インストール@プリキュア!   作:稚拙

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 キャラクター紹介

 フィッシン

 ジャークウェブ四天将のひとり。
 漆黒のメカニカルな全身鎧に身を包んだ戦士。
 素顔は窺い知れないが、フルフェイスヘルメットから覗く金色の長髪と体つきから、女性、それもりんくらと同年代の『少女』と思われる。
 全く言葉を発せず、機械的に行動する。身体能力・戦闘能力も常識外れであり、痛みも感じないのかダメージを受けても怯む様子を見せない。
 まるで『人形』のように、不自然な動作を見せることもある、四天将でもひときわ謎多き存在。

 以前は口やかましく自己主張が強い性格だったらしいが、第二次サーバー王国侵攻の際に生死をさまよう重傷を負い、カイザランチュラによる蘇生処置を受けてこの姿となり、以来性格も変わったという。
 腕部のユニットにキュアチップをセットし、そのプリキュアの力を引き出し、直接戦闘を行う。
 他にも、キュアチップに対する強力な『権能』を持つ、四天将の『特異点』。
 りんく曰く「誰にも似てない!コワッ!!」

 ――――――――――

 はな「はぐたんが泣き止まない……こうなったらあの手で…………あ~、ごほん」

 はぐたん「??」

 はな「ボクベ~コンム~シャム~シャく~ん♪ベ~コン食べるゥ~の、だいす~きサァ~♪」

 はぐたん「はぐ~♪きゃはははは♪」

 ハリー「……なんやあのネタ……」

 さあや「はぐたんが気に入っちゃって……あれってなんなの、ほまれ?」

 ほまれ「さぁね。……さ~て、今日もドロップドロップ☆」

 さあや「???」

 ――――――――――

 お待たせしてしまった挙句にこのようなネタでお茶を濁して大変申し訳ございません……
 大変長らくお待たせしました!今回はりんくがほくと君のおうちにお邪魔しちゃいます!
 ほくと君に拳法を教えた『師匠』も登場します!


しらないプリキュア

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 ――――――――――

 

 ののかちゃんとほくとくんと、3人で大泉こども園を後にして、私達は連れ立って通学路を歩いていた。

 

 「驚いたよ……まさか東堂さんが、のんといっしょにこども園にいるなんて思わなかったから……」

 「私だってそうだよ。……偶然ってなんかコワいね」

 「……あ、そうだ。"富士山"の写真。……データ、お願い」

 《おう!》

 

 ほくとくんの制服のズボンのポケットから、データが小さく返事をすると、私のネットコミューンから着信音がした。ポケットから取り出してビューワーを起動すると、『日本最高峰富士山剣ヶ峰』と彫られている石碑が写っていたけど―――――

 

 「……ほくとくんが写ってない」

 

 思った通りのことを口に出してしまった。

 

 「ご、ごめん……割と人が多くて……空から様子をうかがって、ちょっと人が少なくなった時に、何とか撮れた写真だから……とても自撮りができるような時間も無かったし……」

 「そうだったんだ……だよね……『スカイツリーのてっぺん』よりも人が来る確率高かったかも……私こそ、ごめんね」

 「あれ!?りんくちゃん、そのケータイ!」

 

 と、私が取り出したネットコミューンに、ののかちゃんが熱視線を向けてきていた。……やばい。

 

 「すっごくかわいい!!なんか"プリキュアの"っぽいね、ソレ」

 「こ、コレ!?えっと、ケータイの会社がプリキュアとコラボしてて、抽選に応募したらそのケータイが当たっちゃったのよ~、アハハ……」

 「……そーなんだ、いいなぁ~……」

 

 よ、よかったぁ……ののかちゃんが疑り深くなくって……『見せて』ってせがまれて、メモリアとばったり目が合っちゃった……という事態になるなんてシャレになんないし……

 私は思わず小声でほくとくんにたずねた。

 

 「……ねぇ、ほくとくんはネットコミューン、ののかちゃんに見せてないの?」

 

 すると、ほくとくんは顔を赤くして、私から視線を逸らしながら答える。

 

 「み、見せられるワケ無いよ……その……男の僕が持つようなデザインのスマホじゃないし、コレ……」

 

 そう言われて、私はピンクのネットコミューンに視線を戻す。

 リボンやレース、ハートマークをイメージしたデコが満載だ。うん、女の子ならこんな感じのスマホを持っててもフシギじゃない。

 ……けど、男の子がこれを持ってるとなると……―――――

 

 ―――――……なんか、何をどー言っていーのか……

 ……うん、ノーコメントとしておきます。

 

 「りんくちゃん!」

 

 上機嫌で私とほくとくんの先を歩くののかちゃんが、くるりと振り向く。

 

 「のんのおうちにこない?プリキュアのおもちゃがいっぱいあるから、りんくちゃんにみてほしいの!」

 「「ぅえッ!?」」

 

 いきなりおうちにご招待ですかっ!?しかもプリキュアのおもちゃいっぱいですと!?!?

