インストール@プリキュア!   作:稚拙

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 さてお待たせしました後篇です!!
 エグゼイド編の執筆が遅れていることへのお詫びとして、素敵なプレゼントもご用意いたしましたので、どうぞ!


キュアデーティア 対 蒼の怪盗団 後篇

 結局3人分のサインをもらったほくとは感涙に(ムセ)ていた。

 ……素直にサインに応じてくれた蒼の怪盗団(コイツら)蒼の怪盗団(コイツら)だが。

 しかもほくと、サインペン持ってなかったもんだから、なんとキュアコスモのスターカラーペンで書いてもらったというとんでもなくプレミアなサインだ。

 てっきりコスモにはサインを頼まんものかと思ったが、色紙はきっちり3人分用意しててビックリしたぜ。

 コスモのサインはりんくへのおみやげだと。……なんだかんだで意識してんじゃねぇか、コイツぅ❤

 

 《さて……キミにこうしてこの『聖地』に来てもらったこと……そして僕達が『聖地』を盗ませてもらったこと……それは全くの無関係じゃない》

 《どういうことですか》(キリッ)

 

 ディエンドが海東の声で説明を始めると、ほくとはさっきまでのヲタ全開のマヌケ面はどこへやら、すぐさま表情をシリアスモードに戻した。

 ……サイン色紙を手に持ったまんまだからマヌケが抜けきってないが。

 

 《甲子園球場……高校球児たちにとっての『聖地』……だが、この『聖地』は―――――》

 《"ある人々"にとっては、忌まわしい『悪の総本山』とも云える場所になってしまっているのよ》

 

 ルパンブルーとキュアコスモが、神妙な口ぶりで言う。

 

 《悪の……総・本・山……!?》

 

 ごくりと息を呑むほくと。頬にひとすじ汗が流れる。

 ―――――色紙を持ったまんま。

 

 《僕達が甲子園球場を盗んだのは―――――『笑顔』が奪われてしまうことを止めるためさ》

 《甲子園球場が存在し、夏が来る……その度に、人々から『笑顔』が奪われる》

 《それを止めるためには、いっそ甲子園球場をこの世界から無くしちゃう方が都合がいいのよ》

 

 言ってることの意味がさっぱりわからん。

 甲子園で笑顔が奪われるって……??

 

 「何言ってんだアンタら……??やってることと言ってることのつながりが全然見えねぇんだけど……」

 《それならば、単刀直入に言おう》

 

 1歩前に出たディエンドが言った。

 

 

 《甲子園での高校野球が日曜日に放送されてしまうと、『ニチアサキッズタイム』の放送が延期にされてしまう……仮面ライダーやスーパー戦隊……そしてプリキュアを楽しみにしている関西の子供達から、笑顔が奪われてしまうのさ》

 

 

 

 

 

 …………………………( ゚Д゚)ハァ?

 

 

 

 

 

 《甲子園の所為で……俺達の活躍を見ることができない……それは関西の子供たちにとって、この上ない苦痛だ……》

 《子供たちだけじゃないわ。『見てもらう』側のワタシたちにとっても、心苦しいことなのよ》

 

 ディエンドに同意するように、ルパンブルーとコスモがうなづきながら言う。しかも割と深刻な表情で言ってくるのは何故だ。

 …………言ってることはシュール極まりないんだが。

 

 《……わかりますっっっ!!!!!(☆ ☆)》

 「ぅえぇっ!?」

 

 ほくとは目を輝かせ、真顔で"蒼の怪盗団"に同意していた。おいおいマジかよ……

 

 《ゴルフや駅伝や年末年始で、ライダーやスーパー戦隊が見れない時の、日曜日の朝の物足りなさと言ったら…………仮面ライダーBLACKやRXのアクターさんが次郎サンじゃない代役だった時と同じよーな物足りなさなんですよ!!!決めポーズのキレが違うんです!!》(BLACKとRXの名乗りポーズをキメながら力説!)

