二つ名持ちモンスター【片冠ドスマッカォ】   作:変わり身

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【とある龍歴院研究員の会話】

――……はい? ああ、どうも。

 

ええと、あなたは……ああ、書士隊の方ですか!

ようこそベルナ村へ。わざわざギルデカランよりここまでご足労頂き、ありがとうございます。

 

長旅でお疲れでしょう。この村には温泉施設はありませんが、その代わりとても美味しい食事処が……あ、また後で。そうですか。

随分とお若い方ですのに、体力があるのですねぇ。いえ、逆にお若いからでしょうか。私どものような歳になるとどうしてもね……。

 

……と、無駄話はさておいて。本題の方に入りましょうか。

ええ――この付近で起こる獰猛化現象と、ギルデカラン近辺での【黒の凶気】における因果関係について、ですね。

 

私共も話を耳にしてからこちら、色々と調査・研究しているのですが中々成果が上がらず……。

今回詳しい方からお話を聞ける機会を頂き、感謝しています。特にあなたはその道においてヒトカドの人物であるとか。

 

え? ああ、パパン副隊長からです。面白い人ですよね、彼。ぶりぶり~っす、でしたっけ。

……あれ、どうしました。俯いたりして。はぁ、何でもないなら良いのですが。

まぁともあれ……ここで話すのも何ですか。とりあえず、続きは屋内に移動してからにしましょう。色々、アブナイ話でもありますしね。

 

 

 

――ええ、そうですね。長閑なところですよ、ベルナ村。

 

特筆すべき物は料理屋くらいしか無いのですが……ああいや、ムーファも居ましたね。そういえば。

 

プーギーとはまた違う草食獣です。毛がふわふわしていて、個人的にはプーギーよりも好きですかねぇ、私。

どうも外から来た人達にとっては珍しい動物みたいで、結構人気ではありますね。

 

……あー、あとは、そうですね。実はこの村、ムーファの他に友好的なモンスターが居るんですよ。

いーえいえ、肉食獣です肉食獣――ハンターさんが狩る、モンスター。

 

…………。あれ、あまり驚きませんね。むしろ何か身近な事を聞いたような感じが……。

え? 助けられたんですか。この村に来る途中、古代林でジャギィ達に襲われた時に。ははあ成程、通りで……それなら話が速い。

 

ドスマッカォ、っていうんですよ。あれ。ええ、本来はマッカォという子分を引き連れた、我々に害を成すモンスターです。

ちょっと前まではベルナ村も迷惑を被っていましてねぇ。何度もハンターさんや討伐隊を送ったものです。

 

――ですがある時期から、一匹の個体だけ何故かベルナ村を守るような動きをするようになったのですよ。

 

そうですねぇ……これは黒の凶気の話とも繋がるのですが、以前送った資料。覚えてます? はい、凶気に蝕まれたディノバルドの件です。

あの時、ハンターと一緒になってディノバルドの討伐に当たってくれたのが、そのドスマッカォでして。

 

当時は偶々ディノバルドと敵対していた個体が居たのだろう、とも言われたのですが……その後も事あるごとにベルナ村の人間を助けてくれたのですよ。

貨物を積んだ馬車を襲おうとするメラルーを追い払ったり、モンスターに襲われてる村人達を助け、逃げる時間を稼いでくれたり。色々。

 

どうしてそうなったのか、分かります? 

……人間が好きになった。うーん、どうでしょうねぇ、その割にはハンターさんとよく殺し合ってるんですが……。

 

今のところ有力なのは、ベルナ村の人達を子分だと思っているのではないか、という説ですね。

 

ええはい、子分。どうも聞いた話ではハンターさんのオトモ……メラルーなんですが、その一人がドスマッカォの子分らしく、その縁で守ってくれてるのではないか、という。

不思議ですよねぇ。メラルーと鳥竜種と聞くと、喰うか喰われるかの関係としか思えないのですが。ええ、私も好きです、こういう話。

 

ともかくそういう感じで、今ではそのドスマッカォは概ね村人たちからも受け入れられてますね。

まぁ……モンスターである事は変わりないので、やや難しい部分もありますが。外様のハンターも居ますし。

 

……二つ名制度、知ってます?

はい、厄介なモンスターを区分し、ハンター達に余計な被害が出ないよう討伐制限を設ける制度です。

そのドスマッカォ、一応それに入れてるんですよ。ええ、逆に利用して、知らない間に討伐されるの抑えてる感じで。

 

通常のドスマッカォよりも特徴的な見た目をしていて、少々強い個体だというのも良かったですね。あと、あのハンターさんが結局何だかんだと仕留めきれない、というのも。

……彼女ですか? ええ、上位ハンターです。あなたと同じ位の年頃で、とてもお強いんですよ。

 

後で話す機会もあるとは思いますが――あ、そうだ。詳しい事はその時ハンターさんに直接聞いてみるのが良いでしょう。

女の子同士会話も弾むでしょうし、もうライバルみたいなもんですからね。彼女とドスマッカォ。

 

……ああ、そう言えば二つ名、まだ言ってませんでしたか。

村では親分とかお助けドラゴンとか呼ばれて親しまれてますが、公式なものでは無いです。

 

 

――【片冠】。それがあのドスマッカォの正式な二つ名です。

 

 

ええ、見たまんまでしょ?

でもまぁそういうものですよ、分かりやすくないといけませんからね。

 

言ってみれば、【隻眼】達と同じような――っと、到着です。

こちら、龍歴院の方で使用している応接間となります。ああいえいえ、研究員として当然の事ですよ。

 

ええとこれからの予定ですが、資料の確認と情報共有の後、古代林にて実地調査を行うことになると思います。はい、ディノバルドの件もありましたから。

勿論ハンターさんも同行しますので、安全は保証されますが――……ああ、そうですね。

 

しかしもし、何らかの理由で、ハンターさんやオトモのメラルーさん。そして私どもと離れ一人になってしまったり。

そして、もし凶暴なモンスターに襲われてしまったり。

そんな時は大声で助けを呼んでみて下さい。きっと、【片冠】が助けに来てくれると思いますよ。

 

……ええ、まぁ。何せ彼は――。

 

 

――彼は、古代林及びこの村という群れの、親分さんですから。ね。

 




『龍歴院研究員』
おしゃべり好きな人。それだけ。

『書士隊の子』
一体どこのハクム村の幼馴染なんだ……検討もつかぬ。

『【片冠】ドスマッカォ』
旅には出ず、未だ古代林に居るらしい。
ハンターに喧嘩をふっかけてはズタボロにされ7号に治療される傍ら、「子分の仲間も俺の子分」理論で村の人間達を助けているとかいないとか。


おしまい。
ストーリーズ、ほんと良いゲームでしたね。続編でドスマッカォにライドオンできたら凄く嬉しいんですけど、お願いしますよカプコンさん。

ともあれ、ここまで読んでくれてありがとうございました。
またいつか何か書くかもしれませんので、その時はまた宜しくお願い致します。
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