 小学2年生くらいから、プリキュアのおもちゃを買ってもらえなくなって早7年……この(かん)、放送されたプリキュアのおもちゃのCMを見ながら、何度心ときめかせたか……

 中学2年になった今でも、ネット通販や"プレミアムB"のサイトで思わずポチりかけたことも……財団B、プリキュアファンの心をガッチリ掴んでくるんですよ……

 ……それはともかく、私にダブってほくとくんも驚いたような声を上げたのを聞いたけど……?

 

 「だめ……?にぃもいいよね……?」

 「え……えぇっと…………だめ、じゃない……///」

 「!やったぁ♪りんくちゃん、はやくはやく~!」

 

 私の手をがっしり握って、ののかちゃんが私を急かす。

 引っ張られながら、私はほくとくんを見た。私に気付くと、顔を赤くしてうつむいてしまった。

 私におうちに来てほしくない……わけじゃないみたいだけど……どうしたのかなぁ……?

 

 ――――――――――

 

 10分ほどして、ののかちゃん―――――もといのんちゃんが「ここがのんとにぃのおうちだよ!」と紹介してくれたのは、大きなお屋敷だった。もっとも『お屋敷』といっても、なんかその、『古民家』といった方がしっくりくる感じ。

 

 《おっきいおうちだねぇ~……》

 《だろ?》

 

 ため息を漏らすメモリアと、得意げなデータの声がコミューンから聞こえてくる。

 

 「このおうち……だったんだ」

 「え?」

 

 このお屋敷に、私は見覚えがあった。

 

 「お向かいのパン屋さん、むぎぽんのおうちでさ、昔からよく来てるんだ。……そっかぁ……ここだったんだね……」

 

 デジャヴュを感じるワケだ。このお屋敷、無意識のうちに何度も私の目に入っていたんだねぇ……

 

 「はいってはいって!さぁどーぞ!」

 

 にこやかに促すのんちゃん。ちらとほくとくんを見やると、微笑んで軽くうなづいた。

 

 「それじゃ……お邪魔します」

 

 靴を脱いで、古い木目の廊下に上がると、きし、と音がした。……だいじょーぶなのかな、このおうち……

 

 「じぃ~!ただいま~!」

 

 障子戸を開けて、のんちゃんが元気な声を響かせる。そのお部屋をのぞき込むと、紫色の甚兵衛を着た白髪のヒトが私達に背中を向けて座禅しているのが見えた。

 そしてそれを見た一瞬―――――

 

 ―――――ドン!!!!!―――――

 

 という『圧』を感じた。なんか……気軽に話しかけちゃいけないヒトのような気がするんだけど……のんちゃんが『じぃ』って呼んだこのヒトは一体……!?

 そのヒトは振り返ると、ふっと表情を和らげて、のんちゃんに笑いかけた。

 

 「おぉ、ののかよ、帰ったか!ほくとも一緒か……ん?そちらのお嬢さんは?」

 「は、はじめまして!東堂りんくです!いつも、ほくとくんにはお世話になってますっ!」

 「おぉ、これは丁寧に。……ほくと、お前の知り合いじゃったのか。フッ、初めてじゃな、お前が女の子の知り合いをウチに連れてきたのは。隅に置けんのう♪」

 「そ、そーゆーわけじゃ……なくもないけど……ごにょごにょ……///」

 

 ??ほくとくん、なんか顔赤くなってる……家族のヒトだと思うけど……どうしてそこまで緊張するのかな……??

 

 「(ワシ)は八手三郎……ほくととののかに、拳法を叩き込んでおる老いぼれよ」

 「拳法の先生……なんですか?」

 「じぃはじぃだよ~!ね、じぃ~?」

 「ん?おぉ、そうじゃよ~♪……ほくと!なにをボサッとしておる!?お客人に茶を淹れるくらい出来んのか!?」

 「……は!はい師匠!!只今ッ!!」

 

 ほくとくんはびしりと背筋を正すと、台所に取って返して行った。

 あれ……??このヒトのことを、ほくとくんは『師匠』って呼んでて、のんちゃんは『じぃ』って呼んでるけど……結局どっちなんだろう……??

