カンピオーネ!---譲られた神殺しの力---   作:auslese

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前半と後半でメインが変わます。

新しい神の登場です。

北欧神話のトリックスターと言えばあの人でしょう^^

6/4 修正


05話 現実へ・・・修正

 

 

 

 

 

 

 「時間も遅くなったのお。そろそろ現世に送ろうかの」

 

 「あ、ほんとだ」

 

 「わたしも全然気付かなかったわ」

 

 僕とティナは揃って長時間居たことに気付かなかった。

 

 「おお、そうじゃ忘れるところだったわい」

 

 「先生どうしたの?」

 

 「これを渡しておかねばな」

 

 先生は服の中をごそごそ探して来るときに使ったネックレスを取り出した。

 

 「明日来るときは、その首飾りを握りわしに呼びかければここへの門を開いてやろう」

 

 「うん」

 

 「それとティナよ」

 

 「はい」

 

 先生はティナを呼び止めて話しかけた。

 

 「ここへ来るときは必ず晃徳と共に来るんじゃ」

 

 「何故ですか?」

 

 僕とティナは顔を合わせた後先生に向き直った。

 

 「ここアストラル界では、普通は呪力で自身を包んだ状態でないと体に悪影響が出るのじゃ」

 

 「「ええーーーーーーーー!!」」

 

 初めて聞く内容に揃って叫んだ。じゃぁ、今も体に悪い状態なんじゃ・・・。

 

 「安心しなさい、ここへ入った瞬間から、ワシの加護を与え保護しておる」

 

 「よかった・・・」

 

 そんなことになっていることに気付かず、危ない状態になったのかと思い僕はその場にへたり込んだ。隣を見るとティナもへたり込んでいた。ちょっと涙目が可愛かったのは内緒だ。

 

 「ぅぅぅ・・・」

 

 内緒にしたいけど気付かれたみたいで恨めしそうに睨まれ、首を引っ込めた。

 

 「喧嘩は帰ってからにしなさい。では、門を開くぞ」

 

 「「はい」」

 

 僕とティナは先生に手を振って別れた。

 

 

 

 

  ◇ ◆ ◇ ◆ ◇

 

 

 

 

 玉座に座り先程のことを思い返していた。

 

 ワシは過去にまつろわぬ神として降臨し、現世からアストラル界(ヴァルハラ)に移った。そしてアストラル界(ヴァルハラ)にて永きに渡る無聊を慰めようとカラスを現世に放ち、現世見物をしていた。ところがカラスが強大な力を感じたため何があるのかと探らせてみると、興味深い子供を発見した。 戯れに招いた少年は始めはただ呪力の強いだけの少年かと思っていた。 実際に会ってみると呪力に関しては神代の時代から見ても、なかなかにお目にかかれないほどの強さだった。 一緒に着いてきた少女も、存外強力な霊視を持っていたためさらに興味を深めることとなった。

 

 二人と話をしていると興が乗り、無聊を慰めた礼に財貨を与えようとしたところ「言葉を教えて」と、まったく予期せぬことを願われてしまった。 しかし、勉学を教えているときふと今は神の座に居る息子(バルドル)を思い起こしてしまった。

 

 「あれ、じいさん。客は帰ったの?」

 

 「ロキか、どうした」

 

 ロキ。 ワシと共に現世からアストラル界(ヴァルハラ)に移った神だ。 ラグナロク後、現世に降臨し現世からアストラル界(ヴァルハラ)に移る際、共に着いてきた神だ。 降臨後に会ったテュールはワシらがアストラル界(ヴァルハラ)に戻った後、神殺しに討たれ神の座に戻ったようじゃ。 

 

 「いやね、じいさんが現世から子供を呼んだって聞いてね見物しに来たんだよ」

 

 「子供たちなら帰ったぞ」

 

 「なーんだ、詰まんないね」

 

 そう言って心底詰まらないような顔をした。 まったくトリックスターらしく騒がしいのが好きなヤツめ。 まぁ、ワシ自体そう言うのは嫌いでは無いから気にせんが。

 

 「まぁ、明日もここへ来るみたいぞ」

 

 「ああ、アンドフリームニルが言ってたよ。料理のことでなんか燃えてたよ。 じいさん、明日あの子たちが来たら呼んでよ」

 

 そう言ってロキは唐突に消えた。

 

 「ふむ、せっかくの無聊を癒せる相手が出来たのだ。 ワシらだけでは詰まらんからあの者たちの分霊も呼ぶかの」

 

 そう言って、かつて共に居た神の分霊を召喚した。

 

 晃徳たちの知らないところで事が大きくなっていくのだった。

 

 

 

 

 

 

  ◇ ◆ ◇ ◆ ◇

 

 

 

 

 

 「ティナ!! 晃徳くん!!」

 

 現世に戻るとエルおじさんがティナと僕の名前を呼びながら駆け寄ってきた。

 

 「パパ!」「エルおじさん」

 

 「どこか体が痛いところとかないかい!? 長時間アストラル界に居ると身体に悪影響が出るぞ」

 

 「ううん、どこも痛くないわ」

 

 「僕も大丈夫。 先生が加護を掛けてくれたから大丈夫だったよ」

 

 「先生?」

 

 僕の答えにエルおじさんが首を捻った。

 

 「先生はオーディンさんだよ。 向こうで色々教わっているときに、先生みたいって言ったら気に入ったみたいで先生って読んでるんだ」

 

 「・・・・・・・・・」

 

 「エルおじさん、どうしたの?」

 

