リズムバグッチャー
身長:7m
属性:音
実体化所要時間:8分20秒
第6話『あなたはだあれ?キュアデーティアの@正体!』に登場。
ネンチャックが、携帯端末用電波中継基地のプログラムと、キュアリズムのキュアチップを使って生み出したバグッチャー。
電波塔から手足が生えたような外見であり、スマホを通じて指向性睡眠促進音波を発信することで、スマホの持ち主を眠らせていた。同時に、キュアデーティアをおびき寄せることも目的としていた。
相手を拘束する光のリングや、炎の輪を発射する攻撃でキュアメモリアルを苦戦させるも、キュアデーティアの出現で形勢を逆転され、最後はメモリアルの『プリキュア・メモリアルフラッシュ』と、デーティアの『プリキュア・デーティアインパルス』を立て続けに叩き込まれ、デリートされた。
ユナイテーションワードは『たおやかなる音の調べよ、無知なる者を眠りにいざなう邪音を爪弾け』(本編未発表)。
レモネードバグッチャー
身長:現実空間換算4m強
属性:光
実体化所要時間:1時間
第7話『僕がプリキュアになった日 涙を祓う@ほくとの決意!』に登場。
ネンチャックが、とある自動車のエンジン制御プログラムと、キュアレモネードのキュアチップを使って生み出したバグッチャー。時系列上、ネンチャックが初めて繰り出したバグッチャーである。
全身に金色の鎖が巻き付いたような球体状のボディをしており、幹線道路を走る自動車のプログラムに立て続けにハッキングを行い、車を動かなくしたうえでキーロックを誤作動させ、運転手や同乗者を車内に閉じ込めただけでなく、空調を誤作動させるなどの悪行を働いた。
戦闘では全身の鎖を振り下ろしたり、全方位に放つほか、無数の蝶型エネルギー弾『レモネードフラッシュ』をも発射して相手を寄せ付けない戦法を取る。
キュアデータがほくとと出会って最初の相手となり、データは絶対記憶能力とほくとのナビゲートによって的確に攻略、最後は『データ・ボルトスクリュー』で蹴り砕かれてデリートされた。
ユナイテーションワードは『弾ける伝説の力よ、鋼の心臓を握り、金色の鎖を以って足枷となれ』(本編未発表)。
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はぐプリとは、『許容』である―――――
昨日放送分のはぐプリを見て、そう悟ってしまった稚拙です……
さて、今回でラストと言いましたが、想定以上に文量が増えてしまいまして、間に1回挟みます!誠に申し訳ございません……ッ!!
『インストール@プリキュア』の抱える意外な弱点、そして新たなるキュアデーティアの覚醒を送信!
NOW LORDING……
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CURE-MEMORIAL
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東堂さんとのんの声を聞いた時、僕は素直に―――――安心した。
『まだ間に合う』……それが僕の希望だ。
1分でも、1秒でも、一瞬でも残っているのなら、それはすべて僕のチャンスになるんだ……!
『どうしたどうしたッ!?遂に万策尽きッ、逃げ回る事しか出来なくなったかッ!?ならば即刻投降しッ、貴官等の持つ
スパムソンがこども園の屋根の上から煽る。そりゃ、そっちから見た僕は、放水を避けまくることに集中していて、反撃なんて考えていないように見えるだろう―――――
―――――……その通りさ。
僕は今、バグッチャーを『攻撃して、倒す』なんてことはこれっぽっちも考えていない。
万策尽きた?……ああ、そうだ。今の僕に、このバグッチャーを撃破できる手段はない。
逃げ回る事しか出来ない?……正解だよ、悔しいけど。
……でもね、スパムソン……流石に僕の思考までは読めないか―――――
《ほくと!こども園の全員、遊戯室のひな壇に集まったぜ!》
……時間だ!