 「はァ!?Σ(;゚Д゚)まぁ気持ちはわからんでもないが……ビール腹じゃねぇBLACKはBLACKじゃねぇ

 《だから、僕もスーパーヒーロータイムが無い日曜日はモチベーションが下がるんです……だから、お気持ちはよくわかります!!!》

 

 まぁ、これはアタシもわからんでもない。つーか、アタシがリアルワールドに来て初めて触れた娯楽が、ほくとに付き合って見始めた特撮で、いつの間にやら日曜の朝はテンションがハイになってるアタシがいた。

 週に一度の特別な時間―――――りんくもそう言ってた気持ちが、わかる気がした。

 前に、ジオウもルパパトも無い年末の朝のほくとの様子を読んでもらったが、あの時は至って普通だったな。

 実はあの時書かれてなかったんだが、寝起きから買い物に出るまでのほくと、割としょんぼりしてたんだ。年末年始の準備を始めて、多少シャキッとしたけどな。

 

 《普通に暮らしている人々は知らないだろうけど……僕達は、テレビを見ている日本中の子供達の声援から、潜在的な力を得て戦っている》

 《お前たち『インストール@プリキュア』が、ネット上の書き込みからイーネルギーを得ているようにな》

 《え……!?》 

 《子供達が、日曜朝8時30分からの1時間半の間、テレビの前で応援してくれているからこそ、ワタシ達は全力で戦うことができるのよ》

 《戦う僕達の姿を見ることで、子供達が勇気づけられ、その子供達が僕達に声援を送ることで、僕達は戦える―――――その循環によって、『ニチアサキッズタイム』は成り立っているのさ》

 

 ……これは……ショーゲキの事実、なんだろーか。日曜朝8時30分からの1時間半にそんなヒミツがあったとは……

 でもまぁ、『ヒーローが戦うのは子供の声援ありき』とは、なんとも微笑ましい設定じゃねぇか。

 ルパンブルーがさらに続ける。

 

 《子供達の声援は、番組を放送している26の『中継局』を介して、戦う俺達へと送られる……だが、高校野球が放送されることで、その中継局の『同期』が乱れてしまう》

 《子供たちの声援の同期が乱れると、僕達の実力が100%発揮できないのさ》

 《同時に、子供達もワタシたちの戦いをテレビで見ることができなくなってしまう……甲子園は、関西の子供達の笑顔を奪ってしまうモノなのよ》

 《…………………………………………》

 

 おろ?ほくとの表情が変わったぞ。

 さっきまで『ただのファン』だったカオが、なにやらシリアスに……

 

 《……キミに頼みたいことはただ一つ。僕達の活動の『黙認』だ》

 《ヒーローとして、子供達の笑顔を守ることは当然にゃん♪》

 《『特撮を愛するプリキュア』として……お前はこの頼みを断ることはできないはずだ》

 《…………………………………………………………》

 

 尚もほくとは口を真一文字につぐんだままだ。

 さてほくと……憧れのヒーローのお願いだが……どうする?

 

 ――――――――――

 

 『答えを聞こうか―――――八手ほくとクン』

 

 海東さんが迫るように問うてきた。

 でも―――――

 僕の答えは―――――

 

 極まっていた。

 

 

 「それは――――――――――」

 

 

 

 

 ―――――できません

 

 

 

 

 『『『……!?』』』

 

 キュアコスモの表情が驚きのそれに変わった。マスクで表情を伺い知れないディエンドとルパンブルーも、少したじろいだように見えた。

 

 『……何故だ?日曜の朝にスーパーヒーロータイムが見られないことを何よりも悲しむお前が……!?』

 『そうよ!関西の子供達だけが理不尽な目に遭っているのに、かわいそうだと思わないの……!?』

 

 コスモの悲痛な声が心を揺さぶってくる。でも僕は、揺さぶられども、折れなかった。

 

 「確かに……高校野球の放送で、仮面ライダーやスーパー戦隊の放送が見られない子供たちはかわいそうだと思うし、同情もします……気持ちはよくわかります―――――でも」

 

 確信と自信をもって、僕は伝える。

 

 「……でも、それまで練習で培ってきた結果を出す機会である『大会』を奪われてしまう高校球児の皆さんの気持ちも……わかるんです……!僕も……アスリートですから」

 『『『……!』』』

 《………………フッ》

 

 データが小さく笑うのが聞こえた。

 

 「特撮番組やアニメは放送が延期しても見る機会はあります……もし生で見られなくても、録画もできますし……後々になれば、DVDやブルーレイも出ます……でも、高校野球は……スポーツは違います!たった『一度きり』なんです……!大会が……力を出す機会を奪われてしまったら、もうそれきりなんです!今生きてる僕が今過ごしてる、『中学2年生の夏』が今しかないように……高校球児の皆さんの、『甲子園に出られた夏』は、今この瞬間しかありません……!そして、その皆さんが活躍する様子を楽しみにしている人たちの気持ちも、ないがしろにはできません……!僕は………………―――――」

 

