体育祭から一夜明けた今日は、普通に授業である。というより、なんで体育祭を日曜日にするかな?体のあちこちが痛いぞ。
体中が悲鳴を上げる中、なんとか学校に登校し、授業や生徒会の仕事をこなしていくのであった。
ス「津田、御堂、何ちんたら歩いているのよ」
タ「いや、昨日の体育祭のせいで筋肉痛ひどくて」
ハ「俺も同じく。それにしても萩村ってそういうのないの?」
ス「え、私?鍛えているからそういうのないわ」
ハ「へー。どうやって?」
ス「普段からつま先立ちしている」
タ「気づかなかった!!」
俺もだ!!
3人で生徒会室に向かうと、七条先輩と出くわした。
タ「あれ、その花どうしたんです?」
ア「あ、これ。緑化委員会のコからもらったの。飾ろうと思って」
ス「でも花瓶がないですよ」
生徒会室には花瓶がない。まぁ当たり前かもしれないが。
ア「じゃあ、あれで代用しましょう」
ハ「あれ?」
ハ「なぜ花瓶はないのにオ○○○ルはあるんだ?」
素直にそう思った。
ラ「どうも。あら、素敵ですね」
畑さんが入ってきたと思ったら、花が活けてあるそれを見て感想を述べた。
…その感想、本気で思っています?
シ「ところで、どういう用件で来たんだ?」
会長が畑さんにたずねた。
ラ「今日は、今月号の桜才新聞を届けに参りました。注目の記事は、天草会長の支持率が98%という記事ですね」
タ「おぉ」
ス「会長、すごいですね」
ア「さすがシノちゃん」
シ「いや、これはみんなの協力のおかげだ」
いや、これは本当に大したものだと思う。
ラ「いえ、これはすごい結果ですよ。ちなみに主な理由は「自分でなければだれでもいい」ですが」
…え?
ラ「空気読んでそのあたりのことは書いてませんね」
ハ「あんたが空気読め」
というより今の感動を返せ!
ある日のこと
シ「津田、その指どうしたんだ?」
会長がタカトシの指に巻かれた包帯をみて聞く。ちなみにその件については俺も知っている。
タ「これは昨日割った皿で指を切っちゃって」
ハ「そのあと血が勢いよく出て大変だったよな」
シ「ひー」
あれ、会長?
シ「痛い話は苦手だ!!」
まぁ痛い話が好きだという人はあまりいないだろう。
シ「あれ、横島先生にあるそのミミズ腫れはどうしたんですか?」
横島先生の手の甲あたりにはミミズ腫れができていた。
ナ「あぁ。これは鞭のあと」
シ「そ、それって、痛いんですか!?」
興味津々で横島先生に聞く会長。
ナ「うん。まぁ(以下強制的に自主規制)」
聞きっぱなしだった。…いたよ、痛い話が好きな人。
今日は生徒会のメンバーが七条先輩の家に招待された。
キンコーン
チャイムを鳴らすと、七条先輩が出迎えてくれた。
ア「いらっしゃい、待ってたよ」
シ「今日はお招きありがとう、アリア」
ア「いえいえ。でも随分遅かったね。ここまで迷った?」
ハ「ええ。七条先輩の家の場所はわかったんですが、敷地に入ってから迷いました」
広い家の中に、いくつか道が分かれていたから、気が付くと変な場所に出ていたりした(県立公園にあるような大きな池まであった)。
とりあえず、中にお邪魔させてもらうことにした。
家の中はとても広かった。まずそういった感想が出てきた。広いロビー(?) の中には様々な調度品があるが、それが趣味の悪くないように配置されている。
ロビーからは大きな階段があり、それが途中で分かれるようになっている。漫画とかに出てくる豪邸のイメージそのままだ。
上を見上げたら、シャンデリアがつるされていた。…シャンデリアなんて初めて見たな。
タ「うわぁ…」
タカトシが思わずため息をつく。
ス「広いわね…」
でもここまで広いと掃除とか大変だろうな。掃除婦とか、家政婦とかがいるのだろうか?いや、この屋敷の雰囲気からしてメイドだな。
ア「出島さん」
「はい、お嬢様」
俺たちの後ろには女の人がいた。メイド服を着ているから、メイドなんだろう。…本当にいたとは。
タ「リアルメイド…」
シ「いるとこにはいるんだなぁ」
ア「じゃあ、私の部屋に案内して」
サヤカ(以下サ)「はい、お嬢様」
ア「私はお花摘みに」
サ「お気をつけて」
…そのカギは何?
俺たちは出島さんの案内で屋敷の中を歩いていく。しかし本当にひろいな。広い廊下からは、いくつもの部屋のドアが見える。用途別なんだろうか?また、廊下にもいくつか調度品が飾られていた。どれも高いんだろうなぁ…。
そんな廊下を出島さんについていく。それにしても先輩の部屋ってこんなに遠く―
サ「迷いました」
えぇ…。
サ「広いですね、このお屋敷」
いや、まぁ広いけどさ。
サ「すみません。実はこの屋敷に来たのはごく最近で。正確にはこの仕事も最近始めたばかりなんです」
タ「そうなんですか」
ア「おーい、こっちだよ」
七条先輩が俺たちに気づいて呼んでくれる。助かったけど、本当にこの辺りだったのか。
サ「以前は開発関係の仕事をしておりましたので」
開発関係…。技術者だったのか?
