ベルが流派東方不敗継承者なのは間違っているだろうか?   作:友(ユウ)

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第十八話 ベル、バレる

 

 

 

【Side フレイヤ】

 

 

 

 

 

「おかしいわ…………」

 

私は思わず呟く。

彼は間違いなく魔導書を持って帰り、それを読んだ形跡もあった。

彼の【ファミリア】には彼の他に眷属は居ないはずだし、ヘスティアが魔道書を読んだとしても『神』に効果は無い。

なのに…………

 

「魂の色に、変化が見られない…………」

 

魂の色を見る限り、魔力が発現した様子は無い。

 

「どういうことかしら…………? それとも魂の表面に現れていないだけ?」

 

その可能性も否定できないけど…………

 

「確かめてみるしかないわね」

 

私は眷属達にとある指示を出した。

 

 

 

 

 

 

【Side ベル】

 

 

 

今日は朝の時間を過ぎてもアイズさんとの修行を続けている。

何故なら、今日はリリが下宿先の手伝いをするということで、ダンジョン探索を休むことにしたのだ。

それをアイズさんにした所、修行に一日付き合って欲しいということでこうして今も修行を続けている。

長い時間剣戟の音が響き渡り、やがて太陽が真上に来る頃、

 

「アイズさん。そろそろお昼ですし、昼食にしましょう」

 

「ん、わかった」

 

お互いに構えを解き、2人で街に出る。

 

「アイズさんは、何か食べたいものありますか?」

 

僕がそう聞くと、

 

「ジャガ丸くん小豆クリーム味!!」

 

かなり真剣な表情でそう言われた。

 

「わ、分かりました………」

 

アイズさんジャガ丸くん好きなのかな?

しかも味のチョイスがまた独特な………

アイズさんって…………甘党?

 

「このあたりでジャガ丸くんが売ってる所というと…………」

 

「北のメインストリート。じゃが丸くんのお店があるって、ティオナに教えてもらった」

 

「じゃあ、そこに行きましょう」

 

ふともう一度、北のメインストリートと考えて何か脳裏に引っかかるものを感じたけど、僕は気の所為だと思うことにした。

 

 

 

アイズさんに案内され、北のメインストリートを歩く。

度々嫉妬や殺気混じりの視線を受けているけど、全然怖くないし、何より何かしてくる勇気もない連中の視線なんて気にするほどでもない。

でも、僕は他に気になっていることがあった。

この道のりって確か…………

以前、エイナさんとのデート(仮)で見覚えがある。

そういえばあの時も、ジャガ丸くんのお店に寄って、そこに神様が…………

見覚えのある脇道に入ってすぐにその露天は立っていた。

瞬間、僕は固まる。

 

「いらっしゃいまぁ………せぇ?」

 

そしてその露天の中にいるツインテールの店員さんも固まった。

言わずもがな神様である。

そして、そんな僕達の様子に全く気が付かないアイズさんは、普通に注文を始めた。

 

「ジャガ丸くん小豆クリーム味、2つ下さい」

 

神様がブリキ人形のようにカクカクとした動きでジャガ丸くんを包装し、

 

「八十ヴァリスです」

 

と言って手渡した。

 

「どうも」

 

神様の様子に気にする素振りも見せずに受け取るアイズさん。

やがて神様は露天の裏を回って僕達の前に現れると、

 

「何やってるんだ君はぁあああああああああああああああああああああああっ!!??」

 

大噴火した。

でも、

 

「神様こそ何やってるんですかぁあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっ!!!???」

 

僕はそれを超える大噴火で封殺した。

 

「僕はっ! あれっ! 程っ! 恥も外聞も気にして下さいって! 言いましたよねっ!?」

 

「べ、ベル君!?」

 

僕の反撃が予想外だったのか、神様は押し黙る。

 

「以前はまあ、まだ稼ぎが5桁台だったので大目に見ましたがっ! リリがサポーターになってからは6桁超えましたよねぇ!? なら何でバイト続けてるんですかぁ!?」

 

「そ、それは…………でも………」

 

「でもも糸瓜もありません!! お気持ちは嬉しいですが、ちゃんとした評価を受けたいならしっかりしてください!」

 

一通り神様への説教を終えた後、

 

「で? 君達は何で一緒にいるんだい?」

 

神様が不機嫌ですと言わんばかりの目でアイズさんを見ている。

 

「私が彼に特訓を受けさせて貰ってます」

 

「はい?」

 

アイズさんの言葉に神様は声を漏らし、僕達は説明を続ける。

神様はうんうん頷いて、あらかた説明を終えると、

 

「………うん、話はわかった。それじゃあ、2人共、もう縁を切るんだ」

 

「はいっ!?」

 

