ベルが流派東方不敗継承者なのは間違っているだろうか? 作:友(ユウ)
【Side ロキ】
ようやく待ちに待った皆が遠征から帰ってきたで~!
いやぁ~、アイズたんを始めとして滅多に触れ合えんリヴェリアやレフィーヤともこの【ステイタス】の更新の時だけは好きに触れるから密かな楽しみや!
にしても、何で幹部連中が皆ボロボロなんや?
団長のフィンはもちろんの事、既に【ファミリア】No.1のアイズたんですらフラついとる。
いったい何があったんや?
ともあれ、皆お疲れさん。
さて、お楽しみの更新タイムや!
ほな、一番手は団長のフィンからや!
フィン・ディムナ
Lv.6
力 : S999
耐久 : S999
器用 : S999
俊敏 : S999
魔力 : S999
「( ゚Д゚)ハアッ!?」
いやいや!
ちょっと待てや!
レベルアップ可能なのは未だしもこのアビリティ数値は何や!?
オールSなんて前代未聞やで!?
っていうか、何でこんなに一気に上がっとるんや!?
いったい何があったんや!?
ウチが思わず尋ねると、
「ある人物に修業を付けてもらったからかなぁ?」
なんて驚きもせずに言いおった。
にしても、全然嬉しそうやないなぁ。
その事についても聞くと、
「この程度で喜んでちゃ、あの領域には到底たどり着けない」
真剣な顔で言いおった。
よくわからんけど、よっぽどな高みを見たらしい。
またベルなんかぁ?
ウチはそう思いつつも、とりあえず次の更新者を呼ぶことにした。
2番手はみんなのママさんことリヴェリア。
いきなりフィンのインパクトが強すぎたで、今日はもう驚ける気がせんなぁ………
ウチはそう思いながらリヴェリアの【ステイタス】を更新する。
その結果は…………
リヴェリア・リヨス・アールヴ
Lv.6
力 : S999
耐久 : S999
器用 : S999
俊敏 : S999
魔力 : S999
「リヴェリアもかいな!!」
ウチは思わず叫んだ。
【ステイタス】の高さによる驚きは先程よりも薄かったけど、2人連続ということに驚いた。
思い当たる理由を聞いても、フィンと同じ答えしか返ってこんかった。
何となーくこの後の展開が読めたウチは覚悟した。
ガレス・ランドロック
Lv.6
力 : S999
耐久 : S999
器用 : S999
俊敏 : S999
魔力 : S999
「………………………」
まあ、予想どおりやな。
ティオナ・ヒリュテ
Lv.5
力 : S999
耐久 : S999
器用 : S999
俊敏 : S999
魔力 : S999
「………………………ッ」
こ、これも予想通りや…………
ティオネ・ヒリュテ
Lv.5
力 : S999
耐久 : S999
器用 : S999
俊敏 : S999
魔力 : S999
「…………………………ぐっ」
よ、予想通り…………
レフィーヤ・ウィリディス
Lv.3
力 : S999
耐久 : S999
器用 : S999
俊敏 : S999
魔力 : S999
「………………………ぐぅ」
ま、まだや!
まだいける!
ベート・ローガ
Lv.6
力 : S999
耐久 : S999
器用 : S999
俊敏 : S999
魔力 : S999
「ぐふぅ…………………! ん?」
度重なるボディーブローに思わずうめき声を上げた所で、ベートに新しいスキルが発現していることに気付いた
【
・
・同じ称号を持つ者との経験が共有される(一度のみ発動。その後にこの効果は消滅する)
んんっ!?
この効果って、アイズたんのスキルの効果の一つに似とるな。
それに
にしても、同じ称号を持つ者との経験の共有ってなんや?
ベートの称号って【
まあ、詳しい詮索は後にして、いよいよ次はアイズたんやな。
「………………………………………………」
なんやろ?
唯の【ステイタス】の更新でこんなに戦々恐々するのは初めてやで………………
……………………………………………………………………………………………………結果。
「( ゚Д゚)………………………………………………………………………………………」
………………………………………………………………………………………………………いや、マジで開いた口が塞がらんわ。
アイズ・ヴァレンシュタイン
Lv.7
力 : SSS2000
耐久 : SSS2000
器用 : SSS2000
俊敏 : SSS2000
魔力 : SSS2000
剣士 : SSS
「ゴファッ!!??」
もうやめて!