 「そ、そうか、それは良かった」

 

 エルおじさんはどこか無理をしたような顔をした後、僕とティナを抱きしめてくれた。

 

 「心配させてごめんないさい」

 

 「パパ、ごめんなさい」

 

 「まぁ、無事に帰ってきたんだ、家に戻ったら詳しい話を聞かせてくれるかい?」

 

 「「はーい」」

 

 そう言って、僕とティナはエルおじさんの後を着いて行った。

 

 

 

 

 

 僕とティナはアストラル界(ヴァルハラ)であったことを話した。

 

 「・・・・・・で、では、晃徳くんはオーディンに言葉を教えてもらう約束をしたんだね」

 

 「うん」

 

 「・・・・・・・・・・・・」

 

 エルおじさんは頭を抱え、シルヴィアさんは呆然としていた。

 

 「ティナ、なにか失敗した?」

 

 「失敗とか以前の問題だと思うわ」

 

 なにかティナまで悩んでる・・・・・・あ。

 

 「エルおじさん」

 

 「・・・・・・・・・」

 

 「エルおじさん」

 

 「・・・・・・・・・」

 

 あ、あれ? 聞こえてない?

 

 「エルおじさんってば!」

 

 「お、おお、晃徳くんどうかしたのかね」

 

 やっと気が付いてくれた。

 

 「えっと、料理の作り方の書いた本ってありますか?」

 

 「ああ、あるが何に使うのかね?」

 

 「明日も先生と会う約束を「ちょっと待て」・・・はい?」

 

 エルおじさんが焦って会話に割り込んできた。 なにかかなり焦った感じだった。

 

 「今、明日もって言わなかったかい?」

 

 「言いましたけど?」

 

 あ、エルおじさんが頭を抱えてる。

 

 「アストラル界へどうやっていくつもりなんだい?」

 

 「えっと、先生からペンダントを渡してくれてて」

 

 「今、持ってるかい」

 

 「う、うん」

 

 「ちょっと見せなさい」

 

 首に掛けていたネックレスをエルおじさんに渡した。

 

 「これは・・・・・・ネックレストップが槍、まさしくオーディンのシンボル」

 

 「明日、今日と同じところでネックレスに呪力を込めると、オーディンさんがヴァルハラへの門を開いてくれるんです」

 

 「そうなのか」

 

 「で、今日のお昼に食べたお肉が美味しくなくて、僕が料理しようとしたらお塩以外の調味料がなくて何も出来なかったの」

 

 そう、あんな美味しいお肉をあんな調理をしていたなんて許せないよ。 僕は自分の食生活のためにがんばることを改めて決めた。

 

 「お肉って何の肉だい?」

 

 「ティナが知ってた」

 

 あんな長い名前のお肉なんて覚えてないよ。

 

 「ティナ」

 

 「・・・・・・セーフリームニルです」

 

 がっくりと頭を垂れた。

 

 「分かった、神にお出しする料理だ。話を聞くと調味料もないようだから今すぐ手配しよう」

 

 「エルおじさん、ありがとう」

 

 「今日はもう遅い、お風呂にはいって寝なさい」

 

 「うん」

 

 僕はティナと一緒にエルおじさんの部屋から出て行った。

 

 

 

 

 

  ◇ ◆ ◇ ◆ ◇

 

 

 

 

 

 晃徳くんとティナが部屋から出た後、今日のことを思い返していた。

 

 朝食後、晃徳くんのこれからを考えているときに、強大な呪力を感じて駆けつけてみれば異界への門が開いた痕跡があった。

 

 子飼いの術者に確認を取ると、何者かが召喚を行ったことがわかった。

 

 そして、召喚の逆探しているときにそれが現れた。

 

 フギンとムニン

 

 北欧では有名すぎる固有名だ。

 

 フギンとムニンからの念話で、晃徳くんとティナが招かれてオーディンの元に居ると話してくれた。

 

 そこからはもうパニックだった。

 

 神に招かれたと言うことは、死ぬ可能性もあると言うことだ。

 

 神が戯れに試練を与えるかもしれない。

 

 もう、祈るしかなかった。

 

 そして、夕方。再び呪力を感じて裏庭に駆けつけてみると二人とも無事に帰ってきていた。

 

 二人から事情を聞くと再び爆弾が落ちた。

 

 オーディンが先生!?

 

 神が晃徳くんを教える!?

 

 また明日も行く!?

 

 アストラル界への移動手段が手にある!?

 

 料理がおいしくなったから料理を作る!?

 

 いや、確かに我が国の料理はあまり褒められたものではないが、そんなに不味いか?

 

 晃徳くんとの会話で、これまで作り上げた神の印象が根底から崩れた瞬間だった。

 

 晃徳くんが来てここまでとんでもないことになるとは予想だにしなかった。

 

 しかし、組織の長としては危険だと分かっているが、神と繋がりが持てるチャンスと捕らえていた。

 

 まつろわぬ神ではない真なる神との接触。

 

 イタリアやイギリスと違い、カンピオーネを使わないで組織の力を高める方法を模索していた時に神との接触。

 

 カンピオーネを使わず、健全な形での組織強化・・・。

 

 周りには夢物語と言われ、カンピオーネに逆らう無謀者と言われてきた私。

 

 それが夢で終わらず、更なる躍進を迎える可能性。

 

 私は、このチャンスと晃徳くんの将来に期待を寄せるのであった。

 

 

 

 

 

 




後半、エルネスティの野望が判明。

北欧のとある魔術結社の行方は?
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