デスノート A true new world starts 作:有山氏
「お前はもうこの状況を理解しているようだな」
鋭い口調で人間でいう男の声である。
「……なら、このノートは」
粧裕はノートを拾いあけて、それを死神に向ける。
「人が死んでしまうノートなの?」
死神は笑い声を上げながら答える。
「そうだ。ノートに名前を書けれた人間は確実に死ぬ」
「このノートが……」
粧裕はノートに目をやる。
ただのノートに見えるのに、このノートには人を殺せる力がある。ページを開くと英文で書かれた使い方が載っている。
名前を書くと6分40秒、詳しい死の詳細を書く時間が与えられる。
何も書かなければ全てが心臓麻痺となる。
デスノートに書かれた事は変更する事がない。
ざっと読んだ感じそう記されている。
粧裕はデスノートを閉じて息を整える。
「おっ、もう読み終わったのか?」
「ただ確認しただけ」
デスノート関連は頭の中に入っている。
そして、目の前にいる死神の正体も名前も知っている。
「あなたの名前はリュークよね」
「良く知ってるな。どうしてだ?」
「キラ事件の資料を読んだ事があるから。そこに、あなたの姿をした絵が書かれていた。その名はリュークと記されていた」
「そういう事か」
「そして、あなたはお兄ちゃんの名前をノート書いた」
粧裕は鋭い目をリュークに向ける。
(どんな理由であっても、お兄ちゃんを殺した。)
警察に追い込まれたあの状況なら、死神リュークの判断は適切だったのかも知れない。けれど。
「それも知ってるのか」
死神は特に何も気にせず答えた。
「他に方法は無かったの?」
怒りを覚えながら質問する。
「ああ。あれで良かったんだよ」
粧裕は口を開かず話を聞く。
「面白くなくなったからな」
怒りの表情はまだリュークに向けられていた。
「残念だが、死神は殺せないぜ」
「そんな事は知ってる。半年前に起きたキラ事件は知らないけど、デスノートのルール、お兄ちゃんがキラとして裁いていた事件はすべて把握してる」
資料の内容は一回しか読んでないが、瞬間的に全てが頭の中に記憶された。松田さんの話も一字一句、間違えないで思い出せる。
「それは、すげえな」
淡々と話す粧裕にリュークは笑みを浮かべる。
「普通の女の子だと思ったらお前、やっぱり月に似てるな」
粧裕はそれを複雑に捉えつつ、兄に関する事情を聞く事をやめ、疑問に感じている事をぶつけた。
「あなたは、どうして私に?」
ノートをリュークに向けた。
リュークは頭を抱えて天井を眺める。
「ーー退屈だからだよ」
粧裕はそれがどういう意味なのか問いかける。
「どういう事?」
「キラの思想を持った人間によって今も犯罪者は裁かれてる。」
世の中の情報を遮断している訳では無いが、今の現状についてはあまり知らない。
なので、新鮮な思いでリュークの話に粧裕は耳を傾けたいる。
「そんな偽物じゃあ何も変わらない。退屈なままなんだよ。だからお前にノートを渡すんだ」
「退屈凌ぎにキラの妹に?」
「ああ。月がどう思ってるかは知らないがな」
リュークは声を上げた笑い上げた。
「でも良かったぜ。その様子だとデスノートには感心があるように見える。お前も使うんだろ?」
「それは……」
粧裕は口を逃した。
兄の思想を認める訳ではない。
でも、兄ができなかった事、果たせなかった事。
正義と悪の区別が付きにくい事だけど、兄を継ぎたいのは事実であった。
犯罪者のいない世界を創りあげる。
そして神として新世界を創造する。
そんな事を本気で考えていた兄に……いつのまにか憧れを抱いたのかも知れない。
粧裕は深呼吸をして整理し、ノートに目をやる。
このノートを受け取るか。手放すか。
目の前には兄を殺した死神がいる。
でもそれは仕方が無い事でもあった。死ぬ以外に兄が助かる道は牢獄の中。
それに兄の死の根本的な原因は、Lという探偵だ。
彼は兄を食い止めるために死んだ様だが、資料の中にはLの遺伝子から作られた後継者がいると記されていた。
(なら、お兄ちゃんのようにキラになって、私が、私が……Lを……世界を……)
粧裕は決意してノートを胸に抱き締める。
「私はお兄ちゃんを継ぐ。そして……」
リュークに目を向け、声を上げる。
ーー新世界の神になるッ……!」
(こいつ……月と同じ事を……)
リュークはニヤり笑みを浮かべ、大きく高笑いする。
「面白しれぇ。しばらくの間、楽しませてもらうぜ」
※文書書き直してます。
死神は人間がノートを使った39日以内に使った者の前に姿を現す、か……。
映画版ではミサがノートを使わずレムが直ぐ現れたので、映画版の続きという事でご勘弁を。
デスノートのルールって色々あるんですね………………。
展開速度はガンガンあげます!
デスノートの見所は天才達の頭脳戦です。登場人物が天才でないとデスノートでは無いので、夜神粧裕さんの天才的な描写を所々に入れました。
そして最後のセリフ、、許して下さい。