会長たちが修学旅行に旅立っていった。その間、俺たち1年生が生徒会を運営していかなければいけない。
ケ「お前らも大変だな。先輩たちがいなくなって」
ケンジが笑いながらねぎらいの言葉をかける。
タ「笑い事じゃないよ」
まぁその分自分への負担が増えるわけだしな。
ハ「そういえば、先輩方は今頃京都駅かな」
そのころ
シ「やはり、大人の遊びは外せないな」
ア「よいではないか~って言うやつね」
シ「私としてはやってみたいが、もちろん、回される方な。ただ目が回りそうだ」
ア「私は、一枚一枚脱いでいくほうを やってみたいわ」
シ「おぉ、おれもあったか!」
ラ「…ツッコミ役の津田君と御堂君がいないと、どうも盛り上がりがかけるわね。まぁ萌えるけど」
ハ(やっぱり今頃は色ボケのエンドレスかな)
その考えは、はずれではない。
その日の放課後、タカトシとともに生徒会室に向かうと、萩村が苦戦していた。
ハ「何やっているんだ?」
ス「鍵が違うのよ。七条先輩から預かっているんだけど」
タ「え、貸して」
タカトシが挑戦するが、あかない。というより。
ハ「鍵穴が合わないな。これ」
タ「何の鍵?」
ハ「さぁ」
そのころ
旅館に着いた桜才学園の2年生は、思い思いにくつろいでいた。
ア「シノちゃん、私の鍵知らない?」
シ「何の鍵だ?」
ア「貞操帯。探しても見つからなくて。代わりに生徒会室の鍵が出てきたの」
ス「仕方がないわね。今日は各自の家で仕事ね」
タ「そうだな」
ハ「言っておくが、さぼるなよ、タカトシ」
タ「ハハ。アハハハ…」
ス「…明日私が全部チェックするわ」
ということで、各自の家で仕事を片づけることになった生徒会。だが、翌日…。
タカトシはうなだれていた。目の前には、大量の紙の束と、般若の顔の萩村。
ス「全然終わってないじゃない!というかやってすらないじゃない!!」
そう、タカトシはほとんど真っ白な紙を持ってきたのだ。ちなみに萩村はケンジの椅子に座ることでなんとか顔が隠れずに済んでいる。
ハ「仕方がない。今日は教室でやるか?」
ス「私の家に来なさいよ。家なら生徒会の資料もそろっているし、3人でやれば早く片付くでしょう」
タ「ごめんなさい…」
というわけで、萩村の家でやることになったのだ。
ハ「つーか、なんでできなかったんだ? もしかして、コトミにいろいろやらされたか?」
タ「そうなんだよ。実は…」
聞いた話だと、妹のコトミに頼まれて、夕飯の支度や風呂掃除、部屋の片づけをやっていたという。
ス「何やっているのよ。まぁいいわ。次はこんなことにならないようにね」
タ「…はい」
ス「あ、コンビニでレポート用紙買ってくるわ」
ハ「あぁ、わかった」
そしてしばらく待っていたのだが。
「Excuse Me?」
いきなり英語で話しかけられ、びっくりしていると、外国人の男の人がこちらに話しかけていた。
「~~~~~~~~~station~~~」
タ「えっと、わかる、ハルカ」
ハ「さっぱり」
ステーションだけはわかった。
ス「何やっているのよ」
コンビニからでてきた萩村が、俺たちを呆れた目で見上げていた。
ハ「あ、萩村。この人、駅がどうとか言ってるんだけど、こたえられる?」
ス「…はぁ。Mr」
このあと、萩村が英語でその人に対応することによって、なんとか事態は収束した。ただし。
「Thank you little girl」
この言葉に、萩村が激情した。気持ちはよくわかるが、少し落ち着け。あと「F--k you」
はないだろう。(一部自主規制させていただきました)
ス「ただいまぁ」
萩村の家に着いた。思っていたより大きい家だった。もしかして意外とお金持ちなのかもしれない。
「お帰りなさい」
奥から女の人が出てきた。萩村のお母さんだろう。
タ「お邪魔します」
ハ「お邪魔しまーす」