ハ「なんの開発をしていたんですか?」
サ「○門とか」
…………
ハ「学校のですか?」
サ「いえ、別のほうです」
…主も主なら、従者も従者だった。
その主に案内され、やっと七条先輩の部屋に到着した。
ア「ここが私の部屋だよ」
ス「でかっ!!」
個人の部屋にしては広すぎる部屋。ここがこの屋敷のホールですと言われてもうなずいてしまうかもしれない。
そんな広い部屋の中に、応接間とかで使うようなテーブルとイスがある。
シ「お、ここの窓から大きな木が見えるな」
ア「あの木は、両親にとって思い出の木なんだって」
思い出の木か…。
ス「察するに、あそこでプロポーズされたんですね」
なるほど。それは思い出深いな。そして自分たちの子供にもそんな思い出があるこの場所を見ることができるようにと、この場所にしたのかもしれない。
ア「惜しいね」
え、惜しいの?
ア「正解は、あそこで○○○されて、私が生まれました」
惜しいの、それ!?
サ「皆様、お茶をご用意しました」
ア「ありがとう」
出島さんがカートを押して部屋に入ってきた。
七条先輩の部屋にあったイスに座り、お茶とお菓子をいただく。うまい!
サ「あ!!」
ポットをもって歩いていた出島さんがいきなり驚いたような声をだした。
サ「すみませんお嬢様。コンタクトを落としてしまいました、ドジっ子のごとく」
…最後何か変な言葉があった気がする。
ア「あらあら」
シ「みんなで探そう」
そして俺たちは床を這ってコンタクトを探す。小さくて透明なのでなかなか見つからない。
ア「あった?」
シ「いや、ちぢれ毛は3本ほど見つけたが」
ア「あっ!?」
タ「必死で探せよ」
コンタクトはどこだろう…。
その後、コンタクトは萩村が見つけた。
ボーンボーン
ア「あら、もうこんな時間なのね」
ゲームをしていたのだが、時計の鐘の音で見てみると、もう6時だった。
シ「なら、私たちはお暇しようか」
ア「あら、ご飯食べていっていいのに」
シ「いや、そこまでお世話になるのは…」
ア「いいのよ。今日はみんなのためにめったに食べられないごちそうを用意したんだから」
そこまで言われると帰りにくくなる。せっかく用意してくれたのにそれを断るのはまずいだろう。
めったに食べられないごちそうって…なんだろう?
見ればほかの3人も妄想に浸っていた。
サ「お嬢様、お食事をお持ちしました」
ア「ありがとう」
そして出されたのは…カップめん。すでに出来上がっていたのでもう食べられる状態だった。七条先輩はとてもおいしそうな顔でラーメンをすすっている。
タ「金持ちって、次元違うな」
「「「うん」」」
シ「今日はごちそうさまだった。お邪魔したな」
ア「いいの。また来てね」
夕飯をごちそうになった後、帰宅する俺たち。玄関まで七条先輩と出島さんが送りに来てくれた。
ア「出島さん、皆を門まで送ってあげて」
サ「はい、お嬢様」
ハ「大丈夫なんですか?」
さっきのことを不安しかない。
サ「失礼な。自分が仕える屋敷で迷子になるとでも?」
いや、あんたさっき迷ってたから!!
タ「うん」
ス「実際迷ってた」
それはみんなも同意見のようだ。
サ「自分の住む家の庭ぐらい目隠しで歩けます」
ならば家の中もそれくらいできるようにしてほしい。
サ「毎晩目隠しで散歩プレイしてますから」
ハ「自力で帰らせていただきます」
翌日
ハ「今日は会議があるから、準備しないとな」
今さらであるが、俺は総務である。総務は、ぶっちゃけ行ってしまえば雑務全般だ。雑務はいつも会長たちと一緒にやるので、とくに仕事がないように見えるが、じつは結構ある。
会議に使う書類をコピーしたりまとめたりするのは主に俺の仕事だ。だが別に俺は苦痛だと思っていない。逆に、こういう縁の下からやるような仕事が好きだったりする。
ス「あ、もう来てたんだ」
萩村が生徒会室に入ってきた。
ハ「まぁね。今日の会議の準備とか、いろいろ」
ス「へー。手伝う?」
ハ「いや、別に。それより萩村。これ4時半からじゃなかったか?」
ホワイトボードには『本日16時より会議室で部活動予算会議』と書かれていた。
ス「あ、いけない。うっかりしてたわ」
あわてて書き直す萩村。
ス「それにしても、よく私が書いたってわかったわね」
…言えない。文字の位置が低いから、この辺りに書くのは萩村だろうと思っていたなんて。
ス「なんか失礼なこと考えていたよなぁ」
ハ「き、気のせいだよ。アハハハハ…」
ガチャ
ア「あ、二人とももう来てたんだ」
七条先輩が入ってきた。正直助かった。
ス「会長はどうされました?」
ア「横島先生に用があるみたい。それより」
七条先輩が鞄から容器を取り出した。
ア「今日調理実習で、わさび入りクッキーっていうの作ってみたんだけど、食べてみる?」
わさび入りか。意外とおいしいかもしれない。
ハ「じゃあ一つ」
食べてみると、クッキーの甘さとわさびのつんとした辛さが意外と相性があった。
ハ「結構おいしいですね」
ア「そう、ありがとう」
ガチャ
タ「今来ました」
ア「あ、津田君。このわさび入りクッキー食べてみない?」
七条先輩がタカトシにも進める。
タ「大丈夫ですか?」
ちょっと警戒しているようだ。
ア「いいから食べてみて。幼馴染のヒロインが、非処女だった感覚で」
その感覚はよくわかりません。