サーバー王国
キュアネットの奥深くに存在する、プログラム生命体『アプリアン』たちが暮らす国。
女王『プログラムクイーン』のもと、伝説の戦士『プリキュア』が国を守っていた。
様々な『エリア』に分かれていて、それぞれのエリアを、プリキュアたちがチームごとに分かれて守護していた。
だが、数ヶ月前のジャークウェブの第二次侵略により滅亡。
プリキュアたちをはじめ、国民のほとんどが行方知れずとなった。
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ついに1月に突入し、まほプリも最終決戦に突入!
デウスマスト、ラスボス史上一番デカいんじゃ……!?
しかも敵幹部全員復活とか絶望しかないんですが……
しかしこっちのプリキュアはまだ序章!
引き続き、キュアメモリアの初陣を送信!
夢物語じゃない瞬間
あたし、キュアメモリア!
サーバー王国とキュアネットの危機をリアルワールドに伝えるためにやってきたの!
そこで出会ったにんげんさんに、ごみ箱に入れられそうになって、もう大変!
おまけにあたしのことをウイルスだとか言って……散々だよ〜……
でも、そのにんげんさん―――りんくは、とても勇気のある女の子だったの!
苦しそうにしてたおばあさんを、迷わずに助けてあげて……
危ないのに、あたしのことも追いかけてくるなんて―――
「私はりんく!東堂りんく!!今日から私が、あなたのユーザーだよ!“メモリア”!!」
《りんく……!ありがとう……!!》
ユーザーになってくれたりんくのためにも、この街のにんげんさんたちのためにも、あたし―――絶対負けない!
見ててね、あたしの“せんせい”……キュアブラック!
『インストール@プリキュア!』、コンティニュー!!
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《記憶の戦士、キュアメモリア!バッチリキメるよ!!》
メモリアがポーズを決めた。
電脳空間の中に、かっこよくも可愛らしい伝説の戦士が降り立った。
「か…………カッコカワイイ……!!カッコカワイすぎる……っ!!!」
人生最大級の『キュアっキュア』が、私のハートを直撃したっ!!
「カワイイじゃん!サイコ~じゃん!!プリキュアじゃんっっ!!!!」
ど、どこだっけ!?スクショのアプリ、どこだっけ!?この瞬間、絶対に永久保存しないと、死んでも死にきれないッ!!!誇りあるプリキュアオタクとして、一生の恥になるッッ!!!!
この時の私は相当にコーフンしていたらしく、メモリアが画面の奥で苦笑いしていたことに気づかなかったんだよねぇ……(遠い目)
メニュー画面を開こうとしたその時、あり得ないことが起きた。
「え!?ええっ!?」
私のスマホ―――おばあちゃんからもらった私の宝物が、ピンク色の光を放ち始めた。ちょうどさっきまでのメモリアと同じような光を……。
「スマホが……変わった……!!」
光が収まると、私のスマホの外見が完全に別物になっていた。ピンク色で、ところどころに彩られたアクセは、どこか高級感がある。スマホカバーをかぶせただけとか、そんな変わりようじゃなかった。
見ると、ディスプレイのすぐ上に、
Precure-Network-Communicate-Unit
……と、小さく文字が書いてある。
「プリキュア、ネットワーク、コミュニケート、ユニット……」
たぶん、この『スマホ』の正式名称だろう。まさかこれって、プリキュア用の変身アイテムなアレ!?見た目もそんな感じだし!
……といっても、私が変身するわけじゃなく、戦うのはキュアネットの中のメモリアなわけだけど……どーゆーこと?
ともかく、なんか『おカタい』名前。それっぽい呼び方、ないかな……
―――そうだ!ちょっとだけ縮めて……
「“ネットコミューン”!」
をを!それっぽい名前になった!!歴代のコミューンの名前とも被ってない!いーじゃん、『ネットコミューン』!今からこの『スマホ』の名前は、ネットコミューンに、けって~い!
