ついに、『ニチアサキッズタイム』の3番組が、新作放送を中断するという前代未聞の事態となりました。
先日の『こんニチ』に引き続き、遅ればせながら突貫作業で書き上げたこのような雑文を送信させていただきます……
おはようございます、八手ほくとです!
…………ですが……
皆さんもご存じの通り、新型コロナウイルスの影響は僕達の住む大泉町にも及んで、学校は休校中、激しい動きが伴う拳法の修行もできない状況で……
どうにも……だいぶ腕が鈍ってる気がする……
東堂さんにも会えてないし、退屈だ……
そして今日、令和2年5月17日の朝―――――
「プレジデント・スペシャル……?」
僕は首をかしげた。
《要はゼロワンの総集編だとさ。この後放送のキラメイジャーもこないだ映画館で見たエピソードZEROだし、いよいよもって東映のストックが底をついたみてぇだな……総集編の割に重要情報さらりとブッ込んでた気もするがな》
《滅亡迅雷.netが勢揃いして、これから面白くなりそうなのに~……それにしてもガルザの声、どこかで聞き覚えがあるでゲソ》
データとピースも落胆を隠せないようだ。
この間から、プリキュアも『再放送』になって、のんもゴキゲンななめだ。こども園は開いているけど、常にマスクを着けてなきゃいけなくて、うがいや手洗いもこまめにしているらしく、めんどくさいとぼやいていた。
「いつまで続くんだろうな……」
つい閉塞感から、ため息と共にそんな言葉が出てしまった。
このコロナ禍、先が見えなくて、どうにも不安になってしまう。
師匠は『耐えることが、勝機を見出す手段となることもある。"
《さすがにそればかりはわかんねぇよ。でもさ、ひとつだけ言えることがあるぜ》
「なに?」
《『何時かは終わる』、ってコトさ。明けない夜、止まない雨はねぇ。そん時になりゃ、ハメを外して騒げばいい。ガマンした分、楽しみは増えるぜ?》
そうデータに言われ、ハッとした。
異種格闘技の大会で、会心の一撃を決めた瞬間、それまでつらい修行に耐えてきた苦しみが、一気に解放される感覚―――――
要はそれと同じなんだ。
コミューンの中では、ピースがニコニコしながらデータの頭をナデていた。
《データがそんなこと言えるようになるなんて……大きくなったねぇ~……センパイとして嬉しいなぁ~♪よしよし♪》
《バッ!?……そ、それくらいアタシだってガマンできらぁ!/////……そ、それよりもだ、ほくと!こないだ、りんくがメッセで送ってきてたんだけどよ―――――》
―――――東堂さん!?
僕は思わずコミューンをがしりと強く握っていた。
「東堂さんがどうしたの!?―――――まさか……」
《ちげーって、あんまし強く握んな!……りんくがさ、不思議な夢を見たってさ。割と鮮明に覚えてたから、コミューンのメモアプリに思わず書いちまったんだと。小説風に書いてくれてるから、読んでみっか?》
「うん―――――」
僕はコミューンのアプリを開いて、東堂さんが見たという『夢』を読ませてもらった。
「………………正直……うらやましい……」
僕も……見られるものなら見てみたかった……!!
