「もぐもぐ」(水着イバラギン)
お前かよ……!?(ジャンヌ狙いorz
「さてさて、状況は良く言っても最悪な状況になっちゃったわけなんだけど」
一夏の暴走からおおよそ1時間が経ち、今動けるメンバーということで束さんを中心に私、弾、数馬、トゥーレ、リインフォース、クアットロ、ノーヴェ、そしてセインとチンクというメンバー十人が一つの会議室に集まる。
「てか、なんでチンク姉がこっちに居るんだ?あっちの護衛はどうしたんだよ?」
「うむ、お嬢とその護衛二人がやってくれている。それに、こうでもして出てこないとこの先、空気扱いされそうで怖いからな」
何やら不穏というか不憫というかな雰囲気が見え隠れするが、とりあえずそこはつっこまないでおこう。
「けどチンクが居てくれると助かるのよね~、今回みたいな暴走した一夏君を止めるのって、かなり戦力が必要だから」
「……なんだが、既に数回暴走してるような言い方なんだけど」
「今回みたいなバーサーカー的な暴走は初めてなんだがな、彼の暴走は引き際というものがないというか……」
リインフォースさんの嫌な苦笑に私はどういうことか問いかける。
「一夏君が痛覚に鈍いのは話したが……同時に疲労にも鈍いというかなんというか……」
「一番最長で三日三晩ずっとシミュレーターで刀と拳を振るってた時は狂気を感じたな~、それを止めようとしたら結果的に数人がかりでバインドを50ぐらい、それこそ見た目カラフルなミイラ男みたいにして漸く止めたっけ」
弾のため息混じりのその言葉にマジ?と私は数馬に視線を向けると、その数馬はどこか遠い目をして目から光を無くしてた。
(トラウマできるくらいに暴走したのね)
「そんなわけで、暴走したいっくんを止めるのはかなり骨が折れるわけなんだよね。しかも今回は物がものだし」
そう言って束さんはとある画面を映し出す。そこに描かれていたのは、見覚えのあるカートリッジのひとつだったが――
「なんか、若干長いような」
まるで狙撃銃にでも使うような、見た目が普通に出回ってるものと若干違う代物だった。
「いっくんがあの時使った、いっくんの体質でも使えるように調整したこの『カートリッジL』は、とある結晶型のロストロギアを、特殊な機械を使って粉末化したものを内蔵してるんだよ」
「ロストロギアを!?」
確か私達の方の一夏の話だと、程度はあるが結晶型のロストロギアは普通ではあり得ない規模のエネルギーを内包してるものが普通だと聞いたことがある。
それを粉末化して調整したとはいえ、魔力結合という力を持つ一夏がそれを使えばただで済む筈がない。
「……文句いいそうだから先に言っておくけど、いっくんとそのロストロギアの適合率はかなり高いし、反動も精々使った瞬間にその魔力量の多さから、少し立ち眩みする程度だよ」
「そ、それでも魔力結合の症状が深刻化する可能性が無いって事じゃないんでしょ!?そんな命を削るみたいなことをしたら……」
「あー、説明不足があったみたいだね。いっくんの魔力結合症は確かに酷いけど、あくまでそれは痛覚神経と癒着してただけだから」
曰く、一夏への治療は痛覚神経と魔力の癒着だけを解離させることであり、他の神経部位……反射神経などは癒着ではなく任意での結合及び解除ができるようにするものだということらしい。
「……それってつまり、一夏はカートリッジシステムが絶対に使えないってことじゃない……ってこと?」
「それは少し違うんだな~。いっくんの場合、カートリッジに使われる魔力に拒否反応が起きちゃうんだよ。カートリッジって基本的に他人の魔力か、または人工的に造られた魔力の場合が殆どだからね」
いわゆる臓器移植の拒否反応みたいなものだよ~、と軽い調子でトンでもない事を宣う束さんに退いてしまう。
「で、この特性のカートリッジはロストロギアといっくんの魔力を混ぜ合わせた言わばダイナマイト、拒否反応も可能な限り軽減したうえで、限定的な時間だけど、その間はSSS+相当にまで跳ね上がる」
逆に、と束さんは続ける。
「今のいっくんを止めるのは、例えここにいる全員が全力全開で戦っても太刀打ちできない。しかもあの魔導生物と融合したせいなのか、その状態がデフォルトになってる」
つまり、打つ手が殆ど無いに等しいということ。
「――一つだけ、手がある」
