぶんはしゃぎすぎてるのお・・・・。」
漫才のようなやり取りするグリムと小牟。そんな二人を見て微笑むレイチェル。
レイチェル・アルカード「・・・(お膳立てはここまでしたわ・・・後は彼らをここの世界に来る事だわ・・・貴方に期待しているわ・・・・200年後に会いましょう・・・・白ウサギ・・・・いいえ、“
意味深な言葉を言い、消えてしまったレイチェル。白ウサギとは一体何者なのか?・・・・・。
小牟「さて・・・わしらも後始末をせんとな。空間操作と結界維持は任せるわ。グリム。そのくらいの力を残しているだろ?。」
ルートヴィッヒ・グリム「やれやれ・・・・人遣い荒いのお・・・・わしはギックリ腰じゃがの・・・・レイチェルの為じゃ・・・したかないわい・・・・。」
3人は森の奥へと去って行った・・・・・。
この事件は箱庭の東側の2222外門の“月影の都”が
しかし、この事件の裏で魔王“アジ=ダカーハ”を超える強大な魔王“アルマゲドン”により箱庭の消滅の危機が陥る大事件が起きていた事は誰も一人知らずにいた・・・・彼らを除いて・・・・。
そう、この事件が箱庭に巻き起こす大事件の序章に過ぎなかった・・・・。
とあるアジト。
エンヤ「な、何じゃと!?。しくじったじゃと!!?。」
ジャンガ「ケッ・・・・あのロリババァと生意気な鳥さえ邪魔さえなければうまく行くはずだったんだぜ!!。」
エンヤ「う、うぬぬぬぬ~~~~・・・・・お~~の~~れ~~~・・・・レイチェル・アルカードに老いぼれグリム、そして、忌々しい女狐め~~~~~~・・・・・・よくもこのわしをコケにしおって~~~~~~~~!!?。」
ジョーカー「し、しかし・・・エンヤ様・・・・“時渡りの
エンヤ「う、うぬぬぬぬ~~~~・・・・・。」
???「その必要はない。」
3人「!!。」
アジトの奥に腰を掛ける謎の人物。姿は影で追われており顔や容姿が見えないが、どうやらエンヤ達のボスのようだ。
エンヤ「し、しかし・・・・“エンブリオ”様・・・あやつは貴方様の計画に支障しかけない危険分子ですぞ。このまま放置すれば
エンブリオ「ふっ・・・その心配はない・・・・すでに手は打っているよ・・・・レイチェルは“箱庭の管理者”の特権の使用で、当分この世界に維持できないはず・・・・あの“神子”は必ずここに戻ってくるはずだ・・・・始末するのはその時狙えば良い・・・・。」
エンヤ「し、しかし・・・もし、あやつが予言に出る“救世主”共が連れてきたら危険では・・・・・・。」
エンブリオ「いや・・・好都合だ・・・・奴らは確かに脅威になるかもしれんが、私が求めている物を見つけるには、彼らが必要だ。しばらく泳がせて、我が計画の要である、“聖なる遺産”を集めさせ、そして、機が熟したところを奪い取る。奴らの始末はその後でいい。」
エンヤ「・・・・わかりました。仰せのままに・・・・・。」
ジョーカー「おおお、さすがエンブリオ様。見事までの策略ですね。このジョーカー、エンブリオ様の為に忠誠を誓います。」
ジャンガ「ケッ・・・いい気なもんだ・・・・。」
ジョーカー「おやおや、ジャンガちゃん。ご機嫌斜めですか?。あの白ウサギを殺せなかったに根を持っているのですか?。」
ジャンガ「うるせ~~よ!!、ジョーカー!!・・・・後一歩で始末したはずだったんだぜ・・・・邪魔者さえいなければな・・・・・。」
エンブリオ「ジャンガ。」
ジャンガ「?・・・・何だ、エンブリオ様?。」
エンブリオ「君にコミニティを授けようと思っているだが、いいかね。」
ジャンガ「・・・・・どういう事だ?。」
エンブリオ「しばらく、私は“ウロボロス”連盟に赴かなければならない事になっていてね・・・・・しばらく、私が担当しているコミニティが抜けた後の後釜を任せたいのだよ。」
ジャンガ「ケッ・・・そりゃあどんなコミニティですかい?。」
エンブリオ「まあ、カジノのような所でね。まあ、後は君の好きにすればいい。邪魔するコミニティがあればどんな手段でも使ってもいいぞ。君のやり方で。」
ジャンガ「・・・・キキキキ・・・・そりゃあ願ったりもない事ですぜ、ボス。任せてくれ・・・それと、あのウサギがここに戻ってくる事があれば・・・・その時、俺が始末していいですか?。」
エンブリオ「ふっ・・・好きにすればいい・・・・では、私もそろそろ行くか・・・期待しているよ。」
三人「はは~~~。」
エンブリオは一瞬の内に姿を消し、アジトの奥は静けさになっていた・・・・。
ジョーカー「いや~~・・・・ジャンガちゃん、まさかご自分んにコミニティをもらえるとは驚きですね。」
ジャンガ「ケッ・・・・しかたねえだろ・・・あいつに受けた傷がまだ完治してねえからよ・・・・しばらく、コミニティで休養しておくぜ・・・・。」