 

 「まったく、気も利かぬバカ弟子が…………東堂さんと仰ったかな?ただっ(ぴろ)いだけのこんな荒ら家(あばらや)であるが、ゆっくりしていかれよ」

 「は、はい……ありがとうございます……」

 

 スゴい迫力のおじいちゃんだった……のんちゃんとお話してる時はデレっとしてたけど。

 ……そして何より。

 

 ―――――『まほプリ』のドクロクシー様に声が似てたのは気のせいじゃない……と思う。

 

 ――――――――――

 

 のんちゃんは私を居間に案内すると、「ちょっとまっててね!」と、そそくさと出ていった。

 ぽつんとひとり残されて、ちょっと寂しくなる。他の人のおうちでひとりきりになると、なんか不安になる。なんとなく居間の中を見渡すと、額縁に入った賞状が鴨居の上にたくさん飾ってある。その全部がほくとくんの名前が書いてある賞状だった。

 でも、全部が『空手』の賞状だった。『拳法』って、やっぱりマイナーなのかなぁ……??

 所々に置いてある家電製品を見ると、ネットにつながってて、引っ切り無しにLEDを点滅させてる家電が満載のウチとは全然違う……というか、古めかしい。

 テレビがやけに分厚い箱型で、その上に黒い小さな箱が置いてある。地デジチューナーなんて、実物を初めて見た気がする。部屋にもエアコンは無いし、掃除機とかも昭和のニオイがしそうなビンテージモノ。一番新しそうなモノは、テレビ台に備え付けられてるDVDプレイヤーで、それももはやほとんど需要の無いVHS一体型という……壁際のカラーボックスに黒い大きめの長方形の物体がたくさん並べられているのを見たけど、あれってもしかしてビデオテープ……!?BD全盛の20XX年の今の時代にビデオテープが現役とわ……

 …………失礼かもしれないけど……まるで"レトロ家電博物館"だ。動いているのが不思議なくらいの家電製品が、フツーに動いてるこのおうちっていったい……

 その時、ジュースが注がれたカップをお盆に載せて、ほくとくんが居間に入ってきた。

 

 「ごめん、お待たせ。……あれ?のんは?」

 「2階に上がってっちゃったみたい。……ありがと」

 

 私はジュースをひとくちすすって、ちゃぶ台の向かい側に座ったほくとくんに尋ねた。

 

 「さっきのヒト……師匠ってほくとくんが呼んでたけど……だれ?」

 「僕のお祖父さんだよ」

 《じゃぁどーして『おじいさん』って呼ばないの?》

 

 それまで人目を気にして黙りこくってたメモリアの声と同時に、コミューンが私のポケットから飛び出してきて、ちょこんとちゃぶ台の上に乗った。

 

 「最初に僕が拳法を習いだした時に約束したんだ。僕が空現流を受け継ぐその時までは、『お祖父さんと孫』じゃなくって、あくまで『師匠と弟子』の関係でいようって。……もし途中で僕が投げ出したら、家を出ることにもなってる」

 「真剣……なんだね」

 「決めたんだ。仮面ライダーみたいに、強くなろうって。もちろん、力だけじゃなくって―――――"ここ"も、ね」

 

 ほくとくんは、右の握り拳を胸板にぶつける。

 

 「最初は単純に『誰にも負けないように強くなりたい』って思って始めたけれど……修行を続けるうちに、『ココロの強さ』も意識できるようになったみたいでさ……本当に『強くなる』って、『どういうこと』なのか、少しずつわかってきたところだよ」

 

 そう言うと、ほくとくんはどたどたという音が聞こえる天井を、遠い目で見上げた。

 

 「でも……それでも……『強さ』の『意味』をわかっても、『世界を守る』っていうコトが……まだ『どういうコト』なのか、実感が無いっていうか……よくわからないんだ……この間、政府の人達が僕達を追ってるってことを知っても、まだ……ね。僕ができるのは―――――」

 

 見上げているその先めがけて、おもむろに手のひらを向ける。

 

 「僕のこの手が届く……『僕の周りの世界』や家族を、出来る限りに守る……だけかな」

 

 ―――――同じだ。

 私が見てきた、『プリキュアたちの戦い』と、ほくとくんの『世界を守る』、そのイメージが重なる。

 私は、今まで見てきたプリキュアたちの日々の姿を思い出しながら、ほくとくんに感じたシンパシィに答える。

 