ヒーリングっど❤プリキュアを、仮面ライダーディケイドが『向こう側』に案内して、それに仮面ライダーエグゼイドをはじめとしたドクターライダーたちや、救急戦隊ゴーゴーファイブが協力、さらには仮面ライダーゼロワンとキラメイレッドが見送ってくれるなんて……
「劇場版だ……」
《ああ……劇場版だな……》
《スーパーニチアサ大戦ね……》
データとピースが厳かな表情で半笑いを浮かべたまま涙を流している……
《むむむ……ワタシもなんだか『降りて』きた!ほくとくん、ペイントアプリ借りるね!》
ピースが鼻息を荒くしていきなりアプリを起動した。画面の半分が突然仕切られ、データが追いやられる形になった。
《どわっ!?いきなりアプリ開くなっての!?せめーだろーがッ!?……ダメだ、完全に熱中してやがる。こーなりゃイーグレットばりに集中しちまうからなぁ……》
僕はピースの様子を見て、ふと笑みがこぼれた。ピースの活き活きとした姿から、東堂さんが脚本を書く姿が想像できたから、かも。
「データ」
《んぁ?》
「少し……散歩でもしようか」
――――――――――
この近所程度なら、いい気分転換になるかもと、僕はマスクを着けて家を出た。
いい天気だ。思えば今年のゴールデンウイークは、外出自粛が呼びかけられる中にあって皮肉なほどに天気が良かった。あの日の夕方に見た夕陽は、いつになく綺麗に見えていた。
「耐えて……みようか」
ふと、そんな言葉が口から出ていた。
《ん?》
「考えてみたんだ。ヒーローはさ、逆境の中にあっても、決して諦めないから……今、『何もしないこと』が、逆転勝利につながるのなら……"心頭滅却、我慢一念"……ってさ」
《らしいじゃねぇか♪ヒーローがあっさり勝負に勝っちまったら、そりゃ番組として成り立たねぇしな。ノーリスクでライダーキックはブチかませねえもんさ》
「データ……」
『そう……だからこそ、『ヒトの想い』は確かな奇跡を起こす―――――』
突然の声に、僕は振り返った。そこには―――――
『―――――僕達を、この世界に形作ったように、ね』
―――――澄み渡る青空のようなボディ。
―――――闇夜に溶け込む紺青のスーツ。
―――――ひらりと翻る虹彩のスカート。
僕は瞠目し、彼等の名を呼んでいた。
「『蒼の怪盗団』…………!?」
《アンタら……どうして……甲子園にはちと早いぜ……?》
データも驚きの声を上げる中、ルパンブルーとキュアコスモが言う。
『今回は前回以上に、子供達の『負の感情』が蓄積されてしまっているようでな……残念ながら俺達にも"鉢"が回ってきちまったらしい』
『今はディエンドに連れられて、流れ旅の途中にゃん……ひかるやララたちも『色々やってる』のに、ワタシだけ『こっち』ってないわよ……"新人研修"も無期限延期にゃん』
『まぁそうぼやかないでくれたまえ……"彼女たち"の応援に向かうゼロワンとキラメイジャーの諸君に、"
「はなむけって……!?それに、ゼロワンとキラメイジャーが応援って……!?」
まるでこの3人―――――
『東堂さんの夢』の、その『裏』で動いているような、そんな口振りだ―――――
まさか―――――
「いったい……何をしているんですか……?」
『こうやって……"願い"を―――――集めているのさ』
仮面ライダーディエンドが、天空へとすっと右腕を掲げた。その手には、ネオディエンドライバーが握られていた―――――
銃声とともに光り輝く球体が撃ち出されると、その球体は空中で静止し、そこへ無数の光が集まっていくのが見えた。
『ヒーローが最も、戦う原動力に変えられる"概念"―――――"子供達の応援"を、様々な世界から集めて、彼らの……そして『向こう側』で『見えざる敵』と戦う、『白衣の英雄』たちの力とする……それが僕達の役割さ。……もっとも、士以外に世界から世界に渡れるのが僕だけだった、というのもあるけれどもね』
『……だからといって俺達まで連れ出すことはないだろう』