ジョーカー「確かあそこには傷を癒す温泉があるはずですね。まあしばらく、コミニティの仕事をしながら休養してくださいな。後は
ジャンガ「ケッ・・・・相変わらず飄々としたしやがって・・・まあいい、あそこのコミニティの部下共を使って、金を集めさせてやるぜ。」
ジョーカー「まあ、後はお任せしますよ。ジャンガちゃん。」
ジャンガ「ケッ・・・・。」
エンヤ「・・・・まったく仲がいいのか、悪いのか・・・・・まあよい・・・すべてはエンブリオ様の為・・・・我が配下達を各地に配備させ、来るべき救世主共を見つけ出し、始末してやる・・・・・待っておれ!“神子”、救世主共!!・・・・お前達はこのわしが貴様らに未来や希望はない事を教えてやるわ!・・・ヒ~~ヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒ~~~・・・・・・。」
アジト内で木霊するエンヤ婆の笑い声。彼らが出会うのは200年後であった・・・・。
一方、白ウサギは時空の穴で漂流していた・・・・・・。
時空の穴。
傷ついた白ウサギは意識を失った状態で時空の穴を漂っていた・・・・・。
カアアアアアアア・・・・・スウウウウウ・・・・・・。
な、何と・・・・白ウサギの体が金色の光で光りだし、体が大きくなっていくではないか・・・・。
9歳の幼女の姿から非常にスタイルが良い16歳の少女へとなって行った。
ボァァァァァァァァァ・・・・・・スウウウウ。
大きくなった白兎の前にの穴が出現し、その穴に吸い込まれてしまった・・・・・。
そこで彼女はのちに共に箱庭の冒険をする三人の魔王と出会う運命が待っていた。
始まりの章
そして・・・・季節は春になった・・・・・・。
銀太達3人は春休みの終わりが近づき、新学期について話し合いをするため、とある川の近くで集合する事になった。
壱松銀太「・・・・やれやれ・・・・暇だな・・・・・あさぎの奴、何で新学期についての話し合いのために、お袋に連絡するんだあ!?・・・おかげで叩き起こされちまったぜ・・・ふああああ~~~~~・・・・昼寝でもして待つか・・・ぐ~~~~・・・・。」
さっそく昼寝をして即寝てしまった銀太。一方、優とあさぎは言うと・・・・・。
車椅子を座る優を押しているあさぎ。どうやらあさぎが優の世話をしているようだ。
秋月あさぎ「銀太さんは来るでしょうか?。クイントさんにお願いしてここへ来るように伝えたはずですが・・・・。」
野崎優「来ると思うよ・・・・向こうで昼寝をして僕達を待っているはずだよ・・・・。」
秋月あさぎ「そうですか・・・・これなら安心ですね。」
野崎優「・・・でも、そうとは限らないよ・・・向こうで不良の集団が少年をいじめているから・・・・昼寝を邪魔されて怒ってボコボコニにされるみたいだよ・・・あの不良集団・・・・。」
秋月あさぎ「不良同士の喧嘩ですか・・・・なら
野崎優「え、ちょ、ちょっと~~~~~~~~~!!?。」
ゴオオオオオオオオオ・・・・・ビュウウウウウウウウウウウウン・・・・・・。
ものすごいスピードで突っ走って行くあさぎと優。男の喧嘩に興奮するあさぎに対し、彼女の行動に翻弄される優であった・・・・・。
それから数十分後、彼ら三人は
『悩み多し異才を持つ少年少女に告げる。その才能を試すことを望むならば、己の家族を、友人を、財産を、世界の全ての捨て、我らの"箱庭"に来られたし。』
本来なら箱庭からの招待状がなければこれないはずの三人。しかし、白ウサギとの出会いで箱庭の世界へと飛ばされ、そこでは銀太達の予想もしない大冒険が始まろうとしていた。
箱庭だけではなく、まだ見ぬ異世界への冒険。物語の鍵となる“聖なる遺産”と箱庭の歴史に隠された真実と神を作り出した存在“創造主”の謎。そして、心強い仲間達との出会い。
これは三人の問題児の魔王達と白ウサギの冒険の始まりの序章である・・・・・。
プロローグ 終 第一話に続く。
如何ですか。PROBLEM CHILD DEVIL WHO COME FROM ANOTHER WORLD(プロブレム・チャイルド・デヴィル・フー・カム・フロム・アナザーワールド)の前日譚であるプロローグは?。
本作は三人の問題児の魔王達となる主人公達と白ウサギが出会う前のお話で、主人公達がまだ幼い頃の過去と出会いと小さな冒険の始まり、そして、白ウサギがどのように主人公の世界へ流れついたのか詳しく描かれており、また、物語に「問題児たちが異世界から来るそうですよ?」本編と繋がっており、あさぎを襲撃したテロリストの裏で操っている組織は“ウロボロス”連盟と呼ばれる魔王連盟に繋がる組織と同一で、「ラストエンブリオ」に登場する設定も加え、第三永久機関を巡る陰謀を描かれておりますが、銀太達の活躍で多大な損害を与えられ、追い詰められるシーンが見られます。