 「……たぶん、『それ』でいいんじゃないかな」

 「え?」

 「私もね……『この世界を守る、ホンモノのプリキュアになる』って決めたんだけど……ホントはまだ、ピンときてないの。プリキュアも、『伝説の戦士』って呼ばれてるけど……でもね、『世界を救うために戦った』ことって、最後のひと月くらいだけなんだよ。あとは……そう、ほんの身近な、本当にささやかな、みんなの暮らしてる街、友達、家族を、悪いヤツから守ること……『世界を救ったコト』って、実は結果論でしかないんだよ」

 

 世界を狙う悪いヤツらは、プリキュアたちの『身近な存在』に目を付けて、それらを狙って行動を起こす。そうでなくても、悪事のほとんどは、プリキュアたちの目につくところで行われる。プリキュアたちの目に入らないところ、手の届かないところで事件が起きたことは、ほとんどない。

 身近なモノ、いつもの日常、大切な人―――――そういったモノを守るために―――――

 みんなのためにがんばって、プリキュアたちが戦ってきたことを、私は知ってる。

 

 「でも……だからこそ、みんなが『強く』いられたんだと思う。『世界』とかスケール大きすぎて、実感湧かないじゃん。でもさ、ママとかパパとか、友達、学校とか……知ってる人や知ってるモノや場所なら、無くしたくない、傷つけられたくないって、強く思えるんだよね。プリキュアのチカラは『想い』のチカラ……プリキュアは、ハートで戦うんだよ」

 「プリキュアは……ハートで戦う……」

 

 ほくとくんと同じだった。ジャークウェブがこの世界へ侵略しようとしていて、それを止めないと世界がどうにかなっちゃうかもしれない―――――

 でも、私がしてきたことと言えば、この街や学校、そして友達―――――そんな、『ごくありふれたモノ』を守って、戦ってきただけ。

 そうすることで、救われた人たちがいることもわかるし、救えなかった人がいることも知ってる。

 失うモノや守れるモノが、私達から『遠い』存在じゃなく、私達から『近い』存在であればあるほど、私の『守りたい』という想いは強くなる。

 

 「『世界』のために強くなれるかって言われたら、自信ないけど……目に入るモノ、手の届くモノ……『守りたいもののために』なら、強くなれそうな気がするの」

 

 そう考えてみれば―――――プリキュアのアイテムやコスチュームのほとんどに、『(ハートマーク)』があしらわれてるのもわかる気がする。それこそが、プリキュアの強さの証なんだから。

 常識外れのスゴいパワーや身体能力に目が行きがちだけど、それは全部、『ココロの力』が源なんだ―――――

 

 「りんくちゃん、おまたせ~!」

 

 その時、のんちゃんの声とともにふすまが開かれた。するとそこには―――――

 

 「をッ!?………………ををををををををを!!!!❤❤❤❤」

 

 変身コスチュームに着替えたののかちゃんと、おもちゃ箱一杯にぎっしりと詰められたプリキュアのおもちゃの数々!それも全部、DX版!!

 のんちゃんが着てるコスチュームはキュアハッピー!あぁ……なんてカワイイ……カワイすぎる……!!

 ど、動画!!今すぐ動画撮らなきゃ!!これ撮り逃したら一生後悔する!!(ただのファン)

 あぁ!?よ、喜びとコーフンのあまり手ブレがッ!!??(激焦

 

 「す、すっごーーーーい!!!よくこんなに集めたね!?カードコミューンにキュアモ、イノセントハーモニーマイクにキラキラルクリーマーも!……ぅわ!?こ……コレって"プレB"限定の……!!」

 

 確かコレって、限定100個、しかも完全予約制、受注生産だったレアモノじゃ……!?す、素手で触っちゃイケナイ級のシロモノですよ、奥さん!?(誰

 

 「こッ、コレ、どこから……!?」

 「さっちゃんがのんたちにくれたの!『しさくひんがあまったのであげますですの』って!」

 「な……なんとうらやましい……じゅるり」

 

 ファン垂涎モノのシチュですよ……あ、マヂでヨダレが。

 持つべきモノは良き友達ですなぁ……うんうん。

 

 「でも、どーしてもほしいんだけど、うってないプリキュアのおもちゃがあるの」

 

 売ってない……?それっていったい……?

 はッ!もしかして、ボツ設定をホビー化してみました的なアレ!?

