機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ 別   作:グランクラン

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いよいよ戦いも終わりになります。誰が生き残り、誰が死んでしまうのか、楽しみにしていてください。


彼等の本当の居場所

 火星の荒野でバエルとバルバトスが互いに対峙し、キマリスは傷ついた機体を端の方に置きこれから始まる戦いを見届けようとしていた。

 先に動いたのはバルバトスで、両手で大型メイスを振り下ろすがバエルはそれを右足で攻撃軌道を逸らす。攻撃を逸らした直後にバエルソードの一本でバルバトスの右腕を切り裂こうとするがバルバトスは大型メイスを手放し、腰のダガーで攻撃を受け止めた。

「やるね、あんた」

「君もそうだろう?」

 バルバトスは疑似阿頼耶識を開放し、攻撃を弾き飛ばしシザーアンカーをバエルの腰に向けて飛ばすがバエルはシザーアンカーをつかんでバルバトスを引き寄せる。

「やば」

 ダガーを腰に収め、太刀をバルバトスはバエルに向けて振り下ろす。バエルはシザーアンカーを手放しバエルソードで受け止める。

「引き寄せながらも攻撃ができるとは思わなかったよ……さすがはお前の子孫だな満月」

「アグニカ、今更だが。考えを改めるつもりはないか?力づくで作り上げた世界が真っ当な世界になるとは思えない」

「……満月。俺はな、この世界が嫌いなんだよ。汚い大人たちは自分の私腹を足すことしか考えず、そんな大人の子供が大人になっていく。間違った世界を作る大人の子供は間違った世界を続けることしかないんだよ」

「お前がその世界を作り上げようとしているんだよ。お前が間違った世界を作ろうとしているんだよ」

「では、三日月・オーガス。君はこの世界をどう思う?君は汚い大人を知っているだろう?そういう大人達の元にいただろう?」

 三日月が思い出した大人は一軍の大人たち、マルバ・アーケイ、ジャスレイ・ドノミコノスだった。しかし、その直後に名瀬・タービン、アミダ・アルカ、マハラジャ・ダースリン、蒔苗東吾ノ介を思い出す。

「確かにそうかもしれないけど、そうじゃない大人だっているから。俺たちはそれを知っているから」

「そうか……分かり合えないなら戦うしかないな」

 バエルは阿頼耶識システムを開放し、バエルの両目が真っ赤に光る。

「来い!満月ぅ!三日月・オーガスゥ!」

「あんたは俺が止める」

 太刀とダガーを構えるバルバトスとバエルソードを構える。

 

 二本のレンチソードをほとんど同時に振り下ろすアガレスにゼパルは大剣で攻撃を受け止める。

「この世界は汚れ切っているんだよ!お前はこんな世界で何を信じる!どうしてお前は信じている!?」

 イラクのそんな叫びをサブレが怒鳴り声で返す。

「汚い世界を壊してできるお前の作った世界は同じ汚い世界なんだよ!」

 続いてビスケットも同じように叫び声をあげる。

「あなただって本当は分かっているんじゃないんですか!?この世界はまだ救うことができるはずなんだ!」

 ゼパルは大剣でレンチソードを上に打ち上げようとするが、アガレスはシザーアンカーで大剣をつかみ両手に巻き付ける。しかし、ゼパルは大剣の中に隠してあったレールガンでシザーアンカーを強引に外そうと銃口を向ける。レールガンの攻撃がシザーアンカーを引きちぎる。アガレスは蹴り飛ばし、ファンネルをレンチソードに組み合わせて大剣に形態を変化する。ゼパルは大剣を振り下ろしアガレスはそれを一歩引いて回避しアガレスは大剣を振り下ろす。しかし、ゼパルは蹴りで攻撃をそらす。

「この世界はいまだに汚いままだ。この世界の中で三百年生きてきたが全く変わらなかった。マクギリスやお前たちはこの世界の犠牲者だ。だからこそこの世界は壊さなければならない」

 イラクの言葉にビスケットが反応した。

「この世界は壊さなければならないなんて俺は思わない。壊さなくてもいいはずなんだ。この世界だって汚いことばかりの大人ばかりじゃない!」

 ビスケットの言葉にサブレが共感するように言葉を発する。

「俺たちはこの世界を変えていくことができる。そういう風に道を作ってくれる大人だっているんだよ。お前はこの世界を憎んでいるだけだ。この世界を憎しみをもって破壊しようとしているだけだ!」

