こちらは筆が乗ったらちまちま書くという形式で書きますので、今現状進めてる他の三作を中心に書いていきますので、前書きで書くのもどうと思いますが、そこはなにとぞよろしくお願いいたします。
それでは、本編をどうぞ~
プロローグ
……僕はいつも一人だった。
優秀な姉と比べられ、勉強でも運動でも、たとえいい成績を出しても姉が凄いのだから当たり前……そういわれ続け、誰も自分の事を認めてくれることはなかった。
姉はそんなことないと言ってくれるが、それでも周りからの言葉は変わらない。ISというものが産まれてからは特にそうだった。
今まで普通に接してくれていた人達も、まるで俺の事を姉の腰巾着みたいに鬱陶しく思い、女子は姉に僕のような男が存在してはいけないと虐め始めた。
そんな中でも接してくれる友人もいたが、それでも周りからの暴言暴挙は僕の心を刷り削るには大きすぎた。
そして――俺は姉を応援しに訪れたドイツの地にて誘拐された。
理由は単純明快、姉さんを鬱陶しく思う人間が姉さんを試合に出させないようにするためだ。また僕が姉さんの脚を引っ張った……その思いが僕に影を落とす。
「……そろそろ試合の時間ね」
「けど、本当にこんな男のガキを誘拐されただけであの世界最強が試合を投げ出すかね」
「それは大丈夫よ。あの世界最強にはこのガキしか身内が居ないのよ。真っ当な頭をしていれば助けに来るわ、確実にね」
俺を拐った女たちの言葉に、僕はただ呆然と聞き流す。
「……姉さんは……来ないよ」
「ふーん……漸く喋ったかと思ったら、それはどういう意味かしら?」
「……僕は姉さんにドイツに来たことを話してない。行くことも伝えてない、サプライズで来たつもりだから……それに日本は姉さんを……織斑千冬をなんとしても優勝させたい、だから姉さんに伝えてないと思う……」
仮に伝えたとしても、姉さんは俺がドイツに居るわけないと考えて、それを一蹴するだろう。捜索してるという確率はほぼ0に近い。
「……なるほどね。なんともはやというか……てことはアンタにはなんの価値もないってこと?」
「そうだね……僕なんか男は身代金の要求にも=にならないから……」
「おい!!大変だぞ!!」
と、テレビを確認してた女が慌てたようにやって来た。
「どうしたのかしら?」
「このガキの言う通りに成りやがった……あの世界最強、決勝に出てやがる」
「そう……」
女は残念そうに目を瞑ると、こちらを見る。
「さて、私達にとっては貴方がどうなろうともうどうでもいいんだけど……まぁ殺すわ、貴方に生きていられても面倒なだけだし」
「……最後にお願いがあります。姉さんの試合を……自分に見せてください」
僕はそれだけを伝えると、女性はコクりと頷いて僕をテレビの前に連れてきた。そこに映る姉さんの剣は白く光輝き、相手に向かって猛進する。
「…………」
だが、僕にはその剣が歪な光を放つものにしか見えず、俺の影をさらに深くした。
そして、戦いはすぐに終わりを迎え、姉の優勝が決まった。
「……決まったわね。さて、私達が殺しても良いんだけど……証拠が残ったら嫌だし」
そう言うと女性は懐から小さな折り畳みナイフを一本取り出した。
「それを使って自分の腹に刺しなさい。そうすればそのあと私たちは何も干渉しないわ」
「…………」
それだけ言うと彼女は俺から少し離れる。僕はナイフを拾うと、少しだけその刃を眺め、そして僕は……
「……ッ!!」
「「「「!!」」」」
女性たちは慌てて此方へ近寄る。さっさと逃げるなりすればいいのに……どうして…………
「このガキ、腹じゃなくて胸に刺しやがった!!しかも自分から、躊躇いもなく!!」
「まさか…………オータム!!そんなこと良いからさっさと救急車呼びなさい!!私は応急処置するから!!スプリングは日本政府に織斑一夏を保護したと連絡!!ウィンターは包帯とかをすぐに買ってきなさい!!」
「わ、分かりました!!」
「くそ、なんでこんなことを!!」
女性三人が指示通りの行動を起こす。残った一人も自分の服を破ってすぐに処置を始める。
「……ハヒュ……どうして……」
「バカね、なんで腹じゃなくて胸に刺したの?お腹なら、少なくとも出血を止めればすぐに死ぬことはないのに……」
「……僕は、邪魔な存在だから」
その言葉で、女性の手が一瞬だけピクリと止まる。
「……僕が居ても、周りは誰も喜ばない……皆疎ましがって、邪魔だと除け者にして……男だから尚更に……」
「分かった……それ以上喋ったら……」
「姉さんは……そんなことないって……言ってくれたけど、それでも僕がこうなってるのに助けに来てくれなかった……だったら…………」
「もう……喋らないで……」
「僕は…………生きてても意味がないんだ……」
その言葉と共に僕の目の前がぼんやりしていく。あぁ、漸く僕は…………
スコール視点
私はこの子供の事を勘違いしていた。織斑千冬の弟だということは理解していた。だが、ここまで狂ってるとは思ってもなかった。
「スコール!!とりあえず救急に場所は連絡した!!だが今は……」
オータムが慌ててやって来るが、その声音はどこか虚ろだ。当然だった。今はモンドグロッソでドイツ国内はかなりの人数、さらに交通量を考えるとかなり時間が掛かる。
「一応止血はした、声が掠れてなかったから、運良く肺にも心臓にも傷は入ってないと思う、でもISで飛ばしてもここから一番近い病院まで十分はかかるし、裏の人間である私達では無理……」