 ……となるとまず思い浮かぶのは『プリキュア5』の『メタモルキャッパー』だけど、アレはスクーター型だし、商品化するにはまずそっちの方面とコラボしなきゃ―――――

 い、イカンイカン、妄想が暴走しかけてる……ジュースでクールダウンをば……

 

 

 「のんね、『インストール@プリキュア』のおもちゃがほしいの!」

 

 

 私はジュースをブッと吹き出し、せき込んだ。ジュースのにおいしみついてむせる。

 

 「……さっちゃんにきいたんだけどね、『インストール@プリキュア』のおもちゃは、まだつくれないんだって……えーっとね、『しりょーがすくないからまだむりですの』って」

 

 ま、まさかそう来るとわ……

 確かにプリキュアなんだけど、残念ながら『インストール@プリキュア』はアニメ放送していないコンテンツでして……財団Bがスポンサーってわけでもないから、おもちゃが出ることはこの先―――――

 あ……可能性はゼロじゃないかも。何しろ、"プリキュア"の商標権の一部は財団Bが持ってるわけだし……

 ……となると、この先キュアメモリアルやキュアデーティアの"S.H.Figuarts"とかができちゃったりするかもしれないワケ!?

 それはそれで楽しみなよーな不安なよーな……もし造るなら腕のいい原型師サンにお願いします、財団Bの担当のヒト!!

 

 「アニメ化に続いてフィギュア化かぁ……♪メディアミックス進んでんじゃん……♪♪」(フィギュア化は未定です。それ以前にアニメ化もホントはしてません)

 「??どしたの?」

 「あ、ううん、なんでも……でも、どうして『インストール@プリキュア』なの?あれってテレビでやってないし……どこの誰かもわかんないのよ?」

 「でも、でもね、のんね!キュアデーティアにたすけてもらったことがあるの!」

 

 のんちゃんの目が、ひときわ輝くのが見えた。

 

 

 「のん、キュアデーティアがいっちばん、だいすきなの!!」

 

 

 思わず私はほくとくんを見ていた。そのほくとくんは―――――

 

 

 思いっきり目を見開いていた。

 

 

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 ――――――――――

 

 

 のんがプリキュアが大好きだというコトは、言わずもがな知っていた。

 ただ、特定の『どのプリキュアが好き』というのは、今までのんの口からは聞いたことが無かった。

 今日初めて聞いたけれど―――――まさか、キュアデーティアが好きって…………

 こんな風に、誰かが『ヒーロー(?)としての僕』のファンになってくれたこと、それは素直にうれしく思う。

 でもそれが僕の妹で、しかも憧れの視線を向けている相手は、『僕であって僕ではない』……

 

 「はぁ…………」

 

 東堂さんを近くの交差点まで送っていく最中、思わずため息が漏れた。

 

 「もしかして、のんちゃんがキュアデーティアが好きって言ってたの、気にしてる?」

 「えぇと、その……どう受け取っていいか、わからなくって……」

 

 たぶんのんのコトだから、『誰が変身しているか』なんて、ほとんど気にしてないだろう。実際僕だって、幼稚園の頃はあくまで『変身後のヒーロー』に憧れて、『誰』が変身していて、その人がどんな事情で戦っているかとか、全然気にしていなかった。それと同じで、のんは純粋に『キュアデーティア』に憧れてるんだと思うけど……

 ……これって、アレだ。『激走戦隊カーレンジャー』の、レッドレーサーに惚れ込んだゾンネット状態だ。

 いわば僕は『猿顔の一般市民』。完全な別人に思われてるんだろう……けど……

 僕の脳裏に過ぎるのは一抹の不安。

 

 ―――――万が一、僕がキュアデーティアだというコトがのんにバレたら。

 

 東堂さんの時は、同じプリキュアだったからどうにかなったものの、もうこんな偶然は起きまい。

 あの時と同じ―――――『大切な人の"ダイスキ"』を奪ってしまうかもしれないという恐怖が、頭をもたげてくる―――――

 

 「……やる気出るよね!」

 「え?」

 

 東堂さんは笑って、拳をグッと握っていた。

 

 「さっきも言ったけど……知らないヒトよりも、知ってるヒトの為なら、強くなれそうって。のんちゃんが応援してくれるんならさ、なおさらじゃん!」

 「……!」

 

 ―――――思い出した。

 僕が初めてキュアデーティアに変身した時、"誰"のために戦ったのか―――――

 "誰"を救おうとして戦ったのかを―――――

 

 ―――――ののかを、返してもらうぞ!!―――――

 

 ―――――必ず……わたしが助けるから―――――

 

 心の中が沸騰して、僕の知らない『()()()』が覚醒したあの日―――――

 絶対に負けない、負けたくないと、僕は力の限り、心の限りに戦うことが出来た。

 

 「ますます負けられなくなったね」

 「僕はともかく……どうして東堂さんが張り切ってるの?」

 「トーゼンだよ!あそこまでのディープなプリキュアファンの子、ネットでもそうそう見ないし……将来有望な子だよ、うんうん♪」

 「は、はぁ……」

 