 意外に思う人がいるかもしれないけど、これは僕の信念だ。

 僕は確かに特撮ファンだけど、空現流拳法を習い修め、空手部の一員として日々鍛錬にいそしむ、ひとりのアスリートだ。

 大会に向けて鍛錬を重ねて、仕合で結果を収めて、それを仲間たちと共有して、喜びを分かち合う―――――それは、何物にも代えがたい最高の思い出だ。

 それを味わえる機会を得て、甲子園に集っている、全国の高校球児たち。その、たった一度きりのチャンス。汗と涙に包まれた、一生心の中に残り続ける―――――

 それを―――――『誰かの人生で一度きりの、かけがえのない瞬間』を、無理やりに奪ってまで…………

 

 「僕は…………そこまでして、スーパーヒーロータイムを見たくありません!!」

 

 そして僕は、ネットコミューンにチップを差し込み、変身アプリを起動する。

 

 「あなた達は僕の憧れのヒーローだ……でも、そのやり方を……誰かの笑顔を犠牲にして笑顔を作ることは、正義だとは思えない!!」

 《START UP! MATRIX INSTALL!!!》

 《CURE-DATA! INSTALL TO HOKUTO!!》

 

 青白い球状のフィールドが僕を包み込み、僕の隣にデータが立った。

 

 「……超克()てるかどうかは知れないが……届いた暁―――――聖地は返して貰い受ける!!」

 

 一瞬、データと目を合わせて、僕は左の拳を、データは右の拳を、互いに目を合わせずに繰り出した。ぶつかり合ったその瞬間―――――

 

 《CURE-DATEAR!! INSTALL COMPLETE!!!》

 

 広がる衝撃波。全身に循環(みなぎ)るイーネルギー。

 3つの青い影を鋭く捉え、キュアデーティアと化した僕は吼える。

 

 『あなた達が正義なら……僕を薙ぎ倒して、屈伏させて、心を潰して(まか)り通れるはずだ……だが見習いなれども、後のめりには倒れない!!いざ尋常に勝負ッ!蒼の怪盗団ッッ!!!』

 

 我ながらのビッグマウスに、少し驚いていた。

 目の前に立つのは誰あろう、憧れの、ホンモノのヒーローたちだ。

 それを相手に、本気で勝負を挑もうなんて、僕はなんて愚かなんだ?

 でも自然と、恐怖心や後悔、不安は感じない。勝てるかどうかはわからない。でも、『負ける』という危惧は、僕の中にはひとかけらも無かったのは何故だろう?

 ―――――しばしの沈黙が、岩船山を支配した。

 3人の中で唯一表情が見えるキュアコスモも、うつむき加減に見えた。

 

 『…………そうか。それがキミの選択か』

 『想定の範囲内だな』

 『それならもう、口で語ることはないにゃん……♪』

 

 3人が構える直前、僕は駆け出した。

 ディエンドの"ディエンドライバー*1"とルパンブルーの"VSチェンジャー*2"の銃口が僕に向けられ、無数の光弾が僕に襲い来る。

 

 『……ッ!』

 

 流石の鉄火嵐だけど、避けられない数じゃない。一発一発を掻い潜るように足捌きを流して、確実に間合いを詰める!

 だが―――――

 

 『そのくらいの芸当、ワタシが出来ないとでも?』

 

 目の前に肉薄するキュアコスモ―――――流石はプリキュア、僕が出来ることは彼女も出来る道理か。

 

 『わかってた、さ!!』

 

 飛来する光弾の中、僕とコスモは連続で拳をぶつけ合う。プリキュアほど、見た目と強さが反比例するヒーローはいないだろう。

 こんな、アニメに疎い僕が見てもわかるほど『可愛い』女の子が、拳を握って殴ってくるのだから恐れ入る。

 

 『でぃぃやァッ!!』

 『せいッ!!』

 

 ―――――ダンンンンンンン!!!!!!!!

 ―――――轟ゥゥゥゥゥゥゥンンン!!!!!!!!

 

 僕とコスモが同時に後ろ回し蹴りを放ち、それが交錯する。衝撃波が巻き起こり、僕の周囲に拡散して爆ぜた。岩船山の岩肌に一部がぶつかったのか激しく炸裂し、灰色の煙を巻き起こすのも視界の隅に見えた。

 

 『僕達の存在を―――――』

 『忘れてもらっては困るな』

 

FINAL ATTACK RIDE(ファイナルアタックライド)! D・D・D・DIEND(ディディディディエェェェェェンド)!!!》

CYCLONE(サイクロン)!! KAITOU BOOST(快盗ブゥゥゥゥスト)!!!》

 

 気付くと、僕の右ナナメ前方にルパンブルーが、左ナナメ前方にディエンドが立ち、その銃口をこちらに向けていた。瞬間、コスモがジャンプして僕の視界から消えた。

 銃爪(ひきがね)が引かれると同時に、青いエネルギーの奔流と緑色の風のエネルギーの戦輪(プロペラ)が、空を切り裂き驀進してきた。咄嗟に跳躍して回避する僕の背後で、轟音とともに岩肌が爆ぜた。見ると、橙色の爆炎が岩肌を舐めるように立ち昇っていた。

 ……―――――コスモは囮……!