僕は放たれる高圧放水を紙一重で連続でかわしながら、園庭を一直線に進み、こども園の園舎に肉薄する。
そして立ち止まり、園舎を背に、僕は空中で回遊するバグッチャーを見上げた。
『クククッ、足を止めたかッ!遂に観念したようだなッ!!』
『……ああ。観念した―――――』
『ならばこの一撃で貴官を粉砕せしめてくれるッ!!バグッ
『ヨロシクテ~~!!!』
スパムソンの指示に応えたバグッチャーが、水の球体の八方から水流を放った。直角に曲がった8発の高圧放水が、一斉に僕へと向かう―――――
―――――それを、待ってた!!
思わず僕は顔に笑みを浮かべて、真上へと跳躍した。
水流は僕の背後の園舎―――――遊戯室の横、園庭へと通じる通用口を塞いでいた、防火シャッターに命中し―――――貫通した。
『んなッ!?』
スパムソンの驚愕の声と同時に、シャッターに開いた大穴からおびただしい水、そしてこども園のみんなが使っていたと思われる歯ブラシやコップ、クレヨンやかばんなどが一気に園庭へと流れ出てきた。
さっきと同じ場所に着地した僕は、声の限りに叫んだ。
『みんな今だ!早く逃げろッッ!!』
文字通り堰を切ったように、こども園のみんなや先生たちが、穴の開いた防火シャッターから駆け出してきた。
ヤツが攻撃してこないとも限らない。僕はみんなを背にして、上空のバグッチャーを見据えた。
『ぬぅぅぅぅぅッッッ…………!!!!』
《残念だったなスパムソン!!てめーの水攻めはこれでオシャカだぜ!!》
『……フンッ!我が
『……ッ……―――――』
僕を指差して捲し立てるスパムソンに、僕は言い返すことが出来なかった。
確かにそうだ―――――僕は僕の手でこのこども園を破壊することを恐れたんだ。
かつて東堂さんがかけがえのない思い出をつくっていた―――――
そして今は、のんやみんなが楽しく過ごしているこの場所を―――――
僕は、僕の手で壊せなかった。
僕がこの手であのシャッターを壊していれば、みんなをいち早く助け出せていた―――――
僕の判断が、みんなを長い間、苦しめることになっていたというのか―――――
―――――そんなこと、ない!!
『……!!』
その声は、こども園の屋根の上から聞こえてきた。
思わず振り返った視線の先には―――――
春に咲く桜花の如き、鮮やかな輝き―――――
『キュアデーティアは……弱くなんかない!!』
その強い言葉に―――――
僕のささくれた心が、ゆっくりと癒されていく―――――
『思い出の場所……気持ちのこもったモノ……それを大切にして、大事にしたいって想いは、誰にだってあるの!それを自分の手で壊すことって、とても辛いことなんだよ……!そんな、『思い出も簡単に壊せる』コトが『強さ』だっていうのなら……』
彼女は、胸のイーネドライブに右手を当てながら叫んだ。
『そんな『強さ』なんか、私はいらない!!』
……あぁ、やはり、そうか。
ようやく、わかった―――――
キミがどうして、そんなに眩しいのか―――――
―――――少なくとも―――――私は熱狂したよ。
―――――初めてキュアデーティアを見たときね―――――すっごく"イイ"って思った……!
―――――『子供たちが熱狂してくれるなら、男の子プリキュアもアリ』って♪
―――――っていうか、八手くんじゃないとダメ!あのカッコカワイさは、八手くんがデーティアじゃないとダメだもん!
