Fate/Teardrop   作:平成の大妖怪

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初めましての方は初めまして!
知っているという方はお久しぶりです!
平成の大妖怪です
Fate/extella はだいぶ前にクリアしたのですが、エンディングに少し不満があるというか、やはりアルテラは体の岸波白野と幸せになって欲しいというか・・・
という訳で書いちゃいました!


消失

俺の存在が薄れていくのを感じる。常人ならばパニックでも起こしそうな状況だが、俺はある種の達成感と感慨深さを感じていた。

やっとここまで来ることができた。

俺ではない岸波白野 (だれか)の記憶と経験を受け継いで、自分が消えてしまうと分かっていながらここまで必死に走ってきた。

死ぬのが怖くないと言えば嘘になるが、元々身体だけの存在だ。俺が消えても精神と魂 (岸波白野)は生き続ける。

だからそんな悲しそうな顔をしないでくれ。君の綺麗な顔に涙は似合わない。

だから…笑ってくれないか?

 

「アルテラ」

 

その一言を最後に俺の存在は0と1に還元され、完全消滅した。

いや、正確には違う。確かに俺の体は消滅したが、俺の記憶と経験は別の岸波白野へと受け継がれ、また繰り返す。なんどもなんども、気が遠くなるほどの回数を繰り返しても体の岸波白野 ()が報われることはない。彼女を救うために記憶と経験を次の岸波白野に引き継ぐ。それが3つのレガリアを束ねた体の岸波白野の願いだから。

ああでも、できることなら最後まで彼女の夢を叶える手伝いをしたかったなぁ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

彼が消えてしまう。

身体は崩れ始め、だんだんと薄くなって行っている。

これが悲しいという感情なのか。涙が勝手にボロボロと流れ、止めようとしても止まってくれない。

私は貴方ともっと一緒にいたかった。私の願いだって貴方と一緒でなければ意味がない!

でも貴方は、私に笑ってくれと言った。それがどんなに残酷なことか分かっているのだろうか。私の胸は今にも張り裂けそうなのに。

それでも貴方が笑えと言うならば、私は笑おう。

貴方のために。

今ならわかる。

いや、ずっとわかっていたのかもしれないな。

虜だったのは貴方では無かった。

私の…方だったんだ。

私は、初めて出会ったあの日から貴方の虜だった。

だから…

 

「また何処かで、私と共に駆けてくれないか?」

 

 

 

 

 

 

 

そうして体の岸波白野 ()とアルテラはこの世界から永遠に消失し、俺は岸波白野に記録を届けることになる。

しかしそれが成されることは無かった。

何が原因かは見当もつかないが、これは彼女の夢を叶えるための大きなチャンスとなる。0と1に還元され、岸波白野の記録となる筈だった体の岸波白野 ()の運命はその瞬間に確かに切り替わったのだ。

こうして、岸波白野の新しい物語が始まった。願わくば、また彼女と共に駆けることができますように。

月へとそう願い俺の意識は闇へと落ちる。

 

 

 

喜べ少年、君の願いはようやく叶う。

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