カンピオーネ!---譲られた神殺しの力---   作:auslese

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かなーーーーりマイナーな人(?)が登場。

後半はフィンランドで昔言われていたネタで書きました。

6/3 修正


04話 神と料理・・・修正

 

 

 

 

 

 

 「・・・・・・オーディン?」

 

 「ええ、北欧神話の主神にして戦争と死の神。詩文の神でもあり吟遊詩人のパトロンで、魔術に長け知識に対し非常に貪欲な神で、自らの目や命を代償に差し出すこともある。本来は風神、嵐の神(天候神)としての神格を持っていたといわれるわ。知恵と計略に長けることからローマ神話のメルクリウスと同一視された神よ」

 

 僕はティナの眼が青く光ってるのに気付いた。

 

 「ほぉ、霊視により託宣が降りたが、そこまで読み取ったか。なかなかの逸材よの」

 

 へぇ、霊視って言うんだ。それに神様に誉められたって事はティナは凄いんだ。

 

 「神よ、お伺いいたします。何ゆえこの地へ我らを誘われたのでしょうか」

 

 ティナが畏まった口調でオーディンさんに問いかけた。

 

 「答えよう娘よ。この地にて隠棲しているが我が鴉が現世(うつしよ)に面白き術者が現われたのに気付き気まぐれに招いてみたのよ」

 

 「えーと、僕のこと? じゃぁ、ティナは巻き込まれただけなの?」

 

 「然り。しかし、先程の霊視といい興味が湧いたわ」

 

 オーディンさんは笑いながら鷹揚に答えてくれた。

 

 「えっと、みんなが心配するから元の場所に帰れしてください?」 

 

 「まぁ、焦るでない。話が終われば元の場所に還してやろう。まずはお前たちのことを教えて貰おうかの」

 

 僕が招かれたんだから僕から答えた。

 

 「うん、僕の名前は丸田 晃徳。8歳です」 

 

 「名前の感じからして極東の出身か?」

 

 「きょくとう?って言うのは分からないけど、日本から来たよ」 

 

 「うむ、幼いと思っていたがまだ十にも満たなかったか。そっちの娘子」

 

 「はい、神よ。わたしの名前はユスティーナ・レア・サーラスティと申します。親しきものはティナと呼びます。齢は八つ。この地の現世に居を構えるものでございます」

 

 うわー、なんだかすごい挨拶・・・・・・と言うかティナ、ガチガチに緊張してるよ。 

 

 「ほぉ! その年にしては立派な挨拶よ」

 

 「ありがたき幸せ」

 

 「では、話をしようかの」

 

 僕とティナはオーディンさんの問いかけるままに質問に答えていった。

 

 

 

 

 

 

 そして、僕の日本での話になるとティナが泣きそうな顔になっていた。

 

 「ふむ、ではお主は娘子の親の手引きによりこの地に訪れたのだな」

 

 「うん、エルおじさん。あ、ティナのお父さんのことだけど、日本に居ると危ないからってエルおじさんのとこに来たの」

 

 日本でのことを話し終わるとオーディンさんは顔をしかめ、ティナは僕の腕に抱きついていた。

 

 「う・・・ぐす・・・晃徳・・・・・・」

 

 いや、ティナ確かに僕も悲しいけどティナがそんなに泣かなくても・・・。悲しんでくれるのはうれしいけど、それだけじゃないんだ。僕は恥ずかしいけどティナを思いっきり抱きしめた。

 

 「僕も悲しいけどお父さんたちが残した絆が、ティナに会わせてくれたんだよ。悲しんでいるばかりじゃお父さんに怒られるから」

 

 「晃徳・・・・・・」

 

 たぶん、僕の顔は真っ赤だ。ティナの顔も真っ赤だし。

 

 「ふぉふぉふぉ、いやー、暑いのぉ・・・」

 

 オーディンさんの肩に留まっている鴉がオーディンさんを翼で扇いでいた。

 

 「「------!?」」

 

 「いやいや、いいものを見せてもらった」

 

 ニヤニヤしてるオーディンさんが憎い。こうして見ると神と言うよりは世間話が好きな好々爺に見えてきた。ティナを見ると同じ事を思ったのか何とも言えない表情でオーディンさんを見ていた。

 

 「まぁ、そう怒るな代価に何か願いを叶えてやろう」

 

 「願い?」

 

 願いって言っても特にないし、自分のことを話しただけだし・・・。あ、そうだ。今、問題になっていることをお願いしよう。

 

 「うむ」

 

 「じゃぁ、言葉を教えてください」

 

 「言葉じゃと?」

 

 「うん! 僕、この国の言葉知らないから教えて欲しいです」

 

 あ、あれ? オーディンさんが固まってる・・・

 

 「ティナ・・・僕、変なこと言った?」

 

 「えーっと・・・神々が人に対して代価与えると言えば普通は財貨とかって意味じゃないの」

 

 「それこそ可笑しいでしょ、話をしただけで財貨を貰うなんて」

 

 「くっくっく、あはははは、良かろう。ワシの知る言葉をお主に教えてやろうぞ」

 

 オーディンさんは大笑いしながら答えてくれた。肩に乗ったカラスも翼をパタパタして何とも表情豊かなカラスだった。

 

 

 

 

 

