今年もあと少しで終わるころ。
俺は津田家で年越しそばを作っていた。ちなみにこの家の住人であるタカトシとコトミはテレビを見ている。
ハ「年越しそば出来たぞー」
俺は二人に声をかける。そばをもって。
ちなみに我が御堂家の両親は海外に旅立っていった。息子を残して…。
そしてお隣の津田家は国内へ旅行に出ている。…手間のかかる二人を残して。
コ「おー、ご苦労」
タ「あぁ、ありがとう」
ハ「…そういうのはこっちを見て言うものじゃないのか?あと手伝え!!」
テレビを見ながら気怠そうに礼を言う二人に、少し、いやかなり怒り始める。…ぶっちゃけ今こいつらの顔にそばを投げつけようかと考えた。
コ「そういえば…」
コトミがそばを食べながら顔を上げる。
タ「どうしたんだ?」
コ「タカ兄とハル兄の来年の目標って何?」
タ「俺は、Noと言える人間になりたいかな」
コ「流されたくないってこと?それとも、行きずりでエッ―」
タ「前者に決まっているだろう!!」
…年越しとはいえ、いつも通りだった。
タ「ハルカは?」
ハ「俺、俺は…」
そんなもん毎年決まっている。
ハ「男らしく見られること」
タ・コ「「無理無理」」
ハ「おいお前ら」
こいつらにはいろいろやった方がいいのだろうか?
ハ「というより、そういうコトミは?」
コ「私?私は1日1エロ」
ハ「…え?」
コ「ちなみに今は10エロぐらいね」
ハ「…いろいろ突っ込みたいが、数が減ってないか?」
タ「それより思春期過ぎることを突っ込めよ」
それはもうあきらめている。
ゴーンゴーンゴーン
タ「あ」
コ「除夜の鐘だ」
ハ「てことは、もう今年も終わりか…」
いろいろあった今年も、もうおしまい。来年はもっと静かに…過ごせるわけないか。
というわけで正月です。
シ「あけましておめでとう」
普段着の会長が新年のあいさつをする。
ア「今年もよろしくね」
晴れ着を着こなした七条先輩が、続けて挨拶をする。
ス「では正月の恒例行事を行いましょう」
普段着の萩村が、皆を誘う。
シ「姫はじめ?」
ア「正月から大胆ね」
ハ「初詣だろ」
タ「正月から絶好調ですね」
流れからわかるかもしれないが、生徒会のメンバーで初詣に行くことになっております。なんでも、毎年の恒例行事らしい。
俺たちは神社に向かって歩いていた。
シ「そういえば、もう年賀状が届いていたぞ」
タ「へぇ、速いですね」
ハ「郵便局がそういう風に届けているんだろう?」
わからないけど。
シ「アリア、豪華な年賀状ありがとう」
ア「いえいえ」
七条先輩の年賀状って、どんな奴なんだろう。
ア「ハルカ君の家にも届けているよ」
…もしかして顔に出ていた?
ア「なんかどんなものだろうって顔してたから」
本当に出ていたようだ。
シ「萩村、かわいい年賀状ありがとう」
ハ「いえ、お構いなく」
…萩村の年賀状って、もしかしてくまさんとかの絵柄が入ったものとか?
ス「なんか失礼なこと考えてないか?」
ハ「い、いえ、気のせいです」
本当に顔に出ているようだ。
シ「津田。その…積極的だったな」
タ「はっ?」
どんな年賀状だったんだ?
シ「『新年明け○○こにお年玉』ってメールが来てな」
ハ「それスパムだろ」
タ「スパムと俺の年賀状を一緒にしないでください!」
新年早々、あまりいい目に合わないタカトシ。
シ「御堂のは普通だったな」
ハ「いろいろ考えたんですけどね」
結局、普段通りの書き方になってしまった。
ア「そうなんだ。じゃあ、この『初詣が終わったら○○○しましょう』というメールは…?」
ハ「それはスパムです!!」
この人もかよ!!