で、でも……大丈夫なのかな、コレ……フツーのスマホ感覚で触っちゃっていいモノなの?
《人間の子供とリンクして、本来の力を取り戻したとでもいうのか!?》
なんか、モンスターを指揮してる幹部っぽいのが驚いてる。今の現象は、相手にとっても想定外らしい。今がチャンス!
さぁ、反撃開始だよ―――
「諦めない奇跡……私に見せて―――キュアメモリア!」
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さっき、ちょっとだけ意識が飛んでた……
それで気がついたら―――あたしは、元の姿に戻ってた。どうなってるの……?
りんくがユーザーになってくれるって言ってくれてうれしかったけど、契約の仕方とか、聞いてなかったし……
あれ?……なんだろう―――視界の片隅に、りんくが映る。
〈USER:LINK TOUDOH〉
〈SYMPARATE:56%〉
ユーザー……に、なってくれたってこと?下の数字は、何の数字かわかんないけど。
感覚的に、わかる。あたしの中に、りんくがいる。つながっている。見てくれてることが、わかる。
わかった……これが―――にんげんさんと契約する、ということなのかな……―――
体の中に、力がみなぎる。サーバー王国にいた時と同じか、ううん、それ以上の力が―――
「……行くよ!」
身体に少し力を入れるだけで、体の中を流れる“イーネルギー”がスパークして漏れ出る。
あたしは右脚から蹴り出して、走る。バグッチャーの懐に、驚くぐらい一瞬で入れた。
右手を握ると、電子が迸る。そのまま、流れのままに、最初の一撃を―――
―――打つ!!
「てぃァッ!!」
バグッチャーの胴体に、深々と食い込んだ。いい手ごたえッ!
「せりゃああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
勢いはあたしにある。この流れ、絶やさない!“せんせい”から教わった通りに、途切れさせず、相手に隙を与えることなく、反撃ごと封殺する!!
「だだだだだだだだだだだだだだだだ!!!!」
右と左の交互のパンチを、10発、20発、30発!!まだまだ、40発、50発―――!!
最後は―――
右脚を後ろに引き、腰を落とし、体の
真ん中を打ち抜く!相手の体じゃない、その
「ちぇィやあぁぁぁーーーッッ!!!!」
体中のエネルギーを込めた渾身の正拳が、バグッチャーの巨体を横一直線に吹っ飛ばし、キュアネットの壁に激突した。
残心―――そして全身から、張りつめた気が放散する。この感覚―――いつ以来だっけ―――
そうだ―――“せんせい”と、本気で手合わせした時だ。もっとも、“せんせい”はちっとも本気じゃなかったけど。
会心の一撃を、“せんせい”にはじめて打ち込むことができた時の、相手の『まんなか』をとらえた時の―――あの―――!!
「ッしャァあああああっっっ!!!!!」
抑えることの出来ない高揚に―――あたしは、
これが、『本当を超えた』―――あたしと、りんくの、力なんだ―――……!!
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「す……すごい……!!」
この動きは……キュアブラック!!
パンチの連打―――圧倒的な打撃のラッシュ!
相手の反撃を許さない清々しいまでのパワーファイト!!
女の子向けアニメとは思えない大絶叫!!!
メモリアの一挙手一投足、そのすべてが、私の脳裏、否、DNAの一本一本に刻み込まれ、いつでもリアルタイムで脳内再生余裕な映像アーカイブの中のキュアブラックと、寸分違わず重なっていく……!
この子って……メモリアって……ほんとうに……
「キュアブラックの……弟子だったんだ……!」
最初はウソだと思った。でも、私はこの目で確信した。私だからこそ、確信『できた』!
今更だけど疑ってごめん!あなたが口で語らずとも、あなたの戦いが、私の疑心を―――
パンチで砕いて、キックで打ち払っていくのがわかる……!