『惑星レインボーにまで押し掛けてくるなんて思わなかったにゃん』
『それについては……まぁファンサービスの一環と思ってくれたまえ。少なくとも僕一人よりかは、『この画面の向こう』で見てくれている『彼ら』も喜んでくれるだろうしね♪』
《ここが『こんニチの世界』なことをいいことにメタ発言全開だな……》
『今回の仕事……流石に止めはしないね?』
ディエンドの問いに、僕は頷いた。
「もちろんです!それが……『テレビの中』で戦えなくなってしまったヒーローたちの力になるなら……もしよければ、僕も―――――」
『その申し出はありがたいんだが……キミがいるべきは『この世界』だ。幸い『この世界の有り様』は、この世界を形作っている『稚拙な物書きクン』の指先ひとつでいくらでも変えられるからね。キミは、果たすべきコトを果たしたまえ。……もっとも物書きクンは今、『
『本来なら、俺達が出会うのは去年の夏だけだったハズからな』
『緊急登板は今回限りにしたいにゃん』
『二次元の世界は、思ったよりも"脆い"世界だからね……さて、この世界の"祈り"も集まったようだ』
ディエンドが、光の玉が変化した一枚のライダーカードを回収すると、3人の背後にオーロラカーテンが現れた。
『僕達は行かなければならない。出来るだけ多くの『二次元世界の祈り』を、『向こう側』にいる『旭日の救急連盟』の諸君に託すためにね』
『そのための"応援"に、俺達の"後輩"も旅立とうとしている』
『裏方は裏方らしく、スポットライトを避けながら優雅に歩くにゃん♪』
『そういうことだ―――――失礼するよ。そしてまた会おう。―――――いつか、『来たるべき未来』で―――――』
コスモとルパンブルーがオーロラの向こうに消えると、最後にディエンドが僕に向かって指鉄砲を向け、オーロラをくぐっていった。
そして僕の目前から、オーロラカーテンは痕跡を残さず消え失せてしまった。
《……結局言いたいことだけ言って勢いのまま行っちまった感があるな……》
「東堂さんの見た夢は……たぶん、夢じゃないんだ―――――」
《だろうな。……さて、アタシ達も"願い"を送らせてもらおうか。もっとも、アタシ達みたいな『二次創作キャラ』は、連中みてぇなメジャーな『公式ヒーロー』と比べりゃ、影響力は蚊の涙だが》
「……でも、それが確かなチカラになるなら―――――」
僕も、『向こう側』でウイルスと戦う、すべての人々にエールを贈ろう―――――
いつか、すべてが、あるがままの天然自然へと修復されるように―――――
大丈夫。
ヒトの想いは、必ず奇跡を起こせる。
かつて、数多のヒーローたちが、僕達に見せてくれたように。
―――――次は、僕達の番だ。
そして、その夜―――――
まるで僕の熱望を誰かが聞き入れたかのように―――――
僕は、あまりにも鮮明な夢を見た。
戦いを終えた仮面ライダーゼロワンの元に、オーロラカーテンが広がった。
そしてその向こうから現れたのは―――――
『あんたは……この間の……確か、仮面ライダーディケイド!?』
『……よくない報せがある』
ディケイドは、うつむき加減に切り出した。
『この間、『向こうの世界』に送り出したエグゼイドたちドクターライダーと、救急戦隊ゴーゴーファイブ……そして、ヒーリングっど❤プリキュアだが……どうも苦戦しているらしい』
『……なんだって……!?そんな……』
『新型コロナウイルスの影響が、以前よりも多くの世界に広がってしまっている……この世界が"歪み"に侵蝕されるのも、時間の問題だ……どうやら、お前にも『向こう』に行ってもらう必要がありそうだ。まぁ、社長のお前からしてみれば『出張』といったところだな』
『それってどーゆー……―――――』
ゼロワンの問いには誰も答えず、ディケイドの背後のオーロラカーテンから、5人のヒーローが飛び出し―――――
否、『押し出されて』きた。
『ぅわぁっ!?』
『キ、キラメイジャー!?』
『ゼロワン!……ってことは、まさか……』