僕がプリキュアになってしまったことに戸惑いを見せた時も、キミは僕の背中を押してくれた。
キミの言葉が、キミの笑顔が、僕に勇気を、自信をくれた。
『プリキュア』のことがまったくわからなかった僕の手を取って、教えてくれた。
『プリキュア』が、『仮面ライダー』と同じ、子供たちの憧れである"ヒーロー"であることを。
僕よりも、ずっとずっと、『プリキュア』のことを知っている、僕の想い人―――――
東堂りんくさん―――――
キミは―――――
"こうありたい"と切に願う、僕の『もう一つの目標』―――――
『理想のプリキュア』―――――そのものだったんだ―――――
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暗闇を轟音とともに割いたのは、水のカタマリだった。
遊戯室の入り口側、園庭に通じる開き戸を封鎖していた防火シャッターに大穴が開いて、こども園全体に溜められつつあった水が、一気にそこから流れ出た。
水の勢いが収まったところに、外から叫び声が響いた。
『みんな今だ!早く逃げろッッ!!』
それを合図に、先生たちの先導で子供たちが一斉に駆けだした。私はみんなといっしょに脱出して、ドサクサ紛れにさり気無く列から抜け出すと、園舎の陰に隠れて、誰も見てないことをよ~く確認して、変身した。
こども園の屋根の上に立ったその時、スパムソンの罵声が聞こえた。一方的にデーティアを罵る言葉に、私は思わず言い返していた。
『そんな『強さ』なんか、私はいらない!!』
デーティアが、自分の手でこども園を壊さなかった、
人が人を想う心。『誰か』の気持ちを考えて、思いやることができる『強い』意志―――――
それは―――――『優しさ』って呼ぶべきモノなんだ。
『お待たせ、デーティア!』
私はデーティアの隣に降り立った。なんか私も、デーティアの顔を見て、ホッとした。今まで正直……怖かった。
そんなデーティアはというと―――――
『…………―――――……///』
なんか、私を見たまま、ぽ~っとしてるカンジ。なんか顔を赤くしてるし……
『??どしたの?』
『……!あ、その…………あり、がとう……』
『お礼を言うのは私の方……みんなも無事だよ!』
そう言ってこども園の門の方を見やると、私とデーティアの視線に気づいたのか、歓声を上げる子供たちの姿。
「あ!こっちみたので!プリキュア、がんばってなので~!」
「おうえんしておりますですの~!」
「……まけないで!」
「そんな"さかなやろー"、みずたまからひきずりだしてたたきにしちまえ~~!」
「―――――
みんなが思い思いの声援を、私達に送ってくれている。……なんか、聞き覚えのあるフレーズも混じってるけど、まぁいっか。
「キュアデーティア~!」
そんな中で、ひときわ響くこの声―――――のんちゃんだ!
……やっぱりキュアデーティア推しなのね……たまには私にもプリキュア愛をください……
「ありがと~!それから、まけないで~~!!」
ふと、『愛をください』と思ったのが引き金になったんだろうか。
みんなの声―――――みんなの想いが、私の中に入ってくるのを感じる。
それは私の中で膨らんでいって、身体全体に行きわたる。
『なんか……なんか来た……!すごく……すっごく……!!』
心の限り―――――私の中に駆け巡る力の限りに―――――!!
『いーーーーーーーーーーねーーーーーーーーっっっっ!!!!!!!!!!!!』
私は、
体中から湧き上がるピンク色の輝きが増幅されて、炎のように燃え上がる。
『わかるよ、僕も……!!』
隣に立つデーティアの身体からも、いつも以上の水色の光が燃え上がってる。
『のんの……みんなの想いが……みんなの応援が、僕達の中で力になるのが……!!』
その言葉で、私は悟った。
メモリアが前に戦った時、キュアネットの応援書き込みで、メモリアがパワーアップしたのと同じなんだ。
キュアネットの中では書き込みが力になったけど、この現実の世界では応援の言葉や心が、直接私達の力になるんだね……!
『くッ……なんだッ……!?イーネルギーが高まっているだとッ!?何が起こっているッ!?』
『人の命を何とも思わないあなたにはわかんないでしょうね……!私の……私たちに力を貸してくれてる、みんなの想い、みんなの心……みんなの"意志"の力は!!』
そう、イーネルギーは、人が人を想う、『優しさ』の具現。
みんなが私達を応援してくれるその限り、私達はどこまでも強くなれるんだ!
『だからこそ……知ることができた。みんなが……ののかが、どれだけ怖い思いをしたのか……悲しい思いをしたのかを……!!』
―――――……!!
