今日から夏服。我々生徒会は校門になって服装チェックをしている。
「おはよーございまーす」
ア「おはよう」
シ「そこ、シャツはズボンの中に入れなさい」
「あ、すいません」
ス「あんた、服装正なさい」
「なんで子供に…」
ス「誰が子供だー!!」
萩村は相変わらずのようだ。
タ「朝早くから大変だね」
ハ「…それ、お前が言うか?」
ム「やータカトシ君、ハルカ君。生徒会は朝早くから精がでるねー」
俺たちに挨拶しながら登校してきたのは三葉だ。
ム「ん? そういうわけでもないみたいだね」
タカトシの足元にある鞄を見ながらそういった。
タ「てへ」
ハ「こいつ、ついさっきになってようやく来たんだよ」
家の前で待っても来なかったので置いて行ったのであった。
朝の会議
シ「校則で禁止されていた携帯電話の持ち込みだが、生徒の要望により、今日付けで解禁された」
そうか。それはよかったな。
タ「そのほうがいいですよ。何が起こるかわかりませんし」
ス「持っていれば、自宅や学校への連絡も容易ですしね」
最近は公衆電話なんて見なくなったから、あったほうが便利だ。
シ「しかし、私は風紀が乱れないか心配だ。授業中の使用や、ハメ撮りの横行などがおこらないか―」
ハ「会長の頭のほうが乱れている気がします」
そもそもハメ撮りってなんだ?
ア「御堂君、DVDの持ち込みは違反だぞ」
俺が友達から借りたDVDを見て、七条先輩が注意する。
ハ「あ、すいません」
ア「今日は見逃すけど、今度はだめだよ。ところで、それって話題の最新作?」
ハ「ええ」
ア「どうだったの?」
ハ「感動しましたよ。ティッシュが手放せなくなるほどで」
ア「え…。そんなにいかがわしい―」
ハ「あ、すいません。その時、ハンカチなかったので」
ちなみに関係ないが、タカトシは柔道部に行っている。用事らしい。
タカトシside
タ「おーい、三葉」
柔道部に用があったので三葉を探していると、水道のほうにいると言われたので行ってみた。案の定、水道の水を頭から被っていた。
ム「あれ、タカトシ君どうしたの?」
タ「生徒会に、あとでこれ出しといてって会長に言われて」
預かった書類を見せて説明する。
ム「うん、わかった」
タ「そういえば、柔道部はどう?」
ふと気になったことをたずねてみた。
ム「うん、タカトシ君たちのおかげで、何とかなっているよ。でも部長って大変だね。備品をそろえるために、部費のやりくりしたりするし…」
タ「あれ?でも柔道部になにか備品がいるのか?」
道着ぐらいしか必要なものなさそうだと思うけど…。
ム「紐パン。下着の線を隠すために必要だって、七条先輩が言ってたから」
タ「奴か!!」
あの人は何を言っているんだか。
タカトシside out
別の日
ハ「あれ、この日はなんですか?」
6月のカレンダーのなかで、花丸が書かれている日を指差して聞いてみる。
シ「…私の誕生日」
その場にいた会長が答えてくれた。へぇ、この日なのか。
タ「やりますか、誕生会?」
ハ「お、いいね」
シ「べ、別に催促はしてないからな!!」
いや、生徒会室のカレンダーに書いている時点で祝ってほしいって言っていると思う。
そして、誕生会当日
パンパパンパン
タ「会長、お誕生日、おめでとうございます」
ア・ハ・ス「「「おめでとうございまーす」」」
シ「ありがとう、みんな」
そういって、みんなと乾杯する会長。ちなみに萩村は会長の持つコップの位置まで、頑張って腕を伸ばしていた。
現在生徒会室はティッシュの花や紙のテープで飾られ、テーブルの上には、ジュースとお菓子、そして誕生日ケーキと、ありきたりながらも心を込めた誕生日会を行っているつもりだ。
ア「さて、早速だけど、プレゼント交換と行きましょうか」
タ「あ、それなら俺から」
ハ「いや、俺から」
ス「いやいや、私から」
最初に会長へ渡そうと必死になる俺たち。
理由は簡単だ。
ハ・タ・ス(((この人の後には出せない!!)))