「よぉし!相手、怯んでる!このまま一気に行けるよ!」
《オッケーりんく!今のあたし、エンジン全開だもん!!》
頼もしいこと、言ってくれちゃって、もう~❤
カワイく、カッコよく、強い女の子―――プリキュアのすべてを体現したこの子に、私はもう―――
ハート、ブチ抜かれちゃいました……❤❤❤
《カッチカチ~~~!!!》
《―――――なにコレ!?》
悦に入っていた私を、メモリアの声が現実に引き戻した。見ると、モンスター―――バグッチャーって言ったっけ、そいつの前面に、巨大な板状のバリアが展開されて、メモリアのパンチを防いでいたのだ。
そのバリアは、なぜか四つ葉のクローバーの形をしていた。その様も、私の“アーカイブ”の中に『なぜか』あった―――!?
「《キュアロゼッタの“ロゼッタウォール”!?》」
思わず口に出していた既視感に、メモリアがシンクロする。
《りんく、知ってるの!?》
「知ってるも何も、キュアロゼッタの得意技!どうして敵が使ってくるの!?」
イヤな予感が頭の中をよぎっていく。このバグッチャーっていうの、もしかして……!?
《キュアロゼッタ……『ドキドキ!プリキュア』のひとり、“
「何それ二つ名!?カッコいい!!」
中学2年生の心に直撃するステキ設定を聞かせてもらってとってもありがたいんだけど、『敵がプリキュアの技を使ってくる』ことへのギモンの方が前に出る。
《ククク……気付いたようだな。このバグッチャー……“Ver.2.0”は、貴様がサーバー王国で戦った“Ver.1.0”とは違い、“キュアチップ”を組み込んでいる!プリキュアの“力”のみを抽出し、バグッチャーを強化するためにな!》
《!……あの時の……!?》
メモリアは何か知ってるみたいだけど、私には何が何だかさっぱり。
キュアチップって……なんなの?
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「サーバー王国の戦いはいわば前哨……このプリキュアの力を持ったバグッチャーこそ、我等ジャークウェブに福音を齎すのだ!」
「そのためにプリキュアたちを……サーバー王国を襲ったっていうの……!?」
あたしの心に怒りが満ちていった。
『プリキュアの力を持ったバグッチャー』をつくるために、プリキュアたちを、キュアチップに変えてしまったというのなら。
サーバー王国を襲ったというのなら―――
リカバーを、サーチを、クイーンを、せんせいを、みんなを―――!!
「ゆるさない……!」
理不尽に国を燃やして、大切な人を奪って、何がしたいの……!?
目の前にいる『敵』に、あたしは心の中の怒りを向けた。自然と、拳に力が込められていく―――
《メモリア》
その時、りんくの声が降りてきた。
《気持ちはわかるよ。でも、その怒りは、そっと静かに……でも、絶やさず燃やして》
怒りを、静かに、絶やさず、燃やす。
……似たようなことを、“せんせい”から教わったことがある。
「怒りは力になるけれど、それに飲まれちゃいけない……頭に上らせてしまったら、もう自分に負けたことになる……かといって絶やしてしまうと、戦う意思すら、心の中から失せていく……だから、絶やさず静かに……ロウソクの火のように、静かに燃やし続ける……」
―――戦いの中で怒りに支配されることは、自分を、そして敵を見失うこと。怒りは、『頭』ではなく、『体』に溜めるんだよ。
りんくの言葉に、“せんせい”の教えを思い出した。変に力が入っていた拳から、ふっと力が抜けて『くれた』。
《ねぇ、教えて……?キュアチップってなに?》
そういえば、このこと、りんくには言ってなかったっけ。あたしがあの時、メインサーバーキャッスルの玉座の間で見たモノが真実なら―――
「この間、サーバー王国が襲われたとき、プリキュアたちが姿を変えられた、メモリーカードのこと……」
これ以上のことは、あたしも知らない。ただあの時、キュアチップに変わっていくプリキュアたちの姿を見ただけ。
でもそれが悪用されて、バグッチャーに組み込まれているのなら、同じプリキュアとして、見過ごすことはできない。
《つまり……ロゼッタがメモリーカードに変えられて、バグッチャーの中につかまってるってことね……だったら、助けてあげなきゃ!》
りんくも同じこと考えてた。心が繋がると、あたしもうれしい!
