進まないというよりは書きたいことが多すぎて妄想だけが突っ走る。サラさんには素敵な女性でいてもらいたいですね((((
ところで中世イギリスの文化大好きです。モーニングティー、イブニングティー…それからデビュタントとか。素敵ですよね。夢があります(本編には全く関係ありません)。
第1話
9月1日、11歳の子どもがいる家庭はどこも、例外なしに忙しくなる朝。何の変哲もない朝だ。
「サリー、そろそろ出るからロンの荷物、手伝ってあげてちょうだい」
ひょろひょろと上に伸びたような家の中、燃えるような赤毛たちが忙しく行き来してはあれはどこだ、これはどこだ、と騒いでいる。
「オーケー。ああ、そうだわ母さん、フレッドとジョージは?」
魔法界でもある意味有名とも言える一家の子どもたちのその1人。数ある中の1人とて、彼女は中でも有名だった。
歳は15、整った目鼻立ちにハシバミ色の瞳、背中の中頃まで伸ばした燃えるような美しい赤毛。子沢山で有名なウィーズリー家の4人目にして長女、そしてホグワーツきっての天才サラ・ウィーズリー。日刊予言者新聞に取り上げられ、今やイギリスの魔法族ならほとんど誰もが知っている。
まだ学生だが、今まで数々の新しい呪文や魔法薬の開発を成してきた彼女は今や、元々裕福ではなかったウィーズリー家の稼ぎ頭なのだ。
「忘れ物を取りに行くって上に上がったっきり降りてこないのよ」
モリーは呆れたように言って、彼らが置きっぱなしにしていったパジャマに杖を振って洗濯かごに放り込んだ。そこに、まだ直らない寝癖と格闘しながら、一つ上の兄であるパーシーが洗面所から帰ってくる。
「上に行くついでに急かして来てくれ。このままじゃホグワーツ特急に乗り遅れてしまう」
もったいぶったような彼の声に嫌な顔1つせず、少女は快諾して長く伸ばした赤毛を揺らしながら弟たちの世話に向かう。ふと彼女は足を止め、くるりと振り返った。視線の先にはもごもごとパンを咀嚼する妹の姿。
「そうそう、ジニー。ハリー・ポッターが今年入学だって━━━もう知ってたかな。駅で会えるかもね」
サラにとって、この世界的に有名なハリー・ポッターは実弟であるが、ジニーとロン、フレッド、ジョージ━━つまり、サラより下の子どもたちだけは、この家族の中でサラが養子であるとも、まさかあのハリー・ポッターの実姉であるとも知る由もない。
ジニーは頬を燃えるような赤毛と同じくらい真っ赤に染めて、ぼそぼそと「そうね」とだけ返した。その様子にサラも嬉しそうに頬に笑みを綻ばせて軽い足取りで階段を上って行く。
鼻歌交じりに3階まで上がり、すぐ手前のドアをノックした。扉には『フレッド&ジョージ』の札。中からはドタドタと慌てまわる2人の声が聞こえた。
「私よ、安心して」
「サリーか!びっくりさせないでくれよ」
ジョージの声。その声とともに彼はサラに扉を開けた。寝起きにサラが強制的に梳かしたはずの髪も今暴れたせいでまたぼさぼさになっていた。
「色々持って行こうと思ってさ。大丈夫、もう詰めたから。今下りるよ」
イタズラ好きでよくモリーにグッズを没収されている2人は、サラをモリーと勘違いして大慌てでグッズを隠そうとしたらしい。彼らの背後にはポケットがパンパンに膨らんだトランクがあった。
「来年からはトランクの中だけじゃなくてポケットにも拡張呪文、掛けないとダメね」
特に彼らのイタズラに悪い気は感じていないどころか、むしろ母には内密に資金提供までしているサラはにこにことそんなことを言った。
「向こうに着いたらまた掛けてくれよ。俺たちまだ上手く使えないんだ」
ジョージが言った。
「ええ、着いたらね。それと二人とも、その前にもう一度髪を梳かしたほうがいいわ。折角の色男が台無しよ」