『ウイルスの脅威に、おれ達も一丸にならなければいけない時が来たんだ』
キラメイジャーに続き、オーロラカーテンの向こうから現れるのは―――――
『ジオウ……!』
『新しく始まった……おれ達平成ライダーが次につないだ、新たな時代……『令和』の礎となるキミたちが、こんな戦いに行かなければならないのは、本当は間違っていること……でも―――――』
本来ならば強いられるはずもない『戦い」へと駆り出さねばならないことをジオウは詫びたが、ゼロワンはこう応えた。
『わかってるって。"誰かが必要としてる"―――――それだけで、オレが戦う理由になる。ヒューマギアと同じなんだ……オレのチカラを……ゼロワンのチカラを望んでる人がいる限り、オレはどこの世界でも戦う……!』
『オレもだよ、ゼロワン!』
キラメイレッドがゼロワンに頷く。
『オレもコロナに感染してわかったんだ……たくさんの人が、オレを……オレ達を応援してくれてるって。オレも、みんながいなかったら、今こうしてここにいられなかったかもしれない……今度はオレ達が、みんなにチカラを分けてあげる番なんだって……そう思うから』
『"時代が望む時"―――――そういうことか』
その一言を発したディケイドに、皆の視線が向けられる。
『それって……?』
『"時代が望む時、仮面ライダーは必ず蘇る"―――――仮面ライダーを知る『ある作家』の言葉だ。もっとも、"今"必要とされてるのは仮面ライダーだけじゃないがな。俺達全員が、"コロナの破壊者"になる時だ―――――だが……』
『……?オレ達をプリキュア達が向かった世界に連れて行ってくれるんじゃないのか?』
『それは……』
口を濁すディケイド。訝しむゼロワンとキラメイジャーの面々の前に、ジオウが事情を説明する。
『実はあれから、『
ジオウの手から、たくさんの、色とりどりのライドウォッチが浮き上がった。
『このライドウォッチには、コロナウイルスの影響を最小限に抑えるために、おれとディケイドが回った『色々な世界の時』が込められてるんだ』
『物事には『原因と結果』……即ち『因果』が必ず存在する。この『ライドウォッチ』が『結果』であるなら、その『原因』である『ウイルス』が蔓延している世界とは『因果』で結ばれている。ライドウォッチを介せば、『向こう』に続く扉もこじ開けられるかもしれない』
『ゼロワン……そしてキラメイジャー……キミ達の世界の『時』も、扉を開くために必要になる……手を出して』
ゼロワンとキラメイレッドが右手を差し出すと、ジオウは2人の右掌に漆黒のブランクウォッチを置いた。一瞬ウォッチから光が放たれ、ゼロワンのウォッチは黄色に、キラメイジャーのウォッチは赤・黄・緑・青・ピンクの5色に染まった。
ゼロワンがウォッチを見ると、『ANN-SUN0900』『2020.5.10』『35』と、意味深な英数字が刻まれていた。
同様にキラメイジャーのウォッチにも、『ANN-SUN930』『2020.5.10』『10』という数字があった。
『これで、『日曜朝9時の世界』と『日曜朝9時30分の世界』の時の流れは止まった。ゼロワンの世界では『ZAIAと滅亡迅雷.netの全面対決があった日』、キラメイジャーの世界では『ヨドミヒメ事件を解決した日』から先に、時間が進まなくなる。キミたちがいない間の世界は、一定期間内の出来事がループして繰り返されることになる』
『言うなれば世界全体が"再放送"される状態になるわけだ』
『身も蓋もないな……』
『これで、『向こう側』への扉を開けられるはずだ……ライドウォッチから、"因果のツナガリ"を手繰り寄せる……!』
ゼロワンとキラメイジャーのウォッチも、ふわりと浮かび上がり、ライドウォッチの群れへと入っていき、順々に輝いていく―――――
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コロナウイルスの影響を受けたため、ジオウとディケイドが『時を止めざるを得なかった世界』のライドウォッチが、名乗りを上げるように次々と叫び、巨大な円を形作るように空中に並んだ。