 どーゆー意味で有望なんだろーか……

 ……ともかく、キュアデーティアに目を輝かせてくれているのんを失望させないように、悲しませないように―――――

 

 ―――――格好悪い所は、見せられない。

 

 のんの前では、格好良い……いや、東堂さんの言うところの『カッコカワイイ』伝説の戦士・キュアデーティアでいなくちゃいけないんだ。

 そして―――――絶対に『負けてはいけない』。

 ヒーローに憧れる子供たちが最も見たくないヒーローの姿―――――それは、『無様な敗北』なのだから。

 敗北は―――――のんに対する『背信』に他ならないんだ。

 

 「のんちゃんとみんなのために、もっとがんばらなきゃね!私も、のんちゃんたちとこども園のみんなが喜んでくれるような劇の台本、書き上げて見せるから!」

 「……そういえば、のんたちが今度のお遊戯会でやる劇の台本、引き受けてくれたんだってね。……ありがとう。……その、何か手伝えることとか、ある?」

 「今のところはだいじょーぶ!とりあえず、私の方で練ってみるつもり。もし何かあったら、その時にお願い。それじゃ、また明日!」

 「うん……今日はありがとう」

 

 東堂さんは僕に手を振りながら、夕陽が沈む西に向かって駆けていった。

 東堂さん、将来は脚本家になりたいって言ってたっけ。シナリオコンクールにも何回か応募してるらしい。

 ―――――僕と同じだ。

 僕が、スーツアクターを目指して鍛錬を積んでるように、東堂さんもまた、夢に向かって頑張ってる。

 それに加えて、僕がデータと出会って、東堂さんもメモリアと出会って、『プリキュア見習い』になった僕達には共通の目標がある。

 

 ―――――『一人前のプリキュア』になること。

 

 51人のプリキュアたちを助け出し、その上で51人のプリキュアたちに勝利する―――――

 遠大な目標だけれど、東堂さんといっしょなら、きっと―――――

 

 そして、その試練を潜り抜けて、一人前のプリキュアに―――――『本物のヒーロー』になれたその頃には―――――

 僕の『本当の気持ち』を、東堂さんに伝えられる強い心も、また―――――

 

 「データ……僕はもっと……強くなりたい」

 《ヘッ、そりゃ……アタシも同じだぜ、相棒♪》

 

 予想した通りの答えが、ポケットの中から返ってきた。

 

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 ――――――――――

 

 「のんちゃんたちの劇の台本を書くにあたって、まずは映像資料からヒントをゲットしようと思います!そこで取り出したるはこのブルーレイ!!」

 

 家に帰って、私はキュアットタブの液晶の上に座っている、メモリアとレジェンドプリキュアのみんなの前で、棚から1枚のディスクを取り出した。

 

 「『キラキラ☆プリキュアアラモード』、第2巻~!!今日はこれを見て参考にしま~す!みんな、拍手~!!」

 《《わ~~~☆☆》》

 

 実はこの光景、今日が初めてじゃなかったりするんだよね。

 3日に1回ほど、私がセレクトした回の上映会をやってる。特にメモリアは目を輝かせながら見入っていて、上映が終わるやいなや、『次はどのプリキュア!?どんなお話!?』って、食いついてくる。

 でもって、レジェンドプリキュアのみんなの反応は様々だ。まさか自分たちが体験した出来事がアニメ化されてるなんて思ってもみなかったらしく、『自分が出てるお話』を見る時はなんか恥ずかしげだ。

 しかし中には冷静に見てる子もいて、『ここは実際はちょっと違った』とか、『この裏で実はこんなことが起きてたんだよねぇ』とか、実際とアニメの違いを指摘したり、感動シーンの裏話を大公開してくれたりしてる。

 つまり、アニメで放送された内容と、実際にプリキュアたちが経験してきた出来事は、ちょっとだけ違うところがあるというコト。

 この違いって、何なんだろう……?

 そもそも、プリキュアたちの体験を、一体誰がどうやって、アニメの脚本のヒトに伝えたんだろう……??