 この3人の中で唯一接近戦が得意なコスモが僕の動きを止めておいて、ディエンドとルパンブルーが僕を仕留めに来る、そういう戦術か……!

 でも……それでも食らいつく!!

 弾幕を掻い潜ってディエンドかルパンブルーに肉迫できれば、分はこちらに傾く。

 そうすればこの勝負、僕の勝

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 『……え?』

 

 気が付くと僕は、両腕を縛られ、大の字にされて動けなくなっていた。

 見ると、右腕をルパンブルーのバックルから分離したワイヤーが、左腕をキュアコスモの手に握られているロープが、そして胴をディエンドのディエンドライバーの銃口に繋がれたワイヤー*3が、それぞれ縛っていた。

 

 《ウカツだった……このディエンド、どうやらジオウに出てきたディエンドらしいな……!!》

 『ご名答。スウォルツから貰った"時を止める力*4"さ』

 

 やはり……そうか……!

 ディエンドが持っているのが、"ディエンドライバー"じゃなく、"ネオディエンドライバー*5"だったことにもっと気を割いておくべきだったんだ……!

 『仮面ライダージオウ』での戦いで、海東さんは時間停止能力を手に入れていた……てっきりライダーの誰かを召喚(カメンライド)して、けしかけてくると思っていたけど甘かった……!

 

 『やろうと思えば……ということか……!』

 『ちょっとした変化球だけどね』

 《何が変化球だぁ!?ド反則だろうが、チクショーーー!!》

 

 データが怒鳴る通り、反則もいいところだ。

 『仮面ライダーカブト』のカッシスワームが使った『フリーズ』といい、『仮面ライダーエグゼイド』の仮面ライダークロノスが使った『ポーズ』といい、この手の能力は相手が抵抗する手段が無いに等しい。ことに、僕のような『格下』なら、尚更のこと……!

 

 『反則だろうが何だろうが……俺達は元々『怪盗』を名乗っているからな……もっとも、俺は他の2人とは違う『()盗』だが』

 『アウトローは今更、なのよねぇ』

 『キミには大いに期待していたのだけれど―――――残念だ』

 

 瞬間、僕の全身をすさまじい電流が駆け抜け、激痛が奔るのを感じた。3人がそれぞれが持つワイヤーにエネルギーを通したのだろう。

 

 《ぐうあああああああああああーーーーーーーーーーー!!!!!!》

 『う……ぐあぁぁぁああああぁぁぁ!!!!』

 

 こんなところで……それも仮面ライダーやスーパー戦隊、本家本元のプリキュアのメンバーにやられるなんて……

 こんな事って、アリかよ……!!

 

 『や…………やめろぉぉ蒼の怪盗団ンンン!!!!ぶっとばすぞぉぉぉぉぉぉぉ!!!!』

 《ジオウの映画に出たからってここでそのネタ持ってくるかァぁッ!?今時ノリダーなんて知ってる奴少ねぇだろォ!?稚拙のトシがバレる!!!

 

 ま、まだだ……!

 まだ負けてたまるか……!!

 可能性はまだ残ってるハズだ……!!

 そう、これは『こんニチ』、『本筋』のストーリーじゃない!!ここでやられるわけがない!!《は!?》

 やられてしまったらそれこそ『インストール@プリキュア! 完』だ……!!《何言ってんだほくと!?》

 ここだからこその……『脇道』だからこその打開策が―――――

 

 《……はぁ……………………あるぜ》

 

 何故かため息をつきながら、データがぽつりと言った。

 

 『ほ……本当……ッ!?』

 《こんな状況でハッタリかましてもしゃーないからな……!とっておきの……『脇道』だから……ココがネタまみれの『こんニチ』だからできる手が、な……!!》

 『よ、よし……それで行こう……!』

 《そうと決まれば…………リザーブイーネルギー、バーストォッッ!!!》

 

 データが叫ぶと同時に、全身の噴射口からイーネルギーが爆発的に噴き出した。

 勢いで両腕と胴の拘束が解けたのを見計らい、大ジャンプして岩船山中腹に着地した。

 これから何をするかはデータが『言わずとも』教えてくれている。僕は気合を入れて右手のグローブの袖を左手で引いて直す*6と、こちらを見上げる3人を見据えた。

 