そして、円の内側の景色が歪み、銀色のオーロラへと変じたのだった。
『ライドウォッチが手繰り寄せてくれた……!』
『……だが……!まだ足りない……!』
ディケイドの言葉を証明するかのように、ライドウォッチが形作るゲートは、不安定に明滅している。まるで風に揺らされるロウソクの火のように、今にも消滅してしまいそうな―――――
《ATTACK RIDE!―――――
不意に、あらぬ方向から閃光が飛来し、ゲートにぶつかった。その場にいる全員が、一斉にそちらを見る。
ディケイドが呆れるように言った。
『……相変わらず美味しい所だけを持って行く連中だ……だがいいタイミングだったぞ、"チームコソ泥" 』
『……誰の頼みで行ったと思ってるんだい。あんまりだなぁ、士』
軽薄そうな声でディケイドの辣弁に応えたのは、ディケイドに似た、全身
『それと俺達は『蒼の怪盗団』だ。いい加減に名前を覚えろ』
『あと、ワタシとルパンブルーはディエンドに付き合わされただけにゃん』
不満を口にするルパンブルーとキュアコスモだが、ディエンドは意に介さず。
『まぁ、見送りは賑やかな方が盛り上がるからね。……"彼ら"も、はなむけの言葉を贈りたいそうだ』
ディエンドが視線を促した、その先には。
崖の上に立つ、くすんだ色のコートを羽織った、メガネの中年男性―――――鳴滝が叫ぶ。
「お前たちのせいで、『再放送』という環、『総集編』という回顧に、数多の世界が囚われてしまった!……だがコロナウイルスに我々が対抗するにはこうするしかないのだ……世界が新たな物語を綴れない以上、時を繰り返さねばその世界は歪んでしまう故にな……!今こそ二次元世界の力を結集し、ウイルスの脅威に立ち向かう時なのだ!それにはライダーも戦隊もプリキュアも、特撮もアニメもゲームもマンガも関係ない!!」
『……アレ、誰?』
ゼロワンがディケイドに尋ねると、ディケイドはうんざりしたように答えた。
『……タチの悪い"追っかけ"だ』
『せっかくだから来てもらったんだよ』
『チッ、余計な事を……』
ディエンドの『お節介』に舌打ちするディケイドを尻目に、鳴滝は続ける。
「日本のサブカルチャー、"クールジャパン"が今こそ一丸となり、ウイルスを駆逐する力となる時なのだ!!そしてそれこそが―――――"彼"のいる時代へと繋がっていく!!」
『彼―――――……ッ!?』
鳴滝のとなりに現れたその人物を見て、一際たじろいだのは―――――ジオウだった。
『……久しいな、若き日の私よ』
荘厳な男の声だった。全体的なディテールはジオウと同じなれど、金のフレームが散りばめられたその外見からは威圧感すら覚える。そう、彼は―――――
『オーマジオウ……!!』
『ねぇ、スゴくキラキラしてるけど、アレは……?もしかして、ジオウのお父さんとか?』
無邪気に訊ねるキラメイレッドに、唖然としたままジオウは返す。
『未来の……50年後の、おれだ……』
『マジで!?』
『……とんだ大物ゲストだな。未来の『最低最悪の魔王』が、わざわざ何の用だ?』
『知れたこと。『令和』などという浅い歴史の下に生まれた若造共が、『時代』を背負い戦う覚悟があるかを見定めに来たまでよ。……ゼロワン、そしてキラメイジャーよ、"門"の声に耳を傾けよ!』
オーマジオウが促すと、先ほど"門"へと放たれた光から、多くの『声』が聞こえてくる。
―――――がんばれ、ゼロワン!
―――――負けるな、キラメイジャー!
―――――コロナなんかに負けるか!
―――――仮面ライダーもスーパー戦隊も、俺達よりもつらい戦いに勝ったんだ!俺達だって……!
―――――ぼく、まけないよ!また、ゼロワンやキラメイジャーをテレビでおうえんしたいから!
―――――私達の"心の中のヒーロー"は、いなくなったりしない!
―――――"その時"が来るまで、みんな待ってるぜ!
