カンピオーネ!---譲られた神殺しの力---   作:auslese

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オーディンとロキの権能がメインです。

6/8 修正


08話 神の力・・・修正

 

 

 

 

 

 僕の宣誓を聞いていたパンドラさんが僕に話しかけた。

 

 「さて、新しいカンピオーネの誕生も見たし、そろそろ行くわね」

 

 そう言うとパンドラさんは唐突に消えた。

 

 「晃徳よ、オーディン様とロキの力の受け継ぎは終わったか」

 

 「ウル先生・・・・・・」

 

 いつの間にか後ろにウル先生が立っていた。 僕はウル先生を見ると先生とロキ兄ちゃんのことが頭に浮かび涙が溢れてきた。

 

 「泣くな。 あの方たちはお前と出会って以前と違い生き生きとしていた」

 

 「う、うん」

 

 ウル先生は泣きそうなぼくの頭を優しく撫でてくれた。

 

 「ワシも、お前たちと出会えて良かったと思っておる」

 

 「まさか、ウル先生も・・・・・・」

 

 「いや、そうではない。 が、わしもこの地を去るつもりだ」

 

 「そんな!」

 

 僕はウル先生に抱きついた。 ウル先生も居なくなるなんて!

 

 「晃徳、よく聞け。 ワシは元まつろわぬ神になるのではない」

 

 「なら、どうして・・・」

 

 僕は先生と同じようにまつろわぬ神として降臨するのかと思ったけど違うようだ。

 

 「ワシらは今回、オーディン様にここヴァルハラに神の座から一時的に呼び出されただけなのだ」

 

 「じゃあ、すぐ帰ってくるの」

 

 ウル先生は重々しく頭を振った。

 

 「いや、戻ってこれぬ」

 

 「そんな!」

 

 「本来ここにくるのはミーミルたちのような力のない分霊のはずだった」

 

 「はず?」

 

 「しかし、オーディン様があまりに楽しそうでな、つい分霊の域を超えるだけの力を入れてしまったのだ。 力が強すぎてここに留まり続けることが出来なくなってしまったのだ」

 

 「・・・・・・」

 

 ウル先生は懐かしがるような顔をしていた。

 

 「お前たちと過ごした2年は本当に楽しかった・・・」

 

 「ウル先生・・・」

 

 ウル先生は目をつむり嬉しそうにしていた。

 

 「おっと、今はそんな場合ではなかったな。 晃徳よ、ティナを救いに行きたいのは分かるが、まずは自分の中にあるオーディン様たちの力を感じよ。 オーディン様から譲られた力なのだから、他のカンピオーネたちと違いすぐに使いこなせるはずだ」

 

 「はい」

 

 僕は眼を閉じて自分の中にある力に集中した。

 

 

 

 

 

 

 「ここは?」

 

 気付くと僕は真っ白な空間にいた。

 

 ぶるる・・・・・・

 

 顔を上げると先生のスレイプニルのハディが目の前にいた。 ハディは僕たちが先生の所に勉強しに来るたびに背に乗せてくれた。 名前が無かったからハディって僕が付けた。

 

 「お前も僕の力になってくれるの?」

 

 ヒヒヒィーーーーーーン

 

 いなないた後、僕の顔を舐めてくれた。

 

 「よしよし、ありがとう」

 

 スレイプニル(ハディ)が袖を噛み引っ張ってくれた。

 

 「こっちだね」

 

 スレイプニル(ハディ)に着いていくとそこには『槍』、『酒の容器』、『仮面』、『サンダル』、寝ているフェンリルがいた。

 

 「これって先生たちの・・・・・・」 

 

 槍は『グングニル』

 

 酒の容器は『詩の蜜酒』

 

 仮面は『ロキの仮面』

 

 サンダルは『ロキのカリガ』

 

 そして、フェンリルが眼を覚ました。

 

 「くぁーーー・・・わう? わうーーー」

 

 「うわ!」

 

 フェンリルが飛びついて顔を舐めまわして来た。

 

 「こ、こらリル。 お座り」

 

 「わう!」

 

 「ティナにいつもいきなり飛びついちゃダメって言われてるだろ」

 

 「くーーーん・・・」

 

 このフェンリルはリル。 ここで先生たちと一緒に過ごしてきたフェンリルで命名はティナだ(芸を仕込んだのもティナ)。

 

 「無事、継承が終わったようですね」

 

 「おねーさんたちは誰?」

 

 声を掛けられて後ろを向くと9人の女の人たちが居た。

 

 「わたしたちはワルキューレ」

 

 「戦乙女のこと?」

 

 「そうです」

 

 そう言って僕の前に膝を着いた。

 

 「オーディン様の遺命によりあなた様の権能として参りました」

 

 「先生の・・・」

 

 「はい、わたしはブリュンヒルデ」

 

 「ゲルヒルデ」

 

 「オルトリンデ」

 