「もちろんだよ!……バグッチャーをやっつけて、ロゼッタを助ける!!」
やることは一つだけ。あたしはもう一度踏み込み、右の拳を振りかぶる。
―――待ってて、ロゼッタ!必ず助けてあげるから!
『カッチカチ~~ッ!!』
またしても、ロゼッタウォールが攻撃を防いだ。何度パンチとキックを打ち込んでも、ヒビ一つ入ってくれない。さすがはプリキュアの中でも一・二を争う、鉄壁の防御技だ。
はたから見てた時はスゴいって思ったけれど、こうやって実際に戦うと、やっかいこの上ない!
「放て、バグッチャー!!」
『デスワ~~!!!!』
アラシーザーが指令を飛ばすと、バグッチャーの両手のロゼッタウォールが、回転しながら飛んできた。2発の四葉をあたしは避けきれずに、まともに喰らって吹っ飛んだ。
こんな技、ロゼッタって使ったことあるっけ……!?
どうにかして、ロゼッタウォールを攻略しないと……
このままじゃ……勝てない……!?
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「メモリアっ!」
ただ見てるだけというのももどかしい。スマホの中で戦うメモリアに、私はただ、声援を送るだけしかできないの?
あらためて、私はスマホの画面を見た。画面の様々な場所に、さながらゲームアプリのバトル画面のように数値やゲージが表示されている。
「なにか……できることは……?」
画面の中に、気になるところがあった。『LIVE』と書かれたアイコンがある。ちょっとでも、メモリアの力になりたいと思った私は、そのアイコンに手を掛けた。
すると、画面の右下に、メッセージが表示されていく。
< 何この映像?
< キュアネットの可視化モードだろ
< つかこの障害誰か何とかしろよ?もう2時間もロードしっぱなしなんだけど
< ロード止まってニコ動みれねー 超ウザイ
< この障害大泉町だけっぽい?
< 俺東京だけどフツーにニコ動もつべも見れる
< ピンポイント乙
どうも、この近辺をメインにしたSNSの書き込みのようだ。次々と書き込みが更新されていく。
< あれウィルスっぽい
< マジそれっぽい見た目。プリキュアに出てきそうな感じ
< CG乙
この映像、もしかしてみんなが見てるの!?ど、どうしよう!?
まさかさっきの『LIVE』って、『ライブ配信』のアイコンだったの!?
< ウイルス駆除ソフト、なんか萌えキャラっぽいね
< 造形良くね? プログラマーGJ
< 負けそうじゃん
この萌えキャラ、この街を救うために必死に戦ってるんです!
……なんてことを言っても書いてもスルーされそうだろうしなぁ……
と思った、その時だった。
< プリキュア、がんばれ
その書き込みがきっかけだった。
< 萌えキャラプリキュアで確定?
< それっぽいからいいんじゃね@大泉町
< だよな!ウイルス何とかしてくれプリキュア!@エレベーター閉じ込み中なう
< お母さんが手術中なのに、停電してます!助けてくれるなら助けてプリキュア!
< 車のキーが開かなくなっちゃった!ウイルス何とかして!!
< 勝ってくれプリキュア!
< 負けるなプリキュアーーー!!
