こりゃ、半端なモノは書けませんな……身の引き締まる思いでキーボードを叩く毎日です。
さて今回、Dr.Gの『虎の子』がついにメモリアとデータの前にその姿を現します……!!
それから……キュアマリンファンの皆様には今回のマリンの扱いについて先にお詫びを申し上げておきます……
それでは、送信ッ!
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その日の夜―――――異変はやっぱり突然だった。
ママの悲鳴が家中にこだまして、慌ててキッチンに駆け付けると、キッチンの蛇口からドバドバと水が―――――
……って、これってつい最近見たことあるんですケド!?
まさかと思ってネットコミューンを取り出すと、やはりというかなんというか、メモリアのイーネドライブが真っ赤にギラギラ光ってた。
それに、むぎぽんやそらりん、クラスのみんなからもメッセが来て、みんなの家も同じ状況みたい。
つまりはこの間こども園にやったことを、今度は町全体でやろうってコト……!?
《りんく!あたしをキュアネットに送って!》
「おk!頼んだよ!」
これをやるのも久々だ。なにしろ、最近はいきなり現実世界にバグッチャーが出てきて、私が直接変身してたから。
あわてて部屋に取って返すと、私はネットコミューンのアプリアイコンをタップしながら叫ぶ。
コミューンの画面の中で、メモリアが光の球体に変化して、光のリングが現れる。
あれ?1、2、3………………13??
今までこの時に現れていた光のリングは、『12個』だったよーな……目の錯覚かな、まいっか。
ともかく、今度は町ごと水攻めなんて、絶対にさせないんだから!
「頼んだよ……メモリア!」
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「デリーートーーーーーーー!!!!」
―――――どっか~~~~~ん!!!
「ぬぅぅぅぅッッッ!!!まさか実体化前にバグッ
「ケッ、バカ言ってんじゃねー!アタシたちプリキュアに……ことにこのキュアデータ様に、同じ手が二度通じると思うなってんだ!!」
「前回のキュアマーメイドのバグッチャーも水のバグッチャーだったからね!水対策は万全だよ!」
今回のバグッチャーは、前にキュアネットで見た、『水上バイク』に似たカタチだった。
でも、マーメイドのバグッチャーと違ってピースサンダーがフツーに効いて、動きが止まったところでビューティブリザードでカチンコチンに凍らせて、最後は鉄拳粉砕!
……もしかして、もうネタ切れなのかなぁ?
「次はこうはいかんぞッ!!」
そう言い捨てて、スパムソンは消え去った。
「イーっだ、二度と来るなぁ~っ!」
「ま、来たら来たで盛大に歓迎してやるけどな♪……さて、"今回のプリキュア"がお待ちかねだ」
あたしが拾い上げた水色のキュアチップから、イーネルギーが舞った。そこから現れたのは―――――
『いやぁ~、戦いを1文字も書かれずにやられちゃうなんて思わなかったよぉ~♪( ̄▽ ̄)どんな風に戦ってくれるのか楽しみだったんだけど、まさかの出オチなんてどーなってんのさぁ~!?p(>△<)q説明してよね~!!!』
「…………アンタかよ……『ハートキャッチプリキュア』のサブリーダー……(-_-;)」
「……"
キュアマリンって、時々よくわからないコトを言うんだよね。『書かれる』とか『出オチ』とか……なんのコト?『誰』に説明してもらうの??
前にもりんく、どっかヘンな方向を見て、『誰か』に話しかけるようにしゃべってたこともあったし。まるでりんく達以外の『誰か』があたし達のことを見てて、その『誰か』に話しかけてるみたい……。
《えりかちゃん……ホンモノもフリーダムだ……(汗)》
『?もしかして、メモリアのユーザーさん?あどーもどーも、ウチのメモリアがお世話になっておりまして♪( ̄▽ ̄)』
《ふぇ?いえいえこちらこそ、メモリアにはお世話になりっぱなしで……》
「オカンかよッ!!」
『それでそっちがデータのユーザーさん……って!?まさかまさかの男の子!?……え……データ、じょーだんだよね?いつきみたく男の子のカッコをした女の子……だよね??(〇 □ 〇;)』
「んなワケあっか!正真正銘、アタシが選んだ最強の男だ!」
《ど、どうも……》
まぁ、最初はそんなリアクション取るよね……他のみんなも驚いてたもん。
今から思えば、みんなが心配してたのはマトリクスインストールのコトだったのかも。男の子が男の子のままで『あのカッコ』はキッツいよね……
でもどーして、ほくとはマトリクスインストールすると、女の子になっちゃうんだろう……?
