楽しみにしていただいた方、申し訳ございません。
俺たちは、桜才学園の前で呆然としていた。その理由は、目の前に停まっている車にある。
ア「みんな、おはよう」
いや、あんな豪邸に住んでいるお嬢様だから、リムジンの1台や2台あってもおかしくはないと思うけどさ。
ハ「こんなクルマ、現実で見たの初めてだ」
俺の言葉に、ほかの4人も頷く。
俺たちの目の前には、漫画でしか見られないような、長いリムジンが停まっていた。
事の始まりは、終業式の日にさかのぼる。
ア「今度、私の別荘でクリスマスパーティやらない?」
シ「いいのか?」
ア「もちろん」
というわけで、七条家所有の別荘でクリスマスを過ごすことになった俺たち生徒会メンバー。
コ「へー、そうなんだ。いつから?」
タ「22日から2泊3日の予定」
コ「その日はあの日が近いから生理用品忘れないようにしなきゃ」
ハ「ついてくるんだ、受験生…」
それにプラスして、本来なら高校受験で忙しいはずのコトミを加えて行くことになるのであった。まぁ、いいか。
…冬休み明け、風紀委員からまた何か言われそうだけど。
時間は元に戻り
サ「皆様、到着いたしました」
ここまで運転してくれた出島さんの案内で、俺たちは車を降りる。ちなみに物語とは関係ないが、道中は緊張しっぱなしで全然落着けなかった。…コトミだけはしゃいでいたが。
ア「ここがうちの別荘だよ」
七条先輩が手で指し示すその先には、立派な作りの別荘があった。結構大きい。
シ「立派な別荘だな」
コ「りっぱー」
会長とコトミは別荘を見てはしゃいでいる。
ス「立派だわ」
萩村も思わず感想を述べていた。
シ「萩村、その位置でその台詞は津田の○○○のことを言っているように見えるぞ!!」
…大きな声で言わないでください。というより、そう見えるのは会長ぐらいで―
コ「タカ兄のは実際に立派ですよ」
シ「本当か?」
いたよここに。というより、非常に突っ込みたいことが。
タ「いつ見たんだよ」
まったくだ。
とりあえず中に入る俺たち。中も広くて、調度品の趣味も悪くないように飾られている。…というより、この広さは個人の家にしても広いんじゃないだろうか?
コ「すごーい」
タ「さすが金持ち」
あんな豪邸を持っていて、さらにこんな別荘があるなんて、次元が違うなぁ。
サ「津田さん、御堂さん、ひとつよろしいでしょうか?」
ハ「はい?」
サ「くれぐれも、お嬢様に手を出すことの無いように」
タ・ハ「「出しません」」
この人は俺たちのことをどう思っているのだろうか?
サ「気を悪くされたのでしたら申し訳ございません。しかし、主の身を守るのも、メイドの務め」
タ「へぇ…」
大変だなぁ。
サ「だから貞操帯の鍵もわたくしが持っております」
…え?
ア「おトイレ行きたいんだけど」
サ「いってらっしゃいませ」
この間七条先輩の家にお邪魔した時渡していたのもそれなのだろう。
ハ「なんだ、この主従関係」
もしかして、これは普通なのか?
タ「いや、普通じゃないと思うけど」
そうか。俺はまだ正常か。
コ「わぁ、すごーい」
コトミはさっきからはしゃぎっぱなしだ。
タ「あまりうろうろするなよ」
コ「ちょっと探検してくるね!」
タ「おいおい…」
タカトシが何か言う前にどこかへ行ってしまうコトミ。
タ「すみません会長。落ち着きのない奴で…てあれ?」
ハ「会長はコトミと一緒に探検に出かけたぞ」
タ「えー…」
やっぱり思う。会長も子供っぽいと。
ハ「それにしてもたくさんあるなぁ」
俺はテーブルの上にあるプレゼントの山を見ながら言う。これらは明日のクリスマスパーティ用だ。
シ「こうしてみると、いろいろあるな。津田と御堂は何を持ってきたんだ?」
タ「俺はですね―」
ハ「それは明日のお楽しみでいいんじゃないですか?」
シ「それもそうだな」
タ「そうですね。あれ?」
タカトシはプレゼントの山を見ながら、妙な声を上げる。
ハ「どうしたんだ?」
タ「いや、これ誰のだろうって」
サ「あ、これは私のです」
ハ「へぇ、出島さんの」
タ「なんだろう」
ヴィィィィィン
ハ「……え?」
サ「まぁ男の人でも、違う穴に入れたりするなど、使い道はありますから」
タ・ハ((絶対当たりませんように!!))
