先輩たちが修学旅行から帰ってきた。これで生徒会のメンバーは全員そろったことになる。
放課後、先輩たちに呼び出されて、生徒会室にいた。
シ「これは萩村へのお土産だ」
ス「ありがとうございます」
何かと思ったら修学旅行のお土産を渡すためだったそうだ。
シ「それで、その、津田へのお土産なのだが、異性に何かを渡すというのがはじめてなものだから、君の好みに合うかどうか…」
タ「別に気を使わなくてもいいですよ。心がこもっていればなんでもいいですよ」
シ「そうか。ではこの『舞妓の白粉は白○液』という小説をやろう」
タ「悪意がこもってますね」
…これだと、俺のお土産もかなり不安になってくる。
シ「それで御堂のものなのだが」
来た。俺は少し構える。
シ「君はその見た目が女子だと思われる原因だ。だから―」
そういって、会長はあるものをとりだした。
シ「明日からこれをもって学校に来なさい。そうすれば少しは男らしく見られるだろう」
取り出したのは、模造刀である。
シ「これを腰にぶら下げれば、女に見られないさ!」
ハ「…いや、気持ちはありがたいですが、持ち歩くのはどうかと思います」
そもそも模造刀を持って学校にいく勇気がない。というより、下手すれば毎日職質されそうだ。
ア「ところで、私たちがいない間、何もなかった?」
…あったな。萩村家での事件が。
ス「べ、別に、何も」
大丈夫だったと言いたいのだろうが、頬を染めている時点でアウトだ。
ア「!! 津田君、私たちがいない間にスズちゃんと何があったの!?」
タ「え? まぁ萩村の家に行きましたけど」
ア「な、ナニをしたの!? は、まさか、御堂君と3○!?」
タ「は?」
何を言ってるんだ、この人は?
シ「ちなみに何があったんだ?」
会長も興味津々といった感じにたずねてくる。
ハ「別に、萩村の家で生徒会の仕事をしただけですよ」
シ「そういえば、生徒会室の鍵はアリアが持って行っちゃったんだっけか」
…どうやら誤魔化せたようだ。
ラ「突然ですが新聞部の畑です。記事用の写真が余ったので献上にきました」
畑さんがいきなり乱入してきた。本当に突然だな。
ア「見せて、見せて」
ハ「俺もー」
結構いろんな写真があった。部屋で同級生と写っている写真、金閣寺をバックに写っている写真、鹿と一緒に写っている写真など。どれも会長が笑って―
タ「会長はどこにいるんです?」
シ「ここだ」
タ「どこ?」
シ「ここ」
…もしかして本当にわからないのか? 確かにどれも普段見せいない表情だが。
タ「あれ、会長が寝ている」
それは、会長が浴衣で布団に入っている写真だった。おそらく旅館だろう。
シ「こら、人の寝姿を勝手に見るな!」
ラ「そうよ。それは有料よ」
…それ、金を払えば見せるのかよ。
シ「しかし、清水寺に行けなかったのは残念だったな」
ア「シノちゃん、高いところ苦手だからね」
ス「そんなにダメなんですか?」
シ「うむ。高いところに来ると、まるで絶頂しているみたいに、体の力が抜け、震えが止まらなくなってしまうのだ!」
タ「全然ピンとこない」
というかなぜたとえがそれ。
タカトシside
シ「萩村、生八つ橋どうだった?」
ス「おいしかったですよ」
ナ「お土産の木刀? よかったわよ。プレイの幅が広がったし」
シ「どんなプレイですか?」
タ(俺も感想求められるのだろうか?)