 また謎が……それもすんごく巨大な謎が増えたよーな……―――――

 

 《キュアパルフェ、できあがり!》

 

 今現在流れてるのは、『プリアラ』の第23話『翔べ!虹色ペガサス、キュアパルフェ!』で、キラ星シエルちゃんがキュアパルフェに初変身したシーンだ。

 このシーン、今見ても感動モノですよ……ピカリオとキラリンのエピソードも、涙なしでは語れませんです……。

 

 《っっっえええ~~~~~~~~~~~!?!?!!?!!??!》

 

 突然、素っ頓狂な叫び声を、メモリアが上げた。

 

 「ぅわぁビビったぁ!?急にどうしたの、メモリア!?ってか、上映中はお静かに!」

 《だって!だって!コレ、絶対ちがうよ!?》

 

 テレビ画面を指差して、メモリアは言った。

 

 《キュアパルフェって、誰なの……!?プリキュアアラモードって、()()でしょ!?6人目って、あたし、聞いたことがないよ!?》

 「……!?ちょ……メモリア、何、言ってるの……!?」

 

 この小説を読んでくれてるみんなは当然知ってると思うけど……『プリキュアアラモード』のメンバーは、全部で『7人』いる。

 でも、メモリアは何故かプリキュアアラモードを『5人』で全員だと思ってたみたい。

 そういえば―――――

 

【挿絵表示】

 

 私はメモリアが作ってくれた、『プリキュア救出リスト』を思い出していた。読んでくれてるみんなも、↑のリンクをクリックしてみてね。

 見てもらった通り……『プリキュアアラモード』はキュアショコラから先がおらず、『5人』しかリストに載っていない。

 それに―――――

 次の年に放送された、『HUGっと!プリキュア』から先―――――2018年から先に放送されたシリーズに登場したプリキュアたちは、リストに載ってすらいない。

 このリストが、メモリアが自分の記憶や認識から作ったものだとすれば―――――

 

 メモリアは―――――パルフェを知らないんだ。

 

 ――――――――――

 

 上映終了後、メモリアは周りのレジェンドプリキュアたちに疑問を大いにぶつけていた。

 

 《ねぇ、どういうことなの……?あんなプリキュアがいるって、あたし、聞いてないんだけど……?》

 《無理も無いですね……このことは、サーバー王国の方々には、ほとんどお話していませんでしたから……》

 《いちかちゃんから聞いてはいたんだけど……国のみんなに話す機会が無かっただけなの。隠してたわけじゃないけど……ごめんね、メモリア》

 《ううん……それならいいの》

 

 ビューティとミラクルの謝罪に、メモリアは首を横に振って、にっこりと笑って返した。

 

 《それで……キュアパルフェって?》

 《プリキュアアラモードの、6人目のプリキュア……なんでも、トラブルに見舞われてしまったらしくて、サーバー王国に一緒に来ることが出来なかったらしいです……》

 

 レモネードの説明によれば、パルフェ―――――シエルちゃんはアニメの創作じゃなくって、きちんと元の世界に『本物のシエルちゃん』がいるということみたい。私もほっとした。

 この場に、『プリアラ』のメンバーがひとりもいないことがつくづく悔やまれる状況だ。詳細を語れる子が、誰もいないんだから……

 

 《……それだけではなくってよ》

 

 エースが、私の部屋の、ブルーレイBOXがぎっしり詰められた棚に目を向けながら言う。

 

 《クイーンは、わたくしたちの『世界』以外にも、メッセージを送っていたらしいのですが……何らかの事情でサーバー王国へ来られなかったのか、メッセージがそもそも届かなかったか……いずれにしても、わたくしたち51人が、『すべてのプリキュア』ではないというコトですね》

 《つまり、みんな以外の、見たことのないプリキュアたちもいるってコト……?》

 

 メモリアが、ブルーレイBOXを見上げて、目を輝かせているのが見えた。未だ見ぬ『知らないプリキュア』たちに、想いを馳せているのかもしれない。

 

 「……そうだね。今も毎週日曜日に放送してるわけだし、シリーズが始まるたびにどんどんプリキュアたちも増えて―――――」

 

 そこまで言った時、なぜか胸騒ぎがした。

 クイーンは、プリキュアたちのいる世界にメッセージを送っていたことは、ロゼッタから聞いたし、今しがたエースも説明してくれた。

 結局、サーバー王国に集うことのできたプリキュアは、全部で12のチーム、51人。その数がそっくりそのまま、私の『助け出すべきプリキュアの人数』として認識されている。

 でも……もし、もしも―――――

 クイーンのメッセージが、12のチーム『以外』のチームの世界にちゃんと届いていて、そのチームがサーバー王国を目指していたとしたら―――――

 サーバー王国に馳せ参じることが出来ずに、途方に暮れているプリキュアたちがいるという可能性は―――――?