『(〇 □ 〇)………………ま、いっか。(・o・)その様子だとイイ感じにやってるみたいだし、データが選んだんなら、アタシも信じるっきゃないっしょ♪期待してるヨ、男の子!』
《き、期待されます……》
『そいじゃま、何かあったら呼んでね~♪』
ウインクしながら手を振ったマリンは、イーネルギーのフィルターの奥へと消えた。そしてチップは流れ星のように、リアルワールドのりんくの元へ飛び立っていった。
レジェンドプリキュアの中で一番にぎやかなマリンを取り戻せたし、キュアットタブの中も明るくなりそう!
……でも、マジメなビューティやエースやマーメイドがいることをまだ知らないんだよね……―――――
《おっけー!キュアマリン、キュアっとレスキュー!!》
「これで13人かぁ……まだ先は長いね」
「なぁに、このペースなら、そう時間はかからねぇさ。タブを満員すし詰めにしてやろーぜ!満員電車みたいにさ♪」
「ソレって詰めすぎだよぉ~♪」
データだったら、ホントにやっちゃいそうだなぁ……
でも、やんなくっちゃ。あと45人のレジェンドプリキュアたちを、必ず助けなきゃ。
それにその中には、"せんせい"もいる―――――
今ごろ、どうしてるんだろう……"せんせい"、キュアチップにされて動けずにいるんだよね……
待ってて、"せんせい"……あたしが……あたしたちが、必ず―――――
《メモリア!!》
「!」
りんくの声と同時に―――――殺気が飛んできた。
データといっしょにとっさに飛び退くと、足元で何かが火花を散らせて弾けた。
―――――これって……!?
「ンだァ!?将軍サマのご帰還かぁ!?未練がましいんだよさっさと出てこいやぁ!あ゛ァッ!?」
目をツリ上がらせてがなるデータ。こんなコト言うのもなんだけど、どっかのプロレスラーのにんげんさんみたいにすんごくオラついてる……この様子はキュアットタブにいるみんなにも見えてるから、あとでまたエースやビューティからお説教されるんだろーなー……あたしもとばっちりで。……って、そんなこと考えてる場合じゃないよね……!
殺気が飛んできた方向を見上げると、今度は2体の銀色の物体が猛スピードでこっちに突っ込んでくるのが見えた。あたしは右側に、データが左側に避けると、"銀色"はその間を突っ切っていく。
2体の"銀色"はそのまま進んだかと思うとピタリと止まって、くるりとこちらに向き直った。ようやく、その全体像が見えてくる。
全身メタリックシルバーの胴長のカラダに、一対の翼。りんくの家に来てから知った、『くりおね』っていうリアルワールドの生き物によく似た形をしていた。
《あれって……バグッチャーじゃない……なんなの……!?》
《いきなり攻撃してきたんだ……味方のはずは……ないだろうね……!》
りんくとほくとも驚いてる。その見た目もそうだけど、気配もバグッチャーのそれじゃない。バグッチャーが出してる、『ぴりぴり』した気配を、コイツからは感じない……。
でも―――――
「おい……メモリア―――――……!?」
「う……。……うん。わかる」
―――――知ってる。
あたしは―――――この気配を、知ってる。
データも同じだ。『信じられないモノを見た』ような表情が、それを物語ってる。
でも、どうして、"こんな姿"になってるの―――――……!?
どうして、この2体の"ヘンなの"から―――――
《やはりこちらでしたかぁ……♪"XV"の反応がありましたからもしやと思って来てみれば……今日はツイてますねぇ……♪》
ねっとりとしたブキミな声が、あたりに響き渡る。この声って……!