サラはいたずらっぽく微笑んで、背の高い弟の赤毛に手櫛を入れる。もちろん、背伸びで、だ。この双子もその下の弟も、果ては妹までも、血筋故かとても背が高いのだ。
「俺のこと色男だってよ」
「同じ顔だろ、バカ」
にやつくジョージにフレッドが呆れて言った。
「二人ともちゃんと色男よ。さあ、そろそろ車にトランクを詰めてきなさい」
クスクスと笑い「さあ行った行った」と彼女は弟たちを部屋から送り出して1つ下の階のもう一人の弟のところに向かう。案の定、彼は階段のところで重いトランクと格闘していた。
「手伝うわ、ロン」
「ああ、ありがと、サリー。皆、こんなのを毎年持って行くなんてすごいや、ほんとに」
ロンはもう疲れたように言って、はあ、と溜息を漏らした。
彼はこの家と同じようにひょろひょろと手足だけ長いような非力な少年だ。皆とは違って中々背が伸びないサラにとってそれは羨ましいものではあったが、本人からすればコンプレックスの塊である。
「すぐに慣れるわよ。さあ、一斉の声で行きましょう」
先にトランクを積み終わったパーシーに手伝ってもらって、数分がかりでやっとトランクを車に積み終える頃、ホグワーツ特急までの時間はかなり迫っていた。
「さあ、早く乗って!ジニーとサリーは前!フレッド、ジョージ!早くしなさい!」
運転席に座るアーサーの声に急かされてやっと、ウィーズリー家は揃ってフォード・アングリアに乗り込んだ。
魔法で拡張しているとは言えど8人も乗れば当然、鮨詰め状態になるのは不可避なわけで。この4人乗りの小さな車に、運転席1人、助手席3人、後部座席4人なんて頭がおかしいとしか言いようがない状態である。
サラは自身もそれなりにギュウギュウ詰めながらバックミラーに映る、すでに疲れた表情の兄弟たちを見て苦笑した。
やっとキングズクロス駅に着いたとき、もう刻限は迫りつつあった。車を停めに行く時間すら惜しく、アーサーを車内に置いて行くこととなり、彼はひどく寂しがっていた。
「急いで!ほら!」
マグルと魔法族で溢れかえる駅構内。ふくろうやネズミを連れた赤毛の一家の大移動なんて嫌でも人目を引いた。さらにはその内の少女━━━サラが次から次へとおかしな格好の人たちに話し掛けられているともあればそれはさらにおかしな光景であった。
「サラ!今年はどんな新作を発表するのかな?楽しみにしているよ」
「サラさん!いつもありがとうね!重宝させてもらってるよ!」
「サリー!久しぶり!また勉強教えてね!」
老若男女問わず話しかけられる彼女の姿に、何も知らないマグルたちは何かの女優か有名な研究者かと魔法族につられてざわめき立つので、いつも余計に9と4分の3番線に入るのが難しくなる。
「じゃあ、いつも通り先に行ってて。私は向こうで変装してから行くわ」
サラは1人、家族から離れようと後ろを振り返り、そして目を見開いた。
少し向こうで不安そうにキョロキョロと周りを見渡している、黒いくしゃくしゃの髪に丸眼鏡の少年。
「ハリー・ポッター……」
思わず口走ったサラの声はホームのざわめきに消えた。
サラの記憶にほんの少しだけ残る、丸眼鏡の奥の優しいハシバミ色の目。ハグリッドが見せてくれた写真で見た、亡き父の特徴をよく受け継いだ容姿。不安げに眉根を下げてさえいなければ、もしかしたら、ジェームズと間違えてもおかしくはないだろうというくらいだ。
サラはもう一度家族を振り返る。家族はまだそこにいた。
「母さん、あそこの子、迷子みたいなの」
母はフレッドとジョージを送り出そうとしているところらしく、2人が成り代わってふざけているのをキッと睨み、今度はスイッチを切り替えたように笑顔でサラを見た。
「あら、魔法族?」
「ハリーよ。ハグリッドに見せてもらったジェームズの写真にそっくりだもの。私じゃ周りの目もあるし、お願いできる?」