びり、と、背筋に電流のようなものを感じた私が振り返ったその先には、燃え立つ青白いイーネルギーをその身に纏ったデーティアが、一歩、また一歩と、スパムソンが屋根に立つ園舎へと近づく様があった。
『明日は……みんなが楽しみにしていたお遊戯会だったんだ……!それをお前は……みんなの楽しい思い出が詰まった、このこども園ごと壊した……!お前は赦されざる罪を犯した……!!』
『ぬッ……!だがそう仕向けたのは貴官であろうがッ!!』
『黙れッッ!!』
―――――!!!!
青白いイーネルギーがスパークして、デーティアの全身に迸った。ここまで昂ったデーティアはを見たのは、初めてかもしれない。
デーティアの―――――ほくとくんの堪忍袋の緒が、怒りの炎で
デーティアは刃物のような視線をスパムソンに突き刺しながら、更には指まで差して言い放つ。
『"対バイオロン法"、第六条……"子どもの夢を奪い、その心を傷つけた罪は特に重い"……ッ!!』
『ほぇっ!?』
た、"たいばいおろんほー"!??!ってか"ばいおろん"って何!?ワケのわからない単語に混乱する私。
『妄言をッ!!そのような戦争法律などッ、小官のデータベースに存在しないではないかッ!!そもそもバイオ
スパムソンもスパムソンで、律儀にも大真面目に反論している。うん、私もそんな法律知らない。
『最早問答無用ッッ!!みんなを……ののかを怖がらせ、悲しませ、恐怖を植え付け、涙の一滴でも落とさせたキサマだけは絶対にゆ゛る゛さ゛ん゛ッ!!!』
『
スパムソンの怒鳴り声とともに、はるか上空に浮いていた巨大水玉から、極太の水流が連続で発射されるのを見た。まるでレーザーのように、連続で園庭へと突き刺さってくる。
さらには巨大な水風船をドカドカと投下するものだから、私とデーティアは右に左に回避した。
『あの水攻め……!それにこども園の扉に『鍵』を掛けた能力……あのバグッチャーが取り込んでるのは海藤みなみさん……キュアマーメイド!絶対そうだよ!』
《成程な……!『プリンセスプリキュア』のサブリーダー、"
ここまでの苛烈な攻撃は、爆撃機さながらだ。マーメイドの優雅さ、美しさを思わせる要素は一かけらもない。辛うじて、巨大な水のボールの中に浮かぶ古代魚のようなシルエットから、『海を知ること』を志したみなみさんの面影を感じ取れるけど―――――
『高高度からの絨毯爆撃ッ!!この距離ならいかなる遠距離攻撃も届かぬッ!届いたところで"純水の盾"が防ぐッ!さぁ諦めろッ!諦めてキュ
『冗談じゃないぜ!―――――メモリアル!』
『うん!』
前の私達なら泣き寝入りしていたかもしれないけれど、今の私達は違う。
相手がどこにいようと、どんな高さにいようとも―――――
《Wi-Fi WING! EXPANSION!!》
―――――私たちの翼が、捉える!
『んなッ!?』
驚くスパムソンを尻目に、翼を開いた私達は空を睨む。
『プ
スパムソンが瞠目する。
「"ぷいきゅあ"が……!!」
さっちゃんが目を見開く。
「―――――……プリキュアが」
こころちゃんが口を半開く。
「プリキュアがっっ!!!」
ぷらむちゃんが両拳を握る。
「プリキュアが!!!!」
そして、のんちゃんが瞳を輝かせて―――――
子ども達の大歓声と、スパムソンの驚愕の絶叫がユニゾンした。そして、私は背中に風を受けるような感覚を受けた。
文字通り―――――私とデーティアの背中を、子供たちが『押して』くれてるんだ……!
『単独飛行能力を得たというのかッッ!!!??……だが肉薄できたところでッ、"純水の盾"を貫通できる道理がッ―――――』
『"外"から無理なら―――――』
デーティアの右の掌に、イーネルギーが集束して、一気にその輝きを増す。そしてそのままそのエネルギーを、"水のボール"の内側へと、無理やり押し込んだ。
『―――――"中"から
瞬間、閃光と同時に炸裂音が響き、無色透明だった"水のボール"の内側が、一瞬で真っ白になった。
『バグウゥゥゥウウウウアアアアア!!』
バグッチャーの不気味な悲鳴が、周囲にこだました。これって効いてるってこと……!?