《《Dr.G……!!》》
りんくとほくとが同時に叫ぶ。
《アナタの『お友達』のおススメで、ニッポンに会いに来ちゃいましたぁ~……♪回りくどい事はもうナシにして、このワタシがちょ・く・せ・つ……じ・き・じ・き・に、アナタたちを調べさせてもらうことにしたんですよぉ♪》
「直接って……りんくが言ったのはそういう意味じゃないのに……!」
「おい!……なんなんだこの"メタル野郎"は……!! それに、この気配は……!!」
《あぁ、そういえばこちらもご紹介していませんでしたねぇ―――――》
どくたーさんは、小さくつぶやいた。
"ヘンなの"が、感情のこもってない、女の子のような声を出した。同時に、目にあたる部分に一つ目のような光が灯った。向かって左側は紫、右側は緑色の光―――――
《"
「……データ…………」
「あぁ?」
「…………言ってるコト、全然わかんない」
「……心配すんな、お前がわかんなくても問題無ェことだ―――――……で?その大した名前のヤツをどーしてアタシ等にけしかけんだ!?……テストすんならバグッチャー相手にやりやがれってんだ!!」
《"バグッチャー"……?"XV"のコトですか。一つ情報、実に感謝します♪》
「戦わなきゃいけない理由を聞いてんだってば!」
《知れたコトですよぉ♪…………ワタシは、アナタたちのコトを『知りたい』、それだけなんです♪でも……アナタたちはなぁんにも教えてくれません……どこで生まれたのか、どうして存在してるのか、何が目的なのか……そもそもどんなプロトコルで構成されているのか、どんなプログラム言語が用いられているのか………………その、『すべて』を、ワタシは、『知りたい』だけ…………♪♪》
ねっとりとした声とともに、イヤな予感が、あたしの中で広がっていく―――――
《ワタシにとって"未知"は"敵"……アナタたちの存在はまさに世界にとっての"未知"……!!……『知らないこと』は『知らなければ』……『わからないこと』は『わかるように』しなければ……
そしてそれは、次の瞬間あたし自身に襲い掛かる―――――
《…………だから、教えてください♪アナタたちの、"スベテ"を―――――》
2体の"プロトセーブ"が、どくたーさんの声と同時に突っ込んできた。モノ凄い瞬発力にとっさの回避も出来ずに、あたしとデータはそのまま真正面から受け止める形になった。
一つ目の顔が、あたしの視界に大写しになる。ひときわ、瞳のように灯る紫色の光がブキミに光る。
《あぁそうですぅ!!もぉし痛かったら、手を挙げてくださいねぇぇ!!》
「歯医者かよッ!!」
《も・っ・と・も……ワタシはアナタたちに『痛覚』があるのかどうか『知りたい』だけですので―――――》
ジャキッ!!という音とともに、"プロトセーブ"のボディが両開きになった。中には円のように並べられた、黒光りする砲身があたしに向けられていて―――――
紫色の光があたしの視界を覆って、全身に痛みが走って―――――
あたしは吹っ飛ばされていた。
ついでに意識まで吹っ飛ばされそうになる―――――
《メモリアぁっ!!》
―――――けど、りんくの声が意識と身体をつなぎとめる。空中で受け身を取って着地すると、"一つ目"をぎょろぎょろと動かしてあたしの様子をうかがう"プロトセーブ"をにらむ。
《Attack Mode》
"プロトセーブ"はそう呟いたとたん、背中からうねうねと2本の腕を伸ばして、その先っぽを大きな鉄球のように変形させた。
「げっ!?」
あたしに向かって躍りかかった"プロトセーブ"は、腕の先の巨大鉄球を容赦なくあたしに振り下ろした。
―――――これだけはくらっちゃいけない!
その一心で、死に物狂いで飛び退いた。鉄球がさっきまであたしのいた場所に打ち付けられて、爆音のような音といっしょに、キャッシュデータが土煙のように舞った。
鉄球が振り下ろされた地面には―――――ぽっかりとクレーターができていた。
「や……ヤバいよ……コレ……!!」
スゴい攻撃力……こんなのまともにもらっちゃったら、一発でバラバラ確定だよ……!!