ウチのライフはもうゼロや!!
もう膝を付いて立ち上がれん!
アイズたん!
限界超えるにしても超えすぎやろ!?
オールSSSって予想したことも無かったわ!!
ウチはそのまま視線を下に流していくと、
【
・
・
・
・同じ称号を持つ者との経験が共有される(一度のみ発動。その後にこの効果は消滅する)
「ガハァッ!!??」
追い打ちのシャイニングウィザードがきたぁっ!!
もうあかん。
今日はもう無理や。
止めのアイズたんの【ステイタス】を見てノックアウトされたウチは、そのまま意識を手放した。
【Side ミアハ】
キョウジが無事にヘスティアの子供たちと帰還してきたその夜。
私はキョウジの【ステイタス】を更新したのだが…………
「………………………」
う~~~~む………………
私は内心唸りながらたった今更新したキョウジの【ステイタス】を見つめる。
キョウジ・カッシュ
Lv.2
力 :S999
耐久 :S999
器用 :S999
俊敏 :S999
魔力 :I0
非常にデジャヴを感じている。
いや、ごまかすのは止そう。
つい二週間程前にあった出来事と全く同じことが起こったのだ。
当然ながら、既にランクアップ可能である。
「いったいどのような【
また再び言い訳を考えなければいかんな…………
だが、キョウジにはとても世話になっている。
この程度のこと乗り越えなければキョウジに会わせる顔が無い。
唯一の救いは、次の【
そう思いながら天井を仰いだ。
【Side ヘファイストス】
ヘスティアの子供達と一緒に消息不明だったヴェルフが戻ってきた。
その報告を聞いて、ほっと胸を撫でおろす私。
暫くして、私の部屋にヴェルフが入ってきた。
「ご心配をおかけしました」
ヴェルフはそう言いながら頭を下げる。
「いいのよ。 無事に戻ってきてくれた。 それで十分だわ」
私は微笑みながらヴェルフを諭す。
「さ、ついでだから、【ステイタス】の更新もやっちゃうわよ」
「は、はい…………」
上着を脱いで背中を見せるヴェルフの【ステイタス】を更新していく。
すると…………
「こ、これって…………」
私は目を見開く。
「? どうかしましたか?」
怪訝そうな声を漏らすヴェルフに私はハッとなり、
「い、いえ………何でもないわ。それよりもおめでとう。ランクアップが可能になったわ。それと、新しいスキルも発現してたわ」
「……………ッ!?」
ヴェルフが息を飲むのが分かった。
多分、叫びたいぐらい嬉しいはずなのに、
ふふっ、可愛い。
「このままランクアップする? もちろん【鍛冶】アビリティも発現しているわ」
「おっ、お願いします!」
「わかったわ」
私はそのままランクアップの儀式を行う。
そのまま用紙にランクアップ後の【ステイタス】を写し、ヴェルフへと渡す。
そこには、
ヴェルフ・クロッゾ
Lv.2
力 : I0
耐久 : I0
器用 : I0
俊敏 : I0
魔力 : I0
鍛冶 : I
《魔法》
【ウィル・オ・ウィスプ】
・
・詠唱式【燃え尽きろ、外法の業】
《スキル》
【
・魔剣作成可能
・作成時における魔剣能力強化
【
・
・『気』を応用した武具を作成可能になる
・同じ称号を持つ者との経験が共有される(一度のみ発動。その後にこの効果は消滅する)
「【
意味深げにスキルの名を呟くヴェルフ。
「どうかしたの?」
「……………いえ、何でもありません…………失礼します」
ヴェルフは一礼して部屋を出ていく。
「……………………………どうなってるのかしらね。これ………」
私は、ランクアップさせる前のヴェルフの【ステイタス】を思い出す。
ヴェルフ・クロッゾ
Lv.1
力 :S999
耐久 :S999
器用 :S999
俊敏 :S999
魔力 :S999
《魔法》
【ウィル・オ・ウィスプ】
・
・詠唱式【燃え尽きろ、外法の業】
《スキル》
【
・魔剣作成可能
・作成時における魔剣能力強化
【
・
・『気』を応用した武具を作成可能になる
・同じ称号を持つ者との経験が共有される(一度のみ発動。その後にこの効果は消滅する)
「ほんっと…………どうなってるのかしら…………?」
異常とも言うべき子供の急成長に、私は首を傾げるしかなかった。
【Side ヘスティア】
久々と思えるぐらいに濃密な時間を過ごしたボク達は地上へ戻ってきた。
戻ってきた瞬間にあのアドバイザー君がベル君に泣いて抱き着いたのは…………まあ、ボクの寛大な心で許すとしよう。
それ以上はぜーーーーーーったいに許さないけどね!!