「もちろんよ。さあ、心配せずにいってらっしゃい」
笑顔の母に背を押されるまま、「ありがとう」と礼を言ってサラは自分のカートを押して物陰に入り、自身に変身呪文を掛けた。
本来ならニオイで魔法省に厳重注意を受ける行為だが、サラには関係ない。彼女の特殊な状況に見切りを付けた魔法省がこういう事態にのみ使用を認めているのだ。
最早完全に別人となったサラはブロンドを靡かせ物陰から出て人混みに紛れると、難なく9と4分の3番線ゲートを通った。もうハリーの姿は見えなかった。
「ああ、問題なく来れたのね」
出たところすぐのところにいたモリーは壁をすり抜けてきた金髪のサラを見るなりすぐに微笑み、彼女が自身に掛けた変身術を解除した。大抵サラが変身する姿は一緒なのでこの母にはすぐにバレるのだ。
「うん、ハリーは?」
彼女はぺたぺたと確認するようにサラの身体に触れながら半分サラを引き摺るようにゲートを離れていく。
「大丈夫よ。さっきコンパートメントを探しに入ったわ。本当に礼儀正しい子ね」
モリーはカートからサラの荷物を下ろし、列車に乗せた。
「コンパートメントが見つかったら顔を出して知らせてね」
「ええ、わかったわ」
━━━と笑顔で返事をしたものの、列車の最後尾から乗り込んでしばらく、まだ空いているコンパートメントには出会えていない。
既に特急は出発した後なのでモリーに別れの挨拶もできないままになってしまった。
同級生たちとの友達付き合いのようなものがあまり得意なわけでもないサラは、既に3〜4人でグループを築いているコンパートメントに割り込める程仲の良い友だちもおらず、今だトランクを浮かせ引き連れたまま列車を縦断している。
「おーい、サリー!まだコンパートメントを探してるのかい?」
ふと、少し向こうのコンパートメントの前に2つの赤毛が見えた。フレッドとジョージだ。
「ええ…まあね。中々空いてなくて」
サラがそう言うとフレッドは苦笑した。
「サリーはそういうの苦手だもんなぁ。でももうどこも空いていないだろうし、俺たちのところも空きはないし……あ、ここは?なあ、ロン、ハリー」
フレッドは中で事を見守っていた2人を見た。ロンはすぐに頷いた。
「いいよ、ハリーは?」
「構わないよ」
ハリーも嫌な顔1つせず快諾してくれた。
「ありがとう」
「じゃ、決まり。俺たちもう行かなきゃ。ジョーダンがでっかいタランチュラを持ってるって。来るか?ロン」
今度はジョージがコンパートメントに首を突っ込みにやにやと言った。ロンは蜘蛛の仲間が大嫌いだと知っているのにその彼をからかうのは幼い頃からの双子のお気に入りの遊びだ。
「ジョージ?」
サラは窘めるように名前を呼んだ。
「おっと。我らがお姉さまがお怒りだ」
「怖や怖や」
2人は首を縮め、戯けたようにコンパートメントを去って行った。
「イタズラ好きなのよ、寛大に見てあげて━━━ああ、自己紹介がまだね。私はサラ。ロンより4つ年上よ。良かったらサリーって呼んで。よろしくね」
ハリーの向かいに座りサラは彼に手を差し出した。
「僕はハリー、ハリー・ポッター。こちらこそよろしくね」
友好の握手を交わしながらそんな会話を交わした。
少し垂れたアーモンド型の目。父とは違う透き通った緑色の瞳に、くしゃくしゃの黒い髪。全体的に整った顔立ちだが、鼻に乗っているのは、何度も折れたのだろう、ブリッジをセロテープでぐるぐる巻きにされ、レンズに小さなひびが入ったボロの丸眼鏡。それがほとんど全て、彼の折角の顔立ちを邪魔していた。
サラは腰のホルダーから杖を取り出し、ハリーのお粗末な眼鏡を指さした。
「それ、貸して。直してあげる」
「直せるの?」
ハリーは半信半疑ながらも眼鏡を外して差し出した。