その後、タカトシが女子の入浴中の風呂に突っ込んだり(コトミが仕掛けた)、出島さんが暴れそうになったり(俺が止めた)したけど、もう夜遅くなったので寝ることにした。
ハ「あれに関しては、お前は勇者だった。間違いなく」
タ「あれはコトミが仕掛けたことで!!」
いや、だからってバカ正直に突っ込むのがすごいぞ。
ハ「まぁそれはともかく、もう寝るか」
タ「ともかくって、まぁいいけど」
コンコン
タ「はーい」
ガチャリ
シ「今夜は寝かせないぞ」
ハ「え、な、何?」
女子全員が入ってきたけど、なんか目を光らせているし、怖いよ!
その後、徹夜で人生ゲームをやりました。というよりコトミよ。勉強しろ。
翌日
ア「じゃあ、クリスマスパーティを始めまーす」
「「「「いえーい」」」」
ア「その前に、シノちゃんから一言」
シ「おほん。みんな、今年1年ご苦労だった。だから今夜は存分に楽しんでくれ。今日は無礼講だから、M男の下剋上もありだぞ」
ハ「M男って…」
俺の言葉にみんな一斉にタカトシを見る。
タ「なんでお前ら俺を見るんだ!!」
いや、なんとなく…。
ス「ま、まぁともかくパーティですから、盛り上がりましょう」
ア「そうだね。出島さんの料理が冷めちゃう前に食べちゃおう」
テーブルの上には、唐揚げやピザなどのパーティの定番料理や、七面鳥ではないから鶏かな?の丸焼き、さらにはクリスマスケーキもあった。
タ「これぜんぶ出島さんが作ったんですか?」
サ「はい」
ハ「おぉー、すげー」
シ「どれもおいしい…!」
ア「さすが出島さんね。家事はみんなお手の物だし」
へぇ。まぁあんな大きなお屋敷の世話をしているんだから、かなりの家事スキルだろうな。
サ「ほめすぎですよ、お嬢様。さすがのわたくしにも苦手なものはございます」
ハ「へぇ、そうなんですか」
サ「はい。とくに洗濯は苦手です」
タ「なんでですか?」
サ「洗うのもったいないので」
ハ「…それは洗剤ですよね?」
サ「いえ、洗濯物です」
…なんでこの人雇われたんだろう?
シ「それにしても、靴下をみると懐かしいな」
パーティに使われている室内は、クリスマスらしく、クリスマスツリーを飾ったり、壁に靴下がぶら下がっている。会長が、その靴下を見ながら語りだした。
シ「よく、靴下をぶら下げて、サンタが来るのを待っていたな」
ア「そうだねぇ」
会長の場合はサンタが来るかどうか心配で眠れなかったんじゃないだろうか?(笑)
タ「それにしても靴下か…」
ハ「ん、どうした?」
コ「どうしたの、タカ兄?」
タ「いや、昔靴下ぶら下げていたなって」
コ「あぁ、そうだね」
そう言ってコトミは離れていった。
ハ「で、本当は何を考えていたんだ?」
タ「いや、10年前のクリスマスに、コトミが言ったことを思い出してな」
ハ「えっと、何言ってたっけ…」
10年前
コ「タカ兄、ハル兄」
舌足らずな口調でコトミが俺たちのもとにやってくる。ちなみに当時俺たちは小学1年生。コトミは幼稚園年中組。
タ「どうしたんだい?」
コ「あのね、サンタさんのことで聞きたいことがあるの」
ハ「どんなこと?」
コ「えっとね、サンタさんの性癖」
ハ「…そういえばそんなことを言ってたな、コトミ」
タ「しかもサンタさんあての手紙の内容がまた―」
『くつしたよりも、ニーソやパンストのほうが、サンタさんのおしごとはかどるとおもう。 コトミ5さい』
ハ「今思えば、コトミは当時からコトミだったな」
まったく変わってねぇ。
タ「そうだね」
というより、なんで5歳児がニーソやパンストなんて単語知っているんだよ。
コ「それではみんなお楽しみのプレゼント交換です!!」
パーティもそろそろ終わろうかという頃、それぞれがプレゼントを持っている。
コ「音楽を流しながら部屋を真っ暗にして、プレゼントを回すルールです」
出島さんのは当たりませんように!!
