お正月企画三題噺シリーズ   作:ルシエド

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お題:『陰謀』『台所』『酉』
原作:マテリアル・パズル、MMR マガジンミステリー調査班

 クードラドールとは? デュデュマとは? 世界滅亡の謎にMMRが迫る!


第一回:MMR マガジンミステリー調査班 世界滅亡の謎に挑め!

 その日、ミカゼは台所で見慣れたものと見慣れないものを見た。

 

「人類は滅亡する!」

 

「み、ミカゼさーん! 助けてください!」

 

「へ、変なオッサンにリュシカが囲まれてる!?」

 

 練り練りと練られていたパンの生地。半泣きのリュシカ。そしてその周囲で顔に凄みを浮かべる変なオッサン達。明らかに世界がギャグ時空に寄っていた。

 よく見るとミカゼの視界の隅っこにねこが居る。明らかにギャグ時空だ。

 このオッサン達はどこから来てどこへ行くのか。それは誰にも分からない。ミカゼにも分からない。

 

「あ、あんたら誰だよ!?」

 

「俺はキバヤシ」「俺はナワヤ」「イケダです」「トマルです」「ノストラダムスと申します」

 

「俺達はマガジンミステリー調査班(MAGAZINE MYSTERY REPORTAGE)、通称MMRだ」

 

「MMR……WWF(ホワイトホワイトフレア)BBJ(ブラックブラックジャベリンズ)の親戚さんでしょうか」

「リュシカ、お前アクアに後でぶっ飛ばされんぞ」

 

 オッサン達が名乗ったのでミカゼとリュシカも自己紹介。

 だがオッサン達は、会話を恐ろしいほどに速いテンポで進め、決まりきった結論に至るまでの理屈立てを予定調和のように組み上げていった。

 

「ミカゼ、リュシカ、この世界は滅亡する!」

 

「「な、なんだってー!?」」

 

「ノストラダムスの予言にはこうあるんだ」

 

 1999年、7か月、空から恐怖の大王が来るだろう。

 アンゴルモアの大王を蘇らせ、マルスの前後に首尾よく支配するために。

 

「この恐怖の大王とは、かつての女神と大魔王の戦いの前のことを指している!」

 

「かつての女神と大魔王の戦いの前……!?」

 

「そう、空から来た大魔王とは……大魔王デュデュマを生み出したロボット、虹!

 グランドゼロを初めとする、空から降り立つロボットたちのことだったんだよ!」

 

「「「 な、なんだってー!? 」」」

 

「ロボットだってよリュシカ!」

「昔の人は凄かったんですねえ」

 

 そう。恐怖の大王とアンゴルモアの大王は別のものだったのだ。

 

「マルスとは軍神。戦士達を率いるものだ。

 つまりこれは女神が率いる女神の三十指のオリジナル……

 女神の三十士を率いる女神、ミト・ジュエリアのことを指している!」

 

「マルスだってよリュシカ」

「そういえば女神様のお腹はまるまるでしたね」

 

「つまりこの予言とは、女神と三十士!

 そして空から来た恐怖の大王、虹とグランドゼロというロボット達!

 それに呼び覚まされ暴走させられた大地の守護神デュデュマ!

 これらによる世界の命運を決定してしまうような大戦争のことを指していたんだよ!」

 

「「「 な、なんだってー!? 」」」

 

 なんということか。ノストラダムスの予言はここで的中していたのだ。どこぞの世界で当たらなかったら、別の世界で予言を当てる。それがノストラダムス流……

 

「そして、こういった予言もある」

 

 五月に非常に強い地震。

 土星、磨羯宮、木星、水星、金牛宮に、

 金星も同じく、巨蟹宮、火星、ノネーでは、

 その時に卵より大きな雹が降るだろう。

 

「ここにどんな謎が隠されてるってんだキバヤシ!」

 

「アナグラムだよ」

 

「「「 アナグラム……!? 」」」

 

「リュシカ、飯まだ?」

「あ、すみませんミカゼさん、今パン焼きますからね」

 

「この『非常に強い地震』は大地の異変。

 そして極めて大きな大地の動きと、大地に由来する大破壊を指すんだ!」

 

「そ、そうだったのか……!」

 

「そしてその下に並ぶものは、並び替えることでそこに至るまでの過程を意味するんだよ!」

 

「「「 な、なんだってー!? 」」」

 

「木星、すなわち木のように大地に生える星のたまご!