「それの何が悪い!この世界は壊さなければならない!この世界は俺たちの仲間を犠牲にしている世界なんて存在する意味がないだろぉ!」

 イラクは表情をゆがませてしまう。それでもサブレはイラクの考えを否定する。

「仲間を犠牲にした世界?仲間はお前に犠牲にしたと言われたくないはずだ!」

「俺達を裏切ったお前に何が分かる!?」

 ゼパルは大剣を振り上げるとアガレスはそれをぎりぎりで回避する。しかし、ゼパルは右足でアガレスを吹き飛ばすとアガレスは膝をつき態勢を何とか整える。ゼパルはレンチソードの一つを吹き飛ばし、アガレスのコックピットに攻撃を向ける。

 

 渓谷で暴れていたラファエルはテイルブレードでモビルスーツ群を薙ぎ払い、確実にクリュセへと近づいていく。ダンテは焦り後退しながら戦っていく。

「やばくなってきた奴は一旦下がれ!」

 ユージンがそう叫ぶとダンテは部隊をいったん下げるが、ラファエルは人型形態に変形すると、背中の翼アーマーからレールガンの乱れ撃ちしはじめると、ギャラルホルンのモビルスーツ隊に犠牲者が出始める。

「ユージン!前線はどうなってる?」

「やばいかもしれねぇよ」

 ラファエルは右足でモビルスーツを蹴り飛ばす。ラファエルが一歩、一歩前へ歩いていく。ダンテはユージンの前に立ちふさがりライフルで攻撃を仕掛ける。ダンテはユージンに叫ぶ。

「ユージン!ここは一旦引いた方がいい」

「できるわけがねぇだろ!引いたらこのままクリュセに向かわせちまうだろ!」

 ユージンに対してオルガが意見をだす。

「今そっちにシノが向かってる!もう少しだけ持たせてくれ!」

「分かってんよ!」

 少しずつ引いていくと、ユージンに向けてラファエルは右腕で薙ぎ払おうとするが、ダンテがそれを庇う。右腕に吹き飛ばされたダンテのランドマン・ロディは軽く渓谷の壁に吹き飛ぶ。グシャッという音と共にコックピットから血が噴き出す。ユージンは獅電のコックピットから悲鳴を上げる。

「ダンテェェ!」

「ユージン!無事なのか?」

 シノが渓谷の鉄華団本部からラファエルの間に姿を現した。流星号のコックピットからつながるケーブルは隣で一緒に移動している獅電につながっていた。

「シノ!ダンテが!」

 流星号のコックピットは獅電からの3Ⅾ情報を脳内に投影していた。これはギャラルホルンが考えたガンダム・フレーム用の対モビルアーマー用の方法だった。

「ダンテがどうした?」

「ダンテのモビルスーツが渓谷の壁にめり込んでる、コックピットから……血が……」

「く、くそが!」

 流星号が形態を変形させる。背中に大型ダインスレイヴ二丁を構える。

「くらえ!!スーパーギャラクシーキャノン!」

 流星号から射出された大型ダインスレイヴの攻撃がラファエルの胸を貫いていく。崩れるラファエルにシノがさけぶ。

「さっさと倒れちまえよ!」

 ラファエルはレールガンを流星号に向けて射出するが、それをヤマギが体を張って庇う。

「ヤマギ!?」

 ヤマギの獅電から情報が途切れてしまう。ラファエルはよろよろとしながら立ち上がった。

 

 ジュリエッタはプルーマを倒していきながら視線をアガレスへと向ける。

 アガレスは左腕が吹き飛んでいく。アガレスはレンチソードでゼパルの右足を引き裂くと、ゼパルはカウンターでコックピットの外壁を破壊する。サブレとビスケットはバイザーを下す。アガレスのレンチソードをゼパルは大剣で破壊する。

「これでお前の戦う手段がなくなったな!?」

「まだあるさ!」

 吹き飛んだレンチソードからファンネルが飛んでくると、右腕でファンネルを受け止める。ファンネルで大剣を持っている腕のうち左腕を切り裂いていく。ゼパルは右腕だけで大剣を薙ぎ払う。