『メモリアル!エネルギーを、"水"の内側で炸裂させるようにするんだ!』
『お、おk!!』
言われたとおりに、私もバグッチャーの"水のボール"へと急接近した。イーネルギーを右手に込めて―――――
―――――"内側"で、炸裂させる!
鈍い爆音が鼓膜を
泡が消えて水の中の様子が見えるようになると、バグッチャーが"水のボール"の中で激しくのたうち回るのが見えた。
『バカなッ!?"純水の盾"がこうも簡単にッ……!?』
《なぁ将軍様よぉ、"ダイナマイト漁"って知ってっかぁ?》
『ッ!?』
デーティアのイーネドライブから、データの自慢げな声が響く。
《爆弾を水ン中にブチ込んで、その爆発の衝撃波で動けなくなった魚を獲るんだよ。水ン中じゃ、空気中よりも衝撃波の威力が強くなるんだ。コイツが水のバリアを張ってる以上、いずれは爆殺必至だぜ?》
『くッ……なんだとぉぉぉ…………ッッッ!?』
《ほくと!りんく!一気にガン押しだ!!パワーアップしてる今なら!!》
苦虫を噛み潰すようなスパムソンの声に、データの声がオーバーラップする。
確かに、みんなの応援を受けてる今の私は超絶好調!
マーメイド待ってて、もうすぐ助けてあげるから―――――
―――――プリキュアがいくらがんばっても、どうせかてないんだな―――――
『……!?』
なに、今の……!?
体全体に、違和感が走った。
―――――どうしてプリキュアなんかがほんとうにでてきたんだね―――――
まるで、体の節々に電流が走ったような感覚が、私を襲った。
それだけじゃない。
―――――声が、聞こえる……
たくさんの応援の声に雑じって、私たちプリキュアに対して、冷ややかな感情を向ける声が―――――
『隙を見せたなッ!!』
空中で動きが止まってしまった私に、上からの強い衝撃。
強烈な水圧の放水に―――――私がこども園の園庭に叩きつけられるのに数秒もかからなかった。
次いで、デーティアまでも墜落してきた。たぶん、私と同じ放水を受けたんだろう。
子どもたちの不安げな悲鳴が、辺りにこだましていた。
『……大……丈夫?メモリアル……?』
『なんとか、ね……ちょっとキツいけど、まだ行け―――――』
―――――あ~あ、やっぱりせけんのひょうばんは"デマ"だったんだな―――――
―――――プリキュアがまけるのもじかんのもんだいだね―――――
『う……!?』
今度ははっきりと聞こえた。同時に、コスチュームのLEDファイバーのような光ってる部分がチカチカと明滅して、体中からがくりと力が抜けた。
起き上がろうとしたデーティアも、片膝をついていた。私と同じように、コスチュームの光のラインが明滅を繰り返している。
『今の……メモリアルも、なの……!?』
『気のせいじゃない……なんか……ヘンだよ……!?』
《りんく、あっち!みんなの方を見てみて!》
メモリアが促す先には、こども園の正門前で、私たちに声援を送るこども園のみんなの姿。その中の何人かにチェックがされて、数値が併記されている。
〈EMOTION GAIN〉
〈NONOKA HATTE:210%〉
〈SACHI KAWAMURA:130%〉
〈IIKO TOKITA:160%〉
〈RANKA SATO:120%〉
〈KOKORO TAKAHASHI:130%〉
〈PLUM KAGAWA:150%〉
これって……みんなが送ってくれてる声援……というか、"想い"の強さが数値化されてる……ってこと……??
それに、みんなの身体から、赤や青といった、色とりどりの光のラインが伸びて、私とデーティアのイーネドライブとつながっているのも見える。
特にのんちゃん、スゴいパワー!仲良し6人組は100%台、他のみんなも80~90%くらいの数値の中で、ひとりだけ200%を超えてる!のんちゃんの想い、キュアっキュアに感じる!