タカトシside out
シノside
シ「アリア、津田を呼んでくれ」
次の会議について、副会長の津田から意見を求めるために呼び出した。
ガチャ
シ「ああ、津田。実は聞きたいことが―」
タ「お土産の本ですか? よかったですよ。とくに○○が○○を○○するところが」
シ「いきなりなんだ、セクハラか!? 次の会議の話をしようとしたのに!!」
タ「ちくしょうめっ!!」
とはいえ、少しうれしかった。あのお土産、読んでくれたのだな。律儀な奴だ。こういうところが、こいつのいいところだ。
シノside out
ハ「アッハハハハハハハ。何、お前あれ読んだの!? アッハハハハハハハハ!!」
タ「笑うなよ。あれはかなり恥ずかしかったんだから」
俺はタカトシが会長からお土産の感想を求められていると思って言ったら次の会議の話だったという話を聞いていた。さすがに笑ってしまった。
ハ「でもお前、よくあれ読もうと思ったよな。ブッ、ハハハハハハ」
階段を下りていると、七条先輩がいた。なぜかぼーっとしている。
ハ「…先輩、何呆けているんですか?」
ア「…そうか。学校はエスカレータじゃなかったね」
…天然だ。それとも金持ちゆえか?
現在会長とタカトシとで廊下を進んでいる。ちなみに俺もタカトシも着崩していた。
タ「暑い…」
ハ「あちー」
シ「こら、二人とも。だらしがないぞ」
ハ「そういう会長は暑くないんですか?」
シ「暑いは暑いが、私は校則に反するような着崩しはしないんだ。だから見えないところで着崩している。ちょっとスースーする」
ハ「…暑すぎてボケてません?」
なんだか、頭から湯気が上がっているように見える。
生徒会室
生徒会室には俺とタカトシと萩村しかいない。タカトシと萩村が会話している横でぼーっとこの二人を見ている。ちなみに萩村はさっきから牛乳を飲んでいる。
シ「うわぁ!!」
外から入ってきた会長が、二人を見て驚きの声を上げる。
シ「なんだ、驚かすな…」
ハ・タ・ス「「「?」」」
また会話を始める二人。なんだか会長は生温かい目で見ている。
ア「きゃっ!!」
こんどは七条先輩が驚いていた。
このとき、俺は知らなかったが、萩村の頭の位置がタカトシの股のあたりにあるように見えたらしい。なので、タカトシの○○○を吸っているように見えたそうだ。
ア「こんな昼間から○○○○○なんて!!」
シ「いや、きっと○○○○○なんだろう!!」
…知らなければよかった。
シ「しかし萩村は牛乳が好きだな」
ス「…えぇ、まぁ」
シ「牛乳は成長を促すから、いいことだ」
すると萩村は視線をやや下げる。
ス「会長は牛乳嫌いですか?」
シ「よくも視線を下にしてくれたな」
昼休み
シ「ん? ない…」
あれ~とか言いながらなにかを探す会長。清掃用具入れや。
シ「ないな」
ア「きゃー!!」
七条先輩の胸のあたりを触って探す会長。
ハ「興味ないですが、何を探しているんですか?」
シ「購買でかったメロンパンがないんだ。君たち知らないか?」
ハ「さぁ?」
タ「知りません」
ス「見てないです」
ア「こんなところに隠さないよ」
シ「うむ。確か当時、ここには鍵がかかっていた。つまり、内部の者による犯行。すなわち―」
シ「横島先生。私のメロンパン返してください」
ナ「真っ先にこっちきた」
信用ないな。
ナ「まぁ私なんだけどさ」
本当にかよ。
シ「何生徒のものを勝手にとっているんですか」
ナ「いや、辛い物食べると、甘いもの食べたくなるじゃない!?」
ハ「何か、辛い物食べたんですか?」
ナ「いや、私の場合は苦いものなんだけど」
ちょ―
シ「まぁこれからは気を付けてくださいね」
タ「一生気を付けないと思う」
ハ「それ以上に大事なこと見逃していない!?」
まぁ事件解決してよかった。とりあえず、会長は横島先生からお詫びと弁償を兼ねてお金をもらい、新しいメロンパンを買いに行った。