「ファンネルを武器とするか!?だから嫌いなんだよ!」

「お前だって本当は分かっているんじゃないのか!?仲間が本当に望んでいたことが一緒にいることだったってことが!?」

「それをお前が語るのか!?」

「サブレの言う通りだ!復讐を望んでいると思うんですか!?」

 ビスケットの言葉を受け、イラクは大きな声で叫ぶ。

「それをお前達が言うのかぁぁ!!俺達を裏切ったお前が!!」

「お前がアグニカをそそのかしたからだろうが!!」

 サブレの叫び声と共にアガレスはファンネルでゼパルのコックピットの外壁を破壊する。イラクもバイザーを下し、表情をさらにゆがませる。大剣を振り下ろそうとするが、アガレスはファンネルで受け止めようとするが、ファンネルが壊れてしまう。ビスケットはファンネルを全てゼパルに向けるが、ゼパルはファンネルは受けながらも大剣を振り下ろすとすると、アガレスは肩アーマーの中に隠してあった太刀を抜くとコックピットに振り下ろそうとする。大剣はコックピットにあたることは無く、アガレスの左肩を破壊するが、アガレスの太刀は根元から折れているが太刀はそのままコックピットと突き抜け、後ろの脳を破壊した。アガレスは静かにゼパルを受け止める。

 サブレとビスケットは涙を流していた。二人はどうして涙を流しているのか自分で理解していなかった。

「なんで?どうしてなんですか?あなたはどうしてこんなことを……」

「……俺にとってアグニカは全てだった……どんな苦しい道でもあいつの道なら楽しめた。それはお前たちも同じだったんじゃないのか?」

 イラクの問いにサブレは代わりに答えた。

「そうかもしれない……でも、お前は本当はアグニカに全てを背負わせたことに責任を感じていたんじゃないのか?」

「……かも………し……れな……いな」

 イラクは静かに息を引き取った。ジュリエッタは静かに近づいてくる。

「大丈夫ですか?」

「ジュリエッタ。頼みがある!」

 サブレはジュリエッタに一つを頼み込む中、アガレスのコックピットは緊急ハッチが閉じていた。

 

「三日月!蹴りつけようとしていると」

 バルバトスはバエルの蹴りを受け止める。バルバトスはダガーでバエルに切りつける。

「お前たちはこの世界をどうする?どうやって正す?」

 バエルはダガーの攻撃をバエルソードで受け止める。バエルはバルバトスの頭にぶつけ合う。

「別に……みんなで考えていけばいいから」

「三日月・オーガス。君はイラクに似ているな。君は自分で考えることがあるのか?そういうことは……いや、やめておこう。俺が言うなということになるからな」

 バルバトスは太刀を振り下ろし、バエルはバエルソードで攻撃を受け流すが、バルバトスはダガーで攻撃を続ける。バエルはバエルソードで切りつけるが、バルバトスはシザーアンカーを腕を拘束すると、バエルはもう一つのバエルソードでシザーアンカーを切り裂く。

「アグニカ……今更お前のやることに文句を言うわけでないが……これだけは言わせてくれ……俺はお前を止めたい」

「俺はお前たちを殺したい」

 アグニカはバエルソードで何度も切りつけると、バルバトスはバエルソードの攻撃で右足に刺さってしまうが、バルバトスはバエルソードを折ってしまう。バルバトスは太刀を振り下ろしてしまうと、バエルは回避しきれずバエルの左足に突き刺さる。

「俺は……何をしているんだ?こんなところで眺めているだけなのか?」

 ガエリオはもう一度やる気を取り戻し、キマリスを立ち上がらせると左足を負傷したバエルにとりつこうとする。

「!?なんのつもりだ!」

「今のうちだ!三日月・オーガス!」

 ガエリオの叫び声に答えるようにバルバトスはバエルに組み付き、コックピットから伸びたケーブルをバエルのコックピットの後ろに突き刺す。

 三日月は真っ黒な空間の中で満月と話をしていた。

「行くわけ?」

「ああ、アグニカと一緒にな」

 三日月は満月がこうなることをどこかで理解していた。

「これでいいの?」

「いいんだよ。長く生き過ぎたぐらいだ。一つ、君に言っておこう」

「?」

 三日月は首を傾げつつ満月の言葉に答える。

「俺やイラクのようにオルガ・イツカに頼り切るようなことはしないでくれ。君がオルガを一方的に頼れば頼るほどオルガ・イツカは追い詰めていく。それは君は分かっているだろう?」