「言うだけのことはあるな……!!コイツ、ヘタなバグッチャーよりも強い!」
一方で、データはもう1体の"プロトセーブ"の回転体当たりをさばいていた。"プロトセーブ"はデータにぶつかった反動で間合いを離すと、両腕のハネのような部分を、『前ならえ』のようにぴんと伸ばした。
緑色の光の輪っかが腕から出てきたと思うと、輪っかと輪っかの間からピンク色のビームが発射された。
「ッ!?」
データが目を見開いたのを見た―――――それも一瞬で、データはビームの奔流に呑み込まれた。ビームが命中したキャッシュデータの地面が、大爆発を起こした。
「……データぁっ!!」
背筋がぞっとして、思わず悲鳴のような声が出た。もうもうと立ち上る煙の中に、あたしは思わず突っ込んでいた。
うつぶせに倒れていたデータを見つけた時は、胸が
「データ!しっかりして!データっ!!」
「………………泣きそうな声出すんじゃねェよ」
ぴくりと指を動かして、あたしを見上げながら、データは笑ってた。
「伊達に"お師さん"に鍛えられちゃないさ……あんなビームの1発や2発、ブチ込まれたトコで大したこたねェよ……」
立ち上がってホコリをはらったデータは、鋭い視線を2体の"プロトセーブ"に向けた。
「それよりもよ……見たか、今の……」
「!……うん……そっくりだった……!」
さっき、緑の目の"プロトセーブ"が使った技に、あたし達は見覚えがあった。
《キュアフェリーチェの……"エメラルド・リンカネーション"……だった……!?》
りんくの震える声が降りてくる。それに、紫の目の"プロトセーブ"は―――――
《それに……あっちのパンチ……地面にクレーターを作るほどのパワー……まさか……ミルキィローズ……!?》
やっぱり―――――りんくもわかってたんだ……
データは2体の"プロトセーブ"を睨んだまま、その"向こう"にいるどくたーさんに向かって―――――
「説明しろ……」
今までに聞いたコトのないくらい、怒りのこもった声で叫んだ。
「どうしてこいつらから……ミルキィローズとキュアフェリーチェの気配がするんだッ!?」
そう―――――この2体の"プロトセーブ"から感じたのは、懐かしさ。
ジャークウェブにキュアチップにされてさらわれたはずのローズとフェリーチェが、どうしてどくたーさんのところに―――――
それに、"こんな姿"になって……
《もしや……"ローズ"と"フェリーチェ"の"Cプログラム"のことをおっしゃっているので?またまた情報、実に感謝です♪》
「答えろッ!!ふたりに何しやがったァッ!?返答次第じゃタダじゃおかねェぞ、あ゛ァ!?」
《何って……そうですねぇ~……ワタシは"拾ったモノ"を"使ってる"だけに過ぎませんよぉ?》
「まさか……ふたりのキュアチップを"プロトセーブ"に…………!?」
最悪の予想だったけど、あたしは問わずにはいられなかった。
「ローズとフェリーチェを…………"ソレ"に……―――――?」
少しの間、どくたーさんは押し黙って、こう答えた。
《……『そうです』と言ったら…………どうなさいますぅ?♪》
――――― ! ―――――
はっきりと―――――
あたしの中で、何かが『切れる』音が聞こえた。
そして―――――
頭のてっぺんから手足の指先まで―――――
『熱氣』が浸透して、燃え上がった。
"せんせい"は―――――
『怒りは、『頭』ではなく、『体』に溜めろ』って言ってた。
でも、今、この瞬間だけは、"せんせい"が止めても、あたしは止まんない。
怒りのままにパンチを繰り出す―――――
熱さに急かされキックを放つ―――――
一撃、一撃、叩き込むたびに―――――思い出してくる。
ときどき修行の様子を見に来てくれたローズが、戦い方のコツを教えてくれたこと。
くじけそうになった時、フェリーチェが応援してくれたこと。
そのふたりの笑顔も、あたし達の取り戻すべきモノだった。
―――――それなのに―――――
―――――それなのに!!