ハ「それにしても七条先輩の晴れ着って似合ってますね」
晴れ着を着た人なんて、身近じゃいなかったけど。
ア「ありがとう。でも、着付けが大変でね」
タ「へぇ」
ア「出島さんも、着付けは心得ていなかったらしくて」
ハ「そうなんですか」
ア「脱がすのは得意らしいんだけど」
ハ「それは危機でしたね」
あの人も新年早々絶好調のようだ。
なんだかんだで目的地の神社に着いた。
ハ「人いっぱいいるなぁ」
ア「スズちゃんは、手をつないでいた方がいいかもね」
ス「子供扱いしないでください」
シ「でも、はぐれると面倒だぞ」
タ「どうしようか?」
何しろ萩村の身長じゃあ、見つけるのは絶望的だからなぁ…。
ス「あ、そうだ。津田」
タ「ん、何?」
そして萩村の案とは…。
ス「これなら問題ないわね」
それは、萩村の髪をタカトシが持つというものだった。長い髪をツインテールにしている萩村だからできるのかもしれないが、しかし…。
ア「お散歩プレイみたいだね」
シ「萩村はメ○犬か」
ハ「神社でそんな会話しないでくれません?…ほかでもやめてほしいですが」
だが先輩たちの言うとおり、少し犯罪臭がしないでもないぞ、この姿。周りも変な目で見ているし。
…まぁ本人がいいならいいだろう。
ハ「タカトシ。会長たちはどこだ?」
タ「あれ?はぐれたかなぁ」
ス「まったくどんくさいわねぇ」
…まぁ萩村に聞くのはよそう。別に見えなさそうとか、そういうわけではないぞ…。
ドン
タ「あ、すいません」
「あ、いえ、こちらこ…」
相手がいきなり絶句してしまった。
ハ「あれ、五十嵐先輩?」
なんとタカトシがぶつかった相手は五十嵐先輩だった。みるとムンクの叫びのような顔をしている。
カ「あ、明けましておめでとう。きょ、今日は寒いわねぇ」
ハ「やせ我慢しなくていいですよ」
ス「明らかに寒さとちがう震え方ですし」
男性恐怖症は共学化から1年近くたつ今になっても治らなかったようだ。
カ「あ、あなたたちは、どど、どうしてここに?」
ハ「萩村、お前が相手して」
タ「そうだね」
ス「しょうがないわねぇ」
下手すれば会話が進まない。
ス「実は、会長たちと来たんですけど、はぐれちゃったんですよね」
カ「そうなんですか」
シ「おーい」
どうやら会長たちが俺たちを見つけたようだ。
シ「む、五十嵐じゃないか」
カ「あら会長と副会長。あけましておめでとうございます」
俺たちの時とは打って変わって普通にあいさつをする五十嵐先輩。…しかしなんだ、この不公平感はなんだろう。
シ「五十嵐、ずいぶん汗をかいているようだが…」
カ「あ、これは…」
おそらくタカトシとぶつかった後の冷や汗とかだろう。
シ「人ごみにやられたのか?」
ア「シノちゃん、ちがうよ」
シ「そうなのか?」
七条先輩は気が付いたようだ。
ア「五十嵐さんは、津田君たちとピ○○ン運動をしていたんだよ」
シ「なるほど!!新年早々大胆だな。まてよ、てことは萩村も参加したのか!?」
ハ「あんたらいい加減黙ってろ!!!」
ちなみにこの会話を聞いて、五十嵐先輩は気絶してしまったので、社務所に運ばれていった。
長い列の先にある箱にお金を投げ込み、今年最初のお願いをする。
シ「みんなは何をお願いしたんだ」
ハ「…男らしく見られますように」
4人「「「「無理だな(ね)」」」」
ハ「全員で突っ込まないでください!!!」
どーせ今までそうお願いして何にもならなかったよ!!
ハ「そういえば萩村は?」
ス「…聞きたい?」
ハ「…いや、いい。想像つくし」
シ「まぁ、津田の場合は脱童貞だろうな。津田の場合は選び放題だし」
ア「まぁ…」
タ「あの、本人無視して話を進めないでくれませんか!?」
タカトシは去年と相変わらずの扱いのようだ。
ア「初夢ってあるわよね」
タ「えーっと、一富士二鷹三茄でしたっけ?それをみると縁起がいいとか」
ス「ほかにも、四扇五煙草六座頭というのもあるわよ」
ハ「へぇー…」
シ「そうなのか。しかしあれだ。何を見たか思い出せない」
ア「まぁ…」
タ「よくありますよね」
確かに、夢って見たことを憶えていても何を見たか覚えていないということはよくある。
すると会長は突然、手を股のところに持って行った。
シ「ここまでは出ているんだが…」
ハ「それはどこから出る予定ですか?」
というより、何が出てくるんだ!?
シ「あ、そうだ。みんな、2月に新行事が行われる予定だからな。心してかかれよ」
「「「「はーい」」」」
こうして、俺たちは解散した。
新年早々から騒がしいメンバーだけど、今年も楽しくできるかもしれない…。
タ「あれ、オチは?」
ハ「作者が思いつかなかったらしい」
コ「長い間空けてこれじゃあがっかりだよねぇ」
というわけで、今回は特に何もなく終わってしまいました。次回以降はちゃんとしたのを投稿したいです。