「駄目………ですか………?」

 

驚く僕とは違い、無表情に近いが、どこか絶望感を感じさせる表情になるアイズさん。

 

「ああ。ヴァレン某君、ボクのベル君にはもう関わらないでくれ。君にだって立場があるだろう。お互いの【ファミリア】の為にもこれが一番むぐぐぐぐぐぐぐぅっ!?」

 

余りにも失礼すぎる言動をする神様の口を塞ぐ。

 

「な、何をするんだベル君!?」

 

「神様! 断るにしても言葉が酷すぎますよ! もう少し相手のことを考えて………!」

 

僕が神様を抑えようとしていると、

 

「お願いします。ベルとの特訓を続けさせてください………!」

 

アイズさんが神様に頭を下げる。

 

「私は、強くなりたいんです………!せめて、あと2日だけでも………!」

 

アイズさんは、3日後に『遠征』が控えている事を告げ、何度も頭を下げる。

 

「神様………僕からもお願いします。許可してください………! アイズさんの強くなりたいという思いは、痛いほどよくわかるんです…………!」

 

僕も神様に頭を下げる。

 

「むぅ………!」

 

「「お願いします!」」

 

揃って頭を下げる。

 

「はぁ………とことん甘いよなぁ、ボクも………」

 

「神様…………」

 

「後2日間だけだぜ? それからは、ベル君が毎朝決まった方角の市壁の屋上でやってる鍛錬を毎朝僕が指示した方角の市壁の屋上でやるんだ。ベル君ならどの方角でも時間に支障はないだろうし、それでヴァレン某と場所が被ってしまったなら仕方ない。ただし、何らかの方法で連絡を取り合うのは無しだぜ。嘘をつけば『神』にはすぐわかるからね」

 

「神様………!」

 

何だかんだ言って、優しい所を見せる神様に感動を覚える。

 

「ありがとうございます…………!」

 

アイズさんももう一度頭を下げた。

 

「それじゃあ、今日はボクも君達の訓練を見物させてもらおうかな」

 

「えっ?」

 

「何だいベル君、その顔は。大切な眷属に何をされてるか確かめるのも神の義務ってものだろう?」

 

「え、えーっと、バイトはどうするんですか?」

 

「おやぁ? ベル君は僕がバイトなんかしないほうがいいんだろう?」

 

うぐっ、揚げ足取られた。

そう言うと、早めに上がることを連絡しに露天へ駆けていった。

 

「優しい、神様だね………」

 

「………はい」

 

 

 

 

 

 

そのまま神様を伴って修行を再開して時間が経ち、日がすっかり沈んでしまった頃。

 

「わははははは! 流石ベル君だ! ヴァレン某君が全然敵わないじゃないか! ロキの所も大したことないなぁ!」

 

気分良く大笑いしている神様。

 

「御免なさいアイズさん。 神様が………」

 

「ううん。君に敵わないのは事実だから………」

 

夜道を歩き、メインストリートへ続く裏通りを進んでいく。

裏通りが広くなってきた頃、

 

「ッ!?」

 

辺りに潜む殺気を感じた。

 

「アイズさん………!」

 

「……………ッ!」

 

僕の言葉にアイズさんは警戒心を強め、殺気に気付く。

見れば、この辺りを照らしているはずの魔石灯が壊されており、闇夜が広がる。

 

「どうしたんだい?」

 

周りの気配に気付いていない神様が声を漏らすけど、

 

「神様、僕たちから離れないでください……!」

 

「わ、わかったよ………」

 

僕達の様子に只事では無いと感じた神様は大人しくなる。

そして、

 

「来たっ!」

 

複数の影が僕達の四方から襲いかかってきた。

僕とアイズさんは同時に剣を抜き、

 

「アイズさんっ!」

 

「うんっ!」

 

神様を中心にアイズさんが前方を、僕が後方を迎撃しようと刀を横薙ぎに振った。

その瞬間、

 

「「ッ!?」」

 

体の奥底から今までとは違った力が溢れ出し、僕とアイズさんの斬撃が暴風となり襲撃者達を一気に吹き飛ばした。

やがて僕達の剣撃によって巻き起こった暴風が収まると、

 

「ははっ! 凄いやベル君! 一網打尽じゃないか!」

 

神様は賞賛するけど、僕は今の力に疑問を覚えた。

僕の様子が気になったのか、

 

「どうしたんだい? ベル君」

 

そう訪ねてきた。

 

「いえ、今はここまでやる気は無かったんです。精々、直接触れた相手をはじき飛ばそうと思ったぐらいで………」

 

「ベルも………?」

 

「アイズさんもですか?」

 