《急激な出力の上昇……ウェヒヒヒッ、感情をダイレクトにエネルギーに変換するとは、まるで『人間』みたいですねぇ!!いい!E!!実にイイイイイィィ!!!!ここまで詳細な記録ができるとは実に僥倖、実に幸運ンン~~!!さぁここからですよぉ~!!見せてください、アナタたちの『スベテ』を!!大人しくワタシに!世界に!"あのひと"にぃぃ!!!真実を曝け出してくださいぃぃぃぃ!!そして証明するのです!……"あのひと"の理論を!"博士"が正しかったことを~~~~~~↑↑↑!!!!!!》
どくたーさんの言葉が、あたしとデータの怒りをあおる。でも、もう、このにんげんさんの言葉は聞かないことにした。元々言ってることは全然わかんなかったけど。
もしあたしがバグッチャーみたいにリアルワールドに出られるのなら、今すぐ出たい。
そして、このにんげんさんを―――――どくたーさんを思いっきり―――――
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《コレ!コレです!!実にコレですぅぅぅ!!!アナタたちが殴り、蹴り、投げ、跳ぶ!その度に真実へと!!Q.E.Dへとち・か・づ・い・て・い・くぅぅぅ!!!見せてください!もっと、もっと、もっと、もっと!!!!!アナタたちにはそれを見せる義ぃ務があるんですぅぅ!!それがワタシのため!世界のため!!"あのひと"のためぇぇぇぇ↑↑↑!!!!ウェヒッ、ウェヒヒヒッッ!…………ウェヒヒヒヒヒヒ!!!!!》
《しゃべるなあああぁぁぁぁああぁぁぁあぁあぁぁ!!!!!!!》
《生きてここから帰れると思うなド外道がァァァァァァッッッ!!!!!》
「メモリア!落ち着いて!私の声を聞いて!メモリアぁっ!!」
《データ!抑えて!怒りに身を任せちゃいけない!!こういう時に冷静になれって言ったの誰だよ!?》
だめだ……メモリアもデータも、私とほくとくんの言葉が全然聞こえてない……
それにさっきから、ネットコミューンが異常に発熱して、しかもありえないくらいに振動してる。
それこそ、スマホを握りつぶすぐらいに、両手で思い切り持っていないと、今にも私の手からすっぽ抜けていきそうな勢いだ。
これは―――――メモリアの怒り―――――……
私にもわかる。私だって、Dr.Gがやったことを許せない。
ミルキィローズとキュアフェリーチェ―――――くるみちゃんとはーちゃんが変えられたままのキュアチップを、"プロトセーブ"に組み込むなんて……!
事情を知ってるか知らないかわからないけど、でも、これだけは言える。
―――――プリキュアは『モノ』じゃない!!
たとえキュアチップに姿形を変えられても、その中には確かに、『生きてる命』が、魂が宿ってる!
それを"あんなモノ"に閉じ込めて、力だけを引き出して利用するなんて、バグッチャーを作ってるジャークウェブと同じ!
でも、メモリアとデータの怒りは尋常じゃない。まさか、ふたりのキュアチップは、バグッチャーとは『違うカタチ』で"プロトセーブ"に組み込まれているんじゃ―――――
ううん、ダメだ!そんなコト考えちゃだめだ!そんな"最悪"のことなんか……!!
どうにか……どうにかしなきゃ……!どうにかして、メモリアとデータに私とほくとくんの声を伝えなきゃ……!
でも、今のメモリアには何を言っても聞いてくれないし……データはそれ以上に頭に血が上ってるし……
なんとかして、ふたりの頭を冷やさないことには―――――
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そのとき―――――
あたしが放ったパンチから、大量の『水』が突然噴出した。
それは2体の"プロトセーブ"を押し流し、並んでいたあたしとデータの全身にどば~~!!!っと降りかかった。
《………………………………………………は?》
あたしもデータも、"プロトセーブ"もみんな、ずぶぬれになって思わず動きを止めてしまった。
ってか……これって……なんなの……??
あたしの視界のすみっこには、四角いワクの中に、きょとんとしてるりんくの顔が映ってた。そして、その下のワクには―――――
《頭冷えた?》
「…………キュアマリン…………?」
どうして、さっきキュアチップに戻って、リアルワールドに出てったはずのマリンが……??