と、その時入り口のドアが開き、ゆっくりとした足取りで箒が部屋に入ってくる。
「箒、アンタ体は……」
「問題ない……とはいえないな。右腕の義手も外さなきゃいけないほどに酷い」
そう言う箒の右腕を見てみると、確かにはずされているのか、プラプラと揺れる長袖が見てとれる。
「で、箒ちゃん?手があるって言ってたけど、根性論とか精神論でなんとかなると思ってるならお門違いだよ?」
「……いや、今回だけはその精神論が鍵だ」
そう言うと箒はマドカの名前を呼ぶと、それを待っていたのかマドカと……
「え?」
「な!?」
「どういうこと……いったい?」
そのマドカの肩に乗っていたのは、ねん○ろいどサイズではあったが、見覚えのある……というより、見覚えしかない顔がそこにはあった。
「わ、私?」
そう、そこには二頭身サイズの私が……凰鈴音の姿がそこにあった。
「……いったいどういうことか、話してくれるんだよね?」
「はい、かくいう私も半信半疑ですが……」
――――――――――――――――――――――――――
はじめはなんとも不思議な光景でした。ビル街だというのに誰一人居ませんし、何より時期としてはおかしい雪が降ってました。
あきらかにおかしいと思い周りを見渡していると、誰かの声が、小さな声が聞こえてきました。
私はすぐにその声を追いかけました。聞こえる方へ走っていき、やがて篠ノ乃神社の近くのとある狭い空き地へと着きました。
そこに居たんです。黒い靄を大事そうに抱える、見た目幼い鈴の姿が――
「……もしかして、それって感応同調?」
「なんですか、それは?」
姉さんの呟きに、チンクさんがどういうことかと聞き返しました。
「ISのパイロットが
「ええ、ですがその世界での彼女の声は私には……」
聞こえなかった。それだけならまだ良かったんだが事はそうじゃなかった。
「声が聞こえないと分かったのか、急に視界が眩しくなって、それで気がついたらベットに横になっていて……」
「側にこの小さい鈴ちゃんがいた、と?」
その通り、とマドカが大事そうに抱えている鈴を見ながら姉さんは顎に手を置く。
「鈴ちゃんにもリンカーコアが、それもレアスキルが発現するレベルであるなんて……」
「多分レアスキルとは違うんじゃない?」
そう言う此方の鈴は唸りながらそう否定する。
「確かこの前会ったイクスも、起きる少し前に妖精サイズの自分の分身を出してたらしいし、それと一緒じゃないかな」
「なるほど、ということは……」
「こっちの鈴も目覚めが近いって事じゃない!!」
なんというタイミング、つまり後は一夏を何とかすれば……
そう思ってたその時、思いもよらぬ出来事が起こった。なんとどういうわけか目の前に居た鈴が突然として光出したのだ。
しかもいつのまにか隣に居たマドカは腰を抜かしてるし、小さい方の鈴の姿もない。
「な!?どういうことだ!!」
「し、知らないよ!!鈴さんが触ってみたいって言ったから渡したら突然」
なんだなんだと、全員が集まってる中、光はさらに輝きを増して、そして一瞬強いそれを放つと一気に拡散する。
眩しさから目を瞑っていたそれを開いてみると、姿こそ殆ど変わらないが、雰囲気が若干ではあるが、何時ものさっぱりとしたそれではなく、何処か母性というか慈愛というか、そう言うものを感じる。
「――少し違和感はあるけど、概ね
その言葉を聞いた瞬間、男二人とリインフォースさんの顔が驚愕に満ちたそれになった。
「……おいおいおい」
「そんな……バカな……」
「有り得るのか……幾らなんでもそんなこと……」
呆気に取られる三人に、鈴はクスリと笑う。
「――三人とも、ホントに久しぶりね」
その一言で全員の背筋が凍る。間違いない、この場にいるのは間違える筈がないと確信を持って言える。
「……本当に、本物なのか?」
「なんか妙に癇に障るけど、まぁしょうがないわよね。
私の名前は凰鈴音、
オマケ
一夏「ん?珍しい人が来たな」
箒鈴マ(マテスト)「珍しい人?」
数分後
クロノ「済まない、いきなり押し掛けるような事をして」
一夏「いえ、別に大丈夫……ってお前らどうした武器構えて?」
箒「いや、何となく妙に癇に障るというか……」
鈴「なんか声を聞いただけで背筋に嫌なものが……」
マ「なんだか震えが止まらなくて……」
クロノ「???」
中の人がドクターだからね、仕方ナイネ