< 諦めんなよォォォォォォ
今、この瞬間、バグッチャーが起こしたキュアネットの障害で困っている人たちの書き込みが、一斉に増え始めた。
「みんなが……メモリアを応援してくれてる!」
なんか、涙が出そうになっていた。メモリアのために、みんながネットの中で叫んでる。
その時、私のネットコミューンの画面に、変わった文字が浮かんでいた。
その大文字の部分だけを、私は自然と、つなげて呼んでいた。
「…………“イーネドライブ”……?」
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聞こえる。
見える。
感じる。
りんくだけじゃない。この街の、にんげんさんたちの『声』が、あたしの中に入ってくる。
あたしを応援してくれる『声』が、あたしを再び立たせてくれる。
力が、みなぎる。
心が、ふるえる。
体が、アツくなる。
とても……
とっても…………
すごく……………………
すっごく…………………………!
「すっごく!!!いーーーーーーーーーねーーーーーーーーーーーッッッッ!!!!!!!!!!!!!」
心身の衝動を、あたしは声に出して吼えた。爆発するようにイーネルギーが燃え立って、衝撃波が散った。それほどまでに、あたしは―――昂った。
《な、なにが起きたの!?》
驚くりんくの声に、あたしは答える。
「りんくの……みんなの『声』が聞こえたの!がんばれって、負けるなって、みんながあたしを応援してくれる『声』が……」
あたしは、胸にある“それ”に手を当てる。クイーンがくれた、プリキュアになった証。
りんくがユーザーになってくれて、はじめて輝いた“それ”を―――
「この“イーネドライブ”が、あたしを応援してくれる『声』を、あたしの力に変えてくれる!みんなが応援してくれる限り……あたしは何度だって立ち上がれるの!!」
《……まるでミラクルライトみたい……》
りんくのいう『みらくるらいと』が何のことかはわからないけど、リアルワールドには似たようなモノがあるのかな?
……でも、分かった気がする。あの時、“せんせい”が言ってた、“無限の可能性”の意味が。
あたしだけじゃ、たどり着けない場所。ひとりじゃなく、ふたりでなら―――!
「もう、あたしは、ぜったい負けない!!」
ほとばしるイーネルギーと、みんなの『声』、あたしの力―――
そのすべてを、この一撃に込める!!
体中の、燃えるすべてを、右手に集中し、握り締める。イーネルギーがスパークし、電子の雷光を巻き起こす。
「受けなさい!電子の雷撃!!」
あたしは踏み出し、渾身の中の渾身を―――
想いを、力に変えて、解き放った―――
ピンク色の雷撃を右手に滾らせ、あたしはパンチとともにすべてをぶつけた。
反射的にか、バグッチャーはロゼッタウォールを展開した。『力』同士がぶつかって、衝撃波と爆発が連鎖して広がる。
「こ……この力はなんだァッ!?」
アラシーザーの驚きが耳に入る。あたしは燃える心をそのまま叫ぶ。
「これは―――“愛”だよ!!」
「なんだとッ!?」
「誰かを想う心……好きって気持ち、頑張れっていう応援……あたしひとりじゃ絶対出せない、あたしと、みんなの力!!この世界を、リアルワールドとキュアネットをつないでるモノ!!」
そうだ―――この心は―――力になる。
無敵の力に!!
「強い気持ちは世界を変える!!キラメく望みは、光だって越えるんだぁぁぁぁ!!!!!!!」
瞬間、ロゼッタウォールが、砕けた。
そして、あたしのパンチは、バグッチャーを貫いた。
『デリィィィィトォォォォォォォォォォ………………!!!!!』
断末魔の声とともに、バグッチャーは粒子になって消えていった。
「キュアメモリア…………その名、覚えておくぞ!!」
捨て台詞を残したアラシーザーは、闇色の光に自分を包むと、光線状になって何処かへと去っていった。
それを見届けた後、全身からどっと力が抜けた。
「―――あたし―――勝ったよ……」
誰にともなく、あたしは笑ってた。
《メモリア~!超カッコよかったよ!!やっぱりあなた、サイコーじゃん!!》
「えへへ……」
みんなの応援もあったけど、勝てたのは……りんく、間違いなくあなたのおかげ。
あなたがユーザーになってくれてなかったら、今頃どうなっていたんだろう……
「あっ……!」
その時、光るものが空から落ちてきた。それを両手でキャッチしてみると、小さなメモリーカード。それには、『P-31』とナンバーが振られていて、太陽のようなマークの刻印、『CURE-ROSETTA』のネーム、そして、笑顔のキュアロゼッタの顔が描かれていた。
「これが……キュアチップ……!」
勢いのままバグッチャーを倒しちゃって、ロゼッタをどうやって助けるか考えてなかったけど、結果オーライでよかった!