 オーディンさんに僕はフィンランド語を、ティナは何故か日本語をオーディンさんに習っていた。

 

 「ふむ、飲み込みは良いの」

 

 「オーディンさん、教えるの上手いからよ。 何か先生みたい」

 

 「先生か、良いな。 ティナもワシのとは先生と呼べ」

 

 「は、はい・・・」

 

 ティナはなんか変な顔してるし、オーディンさんはなんか嬉しそうだ。見た目とっても大きい好々爺がますます印象に残った。

 

 「さて、この辺で一度食事にしようかの」

 

 「あ! パパにここに居るの伝えてない!」

 

 「あ! そうだった! どうしよ!?」

 

 ティナが思い出したように言った一言で僕とティナは焦った。朝、エルおじさんと別れてから連絡を一切取ってないことを思い出した。

 

 「それならワシの鴉に伝言を伝えさせたから大丈夫ぞ」

 

 「あ、ありがとございます」

 

 「それでは食事にしよう」

 

 先生が手を叩くと知らないおじさんがテーブルいっぱいの料理を運んできた。いい匂いがする焼いただけの肉と、分からないトロトロしたスープの中に入ったお肉を、野菜を適当に盛った大皿、果物の盛り合わせだった。

 

 「お肉?」

 

 「これってまさか・・・セーフリームニル?」

 

 「セ、セーフリ・・・、ティナ、セーフリームニルってなに?」

 

 「セーフリームニルって言うのは、北欧神話に出てくるイノシシのことよ。名前の意味は「煤けた海棲動物」で、セーフリームニルの肉はどんなにたくさんの人、例えばエインヘリャルたちがヴァルハラでも食い尽くされることはなく、また毎日料理をしても、夕方にはまた元に戻っているそうよ。その肉はアンドフリームニルという料理人によって、エルドフリームニルという鍋で煮られるのだというわ」

 

 凄い。北欧神話をまったくと言っていいほど知らない僕とは大違いだ。でも、便利なイノシシさんだよね。食べても食べても無くならないお肉って。

 

 「ほぉ、知っておるか博識じゃの」

 

 「では、こちらの神はアンドフリームニル様でしょうか」

 

 「うむ、アンドフリームニル」

 

 「は、ヴァルハラにて食事を作っておりますアンドフリームニルと申します」

 

 なんか神様なのに丁寧な気がする。僕たち子供にも頭を下げてくる神様が居るなんて・・・。

 

 「晃徳よ、顔に出ておるぞ。アンドフリームニルは、神ではなく使徒に分類される存在じゃ」

 

 「使徒?」

 

 「神の使い、もしくは神の召使のことよ」

 

 「お話のところ申し訳ありませんが、料理を切り分けましたのでどうぞお召し上がりください」

 

 「うむ」

 

 「「いただきます」」

 

 僕とティナは手を合わせた。そのことが珍しいのかオーディンさんが首を傾げていた。

 

 「ほう、その掛け声はなんじゃ?」

 

 「えっと、日本の風習でお父さんが言っていたけど、食べ物や料理を作ってくれた人に感謝します、って意味だったと思う」

 

 「よい風習ではないか」

 

 「うん」

 

 

 

 

 (神様のご飯なのにおいしくない・・・)

 

 

 

 

 「晃徳よ、顔をしかめてどうした?」

 

 神様の料理だから期待したのに僕はその期待が裏切られ何とも言えない顔をしていた。

 

 「どうしたの?」

 

 「・・・・・・・・ご飯が」

 

 「「ご飯が?」」

 

 「ご飯がおいしくない・・・・・・」

 

 そう、ここでも美味しくないのだ。僕の中の何かが切れる音を聞いた。

 

 「そんなに不味いかの?」

 

 「いえ、食べれますけど」

 

 「・・・僕が、僕が作る!!」

 

 「「「はぁーーーーーーー!?」」」「カーーーーーーー!?」

 

 こんなおいしいお肉がこんな料理になるなんて許せない!!

 

 周りの叫び声を無視しながらそう決めた。

 

 

 

 

 

 僕は調理場にて愕然としていた。

 

 「調味料がお塩だけ?」

 

 そう、塩しかないのだ。

 

 あとあるのがよく分からない香草だけ・・・。

 

 「これじゃなにも出来ないよ・・・。決めた!?」

 

 僕は先生のところに走っていった。 

 

 「先生!!」

 

 「な、なんじゃ」

 

 アレ? 先生が引きつってる。 ティナも引きつってる。 アンドフリームニルさんも引きつってる。 鴉は首を傾げてる。

 

 「明日もここに来る!!」

 

 「「「はぁーーーーーーー!?」」」

 

 ヴァルハラには不釣合いな叫び声が木霊した。

 

 

 

 

 

 




と言うわけでヴァルハラの料理番アンドフリームニル登場です。

昔のフィンランド料理はかなり不味く、

2005年、当時のフランス大統領ジャック・シラクは、フィンランド料理について「欧州で最悪の料理の1つで、英国料理よりはわずかにおいしいだけ」と酷評したと報じられたし、イタリアの首相シルヴィオ・ベルルスコーニも、フィンランドのスモークトナカイを「パルマ産のハムのほうが比べ物にならないほど美味い」などと語っている。(wikiより)

と言うことで、以降主人公たちが色々やらかします。
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