 『……あなたたちが知らない僕のチカラ……いや……僕が譲り受けたチカラを……今!!』

 《みんな大好き……劇場版お馴染みの――――――――――『先行登場』だーーー!!》 

 

 僕は1枚のチップを呼び出し、高々とそれを掲げた。

 

 『!!何故キミがソレを!?』

 『今のお前が……それを持っているはずは無い!!』

 『それは……()()()()()()()()()()()()()()()()()の……!!』

 《キュアコスモ…………アンタには礼を言うぜぇ……》

 

 僕の心の中で、ドヤ顔のデータが言う。

 

 《ここが『本筋じゃない』って、ヒントをくれたんだからな~~~~》

 『データ……プリキュアがしちゃいけない顔だよ、ソレ……(^^;)』

 

 ドヤ顔を通り越した、『粘着的で()()()な笑顔』……これが小説でよかった……

 と、とにかく!蒼の怪盗団と、ディスプレイの前の皆さんに―――――

 

 

 

 お 見 せ し よ う 。

 

 

 

 『キュアっと―――――大・変・身!!!』

 《KAMEN RIDER EX-EID! INSTALL TO DATEAR!!》

 

 

♪相当!EXCITE!EXCITE!答えは!♪

(ワン)!この手の中!(ツー)!進むべきLife!(スリー)!生きていくだけ!♪

 

(エイ)(ユウ)()(ソウ)

 

キュアデーティア、"エグゼイドスタイル"!!!

 

 

 

 『ふ……フシャーーーッ!?!?(;゚Д゚)』(驚)

 

 キュアコスモが驚くのも無理もない―――――

 それに―――――ディスプレイの前の皆さんも驚いていますよね?(カメラ目線でドヤ顔)

 どうして、まだ手に入れてもいないはずの、『仮面ライダーエグゼイドのチップ』を持ってて、しかもレジェンドインストールまでこなしてるかって……?

 データが言ったとおりの、『劇場版でお馴染みの先行登場』だから、だ!!これなら『蒼の怪盗団』も知るハズがない!!

 え?"どうしてこうなった"って?……それはあとがきを読んでください♪

 ……"どんな見た目かわからない"?"本筋"の『仮面ライダーエグゼイド編』をお楽しみに!

 

 『……虚仮(こけ)脅しを……!』

 

ATTACK RIDE(アタックライド)! DIEND NEO BLAST(ブラァスト)!!》

 

 こちらに向けられたネオディエンドライバーの銃口から、無数の青色の光弾が空中に放たれ、そのすべてが途中で軌道を変え、僕へ向かって殺到してくる。

 ―――――それなら、これで……!

 

 『ノーコンティニューで、クリアしてやるぜ!!』

 《GASHACON BREAKER(ガシャコンブゥレイカー)!!》

 《JA-KIIIN(ジャ・キィィン)!!》

 

 浮かび上がった"ガシャコンブレイカー"を手に取り、斬撃形態"ソードモード"に変形させると、僕へ向けて近づく光弾をまとめて斬り払った。斬られた光弾が連続で僕の背後の岩肌に着弾して、爆発を巻き起こす。

 

 『その剣捌きは厄介だな……!!』

 

 ―――――来る!

 ディエンドが僕に向けて左手を伸ばす。でもその能力も、『僕の世界(ゲームエリア)』なら―――――!

 僕はすぐそばに浮いていた赤いメダル―――――"エナジーアイテム"に手を伸ばした。

 

 《ハンシャ(反射)!!》

 

 一瞬、僕の全身が光に包まれた。何か、強い衝撃を受けたような感覚に襲われたけど、痛みは感じなかった。

 

 『!?ディエンドが!!』

 『固まってるにゃん……』

 

 左手をかざした姿勢のまま、ディエンドは石像のように動かなくなっていた。

 どうやら、成功したみたいだ。

 

 《敵の攻撃を反射できるエナジーアイテムがあること、よく覚えてたなぁ》

 『番組に出てきたアイテムはもとより、ガンバライジング*7やブットバソウル*8限定アイテムも、全部頭に入ってるからね!』

 《特ヲタ万歳ってやつだな……!面食らってる今がチャンスだ、攻めろ!!》

 『OK!』

 

 僕は近くにあった別のエナジーアイテム―――――『マッスル化』をキャッチすると、ガシャコンブレイカーをハンマーモードに―――――

 

 《BA-KOOOM(バ・コォォォン)!!》

 

 ―――――と戻して、10メートルほどの高さの台地から高々と跳んだ。そして―――――!!