《キュアロゼッタ、キュアっとレスキュー!だね!》
「なにそれ?」
《え?……キメ台詞、なんかあった方がいいかな~って……》
「あはは、りんくってホントおもしろ~い!」
あらためて、あたしを見守ってくれていたりんくを、あたしは見上げた。
「……本当にありがとう、りんく……りんくがユーザーになってくれて、本当によかった!」
《メモリア……ううん、私も、メモリアに会えてよかったよ!だって、本当にプリキュアがいるって、メモリアが教えてくれたもの!》
「りんく……」
その時、ロゼッタのキュアチップが光を放ち始め、空間に黄金色に輝くイーネルギーの粒子が満ちていく。
その中に、うっすらと浮かび上がるように―――
『助けていただいて、ありがとうございます、メモリア♪』
サーバー王国にいた時と全く変わらない、キュアロゼッタの笑顔があらわれた。
「ロゼッタ!」
《ほ……ホンモノ……!?ホンモノの四葉ありすちゃん!?》
『ええ♪あなたがメモリアのユーザーになってくださった方ですね?サーバー王国のプリキュアを代表して、お礼を申し上げますわ♪』
《い、いえ、こちらこそ!!あの、その、えっと……》
『うふふ♪賑やかな方ですね♪』
なんだかりんく、緊張してる。ロゼッタとお話できたことが、そんなにうれしいのかな。
『それにしても、よく戦いましたね。まさかあなたに助けていただけるなんて……一歩成長したようですね』
「いやぁ~、そんなぁ~……えへへへ……♪」
『これなら、
うんうん、そうそう!こうやってみんなに認めてもらえば、見習いからも卒ぎょ―――
《ええええええええええええええええ!?!?!!?!!?》
りんくの大絶叫に、あたしとロゼッタは思わず怯んだ。なんなの、りんく?
《メモリアって…………見習いだったの~~!?!?!?》
「あれ?言ってなかったっけ?」
そう、あたしはまだ、『本当のプリキュア』じゃない。
まだ、『プリキュア見習い』に過ぎないんだけど……
りんく、どうしてそこまで驚いてるの??
……SAVE POINT
キャラクター紹介
キュアメモリア
“サーバー王国”の守護戦士『プリキュア』見習いのひとり。14歳。イメージカラーはピンク。
元々はネコに似た姿をした『撮影』のアプリアン『メモリア』だったが、キュアブラックの下で修業し、プリキュアとなった。
基本的には無邪気で人懐っこい『妹系』の性格。喜怒哀楽をはっきりと顔と言葉と態度に出し、感情の起伏が非常に激しい。
いちおう14歳だけど、精神年齢は9~10歳ぐらいと思われる。
サーバー王国を守る使命と、プリキュアの称号を与えられたことには強い誇りを持っている。
プログラムクイーンや師匠であるキュアブラックを深く尊敬し、彼女達のために殉ずる覚悟を持つなど、普段の態度に反して相当な忠義者である。
手数の多さを活かしたスピード戦術とパンチ技を得意としており、ラッシュを叩き込んで一気に勝負をキメに行く、師であるキュアブラックの正統派戦闘スタイルを受け継いでいる。
この他にも、他のプリキュアにはない様々な能力があるらしい……?
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そんなわけで、見事初陣を飾ったメモリアですが、実は『見習い』!?
次回はロゼッタが語る、サーバー王国滅亡の顛末です……