会長の誕生会の翌日。俺は生徒会の仕事があるので、タカトシを連れに来た。もしかして、まだ寝ているのだろうか?
コトミ(以下コ)「うわー!タカ兄!?」
なんだ、どうしたんだ!?
俺は津田家から預かっている鍵を開けて、中へ入る。声はタカトシの妹のコトミのものだ。そして場所はタカトシの部屋。もしかしてタカトシに何かあったのだろうか!?
ハ「おい、どうした!?」
階段を駆け上がって、部屋をのぞいてみる。中にはタカトシが床に倒れていて、そのそばにコトミが心配そうにそばにいた。
コ「あ、ハルカ先輩…。タカ兄が起きた途端に倒れて…」
コトミから事情を聴いた後、タカトシの様子を見る。顔が赤くなっていた。おでこを触ると、結構熱い。
ハ「熱が出てるな。おじさんたちは?」
コ「また出張でいなくて…」
ハ「わかった。じゃあタカトシをベッドに入れよう。そのあと、俺は軽くご飯を作るから、コトミは冷却シートをタカトシのおでこに張り付けて」
コ「わかりました!」
卵とご飯があれば、卵粥でも作るのだが。そうだ、それからもう一つ。学校に連絡しなくては…。
シ「何!?」
結構遅刻して学校に登校し、遅刻理由を説明して、教室に入り授業を受けた後、昼休みに生徒会室に向かった。
そこで、タカトシがいないことを聞かれて、朝の顛末を話したのだ。
シ「津田が熱を出したなんて…」
ハ「一応、おかゆを食べさせて、寝かせていますからもう大丈夫だと思いますけど」
ス「あれ、あんたもかかわっているの?」
ハ「あそこの両親、今出張に出ていてな。だからいろいろやってな」
シ「しかし、私のせいで、こんなことに…」
どうやら、タカトシは会長に傘を貸して帰ったらしい。ずぶぬれで帰ったのか…。
ア「別にシノちゃんのせいじゃないよ」
ス「そうです。津田の自己責任です」
ハ「それに、それほど重いわけでもないですから。明日にはよくなりますよ」
みんなでフォローするが、会長はまだ気が重いようだ。
ア「やっぱり、心配よね。みんなでお見舞いに行く?」
ス「いや、みんなでいくのはあれだと思いますし、代表一人が行くべきでは」
ハ「それだと、俺は行くこと確定しているから俺だけになるけど」
シ「じゃあ私も行こう。御堂、道案内を頼む」
ハ「わかりました」
そして放課後、津田家
ピンポーン
津田家のチャイムを押す。この時間ならば、コトミは帰っているはずだが。
ガチャ
コ「あれ、ハルカ先輩」
ハ「よ。タカトシはどうだ?」
コ「だいぶ良くなったみたいです。あれ、そちらの方は?」
シ「こんにちは。天草シノと申します。タカトシ君のお見舞いに参りました」
コトミはなぜか会長をじーっと見ている。
コ「…あぁ。出○○○スの方ですか。お見○○プ○イとは斬新ですなぁ」
シ「は?」
ハ「無視してください」
そもそも制服で分かれよ。少なくとも同じような制服を着ているだろう。
シノside
ハ「タカトシー。具合はどうだ?」
部屋に入ると、津田はベットで横になっていた。
タ「来てくれたのか。あれ、会長も」
シ「あぁ。お見舞いにやってきたぞ」
タ「そうですか。それはすみません」
シ「いや、私のせいでこうなったのだ。申し訳ない」
タ「いえ。疲れて熱が出ただけみたいなんで。会長のせいじゃないですよ」
シ「しかし、君にそこまで重責を負わしていたなんて…」
タ(疲れたのは生徒会じゃなくてツッコミのほうなんだけどね…)
彼の仕事を少し考えなくてはいけないな。
シノside out
コンコン
コ「お茶入れましたー。ハルカ先輩が」
コトミが、俺が入れたお茶とお菓子をもって入る。それに続いて俺も入る。というか余計なことを言わなくていい。
コ「さっきはどうも」
タ「こいつは妹のコトミです」
シ「へぇ…」
コ「津田コトミです。どうぞごゆっくり。あ、いや、ゆっくりって、兄が遅○というわけでは―」
タ「無視してください」
…さっきも思ったが、今日もコトミは全力全開のようだ。
シ「しかし、思ったより大丈夫そうでよかった。本当は、アリアと萩村も来る予定だったのだが、大勢で来るのもあれだろうと思ってな」
タ「別に、そこまで気を使わなくても」
ハ「でも七条先輩、かかりつけの医者を10人連れてくるつもりだったぞ」
タ「気を使っていただきありがとうございます」
さすがにそんな連れて来たら余計悪化しそうだ。
シ「そういえば、コトミだったか?御堂のことを先輩と呼んでいるようだが、それほど付き合いなかったのか?」
ハ「いや、タカトシと同じくらいですけどね。その時はハル兄と呼んでいたんですけど」
タ「なんでか、俺たちが中学を卒業するあたりからそう呼び始めたんですよね」
コ「いや~、いろいろありまして…」
ハ「思い出した。お前がふざけてハル姉と呼んだら俺がお仕置きして、それから呼ばなくなったんだ」
コ「そんなこともありましたね~」
なぜか冷や汗を流すコトミ。そんなにひどかったかな?
コ「あ、私、ちょっとおトイレ行ってきますね」
コトミは立ち上がると、部屋を出て行った。
ハ「じゃあ俺、お茶のおかわり入れますね」
そういうと、カップをもって台所へ向かう。
お茶をいれ終わり、部屋の前まで来ると、コトミが耳を扉に近づけていた。まるで中の音を聞いているようである。
タ『会長、もっとやさしく…』
シ『君が動くからだ。私はこれに自信があるのだぞ』
コ「こ、ここここれって、ああああの―」
ハ「コトミ、噛みまくっている。まぁとりあえず入るぞ」
コ「あ、ダメ―」
中では、会長がタカトシの耳掃除をしていた。
コ「あれ、お○いじっていたんじゃないの?」
タ「本当に妹が思春期過ぎて困る」
結局この日は、いろいろ雑談して帰った。もっとも俺は、家事能力があまりない兄妹のご飯を作ったりしたのだが。