 水星はアビャクの水魔法、ブルーリングス!

 土星はメルチナの土魔法、メテオン!

 火星は言うまでもなく星のたまごより発せられる火の象徴、ホワイトフレア!

 そして雹とはリゼルの氷魔法アイスランランス! そしてジャンクーアのエッグに繋がる!」

 

「な、なんてことだ……! 全てが繋がる……!」

 

 ノストラダムスが、キバヤシの超推理に驚愕していた。

 

「待てよキバヤシ。お前の推理には穴がある。説明してないワードがあるぜ」

 

 そこに、いつもの流れでナワヤがケチをつける。

 

「分かってるさ。だがそれも、この推理に繋がるんだ」

 

「……なんだって?」

 

「俺は気付いたんだ。何故、この予言には『金』というワードが二回出てくるんだ?」

 

「言われてみれば……しかも、言い回しが少し違う」

 

「金とは金属の意。転じて金属による武器を指す。

 つまりこれは……コルクマリーによる『剣』の略奪を意味しているんだよ!」

 

「「「 な、なんだってー!? 」」」

 

 なんということか。何度我々の前に立ちはだかるのか、ノストラダムス!

 

「金星と金牛宮は同一視できる。

 しかも金牛宮は磨羯宮とセットで、地のサインに分類されるんだ」

 

「地のサイン……大地の力……そうか!

 コルクマリーの魔法も、大地から引き出された大昔の魔法だ!」

 

「気付いたようだな、ナワヤ。

 そして残るはノネー、すなわち頭語を省略された都市アノネーと……巨蟹宮」

 

「そこまで言われれば分かりますよ、キバヤシさん」

 

「どういうことだノストラダムス!」

「僕らにはさっぱり分かりません!」

「ここから何か世界の破滅に繋がる答えが出せるっていうのか!?」

 

「ええ。ゼロクロイツ14話にて甘酸っぱい展開で

 『あのね、私は――』という台詞があります。

 これが運命を決めた言いかけの言葉の一つである、とさえ言われる名シーンの一つです」

 

「あのね……アノネー……そうか! そうだったのか!」

 

「そして巨蟹宮。これは先程話した金牛宮は磨羯宮の逆、天のサインです。

 磨羯宮の逆に位置します。つまり先程の話からすれば、大地の魔法の対極です。

 そして図形にした場合、そのサインは二つの飛び合い喰らい合う球となる、つまり―――」

 

「―――空から来て飛び合い喰らい合うもの。虹と、グランドゼロ……」

 

 なんということか。

 

 全ては、繋がってしまった。

 

「なんとかならないのかキバヤシ!」

 

「ダメだ。

 コルクマリー、女神、クードラドール、デュデュマ……

 世界が滅びる要素は全て揃ってしまっている。

 もう何をしようがどうにもならない。

 クードラドールとデュデュマの戦いによって、この世界は完全に滅びるだろう」

 

 キバヤシが顔を覆って、俯いた。

 

「俺達は、何もかもが遅すぎたんだ……」

 

 結論が出たので、オッサン達は帰って行った。

 

 後に残されたミカゼとリュシカかが、まったりとした顔でパンを食む。

 

「世界、滅びるんだってさ」

 

「なんとなく、そういう雰囲気はありましたよね」

 

「絶対止めてやろうな、そんなこと」

 

「ええ、絶対に!」

 

 MMRが出ていったドアから、その時一人の人物が入って来る。

 

「おかえり、―――」

「おかえりなさい、―――さん」

 

 迎えられたその『一人』は、『三人分』の返答として、『三人のどれか』の顔で笑った。

 

 

 




『陰謀』→MMR
『台所』→リュシカパン作成
『酉』→トリ→エンゼルフェザー
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