でも―――――
『あれって……みしんちゃんとみとんちゃん……だよね……!?』
このふたりだけは―――――違った。
このふたりからは、真っ黒な闇のラインが伸びていた。そして―――――
〈MISHIN MASUKO:-40%〉
〈MITTEN MASUKO:-30%〉
……と、数値がマイナスになっている。
《マズいよ……あのふたりから、ワルイネルギーが出てる……!さっきから調子がおかしいのも、あのふたりのワルイネルギーの影響だよ……》
『そんな……でも、どうして!?』
『あのふたりの"プリキュア嫌い"は相当だ……こんな形で僕達に影響するなんて思わなかったけど……ぐ!?』
『デーティアっ!』
『またちょっとビリッと……けどさ……!』
よろめきながら、デーティアはゆっくりと立ち上がって、私を見る。それも―――――
笑って。
『それなら―――――あのふたりも味方にすればいいんだよ!』
『ほぇ!?』
『プリキュアが嫌いな子供達でも釘付けにできなきゃ、ホンモノのヒーローの名折れだからね。『プリキュアだってカッコいい』ってところを見せれば、あのふたりでも納得するよ』
『で、でもどーやるの!?これ以上なにか技とかあるわけじゃないし……』
『大丈夫―――――僕に任せて』
そう言うと、デーティアははるか上空に浮遊するバグッチャーを見上げた。
『みんなが……ののかが僕に望んでる、『プリキュアとしての一番カッコいい姿』……それで戦う』
プリキュアとして一番カッコいい姿―――――その言葉の意味が、その時の私にはわからなかった。
今でもサイッコーにカッコいいデーティアが、これ以上『プリキュアとしてカッコよくなる』方法って……??
『今から僕は―――――少しだけ、"僕をやめる"』
『へ……??(・ ・;)』
《CURE-DATEAR―――――PHASE SHIFT……!!》
小さく呟いたデーティアは、気持ちうつむいて、目を閉じた。すると、イーネルギーの輝きの『カタチ』が、ゆっくりと変わっていくのを見た。
激しく燃え立つようなカタチから、静かに燃える、そんな感じに―――――
そして、純白だったマフラーに、金糸の刺繍が浮かび上がった。その刺繍は、百合の花にも見えた。
《りんく……ほくとの感じが……"変わった"……!》
『うん……この感じ……前にも一度……』
覚えがある。ほくとくんに私がキュアメモリアルだってことを告白したあの時の戦いの時にも、一度だけ私が遭遇した―――――
『イーネルギーの『波形』が変わったッ……!?バカなッ、イーネルギーの波形の変化など絶対に有り得ない
スパムソンが、こども園の屋根から怒鳴るように叫ぶ。
『お前は誰だッ!?』
『"僕"の中の"わたし"』
間髪入れず―――――デーティアは答えた。
『普段は陰に隠れてその姿を見せない、"八手ほくとのペルソナ"―――――普段は押し殺されてる、
デーティアは、そっと自分の胸に手を当てながら言う。
『
もうこの仕草だけで、私は『いつものキュアデーティアと違う』ことを悟っていた。
ふだんなら、自分から『胸に手を当てる』ことなんて、絶対にしない。だって、デーティアは『体は女の子』だけど、『心は男の子』だから。
いくら自分の身体とはいえ、『女の子の胸を触る』なんて、
『わたしは……みんなが憧れるヒーローになりたいの……!だからまずは……わたしの大切なヒトに憧れてもらえるように……わたしは戦う!』
すらりと流れるような、滑らかな構えからポーズを取って、いつもとは違う名乗りを上げるデーティア―――――
こ、これわ……―――――!
『"女子力全開モード"だーーーーーーーー!!!』
……SAVE POINT
惜しいところですが今回はここまでッ……!!
女子力全開モードのキュアデーティアの全力はまた次回!!
キュアマシェリ&キュアアムール誕生までには、何とか……!!