ス母「あら、娘がいつもお世話になっています。そちらは…もしかして二股?」
ス「どっちもタメだよ!!」
タカトシを見て挨拶した後、ちらっと俺を見てタカトシに再び向き直る萩村母。…俺が女扱いされたことは気のせいだと思いたい。
それにしても萩村、そこまでムキになるなよ。
ちなみに俺に対する誤解は後程解かれました。
ス「着替えてくるからちょっとまってて」
リビングでお茶をごちそうになっている間に、萩村が着替えに行く。その間、周りを見るタカトシ。
タ「お、柱で身長測っているのか。結構容姿相応なことしているんだなぁ。ねぇ、ハルカ」
ハ「それより一番上の傷を見たら?」
タ「一番上?」
一番上の方の傷には、目標という文字が彫られていた。ちなみに高さは俺たちと同じくらい。
タ「…泣けるな」
ハ「…うん」
その後、着替えから戻ってきた萩村に案内されて、萩村の部屋に通された。
現在俺たちは書類を片づけている。手元の紙にサインをしたり、はんこを押すのがほとんどで、たまに文章を書いたり、計算をしたりという具合である。
結構簡単に見えるが、字が雑だとだめなので結構気を使って書くし、おまけに昨日タカトシがやらなかった分のみならず、今日追加された分もやっているのだ。
しかしさきほどからタカトシが萩村のほうを見ているのがわかる。
ス「何よ、さっきからじろじろと見て」
萩村も気が付いたようである。
タ「いや、私服姿の萩村って、新鮮だなぁって」
まぁ確かに学校でしか会わないから私服姿は雰囲気が違って見える。
ス「そうね。普段は学校で会うから、制服じゃないとそう思うかもしれないわね。ちなみにこの服は、ただの服じゃないわよ」
ハ「ブランドものか?」
ス「すべてオーダーメイド」
タ・ハ「「…え?」」
ス「断じて子供服じゃないわ」
…とりあえず書類を片づけよう。
俺たちは黙々と作業を進める。サインをしたり、はんこを押したり、文章を書いたり、計算をしたりと。そう、黙々と作業を―
ハ・タ・ス(((ボケる人がいないと、なんか調子狂う)))
そのころ、そのボケる人は…
シ「明日は奈良か」
バスの中で、シノがしおりを見ながらわくわくした声を出す。その隣で、アリアがバナナを取り出していた。
シ「ア、アリア!!」
ア「え? あ、シノちゃんもどうぞ」
シ「いや、そういうわけではなく!」
ア「え?」
シ「バナナはおかず(・・・)に入らないぞ!」
…………
シ「間違えた!! おやつに入らないぞ」
…………
ラ「やっぱりツッコミ役がいないと、いまいち面白くないわねぇ」
「なんで別のクラスの人がここにいるの!?」
書類を書き進める俺たち。
ス「あ、これあのファイルがいるわね」
そういって立ち上がる萩村。棚にはたくさんのファイルが並べてある。
萩村はキャスター付きの回転いすを持ってくると、それを台にしてファイルを撮ろうとする。だが…
ス「うーん…」
ちょっと届かないようだ。
タ「萩村…」
ス「余計な手出しは無用!!」
タ「そうじゃなくて、一回降りなよ。椅子の高さ合わせるから。俺が変わりに取るなんて野暮なことはしないけど、これくらいならいいだろう」
ス「…うん」
少し顔を赤く染める萩村。
ス「あ、あり―」
その時、椅子が倒れた。ちょっとバランスを崩したのだ。そして―
ス母「二人とも、何か食べたいもの…」
タイミング悪く、萩村母が入ってきた。
今の状況。タカトシが俺の上に倒れる。その上に萩村が、押し倒しているような形でタカトシの上に馬乗りになっていた。
ス母「もう満腹かーっ!!」
…あぁ、そうきたか。うん、そういうツッコミできたか。でも、一つだけ言わせてもらいたい。
ハ・タ・ス「「「もっと突っ込むべき反応があるだろ―――――!!!!!」」」
この叫びが、萩村家に広がった。なんだかいつもより疲れたような気もする。