「くそ、このガキの体じゃ五分と保たないで失血で死ぬ!!かといってここには外科処置できる設備もねぇぞ……」
「く……」
いくら自分が撒いた種とはいえ、目の前で子供が死ぬことなど、裏で生きていた自分が助けたいなどと思うことになるとは思っても見なかった。
「どうすれば……」
当に困り果てたその時だった。
「…………困ってるようだね」
「「!!」」
突然紫色の髪をした白衣の長身の、どこから見てもマッドサイエンティストのような風貌の男が私たちの前に現れた。
「これは……なるほど、見たところ危険な様子だな」
「テメェどこから……いや、この際どうだって良い、テメェこいつを治すことができるか?」
「ふむ、まぁできないことはないが、ここでは雑菌による感染症が心配だな、どこか無菌室に近いような場所はないかね?もしくはそれに近いものを作り出せるものは?」
「無菌室……だったら俺様のISなら!!」
そう言ってオータムは右手に自らのIS『アラクネ』のアームパーツを展開し、そこから大量の糸を吐き出した。それは私達を覆うように囲まれ、私と彼と男の三人をすっぽりと覆った。
「元から有った菌を払うことは無理だが、少なくともこれで余計な菌は入り込まねぇ!!」
「充分だ。ならばここからは私の領分だ。本来外科は専門外なんだが……応急的な縫合程度なら何とかできる!!」
そこからは正しく神速と呼んでもおかしくない凄まじさだった。麻酔を注射したかと思うと、男は手持ちのメスで傷の場所に沿って胸部を開き、内蔵系に傷がない事を確認するとまるで呼吸するかのように糸を縫っていく。その早さは日本の漫画の……そうまるで
「『
「神か……こんなのは平凡な医者でもできる範囲だ」
「嘘ね。平凡レベルじゃこの速度はあり得ないわ。貴方、何者?」
「そうだね……まぁ強いて名乗るなら、
男はふざけながらにそう言うと、縫合を終え、自らの汗を長い袖で拭った。
「内臓系に傷はなかったし、小型のナイフだったのもあって突き刺した割に軽傷だね。まぁもっとも、骨の方は大分酷いが」
「骨?肋骨が折れてたりしたのかしら?」
「それで済めば良かったがね。肋骨と胸骨の一部がすぐに目で分かる程酷くヒビが入っていた。恐らくだが、
「!?……まさか、彼は……」
「ふむ、詳しくはレントゲンなどで診断してもらわねば分からないだろうが、恐らく全身の五割から七割、特に腕、脚、腹部の骨や筋肉にイジメなどによるヒビや損傷があっておかしくないな。というよりそれで至って普通に歩けてるほうが不思議でならないよ」
確かに、男の言葉通りなら、腕に罅が入るだけで尋常じゃない痛みが襲う。それなのに全身に罅が入ってなお普通に歩けてるのはつまり、
「もしだが、彼が元の環境……家に戻ったとして、そこからの生活は恐らくさらに悪化するだろうね。何せかのブリュンヒルデ様の弟だ、彼女にできて彼に出来ないという理不尽な言葉と物理的な暴力は今以上に膨れ上がる」
「…………」
「だが、まぁ私達にはなにもすることは出来ないよ。何せ彼自身の問題だ、赤の他人の私や君にどうこうすることはできない」
「……けど」
その時、遠くから救急車のサイレン音が小さくだが聞こえてきた。
「……さて、長居は無用だ、私はここから出させてもらうとするよ」
「……そう」
男はそういうと、手持ちの鞄に道具をしまって立ち上がる。私もすぐにオータムにアラクネの糸をほどいてもらうと、彼を背中に背負って立ち上がる。
「……ねぇ、せめて本名くらいは教えてくれないかしら?」
「……だから私の事は」
「私が知りたいのではないわ、病院の方や警察にも事情を話さないといけないし、何より、彼に恩人の名前ぐらい教えてあげたいじゃない」
「……やれやれ、なら改めて自己紹介しよう」
男はそういうと白衣に袖を通して後ろを向く。
「私の名前はジェイル、飽くなきの欲望の体現者であり、希代の天才科学者、ジェイル・スカリエッティ……彼にそう伝えておきたまえ」
そういうと男……ジェイルは何も言わずにここから去っていく。
「ジェイル・スカリエッティ……ね」
その名を呟いた私は、なぜか頬から自然と笑みが浮かんでいた。
織斑一夏とジェイル・スカリエッティ、本来なら交わることのない光と闇、その出会いが世界を揺るがすことに繋がるとは、この時、まだ誰も予想すらしなかった。
~オマケ~
「ドクター、いったいどこで油を売ってたんですか?」
「いや待ってくれウーノ、確かに私は研究所を留守にしたしそこについては謝ろう、だがね、私が留守にしなければ亡くなってた命があってだね」
「そういう冗談は良いので、少しは研究に集中してください、ただでさえ
「分かった分かった……ところでウーノ、最近私への風当たりが強い気がするんだが」
「そう思うならもう少しまともに研究をしてください。つい先日も三体で合体して巨大化するガジェットなんていうどこで使うかも分からない物を造り出して……」
「何を言う!!合体はロマンさ!!そもそもロボットに合体は必然であってだな……」
という口論が合ったとか……なかったとか……
という感じでプロローグはここまでですね。次が何時になるのかはまだ分かりませんが、これは先に書きました通りゆっくりと書いていきますのでよろしくお願いいたします。
ちなみにこれを書いた理由としては……年末年始やることないよね?プロットも煮詰まってるし思い付きで書いちゃえ……という感じですね、妄想待ったなしなので仕方ないと言えばそこまでですがねw