 

 『でぃやあぁぁぁぁぁぁぁ!!!』

 

 思い切り地面を叩いた。すると、地面がまるで、あらかじめ地雷でも仕掛けられていたかのように連続で爆破されて、衝撃でルパンブルーとキュアコスモが怯むのが見えた。

 

 《隙が見えたぜ!》

 『ああ!これで、ゲームクリアだ!!』

 

 《CURE-DATEAR! EX-AID!! FULL DRIVE!!!》

 

 全身から、仮面ライダーエグゼイドのシンボルカラーである赤紫(マゼンタ)色のイーネルギーが巻き起こり、僕の中に力がみなぎっていく。

 中腰に構えて、固まっている蒼の怪盗団の3人を見据えた。

 

 《KIMEWAZA(キメワザ)!!!》

 

 

PRECURE CRITICAL

―――――――――――――――――――――――――

STRIKE!

 

 

 『とおッ!!』

 

 僕は高まる力の勢いに乗って垂直に跳び、最高到達点から右足の先にエネルギーを集中させ、キックとともに突撃した。

 

 『でやぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーー!!!!』

 《稚拙からの詫び代わりのライダーキック、受け取りやがれぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!》

 

プリキュア!コスモシャイニングッッッ!!!!

MAGIC(マジック)!! KAITOU BOOST(快盗ブゥゥゥゥスト)!!!》

 

 キュアコスモが持つレインボーパフューム―――――この時僕は名前を知らず、後で東堂さんに聞いた―――――から強烈な光線が放たれ、同時にルパンブルーが装備した巨大な弓から、光の矢が飛んできた。

 

 《撃ってきやがった!!》

 『構わない!』

 

 強烈な衝撃が足先にぶつかり、全身へと伝播する。空気を震わせる轟音が耳を衝き、キックの勢いが止められる。

 

 『うおおおぉぉぉぉぉぉおおおぉおぉぉぉおぉッッッッッ!!!!!!!!』

 

 気迫で負ければ、その場で負ける!

 僕は―――――

 正義を為すため―――――

 自分を貫くために―――――

 

 

負けられ、ないんだあああぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーー!!!!

 

 

 思わず放った裂帛が、光の奔流と巨大な一矢を、切り裂き押し込んだ。

 キックの一撃目がルパンブルーを捉えて吹っ飛ばすのを見た。次いですぐ隣のキュアコスモに空中での連続廻し蹴りを叩き込んで弾き飛ばすと、最後は残った棒立ちのディエンドに打ち込める限りの蹴りを打ち込み、最後に渾身の宙返り蹴りで蹴飛ばした。

 爆発が立て続いて3発巻き起こり、最後に特大の爆発がその3つの爆発を飲み込む勢いで盛大に立ち昇った。

 

 『――――――――――僕の、勝ちだ』

 《すんげぇ爆発……坂本カントクの演出かよ……》

 

 決まったところでそれを言っちゃうかなぁ……?

 でも、僕も苦笑いしながら―――――

 

 『……上堀内監督かもよ?』

 

 ―――――こう返していた。

 

 ――――――――――

 

 倒れた蒼の怪盗団の3人はダメージからか変身は既に解かれていて、程なく立ち上がった。

 僕は変身を解いて、思わず駆け寄った。

 

 「あ……あの、ごめんなさい!!……大丈夫ですか?」

 

 自分でやっておいて何だけど、相手は正真正銘、本物のヒーローたち。

 その相手の意志を真っ向から否定してしまって、今になってなんだか怖くなってしまった……というのが正直なところだ。

 土埃を払いながら立ち上がり、こちらに振り返った海東さんは―――――

 笑っていた。

 

 「……完敗だよ。キミの信念と気迫が、僕達を()えた……それだけだったわけだ」

 「え……?」

 「フ……その熱さ、『あの熱血刑事』を思い出す……」

 「ただの特撮オタクじゃなかったってコトにゃん♪」

 「……ヒドいなあ」

 

 ユニさんの言葉に苦笑いしながら、透真さんの言葉に胸が熱くなっていた。

 透真さんが知る『熱血刑事』といえば―――――GSPO(国際警察)のあのヒトしかいない。その『彼』を引き合いに僕を評してくれたことを、素直に嬉しく感じていた。

 

 「正直なところ……僕達はキミに止めてもらいたかったのかもしれないな」

 「え……?」

 

 その時、3人を光が包み込んだ。

 

 「ワタシたちは、『本当のワタシたち』じゃないの」

 《ど……どういうこった……!?》

 「『甲子園の所為でニチアサキッズタイムが見られない』……そんな無念の想いが寄り集まり……『ヒーロー』の形をとった存在……それが『俺達』だ」

 「え……えええ~~~~~っ!?」

 

 つ、つまり……僕はその……ユーレイとかオンネンみたいなモノに岩船山まで呼び出されて戦ってた……ってことになるの……!?

