校庭にはたくさんの生徒が作業をしていた。
ラインを引く生徒、杭を打つ生徒、さまざまである。それもそうだ。何しろ今は…。
シ「体育祭の準備は忙しいな」
明日行われる体育祭の準備日なのだから。
シ「さて、運び出すぞ」
俺たち生徒会を含めた準備に携わる人々は、体育倉庫の前に立っていた。ここから、体育祭に使う備品を運び出すのだ。
「すいません、これはどこに運べば?」
タ「あぁ、ロープは運営本部横に置いてください」
いろいろな生徒が入り混じって大変なことになっていた。
ア「それにしてもいろいろな旗があるわね」
会長たちが万国旗をもって話している。確かにいろいろあるな。見たことがあるものから、見ないものまで。
シ「これはどこのだ?」
ス「ベネズエラ」
ア「じゃあこれはどこ?」
ス「ノルウェー」
タ「じゃ、これは?」
ス「ガテマラ」
タ「詳しいな、萩村」
ス「これくらい常識よ」
すると変なものまでぶら下げられていた。
ア「ナプキンね、これは」
シ「この様子からして3日目だな」
ハ「なんであるの?」
というより誰がぶら下げた?
各員に指示を出しながら準備を進めていく。
ア「あ~れ~!!」
シ「そうしたんだ、アリア!?」
見てみると、七条先輩に綱引きで使うロープが絡まっていた。
シ「ローププレイか!!」
ナ「これじゃ縛り方緩いわよ」
…どうやってそうなったんだ?
とりあえず、七条先輩を解放し、さらに準備を進めていく。
ハ「会長、玉ころがしの玉はどうします?」
ナ「玉ころがしだって!?それって、18禁じゃないの!?」
…あんた出てけ!!
準備はいろいろあったが、なんとか終わらせ、翌日、無事に開幕を迎えることができた。
シ「宣誓、我々はスポーツマンシップに乗っ取り、正々堂々戦うことを誓います!!」
ア「今思ったんだけど、正々堂々じゃないスポーツマンシップってなんだろうね?」
タ「ドーピングとかじゃないですか?」
ア「そうだね。○な気分でスポーツに臨むのは不純だもんね!」
ハ「いや、そういう薬じゃないと思います」
こうして体育祭は始まった。
最初は徒競走だ。ちなみにスタートは生徒会のメンバーがいるテントの前である。
「位置について、ヨーイ…」
パン!
一斉に駆け出す生徒たち。その真剣な表情は、応援したくなるな。
「あ、あの、まだ私鳴らしてないんだけど…!」
「「「えっ!?」」」
え、でも今確かに…。
ナ「ごめんごめん。私がスパンキングの練習していただけ」
シ「つまみ出す」
どっかへ放り出してください。
玉入れになった。今回は1年生のみで2クラス1チームを組み、3チームで競わせる。これは男子の数のばらつきを少なくさせるためだ。
俺たちは萩村のいるクラスと一緒になった。
ハ「とりゃ」
ス「せい」
地面に落ちている玉を拾っては、それをカゴに入れていく。
「「あっ…」」
声のした方を見てみると、タカトシと三葉が同じ玉を拾おうとしていたようだ。
ム「ご、ごめん、タカトシ君」
タ「あ、いや」
…そこだけ空間がピンクに見える。
ス「…玉入れで何やっているんだ、こいつら」
ハ「ラブコメする暇あるなら投げろ」
ふと見ると、周りの視線(主に男子)がきつくなっているように見える。
タカトシside
借り物競争になった。俺はクラス席から応援している。
ス「津田、ちょっと来て」
タ「え、俺?」
そういって萩村に連れて行かれる俺たち。
タ「なぁ、俺なんて書いてあったんだ?」
ス「目標にしている人って書いてあった」
タ「目標?」
ス「あんたこの間自販機であんこ茶買ってたでしょ。あれ、自力で買うのが私の目標」
タ「俺って安いな」
ちなみにこれを今回の審査員であるハルカに見せたとき、納得したような目で見られた。
ア「津田君、ちょっと来てくれる」
タ「え、また?」
今度は七条先輩に連れて行かれる。
ス「なんて書いてあったんです?」
ア「え、ペットにしたい動物」
ダッ
ア「待て待て~」
ハ「なんで逆走しているんだ?」
周りが何か言っているが、その前に逃げなきゃ!!
だがすぐに捕まり、それをハルカに見せたところ、同情するような眼で見られた。
シ「津田、ちょっと来い」
タ「またか…」
ム「人気者だね」
三葉に見送られながら会長に引きずられていく俺。そして―
【トップは生徒会長の天草シノさんです!】
会長がトップでゴールした。
タ「なんて書いてあったんですか?」
シ「えっ!?」
…なんだかあわてている。きっとあまり知られたくないのだろう。
タ「別にいいですけど」
シ「な、なら教えない」
…会長はハルカのもとへ行ってしまった。というよりなんで不機嫌そうだったんだ?