コ「じゃ、明かり消しまーす」
部屋が真っ暗になる。本当に何も見えないな。
ア「なんか、興奮するね」
よっぽどプレゼントが楽しみなのだろうか?
「ハァ、ハァ」
「ハァハァ」
ハ「ちょいちょいちょーい!!」
どういう意味で興奮しているんだ、あんたらは!!
…まさか脱いでいたりしないよな。いや、この人たちならあり得そう。
とりあえずプレゼント交換が終了した。みんなでプレゼントを見る。
シ「これは誰からのだ?」←ペンダント
タ「あ、それはおれのプレゼントです」
シ「そうなのか」
ス「あんたにしてはいいセンスしているわね」
タ「俺にしてはって…」
まぁ、タカトシにしては、な。
ア「…ところでこれ誰からのかしら?」←ロ○○ー
コ「あ、それ私です。気に入りました?」
ア「ええ、とっても。後で使うね」
…この会話は無視しよう。それが身のため。
ス「これは誰からのだろう?」←イヤリング
ハ「あ、それ俺だ」
タ「ハルカって、こういうの買う時はいいよな」
ハ「なんで?」
タ「だって、男が買う時いろいろ見られるけど、お前なら女の子として見てくれるだろうから」
ハ「ほぉー、表へ出ろ」
こいつはたっぷりしめてやる!
コ「まぁまぁ。ハル兄が女の子みたいなのは今に始まったことじゃないですから」
ス「それ、慰めていないと思うけど」
こ、コトミまで…。
サ「これは誰からのでしょう?」
出島さんはプレゼントを見て不思議に思っていた…って、それは!!
ア「あ、それ私のプレゼントよ」
サ「お嬢様…。ありがたく使わせていただきます」
…え、使うの?
出島さんに贈られたのは疑似○○だった。…記憶から抹消しよう。
ハ「俺のは…あ、よかった」(ボソッ)
俺に充てられたプレゼントは音楽プレーヤーだった。
シ「それは私のだな」
ハ「いいんですか?高かったんじゃ…」
シ「これはプレゼントなのだから気にすることはない。それとも嫌だったか?」
ハ「いえ、ありがたく使わせていただきます」
実は使っている音楽プレーヤーがぼろくなっていたので、ちょうどいいと思っていたりする。
タ「…………」
ハ「タカトシ。現実から目を背けるな」
タカトシは…出島さんのが当たってしまった。おそらく、本人からしたら一番当たりたくなかったものだろう。
サ「男性でしたら、別の穴に入れたりとかできますから」
出島さん…使い方はいらないと思います。
コ「じゃ、カラオケ大会を行おー!!」
コトミの掛け声で、カラオケを始める俺たち。周りは木や山しかないから、騒いでも大丈夫だろう。
コ「じゃ、さっそくハル兄から!!」
ハ「え、俺?」
コ「うん、じゃ、行ってみよう!!」
そういって、勝手に選曲するコトミ。って、この音楽は…!!
コ「♪~~♪~♪~」
俺は熱唱した。トリプルブッキングの歌を…。
コ「ふぅ…」
あー、のど痛い。かなり熱唱したから…ハッ!!
ス「結構熱入ってたわねぇ(ニヤニヤ)」
シ「かなりうまかったぞ。声とかもよかったし(ニヤニヤ)」
タ「よかったぞ、ハルカ(ニヤニヤ)」
ハ「全員ニヤニヤしているんじゃねぇ!!!」
まぁ、何はともあれ、楽しいクリスマスを送ったのであった。