タ「それにしても、よく一発で犯人わかりましたね」
シ「君たちが知らないというのであれば、それは真実なんだろう。私は、君たちは嘘をつかないと信じている」
タ「会長…」
ア「シノちゃん…」
ハ「さすが生徒会長…」
ス「…一応言っておきますが、年齢偽っていませんよ」
…どうやらいまだ萩村に関しては半信半疑だったようだ。まぁそれは俺もだが(いまだに飛び級してきたんじゃないかと思っている)。
そんな萩村にはとてもすごいと思う能力がある。
それはいつか前の会議のこと。
タ「萩村、寝てますね」
シ「疲れているのだろう。休ませてやれ」
そして会議終了後。
シ「では、本日の会議は終了」
ス「では部費の予算の割り当ては私がしておきます」
いきなりガバッと起き上ってはっきりそう言った。
ハ「睡眠聴取!?」
タ「さすが天才!!」
これには本当に驚いた。
今日も、天草シノ会長に相談に来た人がいた。
タ「おれ、無事にここ卒業できるか、不安になってきました」
それは今日返された成績をみて思ったのだろう。まぁタカトシの成績はそれほどいいわけでもないしな。
シ「そうか。だが焦ってはいけないぞ。ここは女子が多いが、最終的にはお互いの気持ちだからな。校則のこともあるし」
タ(相談する相手間違えたー)
相談する相手は、しっかり考えて選びましょう。
次の人が入ってきた。
ム「こんにちは」
ハ「あれ、三葉?」
入ってきたのは同じクラスの三葉ムツミだった。
ム「うん、実は、会長に相談があって」
シ「どんな相談だ?」
ム「先日、同好会に2年の先輩が入ってきて、ようやく部に昇格したのですが、やっぱり、部長の座を譲るべきでしょうか?」
シ「そんなことはないぞ。年功序列に縛られず、経験は君が多いのだから君が引っ張ってもいいだろう。未経験のチェリーが、百戦錬磨のお姉さんを相手にしても様にならないしな」
…何言っているんだ、この人。
ム(なんだかよくわからないけど、会長だからすごいこと言っているんだろうな~)
その尊敬するような眼は、今の言葉の意味を知ってか知らないでか(せめて後者であると信じたい)。
ハ「おや?」
廊下を歩いていると、会長と七条先輩が話しているのが見えた。
ア「さっき枝毛見つけちゃって。ショックだよ」
シ「キューティクルが痛んでるのかもな」
ハ「人間の紙は10万本以上あるんだし、一本ぐらいいいんじゃないんですか?」
ア「もう、御堂君。女の子のプライベートな話に割り込んじゃだめだよ」
ハ「そういうもんですかね」
ア「そうだよ。だって今○○の話をしているんだから」
ハ「ほんとすいません」
その後、職員室に用があると言う会長と別れ、七条先輩と生徒会室へと向かった。
タ「あち~」
中には、タカトシが上着を脱いで、ネクタイを緩ませ、下敷きをうちわにしてあおいでいた。
ア「津田君、だらしない格好をしていると、シノちゃんにまた怒られるぞ」
タ「でも最近クールビズとかあるし、無理して熱中症になったら元も子もないですよ」
ア「そっかー」
タカトシは勝ったって顔をしている。だが、次の言葉は予想外であった。
ア「じゃあ私も」
ハ「え?」
そういって、ブレザー?を脱ぎ、タイをほどき、ブラウスのボタンを第2まではずす七条先輩。
ア「なんかいかがわしい感じになっちゃったよー!」
タ「えー!?」
いや、まぁ確かに。いろんな意味で色っぽくなった。ただその言い方は誤解を受けそう。あ、タイが床に落ちた。
ア「うわ~ん」
泣きながら生徒会室を出る七条先輩。って、普段の言動はどうなんだと言いたい。でもそれ以上に、この状況を誰かに見つかったら―
シ「あ…」
タイミング悪く会長が入ってきた。
俺は何ともないが、タカトシは七条先輩のタイを持っている状況だ。心なしかすごく引いているようにも見える。
さて、どうやって誤解を解こうか。