『この……声は……!?』
唖然とするゼロワンとキラメイジャーの面々に、オーマジオウは厳かに語る。
『お前達が背負って戦う……『令和』という時代を生きていく者達の声だ』
『士の頼みで、色々な『世界』でキミ達を応援している人々……特に、『子供達』の声援を集めていたのさ。ライドウォッチだけじゃ"門"を開けない時の為の保険として、ね』
『こんなにもたくさんの子供達が……』
『オレたちに……力を貸してくれている……!』
『……若造共よ。お前達に、新たなる時代を担う覚悟があるか!?この時代に生きる者共を……『令和を背負う』覚悟があるか!?』
ゼロワンとキラメイレッドは、迷わず返した。
『もちろんだ!こんなにも、オレたちを必要としてくれている人達が……子供達がいるってわかったんだ……!『時代が望む』限り……オレは……ゼロワンは戦う!!』
『この時代の小さなキラメキを守って、未来へとつなげる……!みんなが信じてくれる、だからオレ達は磨き上げ、進み続ける!それがオレ達、キラメイジャーだ!!』
その返答に、オーマジオウは頷いた。
『ならば
オーマジオウの言葉を合図とするかのように、ゼロワンとキラメイジャーは門へと駆けだした。
『行くぞ!みんなの日常を取り戻すために!』
『当たり前の日々を……もう一度過ごすために!』
時代が望む限り―――――
そして、その時代に暮らす、人々が望む限り―――――
彼らは、『テレビの外』でも、戦い続ける―――――
――――――――――
『頼んだよ……『令和の戦士たち』……』
祈るように、ジオウがつぶやく。
『どうやら……俺達のやったことは無駄じゃなかったらしい』
『……え?』
ディケイドがそう言うと、"門"を形作っていたライドウォッチの一つがきらりと輝き、ジオウの手元へと飛来した。薄紫色のそのライドウォッチから、ジオウは何かを感じ取る。
『この世界の時が……また動き出すことを望んでいる……!世界が元に戻りたがっているんだ……!』
『『日曜朝10時30分の世界』だな。これから少しずつ、こうして『再び動き出す』世界が増えていくだろう……いずれは、『こいつらの世界』もな』
ディケイドが見上げる先には、プリキュア、ゼロワン、キラメイジャー―――――『日曜の朝を守るヒーロー』たちの世界のライドウォッチが浮かんでいた。
『うん―――――ここにあるすべてのウォッチを戻せる時が来るその日まで……俺達も戦うんだ……!行こう、ディケイド。まずはこの世界から……!』
『フ…………やれやれ……また忙しくなりそうだ』
ジオウとディケイドは、連れ立ってオーロラカーテンの向こうへと消えていく。
彼らの戦いもまた、誰も知らない場所で、これからも―――――
令和2年5月25日―――――
緊急事態宣言、一斉解除
用語解説
ワールドライドウォッチ
仮面ライダージオウが、新型コロナウイルスの影響を食い止めるために、様々な世界の時の流れを一時的に止め、その『止まった時』を封じ込めた、特殊なライドウォッチ。
ジオウがこれを持っている限り、『ある特定の時間』から、その『世界の時間』が進まないようになる。
通常のライドウォッチと異なり人物の顔は描かれておらず、ライダーズクレストの代わりにその『世界』を象徴するマーク『ワールドクレスト』が描かれており、通常顔が描いてある面には、その世界の世界軸=『放送時間帯』と止まった時点の時=『放送中断日』、『放送中断時の話数』が数字として刻まれている。
(例:『ヒーリングっど❤プリキュア』のウォッチには、『ANN-SUN0830』(放送時間帯)、『2020.4.19』(放送中断日)、『12』(放送中断時の話数)が刻まれている)
↓のリンクに、今回ディケイドとジオウが集めたウォッチをまとめてありますので参考にしてください。
【挿絵表示】
――――――――――
突貫で書き上げた割に時間がかかって申し訳ありませんでした……
今回のコロナ禍で放送中断の憂き目にあった作品を調べてまとめていたらこんなにも遅く……
ただ、遅くなったからこそ本日の『緊急事態宣言解除』の日にアップできるのも事実でして……(単なる偶然
来週日曜には、全ての世界の先陣を切り、『日曜朝10時30分の世界』の時が再び動き出します。ジオウとディケイドが忙しくなるのはこれからかもしれませんね。
さて、本日、緊急事態宣言は全面解除されました。
しかしこれで終わりではありません!新規感染者の方が完全にゼロになったわけではなく、ウイルスの脅威が完全に去ったわけではありません!
これからも今までの感染対策をなるべく継続し、油断しないように過ごしていきましょう!
そしていつか、いつも通りの『日曜日の朝』が戻ってくるその日を、心待ちにしましょう……