その言葉にアイズさんが頷く。

原因を考えようと思ったとき、先程の襲撃者より大きな気配を持った5つの気配が上から襲いかかってくるのを感じた。

僕は咄嗟に上に向かって左手を突き出す。

そして大きく円を描き、

 

「秘技! 十二王方牌………大車併!!」

 

6つの気で作り出した小型の分身を放った。

一番大きな気配に2体。

残りの同じぐらいの大きさの4つの気配にそれぞれ1体ずつの分身が迎撃に向かい、

 

「なっ!? がぁっ!?」

 

「ぎっ!?」

 

「ぐっ!?」

 

「げっ!?」

 

「ごっ!?」

 

なんか打ち合わせたような悲鳴が聞こえたあと、ドシャドシャと地面に落ちる音が聞こえる。

だが、1人………一番大きな気配を持った者だけは膝を付きながらも地面に着地していた。

 

「な、何だ今のは………今のがコイツの【魔法】か………?」

 

そう呟く襲撃者の一人。

ああ、十二王方牌を魔法と勘違いしてる。

まあ、初めて見る人にとっては魔法と変わり無いだろうけど。

 

「ぐっ………コイツの強さ、予想以上だ………引くぞ………!」

 

他の4人もヨロヨロと立ち上がり、闇夜へ消えていく。

僕は、いつも感じている無遠慮な視線へ一瞥した後、

 

「帰山笑紅塵!」

 

分身達を帰還させ、気に還元する言霊を唱えると、分身たちが戻ってくる。

一、二、三…………

僕は意味なく帰還する分身の数を数える。

四、五……………?

あれ?

一体足りない。

ダメージを受けて四散しちゃったのかな?

そう思っていると、

 

「な、何をやってるんだ君はぁああああっ!!」

 

突然神様が叫んだ。

僕がそちらを見ると、神様がアイズさんに向かって叫んでいる。

どうしたのかと様子を伺うと、アイズさんがこちらに振り向き、

 

「な、何やってるんですか!? アイズさぁぁぁぁんっ!!」

 

僕も思わず叫んだ。

何故ならアイズさんの腕には僕の分身の一体が抱きしめるように捕まえられており、ジタバタともがいている。

ちょっと羨ましいと思わないでもない。

 

「ベル…………一人貰っちゃダメ……………?」

 

アイズさんは僕の分身を抱きしめながら上目遣いで問いかけてくる。

その仕草に、ズキューン!と何かで胸を撃ち抜かれるような感覚に陥るが、

 

「えっと………真に残念ですが、それは僕の気で作り出した分身なので、しばらくすれば気が四散して消えてしまいます」

 

「…………………」

 

それを聞くとアイズさんはシュンとなり、残念そうに…………本当に残念そうに分身を手放した。

慌てて僕の所に戻ってくる分身。

気に還元されると、なんとも言えない雰囲気が漂い、そのまま帰路に着くこととなった。

 

 

 

 

 

 

 

 

【Side キョウジ】

 

 

 

 

 

私は今、ナァーザに教えてもらったバベルの塔にある【ヘファイストス・ファミリア】の新人達の作品が売られているテナントに来ていた。

当初、稼いだお金は全て【ファミリア】の資金にしようと思ったのだが、神ミアハ曰く、今月の支払いはまだ数日猶予があるらしく、今回稼いだお金は装備を整えるのに使って欲しいと言われた。

確かに装備に物足りなさを感じた私は、その好意に甘えることにした。

もちろんこの数日の内にしっかりと支払い分は稼ぐつもりだ。

ともあれ、私は店の中を見て回る。

流石にシュピーゲルブレードの様な物は売っていないだろうから、小太刀が2本といったところか。

後は出来れば苦無。

なければ投げナイフだな。

この世界にも日本に似た文化があることは確認済みだから恐らくはあるだろうが、贅沢は言わない。

私は武器を見て回る。

ふむ、やはり新人の作品だけあって作りが甘いものが多いが………

私は刀の所を見て回る。

 

「ふむ、悪くないものは大体見終えたが………」

 

正直、もう一歩欲しいという物が多い。

悪くないと思えるものは一本ずつしか売っていない為、左右のバランスを考えるとやはり同じ大きさで同じレベルの物が2本欲しい。

 

「さて、どうするか………」

 

そう思いながらふと視線を泳がせると、

 

「ん…………?」

 

壁に掛けられた2本の武器が目に入った。

私はそこへ歩いていく。

その武器は唯の長剣よりもやや厚めで刀身は1mほど。

そして何より、柄がトンファーのように横に飛び出ており、まるでトンファーと剣が一体化したような武器だ。

私がその武器を眺めていると、

 

「変わった武器でしょう、旦那」

 