「……まあね。よくビスケットに言われたから」

「俺やイラクのようになってほしくないし、君の道を君の意思で歩いて行ってほしい。夢を追いかけてほしい。君ならできるさ……な?」

「分かった。じゃあね」

 満月は黙ってその場から姿を消していく。

 アグニカの目の前に満月が姿を現すと、アグニカはどこか面白くなさそうな表情になる。

「なんのつもりだ?」

「?一緒に死んでやろうと思ってな」

「俺はお前と死んでやるつもりはない」

 満月は苦笑いを浮かべると、それでも引くつもりもなかった。

「すまなかった。お前に全てを押し付けた」

「今更なんだ?お前たちが俺に全てを押し付けていたのは今更だろう!俺はお前達の期待に答えようとした!なら俺はイラクの期待に答えなくてはいけないだろう!?」

「だったらこれからは彼らに任せてみないか?」

「……彼らが俺達の遺志を受け継いでくれるのか?」

「信じてみないか?彼らは俺達と同じ鉄血のオルフェンズだ。彼らは俺達と違って正しく導いてくれる大人がいる。信じよう?」

 アグニカはため息を吐き、満月は微笑む。

「全く……イラクの説得はお前に任せるぞ。俺はめんどくさいからな……あいつの説得は……」

「任せておけ、後はサントノーレとコロンビエに任せよう。あいつらならうまくやるさ。俺達と違い頭を使うタイプだからな」

 アグニカも微笑んでいるのを満月は軽く驚く。しかし、それでも満月は微笑む。

「さあ……行こうか?」

 

「ヤマギ!?」

「大丈夫……それより……」

 シノはもう一度照準を構える。もう一度ヤマギの獅電と情報が共有される。もう一度引き金を引く、スーパーギャラクシーキャノンはもう一度ラファエルの体を貫く。

「や、やったか!?」

 ユージンの言葉に反応したように翼のアーマーからレールガンで正面のモビルスーツ隊を吹き飛ばす。ユージンが盾で攻撃を防ぐと銃で反撃すると、ラファエルはテールブレードでユージンで攻撃しようとするが、それを他の獅電が体を張って庇う。ラファエルは口を開けようとするが上からダインスレイヴの攻撃が翼アーマーを貫く。

「誰だ?」

 宇宙からダインスレイヴを撃ったのは昭弘をラフタが補助することで引き金を引いた。

「今のでやられてないの!?」

「くそ!ダインスレイヴは今ので最後だと」

 昭弘は悔しそうにしている間にラファエルはもう一度立ち上がろうとし、口を開いてビームを放とうとするが、昭弘の視線の先に大気圏を突破しているのはアガレスだった。ジュリエッタが用意した大気圏突破ようの道具と応急処置を済ませたアガレスはゼパルの大剣を持ったまま大気圏を突破した。

「間に合わないよ!サブレ!」

「間に合わせるさ!三日月!」

 アガレスが大気圏を突破している姿をガエリオはマクギリスの元で戦いの行く末を祈って至ると、マクギリスの声が聞こえてきた。

「大丈夫だろう……彼等ならうまくするさ」

「マ、マクギリス!?大丈夫なのか?」

 マクギリスはどこか申し訳なさそうな表情になると、さきに謝ったのはガエリオだった。

「済まなかったな。こんな俺でもお前の友のままでいさせてくれ」

 二人は堅い握手を結んだ。

 アガレスは大剣をラファエルに向けて投げつけると、バルバトスがそれを受け止めるとそのままラファエルに大剣を突き刺す。しかし、それでも動こうとするラファエルはビームをまっすぐ放とうとする。