「ハリー、ここは魔法界だよ?」
ロンが言った。
「簡単な魔法よ」
サラが微笑み、とんとんとそのブリッジを軽く叩けば、途端に眼鏡は修復し始めた。ひびは火花と共に消え、何重にも巻かれていたセロテープも空中に巻き込まれるように消えた。ブリッジには折れていたような跡も残っていない。
瞬きする間もなく、サラの手に乗っていた眼鏡は新品同様になった。
「はい、掛けてみて。度数も貴方に合わせて変わるようにしておいたわ」
「レパロってそんな魔法だったっけ…」
サラがハリーに眼鏡を手渡すのを見ながら、ロンは半分呆れながら言った。
「ちょっとした魔力のリサイクルよ。こういう古い魔法って無駄が多いから、本当なら余分に消えちゃう分の魔力をそっちに回したの」
さらりととんでも発言をする姉にはもう結構慣れてきているので、ロンはあまり追及はしないと決めている。
ハリーは早速眼鏡を掛けてみて窓に流れていく景色を見ながら、感嘆の声をあげていた。
「ありがとう!サリーって凄いんだね。うわぁ…ほんとに度が合ってる!遠くまでよく見えるよ!」
サラは、嬉しそうに窓に張り付くハリーをにこにこと見守りながらセンチメンタルな感情に浸っていた。
もしもこの子が『普通』だったら、私もハリーも、父さんも母さんも仲良く暮らせていたのかな、とか、でも私は義母さんや義父さん、ビルもチャーリーもパーシーも、フレッドもジョージもロンもジニーも皆好きで、皆とは変わらず家族でいたい、とかだ。
ふと、ハリーの声に現実に引き戻される。
「ねぇ、サリー!この魔法、いつ習うの?」
キラキラした無邪気な、無知な目。
サラは微笑んだ。
「1年生のうちに習うわ。度を合わせようとするとまた違う呪文になるけど、単純に直すだけなら簡単だから」
「そうなの?僕も早く使えるようになりたいなぁ」
「僕も早く習いたいよ」
ハリーに同調しロンが言った。手には新品の杖。元はパーシーのボロを使う予定だったが、臨時で入った収入でモリーには内緒に(当然、後でバレてしまったのだが)サラが勝手に新調したものだ。
「え?君は家族から習ったりしないの?」
不思議そうにハリーが尋ねた。
「んー、フレッドとジョージからポンコツは教わったけど、それ以外は全然。教えてくれないんだ」
ロンが肩を竦めて言うと、それにサラが補足を入れる。
「まだ訓練を受けていない未熟な魔法使いは事故が多いのよ。家庭で教えるところもあるみたいだけど、危ないから私はおすすめしないわ。前に一度、浮遊呪文の練習をしていた7歳の男の子がそばで寝ていた曾祖母の髪に火をつけて危うく大惨事って、新聞に小さく載ってたこともあるもの」
サラの脳裏を過る、新聞の端の小さな記事。5年ほど前のことだが、まだ入学していなかったサラにとっては、それなりにショッキングな記事だったことを覚えている。
「そんなことが?どうしよう、不安になってきちゃった…僕なんて絶対へたくそだよ、本当に燃やしちゃうかも」
「大丈夫よ、ホグワーツは世界一の学び舎だもの。下手も上手いも関係ないわ」
「だといいけど……」
元気付けるように言ったサラに、ハリーは絶望的になって言った。
数々の呪文や魔法薬の功績から、それなりに自信を持っているサラに対し、今まで虐げられてきたハリーは全く以って自信など皆無だった。育った環境でここまで性格は違ってくるものなのかと少し不安さえ覚えるほどだ。
「…そうだわ、ねえ、ハリー。マグルってどんな感じなの?」
ハリー、ロンとマグルのことや魔法のことを話すうち、気付けば列車はロンドンの街を遠に後にしてスピードを上げ、牛や羊が草を食む牧場のそばを走り抜けていた。