カウンターにいる店主らしき男が話しかけてきた。

 

「いや、変わった鍛冶師もいるもんですわ。鈍器であるトンファーと剣を合体させるなんざ、頭がぶっ飛んでるとしか思えねえでしょう?」

 

この武器を馬鹿にする店主。

だが私は、この武器に共感するものを感じた。

私はその武器を手に取る。

 

「…………ふむ」

 

キョウジの【ステイタス】ではやや重いが、シュバルツならば問題あるまい。

そして何より、どこかしっくりくる。

 

「…………悪くないな」

 

「旦那!?」

 

私は値段を見る。

2本セットで五万ヴァリス。

予想よりも高かったが許容範囲内だ。

 

「トンファーブレード………いや、ブレードトンファーと言ったところか?」

 

私はこれを購入することに決めた。

 

「店主、苦無………で通じるかはわからんが、投げナイフのようなものはあるか?」

 

「へ、へえ………極東の苦無を所望でしたら、そちらに………」

 

店主の指す方には、苦無だけではなく手裏剣などの昔の日本でも使われていた投擲武器が売られていた。

 

「感謝する」

 

私は苦無を吟味し10本程購入する。

合計で6万程の支出となったが、予想よりいい買い物ができたと自負出来る。

私は早速ダンジョンで試すことにした。

 

 

 

 

 

私はシュバルツとなり、十階層に来ていた。

ギルドの情報では、十階層からはオークと言った大型のモンスターが出現するらしく、七階層のキラーアントに続いて下級冒険者の最も注意すべき階層の一つとのこと。

だが、

 

「とあぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

 

ブレードトンファーでオークをX字に切り裂く。

 

「………ふむ、やはりいい武器だ」

 

使い心地を確かめるように呟く。

すると、地面から小悪魔型のモンスター、インプが3匹生まれ落ちた為、

 

「そらっ!」

 

苦無を3本同時に投げる。

その3本はインプの眉間に狙いたがわず突き刺さる。

 

「こちらも問題はない………むっ?」

 

どこからか回転して突っ込んでくるモンスターがいた。

おそらくこいつはアルマジロ型のモンスターのハード・アーマード。

上層においては最硬の防御力を誇るという話だが………

ここで躱す事は容易い。

だが私はブレードトンファーに気を込め、

 

「はぁああっ!!」

 

そのまま突っ込んでくるモンスターに振るい、真っ二つにした。

 

「なるほど、上層で最硬といってもこの程度か」

 

特に苦もなく切断できた私は上層の防御力をほぼ把握する。

 

「さて、まだ余裕はあるが、神ミアハは心配性だからな。 今日はこの辺りで切り上げるとするか」

 

今日も買い物の予定だけでダンジョンに潜るとは言っていない。

これ以上を心配かけるのも良くないだろう。

私はそう思い、帰路へついた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【Side フレイヤ】

 

 

 

 

私の眷属たちを簡単にあしらったあの子を見て、私は自分の認識が甘かったことを思い知った。

いくらアイズ・ヴァレンシュタインがいるとは言え、多少は苦戦するかと思ったのだけれど………

下手をすれば、あの子はオッタルに迫る力を持ってるんじゃないかしら?

それに、一瞬だけだったけどあの子の魂がアイズ・ヴァレンシュタインの魂と共鳴した。

それが堪らなく悔しい。

 

「……………フフフ。嫉妬してるのかしら? 私………」

 

自分の心を自覚し、少し楽しく思えてしまう。

ならば次は、

 

「ねえ、オッタル…………次はあの子の魂が輝くところを見たいわ」

 

あの子の魂は本当に綺麗な色をしている。

でも、強く輝いているところは見たことがない。

 

「方法は………?」

 

「あなたに任せるわ」

 

「御意」

 

後ろに控えていたオッタルの気配が消える。

 

「……………オッタルってば、妬いているのかしら?」

 

まさかね、と口に出した言葉を否定しつつ、物思いにふける。

 

「さあ、あなたの魂が輝くところを見せてちょうだい?」

 

その瞬間を想像し、私は疼きを止められそうに無かった。

 

 

 

 







第十八話です。
珍しく月曜日が休みだったので頑張って完成させました(普通は祝日でも仕事なので)。
そこそこ楽しく書けました。
特にアイズがミニベル捕まえたところが。
そこは前から書いてみたいと思ってたところです。
そんでシュバルツの武器ですが暫定的にブレードトンファー持たせときました。
とりあえず鍛冶師付けるかどうかはまだ未確定です。
さて、フレイヤが何やらやる気ですが?
ミノタウロスだと一撃粉砕ですがね。
深層からモンスター引っ張ってきますか?
とりあえず、次回にレディー………ゴー!!!

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