「駄目だ!このまま放ったらクリュセに直撃しちまう!」

 その上からアガレスが大剣をさらに奥に食い込ませる。その衝撃でラファエルの攻撃が上へとそらされる。アガレスとバルバトスは上から振り下ろされる。

「これでも……ダメなのか?」

 しかし、そのまま力尽きたラファエルは倒れてしまう。ゼパルの大剣が夕日によって明るく輝いていた。

 のちにこの戦いを第二次厄祭戦と呼ばれていた。

 

 オルガの目の前にある慰霊碑の名前にはダンテやエンビ、エルガなどの名前が並んでいた。後ろからハッシュの声が聞こえてくる。

「団長!準備ができました。

「ああ、行くか。ハッシュ三番隊隊長」

 ハッシュはどこか照れながら車の運転席に乗り込む。

 ビスケットは桜の家の二階の自分部屋で寝ていると、クッキーが部屋の中に入ってくる。布団をつかむと強引にビスケットを下す。

「起きて!ビスケットお兄!」

 ビスケットはその後部屋で着替えている間にクッキーはビスケットの背中に阿頼耶識がすでに無いことに気が付いた。クッキーの視線に気が付いたビスケットはクッキーの方を見るが、クッキーは黙って部屋から出ていく。ビスケットもギャラルホルンの制服に着替えると、リビングに降りていく。ビスケットはリビングの席に座ると、前の席ではサブレと三日月がご飯を食べていた。ビスケットの隣では妊娠しているクーデリアが同じように食事をしていた。テレビでは地球圏でのその後が書かれていた。

『半年前に起きたラスタル・エリオンとイオク・クジャンによって引き起こされたラスタル・エリオン事件の事後処理は順調に進んでおり、ギャラルホルン新代表マハラジャ・ダースリンは現在コロニー圏などから新たな戦力を求めており、近いうちに経済圏の防衛軍と組織を統一し経済圏の連合軍に組織編成を完成させようとしております。しかし、ラスタル派の残党は現在も反抗を続けています』

 テレビを見ていた三日月はビスケットに疑問を発する。

「ねえ……アグニカが起こした事件が伏せられてるの?」

「正確には第二次厄祭戦を引き起こしたアグニカ・カイエルの事は経済圏やファミリアやテイワズ間での秘密ということになってる。犯人はラスタル・エリオンが引き起こしたことになっているよ」

 あの戦い以降三日月は再び右半身が動くようになって以降桜家にクーデリアと共に住むことになった。三日月はその話を聞くと一気に興味を失ってしまったのか「ふーん」と言って話から離れる。ご飯をさっさと食べてしまったビスケットとサブレはかたずけ家から荷物をもって出ていくと、クーデリアが訪ねる。

「そういえば、アトラさんは先に地球に向かったんですよね?」

「ええ、ジュリエッタさんと一緒に妊娠しているので、先に地球で待ってます」

 ビスケットが微笑みながらこたえると、外ではオルガが車の前で待っていた。

「そろそろ行かねぇとギャラルホルンの連中を待たせちまうぞ」

「分かってる。クッキー、クラッカ。じゃあ……」

 ビスケットが言い終える前に二人はビスケットとサブレに抱き着く。ビスケットとサブレは微笑みながら二人の頭を撫でる。

「「いってらっしゃい」」

「「行ってきます」」

 二人が出ていくと、ビスケットとサブレは車に乗り込む。

 二人が車でクリュセ中央宇宙港に辿り着くと、ギャラルホルン士官が出立の手続きをしていた。

「そういえば……昭弘は?」

 ビスケットの疑問にオルガが答えた。

「ああ、昨日の夜中に出立したらしい」

「……寂しいな」

 サブレがそう言うとビスケットは苦笑いを浮かべると、士官が近づいてくる。

「そろそろ出発の時間です!ビスケット・グリフォン准将!サブレ・グリフォンニ佐!」

「分かりました」

 ビスケットとサブレはオルガに向き合う。

「じゃあ行くね?」

「ああ……」

 二人がそのままどこかに歩いていくと、オルガは大きな声を上げる。

「いつでも帰って来いよ!!」

「「うん!!」」

 彼らはそれぞれの本当の居場所で生きていく。




どうだったでしょうか?面白かったと言っていただけたら嬉しいです。次回は単純な短編集です。
次回のタイトルは『短編集1』になります。
エピローグを入れてあと三話になります。お付き合いお願いします!
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