白ウサギの章では、白ウサギが銀太達の世界へ流れ着くきっかけは物語の200年前、箱庭に起きた魔王アジ・ダハーカによる“月影の都”の襲撃で、白ウサギがグリムと呼ばれる老人に助けられましたが、しかし、この事件の裏で暗躍する者がいました。
ジャンガ、ジョーカー、エンヤ婆といった風のクロノアやジョジョの悪役が登場し、極悪非道さと強大な力を描かれており、対して、白ウサギを守ろうと奮闘するレイチェル・アルカードやルートヴィッヒ・グリム、小牟(シャオムゥ)、リュート達の活躍と実力を見せました。
1、2話に登場したレイチェル・アルカードは“箱庭の管理者”と呼ばれる一族の一人であることが明かされ、さらに“箱庭の管理者”の特権のすごさや代償も描かれております。
普段の彼女の力はギフトゲームを無効化、消滅させるなどの“箱庭の管理者”の力はすごいですが、最大の見所は時間をすべて停止させたり、空間を断絶し、あらゆるエネルギーを圧縮・収縮し、消滅させるなどの特権は必見です。
また、彼女の決め台詞「You're already dead.(貴方はもう死んでいる。)」は北斗の拳のケンシロウの台詞を引用しています。
ルートヴィッヒ・グリムはかつてコミュニティ“幻想魔道書群(グリムグリモワール)”を率いた伝説の魔王の副将を務めた“詩人”のようですが、何らかの理由で裏切り者と呼ばれ、他の“詩人”達から恨まれているようです。
飄々して陽気な老人ですが、実力が高く、人類最終試練(ラスト・エンブリオ)であるアジ=ダカーハのレプリカを次々と撃破させたほど。
実は未来を読み取る“預言者”と呼ばれる異名を持ち、後に銀太達の前に現し、助言する事になります。
小牟(シャオムゥ)は「NAMCO x CAPCOM」のオリジナルキャラクターで、レイチェルの旧友という設定で、オリジナル技「仙狐妖術奥義・四神破天光」やジョジョに登場する波紋使いの設定を加え、ジャンガと互角以上の戦いとその後の戦闘で負傷していながらも、人類最終試練(ラスト・エンブリオ)である魔王アルマゲドンのオリハルコン並の体を一撃で粉砕するなどの実力を見せます。
ルートヴィッヒ・グリムに仕えるリュートと呼ばれる謎のメイドは、実は“ノーネーム”のメンバーの一人、レティシア=ドラクレアと同じ“箱庭の騎士”と呼ばれる純血の吸血鬼で、しかも彼女に仕える親衛隊隊長のようでしたが、ある理由からコミニティから追われ、グリムに拾われ、使えたようです。
因みに「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか」の登場人物の一人、リュー・リオンをモデルにしたオリジナルキャラクターで、謹厳で実直な性格であり、口調も厳しめな所所属するコミニティを失う部分と似ている所があります。
他にもレイチェルが白ウサギの事を“迦具夜(かぐや)”と呼んでおり、白ウサギの正体を知っているような雰囲気ですが、白ウサギの秘密はネタバレになるので、ストーリーが進む内に明かされます。
本作のラスボスであるエンブリオは影に包まれた状態で登場しますが、名前に見覚えのある方がいるかもしれませんが、その名の通り、クロスアンジュに登場するエンブリオの容姿とジョジョの悪役DIOの設定を加えたもので、僕が気に入った敵キャラで、本作のラスボスとして選びました。
エンヤ婆やジョーカー達の凶悪な部下達を従い、自身の野望を実現するために、“ウロボロス連盟”に所属しているようです。
ラストの始まりの章で銀太が川に来たシーンですが、そこは一話と繋がる重要なシーンで、1話で銀田が何故川の所に来た理由がここに明かされます。
また、この1話の冒頭に登場する川で少年を甚振る不良達が登場しますが、原作を読んでいる方は気づいていると思いますが、実はこのシーンは逆廻 十六夜の登場シーンと似ており、さらに本作では直接登場しませんが、金糸雀と共に巨大な買収組織を潰した幼い頃の十六夜の名が登場し、銀太と十六夜は同じ世界の人間である事がうかがえます。
実は銀太には金糸雀と深い因縁があるようですが、それはストーリーが進んだ先で明かされます。
主人公達や出会いなどを書き込むのにかなり苦労した上、プロローグの本文がかなり多く、8万を超えました。
次回は今度3話を同時に投稿する予定で、書き溜めの為、時間がかかりますが、どうか楽しみにしてください。
追記
序章を登載したので、ストーリー事に章を付ける事にしました。
ちなみにタグの原作を超える壮大なストーリーについてですが、これはあくまでもユーザー達を楽しめる為のもので、原作にはないストーリーやキャラクター、さらに箱庭以外の異世界などの設定や物語を加え、物語はどのように進み、次回はどのような展開になるのかをワクワクするものですので、どうかご理解をお願いいたします。