 我ながら根拠のない。心の中で自嘲しながら、私は何の気なしに、ネットコミューンの『プリキュア救出リスト』を開いた。

 

 

 「―――――――――――――――え?」

 

 

 目を疑った。

 思わず二度見した。

 でも、見間違いなんかじゃなかった―――――

 読んでくれてるパソコンの前のみんなにも、私が見た『現在の』リストを見てほしい。

 

【挿絵表示】

 

 ……おわかりいただけただろうか。

 

 『プリアラ』のリストの右端に、2つの欄が追加されて、それぞれ『No.50 CURE-PARFAIT』、『No.51 CURE-PEKORIN』と書かれている。

 それだけじゃない。今まで『OTHER PRECURE』の行だった場所に一行挿入されていて、『HUGTTO!PRECURE』と題された行と、3人分の欄が追加されていたのである……!!

 

 「ええええええ~~~~~~!?!!?!?!?」

 

 今度は私が素っ頓狂な叫びをあげてしまった。

 

 《りんく!じょーえーちゅーはお静かに!だよ!》

 「もう上映中じゃないって……そ、それより見てよ、みんな!!これ……!!??」

 

 私がリストの最終行を見るよう促すと、11人のプリキュアたちとメモリアはこぞってリストとにらめっこして、驚きの声を次々と上げた。

 

 《これって……えええ~?!》

 《メモリアが追加したわけじゃ……ないよね?》

 《『はぐっとプリキュア』……とお読みするのでしょうか?》

 《な、何って読むの……『いぇーる』……『えんじゅ』……『いといれ』??》

 《『キュアエール』、『キュアアンジュ』、『キュアエトワール』……フランス語ですね》

 《さっすがれいかちゃん、あったまいい~!》

 《どんな子たちなのかなぁ……》

 

 みんな、まだ見たことのない『HUGプリ』のみんなに興味津々のようだ。しかし―――――

 メモリアは何故か、顔を真っ青にしていた。

 

 「メモリア……?どしたの?」

 《あたし……あたし、何もしてないのに……リストが勝手に更新されてる……プリキュアが……増えてる……全部で56人に増えてるぅ……!!》

 

 メモリアがいじったわけじゃないらしい。それならどうして、リストが更新されたんだろう……??誰かがハッキングしたとでも?

 ……それこそまさか、だ。ネットコミューンやキュアットタブのセキュリティはカンペキ。不正ソフトのひとつも入り込めない鉄壁のハズ。

 じゃぁ、いったいどうして?これって何を意味しているんだろう……

 

 《りんくもヒトゴトじゃないよ!?助けなきゃいけないプリキュアが、5人も増えちゃったんだよ~!?》

 「あ……(;゚Д゚)」

 

 そうだ。私達は、キュアチップにされてしまったプリキュアたちを全員救出するために戦っているんだ。

 ()()()が増えたことで、当然目標からは遠ざかったわけで……

 

 「で、でも!本当に5人がキュアチップにされちゃってるのかわかんないし、それにそもそも、パルフェはサーバー王国に来れなかったんだよね?この世界に5人が来てるのかどうかすらわかんないわけだし、まだ判断するには早いよ」

 《……りんくがそう言うなら……》

 

 まぁ、『念のため』ってコトにしておこう。最後の最後まで、この5人の欄は埋まらないかもしれないけれど、ポジティブに考えなきゃ。

 もしかしたら、この世界にキュアエールが―――――野乃はなちゃんたちが来てるかもしれない、会えるかもしれないっていう、ささやかな希望として―――――

 

 《ねぇりんく、あたし、知りたい!あたしの知らないプリキュアたちのこと、もっと知りたい!》

 「……メモリアなら、そう言うと思ったよ♪」

 

 メモリアも、私に負けず劣らずの『プリキュア愛』の持ち主だ。プリキュアのこととなると、とても熱心に勉強しようとしてる。

 

 「そんなワケで、今日は延長戦!ブルーレイ2枚目は『HUGっと!プリキュア』、第1巻~!!」

 《あ、わたしも見てもいいかしら?会ったことのないプリキュアたちのこと、ちょっと興味があるし……》

 《もっちろんだよ!さ、ビート、こっちこっち♪》

 《じゃぁアタシはメモリアのと~なりっ☆》

 《あ!きららちゃんずる~い!メモリアのとなりはあたしが~……》

 《あらあらまぁまぁ♪》

 

 何故かメモリアのとなりは人気の席のようで……

 こうやってプリキュアたちがキャッキャウフフしてる姿を見てるだけでも、私は超キュアッキュアな幸せ者です……❤ 

 プリキュアのみんなを交えてのブルーレイ鑑賞会は、深夜まで続きましたとさ……

 

 ……SAVE POINT 




 ……と言うわけで、今回から『HUGプリ』もラインナップに加わりました!
 小説にどういった形で登場するのかは現段階では決めておりませんが、この先確実に登場することだけはお約束できますので……
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