 

 「だがキミに敗れ、キミの信念……キミの『スーパーヒーロータイムを想う心』を受けたことで……僕達の心は解放された……キミは僕達に勝ったんだ。ご要望通り、甲子園球場はすぐに、元の場所に戻しておこう」

 

 この場から甲子園球場が元の状態に戻ったのかはわからない。けれど、この晴れやかな表情にウソが無いことは、僕も信じたいと思った。

 

 「関西の子供達には……とても顔向けできないな……」

 「……それに今戦っている、仮面ライダージオウとリュウソウジャーの連中にも……借りを作ることになるな」

 「心残りを持って消えちゃうのは……ちょっと未練があるけどね……」

 

 残念そうな表情を浮かべる3人に、僕は思わず言っていた。

 

 「ヒーローたちを応援する場は……なにもテレビの前だけじゃないですよ?今はDVDやブルーレイもありますし、遊園地やイベントのヒーローショーに行っても、子供達は憧れのヒーローに会えますから……」

 「「「………………!!!」」」

 

 3人の表情が、何やらハッとするものに変わった。

 

 「それに……今、仮面ライダージオウとリュウソウジャーの劇場版が公開中です!テレビで応援できなくても、映画館でも応援できます!……プリキュアも、秋に映画が公開されるって東堂さんが言ってたし……そんな場所からの応援って……ヒーローたちには届かないんですか……?」

 「……………………それは……」

 「考えていなかった……」

 「……にゃん…………」

 

 3人とも、互いに顔を見合わせて驚いていた。

 

 《まさか……お前ら知らなかったのか?それにライダーと戦隊なら、東映特撮ファンクラブやauビデオパスに入りゃ、カネはかかるが本放送終了後30分で配信されるし、プリキュアだったらTVerでタダで見れるぜ?もちろん、1週間遅れなんて時差無しでさ》

 「え!?ホント!?Σ(;゚Д゚)」

 《お前知らなかったのかよ……(-_-;)ジオウやリュウソウジャーの放送中に画面の上にズラズラお知らせが流れてくるだろーが。1号ライダーとアカレンジャーのロゴのアレだよ、アレ》

 

 そういえば……そんなのがあったような気がしないでもないよーな……ドラマに集中してて目に入っていなかったし、知っててもネットには相変わらず疎いから……

 

 「ワタシたちの思ってた以上に……今の子供達には、ワタシたちの姿を見て、応援できる方法がたくさん用意されてるってことね……」

 「テレビだけにこだわっていた俺達が……今更ながらに馬鹿らしくなってくる……」

 

 と、3人の姿が急激に薄くなってきていた。

 

 「そろそろお別れみたいね……」

 「俺達はまた、『画面の向こう側』に戻るだけだ」

 「大事な事に気付かせてくれたお礼に……キミ達が探しているキュアチップの在り処について、知っていることを伝えたい」

 「え……!?」

 「ジャークウェブに姿を変えられたプリキュア……すなわちキュアチップは、その全てをジャークウェブが持っているわけじゃない。そして、そのうちの何枚かは、『世界の壁』をすり抜けて、『別の世界』にまで散ってしまっている」

 《ンな……ッ!?》

 「……そのうちの1枚……"桜花"のチップは―――――"スクリーンの向こう側"にある。『"勇"ましく"唱"い、"双"つに"彩"る戦乙女』たちの島にね」

 「そ、それって……!?」

 「それじゃ―――――いつか、また会おう」

 

 最後に海東さんは僕に向かって指で鉄砲を作って撃つジェスチャーを見せると、透真さんとユニさんとともに、光の粒になって消えていった。

 

 《この世界に無いチップもあるって……どうしろってんだよ……》

 

 歯噛みするデータ。でも―――――

 

 「行けるからこそ……海東さんは教えてくれたんだと思う」

 

 そうでなければ、何も言わずに彼は去っていったはず。海東大樹という人は、無意味なことを言わない人だということを、僕はよく知っているから―――――

 そして―――――

 

 「……いつか、か」

 

 彼に―――――

 正真正銘、『本物』の海東さんたち仮面ライダーに追いつけるように―――――

 僕はこの道を、まっすぐに進み続けよう。

 

 眩しい夏空に消えた3人の怪盗たちに、僕は誓った。

 

 

 ――――――――――

 

 岩船山採石場跡の、知られざる激闘。

 その一部始終を、岩陰から見ている人影がいた―――――

 