それはりんくも同じだったようで、すぐさまツッコミを入れていた。
《ど、どーやってコミューンに!?マリンのチップ、さっき受け取ってキュアットタブに入れといたはずだけど!?呼び出した覚えもないのに!?》
《どうやったかアタシもよくわかんないんだけどね……あえて言うなら―――――気合よっ!ふんす!!》
《き、気合!?》
《伝説の戦士であるプリキュアたる者、気合があればなんでもできるのよ!……たぶん》
「たぶんかよ!?」
《そんなコトより!詳しいコトはタブの中にいたみんなに聞いて、ふたりの戦う様子を見てたけど、何よさっきまでの戦い方ぁ!?"ぷっつん"しちゃったらマトモに戦えるわけないじゃん!短気は損気!》
「で、でも!ローズとフェリーチェが……!」
「あぁ……!あの"メタル野郎"に改造されて―――――!!」
まくしたてるあたしとデータに、マリンはため息をついて、あきれるように肩をすくめた。
《あのさぁ……あっちの言ってるコト真に受ける必要なんてある?もしかしたら、メモリアとデータを怒らせるためにウソついてるかもしれないじゃん》
「!……そりゃ、そうだけど……」
《でしょ?でもま、ふたりの感覚は信じてもいいかもね。こうしてコミューンの中にいると、ふたりの気配、アタシも感じるよ―――――》
言葉の後半から、マリンの表情が険しくなった。こんな顔するマリンって、めったに見たコトが無い。マリンって、ほとんどいつも笑ってるから―――――
《…………確かめてみなよ》
「え……?」
《ウソかホントかわからないんだったら……あの"銀色の"を動けなくしてからつかまえて、じっくり調べればいいんじゃないかな?……後の結果がどうなるかはさておいて、さ》
「…………マリン、アンタ……」
《メモリア!アタシの力も使って!……もっともあんたに使いこなせるかわかんないけどね~?》
「とーぜん!りんくといっしょに"ぶるーれい"を見て、マリンのことも勉強したもんね!」
「そーいや、マリンタクトパクられたってのも見たぜ?それに夏休みの宿題のこととか―――――」
《あ゛~!!それはダメ!言っちゃダメ~!!アタシの黒歴史~~!!》
あわてるマリンを見て、思わずあたしとデータは笑みをこぼした。
でもって……笑ったら、さっきまでまわりが見えないくらい怒ってたのがウソみたいに、清々しい気分だった。
それに―――――前向きになれた。
りんくの言ってた、『HUGっと!プリキュア』のみんなと同じだ。『この目で見てない』のに、決めつけちゃうってよくないよね。
マリンの言うとおり―――――確かめなきゃ。本当に、"プロトセーブ"の中にふたりのキュアチップがあるのかを。
ふたりが、無事でいるかどうかを―――――
《キュアネット空間の中にこれほどの水量を生むとは……"別のCプログラム"をインストールしたようですねぇ……これはオドロキです!汎用性まで持っているとは、いよいよもって魅力的じゃないですかぁ♪……それにしてもさっきまで一体どなたとやり取りを……??》
「……悪人には見えないありがたい
「あたしたちは……"プロトセーブ"に勝つよ!そんでもって―――――」
あたしは"プロトセーブ"をびしりと指さして、宣言した。
「『お持ち帰り』しちゃうもんねーっ♪」
《な・ん・で・す・と・っ!?》
「アタシ達が勝ったら、"メタル野郎"はアタシ達のモノだ!持って帰ってじぃ~っくりね~っとり調べさせてもらうぜぇ……ぐへへ」
「データぁ、なんかイヤらしいよぉ……」
データったら、ドコまで本気なんだろ……これには苦笑いするしかなかった。
でも、『持って帰る』のはマジ本気!どうやって持って帰るかは……とりあえずボッコボコにしてから考える!
《な……なんと!ゴートーですか!?強盗行為に及ぼうというのですか!?しかも"プロトセーブ"に……我が子にも等しい"プロトセーブ"に!?ゆ、許せませんっ!!これはもはや強盗ではなく誘拐!拉致!!監禁ですっ!!》
「どの口が言いやがるッ!?」
「ローズとフェリーチェを誘拐して、そんな姿にしちゃったのはアンタのくせにっ!」
「ちょーどいい……"メタル野郎"をかっぱらうついでに、キュアチップをどこからちょろまかしたのか、身代金代わりにアンタに吐いてもらうのも悪かねぇなぁ……♪」
《きょ……凶悪すぎます!極悪ですっ!!いったい"コレ"のどこがプリキュア、どこがヒーローですか!?完全に犯罪者の思考ですッ!!》
《データ……さすがの僕もそう思うよ……》
ほくとの苦笑いが視界の隅の四角いワクに見えた。悪ノリはその辺までにした方がいいって……
「どくたーさん……しょーぶだよっ!」
「仕切り直しの第2ラウンドだァァァァッッ!!」
あたしもデータも、もう怒りにはとらわれない。
やるべきことを、力いっぱいやるだけだ。
待ってて―――――ミルキィローズ、キュアフェリーチェ―――――
あたしたちが、絶対に助けてあげるから!
……SAVE POINT
今回稚拙が書いてて一番楽しかった場所……それは―――――
Dr.Gのセリフだったり。
書いてて『あぁ、稚拙ってホントドSだなぁ……』と改めて自覚したり……
それから、この度の豪雨災害に遭われた方々には心からお見舞い申し上げます……
前回も含めた今回の『水攻め』、豪雨災害が起こる前に考案していたものでして……