もう大きな建物やレンガ、アスファルトさえ、この、窓ガラスの向こうに広がる景色には1つもない。誰も口を開かずに、ただ通り過ぎて行く少しくすんだ草原を眺めていた。
12時を少し過ぎる頃、通路の方からガチャガチャと大きな音がして、えくぼの可愛らしい老女が引き戸を引いた。
「車内販売よ。何かいかが?」
老女の押すカートを見るなりハリーはパッと立ち上がった。不自然に膨らんだポケットがジャラジャラと音を立てる。
反対にロンはポッと耳元を赤らめて、サンドイッチがあるからと席に縮こまった。そんな弟の様子に、サラは微笑んだ。
「大丈夫よ、私が出すから。ほら、好きなの選んで」
サラが出した財布には、ガリオン金貨1枚と、シックル銀貨、ヌクート銅貨がいくらか入っている。全て、サラが呪文やら魔法薬やらの開発で得たお金だ。
サラは何度このお金を、人数やら大食らいの男ばかりやらで日々火の車になっている苦しい家計に回そうとしたことだろうか。だが変なところが律儀な母モリーはどうしても、サラが差し出すお金を受け取ってはくれないのだ。
「貴女が稼いだお金なのだから、貴女の好きなように使いなさい」と、あまりに頑固な母に、サラは交渉に交渉を重ね、やっと毎月2ガリオンずつグリンゴッツの金庫に入れる、という風に落ち着いたのがつい先日。当然、まだロンや他の兄弟たちにまでその潤いは到達していなかった。
サラの言葉を聞いて、ロンは顔を輝かせた。
「いいの?!」
「もちろん。入学祝いよ。私の財布が許す限りなら、好きなだけ」
「ありがとう!!」
ロンはとびっきりの笑顔で、百味ビーンズやドルーブルの風船ガム、蛙チョコレート、かぼちゃパイ、大鍋ケーキ、杖型甘草あめ、かぼちゃジュースなんかで溢れる販売カートに飛び付くように駆け寄り、ハリーと一緒にお菓子を選び始めた。
やがて全種類を少しずつ買って両腕に抱えたハリーは、ポロポロといくつか落としながら席に戻った。ロンも決まったようだ。
「僕、蛙チョコ4つと大鍋ケーキとかぼちゃジュースね!」
「オーケー。じゃあ、私は蛙チョコとかぼちゃパイ。あと、紅茶はもらえる?」
6シックルと3ヌクートとおばさんに手渡し、席に戻るとハリーは既にかぼちゃパイに齧り付いているところだった。
「ありがと、サリー!」
受け取ったお菓子をロンに渡し、ハリーの向かいに腰を下ろした。
「お腹、空いてたの?」
ハリーの隣でかぼちゃジュースの固い栓と格闘しているロンが、うんうんと呻き声を上げるので杖を向け、その栓を飛ばした。このジュースの栓は時々、嫌がらせかと思うほど固く閉められているときがあるのだ。ロンは運悪くそれを渡されたらしい。
「ペコペコだよ。それより、紅茶なんてあったの?」
ハリーは口の端についたパイのくずを拭きながら尋ねた。
「ああ、メニューにはないわよ。私、かぼちゃジュースが好きじゃなくて。1年生のときに、車内販売の飲み物がこれしか無いって知らないで来たからおばさんに迷惑かけちゃったのよ。それからずっと、私専用の裏メニューってことにして紅茶を置いてくれてるの」
水筒も何も持たず渇いた喉だけがひりひりとして、泣きそうになりながら、カートに積まれている大嫌いなかぼちゃジュースを睨みつけていた4年前を思い出し、サラはくすくすと笑った。
「そうなんだ…入学初日にそれって大変だね」
自分もそうならなくてよかったという顔で、ハリーは持ってきていたらしいペットボトルに口を付けた。
「ああ、そう言えばずっと前にそんなこと言ってたっけ」
「今となってはいい思い出ね」
設定ごちゃごちゃし過ぎましたかね…?
サラさんは小さいときの記憶ちょっとだけあります。これだけ言っておきます。あります。
3歳〜の記憶って覚えてるものですよね?私は覚えてるので違和感なく書いたんですが、妹や姉は全く覚えてないらしいんですよね(´∀`;)