 「『あの子』から頼まれて様子を見に来てみたけれど……なかなか面白い子みたいだ。彼等なら……"11の世界のチカラ"を集められるかもしれないな」

 

 そこへ、別の2人の人影が姿を現した。

 

 「こんなところにいたのかい―――――」

 「早く来い。お前が来なければ始まらん」

 

 促された人影はすっくと立ちあがると、ほくとに背を向け歩き出す。

 数歩歩いたところで、ふと立ち止まり、肩越しに振り返った。

 その人物を、2人のうちのひとり―――――くすんだ色の服を着た青年が呼ぶ。

 

 「さぁ行こう。最後の1ページが待っている―――――」

 

 

 

 我 が 魔 王

 

 

 

 "魔王"と呼ばれた青年は、「わかってるよ、ウォズ」と答えると、最後にほくとに向かって、小さく呟いた。

 

 

 

 

 「―――――待ってるよ、『時の谷』で」

*1
仮面ライダーディエンド専用のマルチツール光線銃。元々は大ショッカーが開発したツールであるが、何らかの経緯で海東が盗み出したと思われる。2つの銃身から光弾を発射する銃としての使用はもちろん、ライダーカードを装填することで、変身や各種必殺技の発動のほか、ディエンド最大の特徴である、他のライダーを召喚して使役する『カメンライド』を発動させる。

*2
『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー』で、双方の戦隊が使用する銃型変身ツール。ルパンコレクションとしての正式名称は『Changer le monde-世界を変える-』。VSビークルをセットして、変身や武器の召喚・必殺技の発動のほか、セットしたビークルを巨大化させて巨大戦力とすることも可能。

*3
『仮面ライダー×仮面ライダー×仮面ライダー THE MOVIE 超・電王トリロジー EPISODE YELLOW お宝DEエンド・パイレーツ』で披露された機能。

*4
『仮面ライダージオウ』のEP42『2019:ミッシング・ワールド』で、海東がスウォルツから(無理やり)与えられた力で、元々はタイムジャッカーの面々やツクヨミが持つ能力。文字通り対象(生物・非生物)の時間を止めてしまう。また、特定の対象や空間内のみの時間を止めるといった、ある程度の指向性も有する反則的……否、もはや完全なる論外能力である。本来は止められている最中も対象の意識は維持されているが、今回は本編と少し描写を変更させていただいたことをご容赦されたし。実はスウォルツの一族のみがが持つ特殊能力であり、スウォルツ以外のタイムジャッカーはスウォルツから力を与えられていただけに過ぎず、ツクヨミはスウォルツの妹であったため使用することができた。

*5
『仮面ライダージオウ』にディエンドが登場した際に所持していた新たなディエンドライバー。機能更新が為されたのか、『クウガ』から『キバ』までの平成1期のライダーはもとより、『W』から『ビルド』までの平成2期のライダーまでも召喚可能になっているほか、ディエンド本人のスペックも4倍以上と大幅にパワーアップしている。なお、どのようにディエンドライバーをネオディエンドライバーにパワーアップさせたのか、その理由は現時点では一切不明である。

*6
ほくとくん、超絶本気の合図。『ミスター仮面ライダー』こと中屋敷哲也氏がちょくちょく劇中で行うモーションが元ネタ。

*7
仮面ライダーシリーズを題材としたデータカードダス。説明は長くなるので各自ネットで調べてください(おい!)。

*8
ガシャポンのメダルと連動した『くじガシャポン』のゲーム。これまた説明しだすと長くなるので各自(コラ!!)




 片手間で書いたつもりがどえらい分量になってしまってスミマセン……
 ……自分で書いといてなんですが、なんなんでしょーかねぇ、この宣伝小説は……(汗
 エグゼイド編の執筆を差し置いて書かせていただいたお詫びに、エグゼイドスタイル先行登場&最高最善のン我が魔王にちょっとだけ登場していただきました。
 戦闘描写とかいろいろと簡潔になったのは、あくまでネタとして今回書かせていただいたためなのでご容赦を……でも本編に直結する伏線もちらほらあったり……

 仮面ライダージオウ最終回は25日に放送です!あ、関西地区の皆様は26日放送ですので1日お待ちいただくか、ネット配信をご利用いただきますよう……
 
 実はエグゼイド編で披露する予定のキュアピースのレジェンドライブ、技の命名に悩んでおりまして……
 ここは稚拙の一存で決めるわけにはいくまいと考え、インプリ初のアンケートを実施します!
 次のエグゼイド編投稿まで、エグゼイド編最新話とこんニチ各話にアンケートを設置しますので、どしどしご投票ください!
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