ラ「フラグなのか?」
畑さんが俺に向かって何か言うか、意味が分からなかった。
ちなみにこの後、ハルカが俺のことを生暖かい目で見ていた。本当によくわからない借り物競争だった。
関係ない話だが、このとき会長と一緒だったはずの五十嵐さんは棄権した。理由は、借り物が男子生徒だったかららしい。
タカトシside out
コ「タカ兄、ハル兄、応援に来たよー」
コトミが顔を出してきた。
ハ「おー、来たのか」
タ「おいおい、受験生だろう」
コ「受験勉強の合間の息抜きだよ」
タ「お前息抜きの間に勉強しているだろう」
コ「あ、抜くといっても別に○○○○のことじゃないよ」
ハ「そんなもん当たり前だろう」
コトミは通常運転だった。
ア「あれ、津田君、御堂君、その子は?」
七条先輩がコトミについて聞いてくる。そういえば七条先輩はまだコトミに会ったことがなかったな。
タ「あぁ、妹のコトミです」
コ「兄がいつもお世話になっています」
ここで礼儀正しく挨拶するコトミ。
ア「へー、そうなの。兄妹だけあって似ているわね」
コ「そうですね。まだ性体験もまだですし」
ア「そういう意味じゃないよ。第一、処女と童貞は同列にはできないよ」
タ「何この羞恥プレイ」
俺入っていなくてよかった。
ケ「次の100m走でタカトシが、その次の200mハードルでハルカが1位を取れば、ウチのクラスがトップだ」
ム「頑張れ!!」
ハ「プレッシャーかけるなぁ」
とはいえ、本気を出してみる気になれた。
コ「クラウチングスタートでスタートダッシュを狙えばできると思うよ」
タ「どうやるの?」
これって、確かオリンピック選手とかがやっているやつだっけ?
コ「まず、服従のポーズをとります」
…ん?
コ「次に、お尻を突き出す」
…ちょっと待て。
コ「そして、たまりにたまったエネルギーを…!!」
ハ「あーもう説明いいや」
真面目な話かと思ったらこれだよ。…まぁもとから当てにしてなかったけど。
コ「何か失礼なことを思われたような」
ハ「気のせいさ!!」
シ「さて、次は最後の競技であるサークル対抗リレーだ」
会長は俺たちを前にしてそう口にする。
シ「私たちも生徒会チームとして参加するぞ」
「「「「おー!!」」」」
ア「そうなると、作戦を考えなきゃね」
タ「リレーで重要なのは位置取りですかね」
すると会長と七条先輩はタカトシの股のあたりを見始めた。
シ「そうなのか…」
ア「ブリーフなら固定できそうだね」
ハ「あんたらはもう少ししっかり考えてほしい」
なんの位置だよ。
【最後はサークル対抗リレーです。みなさん頑張ってください。それでは出場チームの紹介です】
【まずは、風紀委員会】
わー!!
【続いて生物部】
わー!!
【続いて新聞部】
わー!!
【そしてせ…学園の種馬】
タ「ちょっとまてぇ!!」
なんだよ、生徒会の紹介!!ちなみにトップバッターはタカトシだ。
「よーい…」
パン!!
スターターの合図とともに一斉に駆け出す。
【トップに出たのは風紀委員と種馬…もとい生徒会だ!!】
だから生徒会の紹介はなんなんだよ!!
ラ「シャッターチャンス!!」
タ「おい!!」
そしてなぜか新聞部のトップバッターである畑さんがリレーそっちのけでタカトシを撮り始める。何やっているんだ?
第2走者は天草会長だ。すでにバトンを渡す位置に第2走者は並んでいた。
あれ、会長の隣にいるのは五十嵐先輩じゃないか。また会長と一緒になるのか。
タ「会長!」
あ、タカトシが会長にバトンを渡そうと―
カ「いや――――!!」
「委員長、どこへ!?」
タ「あ、どうぞ」
シ「おぉ、ありがとう」
…もしかしてタカトシから逃げたのか?その後、五十嵐先輩は戻ってきたが、大きく離されてしまった。まぁそっちはいいや。それにしても会長って運動神経がいいとは聞いていたけど、本当に速いな。
ドサッ
ハ「ん?」
音のした方を見ると、畑さんが手を地につけて泣いていた。
ハ「どうしましたか?」
ラ「…あっちの方が売れた」
そういって畑さんが指をさす。そこには、会長が走っていた。
ハ「泣くことかよ」
ほっとこう。
会長は七条先輩にバトンを渡す。いいトコのお嬢様だから大丈夫か心配だったけど、走りを見ているとそれほど心配にはならなかった。ただほかの選手が速いので追い抜かされそうになっているが。
ラ「…乳揺れもあったかぁ」
ハ「いちいち泣くな!!」
うっとおしいわ!!
タ「萩村、頼むぞ」
ス「ええ。適当にやるわ」
タ「適当はないだろう。アンカーのハルカにつなげなきゃいけないんだから」
ス「適当でいいわよ」
だが、萩村は速かった。ほかの選手をぐいぐい抜いていく。
ス「あとは任せたわ!!」
ハ「任せとけ!!」
ここまで頑張ってくれたんだ。ここで負けるわけにはいかない!!そして―
タ「痛たたたっ」
タカトシがいたそうである。筋肉痛だろうか?
タ「一日中動いていたから、足がパンパンですよ」
シ「そうだな」
ナ「痛たたたっ」
見ると横島先生も痛そうだ。
ハ「横島先生も、どこか痛めたんですか?」
ナ「あぁ、下半身を。やっぱり自分に合ったサイズでやらないとだめね」
タ「あんた今日何してた」
この人はもうほっとこう。
シ「しかし、ハルカがあそこでさらに引き離すとは思わなかったな」
そう、俺は一気に最高速度までもって行って、抜くどころか逆に離して1位になったのだ。
ハ「あはは。どうも…あれ?」
なんだろう。七条先輩が万国旗で縛られているように見える。
ア「うわーん。片づけしていたら、こうなっちゃった」
どうやったらそうなるの?
シ「さすがアリア!ここまで上手にやるとは!!」
もうこの人もほっとこう。