 「ヴァルトラウテ」

 

 「シュヴェルトラウテ」

 

 「ヘルムヴィーゲ」

 

 「ジークルーネ」

 

 「グリムゲルデ」

 

 「ロスヴァイセ」

 

 「我ら9人、貴方にお仕えいたします」

 

 (うわー、綺麗なお姉さんたちだ・・・)

 

 僕はぼうっと見とれていた。

 

 「新たな主?」

 

 「・・・・・・・・・」

 

 「ねぇ、ブリュンヒルデ、主様ってこういうことに慣れてないんじゃないの?」

 

 「そうよ、まだ子供なんだからこんな格式ばらなくていいんじゃい」

 

 「と言うか、多分主様は私たちに見とれてるよ」 

 

 戦乙女の一人が僕の方に歩いてきた。

 

 「わたしはオルトリンデ、君のお名前は?」

 

 「僕は丸田 晃徳」

 

 「そう、晃徳くんって言うんだ」

 

 「うん」

 

 「オーディン様から君に仕えるように言われて来たんだけど、詳しい事情を話してもらえるかな?」

 

 「うん」

 

 僕はティナのこと、先生のこと、ロキ兄ちゃんのこと、ウル先生のことを話した。

 

 

 

 

 

 僕が話し終わると女の人たちは怒り出した。

 

 「己の欲望のために年端もいかない少女を!」

 

 「許せませんね!」

 

 特にティナのことでみんな憤っていた。

 

 「お願い、僕にティナを救う力を貸して」 

 

 「もちろんです。 このようなことをする輩など許して置けるものではありません」

 

 みんな頷いてくれた。

 

 「これで受け継ぐ力は全部?」

 

 「はい」

 

 「じゃあ、ここからはどうやれば出れるの?」

 

 「継承が終わりましたので、時期に元の場所に出ます」

 

 「わかった。 お姉さんたちありがとう」

 

 そう言ってると、僕の意識が遠のく感じがした。 

 

 

 

 

 

 ふと眼を開けると元の部屋に戻っていた。

 

 「戻ってきたようじゃの」 

 

 「はい」

 

 「行くのか」

 

 「ティナを助けてきます。 ウル先生それまではここに居てくださいね」

 

 「ああ、行って来い」

 

 僕はウル先生に振り向かず現世に戻った。

 

 

 

 

 

 屋敷の中は騒然としていた。エル義父さんはどこかへ電話し、シルヴィア義母さんはなにやら薬を準備してた。

 

 「エル義父さん、少しいいですか」

 

 「晃徳くん、どこにいっていたんだい!」

 

 「エル義父さんの書斎につて来てください」

 

 僕とエル義父さんは書斎に入っていった。

 

 「一体どうしたんだい晃徳くん」

 

 「始めに、エル義父さん。 ごめんなさい」

 

 僕はエル義父さんに頭を下げた。 そしてグングニルを顕現させた。

 

 「・・・・・・・・」 

 

 「カンピオーネになりました」

 

 「そ、そんな・・・」

 

 エル義父さんは愕然と膝を着いた。

 

 「ごめんなさい」

 

 僕が謝り、書斎からテラスに出て行くところをエル義父さんが肩を掴み引き止めた。

 

 「待ちなさい。 晃徳くんがカンピオーネになったのはティナと取り戻すためだね」

 

 「もちろんです。 ティナを取り戻すため力を手に入れたんです」

 

 「・・・・・・そうか。 分かった」

 

 エル義父さんが何かの書類を取り出した。

 

 「ティナが誘拐された件だがどうも晃徳くんにも関係あるみたいだ」

 

 「どういうことですか?」

 

 「どうも私が晃徳くんの両親に預けたアーティファクトが今回の召喚に使われるみたいなんだよ」

 

 「!?」

 

 僕は驚き眼を見開いた。 父さんたちが関係したものが使われるなんて・・・。

 

 「オークション後足取りが掴めないと思っていたら、ヴォパン侯爵が強奪していたみたいなんだ」

 

 「そうですか・・・なら、父さんたちが関わった物なら、尚更どうにかしないと」

 

 「君との因縁深い物だ、君のしたいようにしなさい」

 

 「分かりました」

 

 僕はエル義父さんに答え、改めて今回の件は僕に関係したものだと実感した。

 

 「引き止めて悪いが、ティナ事改めてよろしく頼む」

 

 「はい! エル義父さん行ってきます!」

 

 僕はエル義父さんに返事をし、ロキの仮面を着けてからテラスにでた。

 

 「来て、ハディ!! ティナを助けに行くよ」

 

 足元から現れた8本足の馬、スレイプニル(ハディ)に跨り空へ駆け出したのだった。

 

 

 

 

 

 




譲られたため、普通に簒奪するより大きな力を手に入れた主人公。

過去の因縁も少し出てきました。

次回、2人のカンピオーネにぶつかります。
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