因みに師匠君だが、ダンジョンから出てきたその足でオラリオを出ていった。
その時のやり取りだが、
「師匠!? もう行ってしまわれるのですか!?」
ベル君が門を潜ろうとする師匠君に呼びかける。
「ベルよ。ワシは元々お主の様子を見に来ただけと言ったはずであろう? お主は思った以上に上手くやっていけておるようじゃ。ワシがここにおる必要はあるまい?」
「師匠! ですが………!」
「かぁあああああああつ!!」
ベル君の言葉を師匠君が一喝で黙らせる。
「ベルよ。今のお前の思いは甘えとも受け取れる。そんな所にワシがおってはお前の成長を妨げることになる!」
「し、師匠!? そんなことは………」
「それに、かわいい子には旅をさせろというであろう? お前はワシの愛弟子よ。故にあらゆる困難を自分の手で乗り越えて欲しいのだ」
「し、師匠………」
ベル君は感極まって涙ぐんでいる。
でも何だろう。
何故か獅子が我が子を千尋の谷に突き落として、更にその場から立ち去って這い上がってきた子を強引に旅をさせてるようなイメージが…………
「よいか! ベル!」
「師匠!」
「流派!東方不敗は!」
「王者の風よ!」
「全新!!」
「系列!!」
「「天破侠乱!! 見よ! 東方は赤く燃えている!!!」」
その掛け声を掛け合い、2人のバックに太陽が輝く。
いや、あれ夕日だから西方だよ。
と、内心突っ込みたくなったけど、ボクは黙っておく。
そして、そのまま師匠君は何処からともなくマントと頭巾を取り出してそれを纏うと、
「さらばだっ!!」
そのまま猛スピードで駆け抜けていった。
「師匠……………しぃしょぉおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!」
叫ぶベル君。
うん、暑苦しい。
周りにいる人たちもドン引きしてたよ。
とまあ、こんなことがあって僕達はようやくホームへ戻ってきた。
で、とりあえずベル君も師匠君の修行を受けたとあって念のために【ステイタス】の更新を行ってみたんだけど…………………
ベル・クラネル
Lv.東方不敗
見 天 系 全 王 流
よ 破 列 新 者 派
! 侠 ! ! の !
東 乱 風 東
方 ! よ 方
は ! 不
赤 敗
く は
燃 !
え
て
い
る
!!!
《魔法》
【魔法に手を出そうとするうつけ者がぁーーーっ!!!】
《スキル》
【流派東方不敗】
・流派東方不敗
【明鏡止水】
・精神統一により発動
・【ステイタス】激上昇
・精神異常完全無効化(常時発動)
【
・好意を持つ異性が近くにいると【ステイタス】上昇
・異性への好感度により効果上昇
・異性からの好感度により効果上昇
・効果は重複する
・
・同じ称号を持つ者との経験が共有される(一度のみ発動。その後にこの効果は消滅する)
「ふぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ…………………」
ボクは大きく……………
大きく息を吐く。
そして内心叫んだ。
何で縦書きになってるんだよ!!!
しかもアビリティ名が消えたよ!!!
どうなってるんだよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!!????
スキル効果が増えてるけどそれは二の次!!
ベル君、君は一体どこへ向かってるんだい?
いくら武闘家だからってわけわかんないよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!!
頭がパンクしそうになるほど頭が熱くなる。
最終手段として、ボクはその場で意識を手放した。
第二十九話です。
今回は、シャッフルスキル発動!
さらば師匠!
そして相変わらずのベル君ステイタス自重知らず!
の3本ですね。
因みにリリはステイタス更新できないので先送り。
お楽しみには後に取っておきましょう。
まあ、色々言いたいことはあるだろうけど、結局はベル君のステイタスが全部持っていきそうな予感?
まあ、狙ってやってますけど。
それでは次回にレディー………ゴー!!