のほほんと笑っている七条先輩の後ろには、大きな包装紙に包まれたプレゼントがあった。
結局萩村、タカトシ、俺の順番になった。ちなみにプレゼントの中身は、萩村が貯金箱。タカトシがCD。俺が実用性のある小物だ。
シ「では、津田からもらったCDの曲でも聞きながら、のこりのプレゼント…って、誰のだ、これ?」
会長の手には、誰のかわからないプレゼントがあった。
ア「あ、それは横島先生から。預かっていたの」
困った顔で話す七条先輩。
ハ・タ・ス「「「横島先生か…」」」
きっとろくでもないものだろう。
シ「何だ、君たちは。あんなでも教師なんだから、大丈夫だろう」
フォローしているつもりだろうが、会長、さりげなくひどいですよ。
ちなみに中身は○○○○だった。というより教師がこんなもの送っていいのか!?
シ「では、アリアのプレゼントを開けてみよう」
包装紙をはがし、箱を開けると、クマのぬいぐるみがでてきた。
それはいいのだが、問題はなぜか亀甲縛りをされていることだった。
ア「力作よ。いい練習にもなったし」
シ「これは素晴らしい。芸術だ!」
ただ、会長が喜んでいるから、いいのかなぁ…。
シ「そういえば、津田の誕生日はいつだ?」
タ「来月です」
シ「そうか、それはおめでとう」
ア「おめでとう」
タ「いやー…」
照れるタカトシ。
シ「御堂は?」
ハ「12月です」
シ「おめでとー」
ア「おめでとう」
ハ「どうも~」
俺も照れてしまう。
シ「萩村はいつだ?」
ス「4月です。もう過ぎました」
シ「おめでたー」
ア「おめでたー」
…え?
しばらく談笑していたのだが、そうもいかなくなってしまった。
ハ「あ、雨だ」
外を見ると、雨が降り始めていた。しかも本降りだ。
ア「今日は降らないって、天気予報で言ってたのに」
今日の天気予報だと、晴れ時々曇りで、降水確率は10%だと言っていた。…なぜその10%が当たる?
ス「私、置き傘ありますよ」
タ「俺も」
ハ「お前の場合は忘れ傘だろう」
タ「うっ!」
ア「さすが幼馴染ね」
こいつの行動はなんとなくわかる。
シ「ちなみに御堂は?」
ハ「いつも鞄に折り畳み傘をいれてます」
だから問題はない。
ア「じゃあ、私はスズちゃんの傘で一緒に帰るから、シノちゃんは津田君の傘で帰りなよ。方向一緒でしょう」
シ「そうだな。御堂の傘は折り畳みだから、一人しか入れないだろうし、津田のは置き忘れだから大きいだろう」
タ「そうですね。そうしましょうか」
そして、校門の前で別れる。
ア「それじゃあ、また明日」
ス「さようなら」
挨拶をして、二人と別れる。でも、本来の傘の持ち主ではなく、入れてもらっている方が傘を持っているのに、少々涙する光景だった。
ハ「じゃあ俺も。コンビニよるんで」
シ「そうか。それじゃあな」
タ「お疲れー」
会長&タカトシと別れ、俺はコンビニまで歩いて行った。
タカトシside
俺は会長を傘に入れて歩いている。
シ「こうしてみると、これって相合傘だな」
タ「あ、そうですね」
しばらく歩き進める。
シ「他人から見ると、私たちはそういう関係なのだろうか?」
タ「気を付けないといけませんね。会長、人気者ですし」
これで見られたら、本当に穴をぶち抜かれない。
タカトシside out
ラ「本当に気を付けないといけないわね」
ハ「何やっているんですか、畑さん」
コンビニから帰る途中、電柱に隠れている畑さんを見つけてしまった。手にはカメラを持っているが、何を撮っていたのだろうか?
シノside
相合傘をしたまま、学校からの帰り道を歩いていく。これはこれで少し恥ずかしいものだな。
しばらく歩き進めると、分かれ道まで来た。
シ「それじゃあ、私はこれで。今日はありがとうな」
タ「それなら、俺の傘を貸しますよ」
シ「え…」
ここから走って帰ればそれほどぬれずに帰れるから、ここで別れようと思ったのだが、まさか傘を貸してこようとは。
とはいえ、これはこれで悪い。
シ「そんな、それは悪い…」
タ「俺は平気ですよ。それに、誕生日の主役を濡らして返すわけにもいかないじゃないですか」
そういって、私に傘を持たせる。男性用の無骨で大きい傘を。
タ「それじゃあ」
シ「あ、ちょっと―」
その先の信号が、タイミング悪く赤になった。
シ「…とりあえず、信号変わるまで入っているか?」
タ「…うん」
シノside out