訳あり女子生徒   作:海野

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第十二話 地下図書館

 一ヶ月後、ツナ達は無事、退院し、山本は秋の大会に出れたのだ。その数日後の事だった。

 

「遊ぶ?ごめんね、生徒会の仕事が残っていて……遥も今日は用事があって。誘ってくれたのにありがとう。じゃあまたね」

 

 日曜日、ツナ達からみんなで集まって遊ばないかと電話が来たのだが、二人とも用事があって断ったのだった。それも、今、彼女達がいるのはイタリアだからだ。冬花が嘘を吐いたのもその為だ。

 

「ここの地下の図書館には裏の世界で起きた事件は記録されている資料が保管されているからね。ここなら遥の求めるものもあるんじゃない?」

「その為に来たんだからな」

 

 骸達の一件以来、遥達は骸達について調べていた。主にエストラ―ネオファミリーの事だ。

 遥達の育て親、三日月も裏の事については多くの事を知っているが、それも限りがあるだろう。そこで、認められた者しか入れない裏の資料が保管されてある図書館に来たのだ。表向きには一般の図書館だが、認められた者だけは図書館の地下に行けるのだ。

 

「これか。五年前に起きた事件ってのは」

「それ、六道骸に操られたランチアさんが起こした事件だよね?」

「ああ。これもコピーしておくか」

 

 遥が手に抱えた資料は全てエストラ―ネオファミリーが関係する物だ。エストラ―ネオファミリーは人体実験だけでなく、幼児誘拐もしていたらしい。エストラ―ネオファミリーはかなり追いつめられていたみたいだった。

 遥が受付をやっている情報屋と話していると、冬花は気になる題名を見つけ、手に取った。

 “血の洪水事件”門外顧問、通称CEDEFの管轄で起きた事件の事だった。

 CEDEFはボンゴレであってボンゴレでない者と呼ばれている。

 

「ここで保管されている資料の情報源ってどこからきているんだろう?この事件なんて公で公開されているとは思えないんだけど……」

 

 冬花の言う通り、ここの資料の中の多くは公開されていないものが多い。凄腕の情報屋でも何年もスパイをしなければ得られないものばかりだ。

 

「何か見つけたのか?」

「これ」

 

 冬花は遥に資料を見せた。

 七年前に起きたこの事件はかなり悲惨なものだ。

 門外顧問のトップ、沢田家光の部下十二人がホテルのエレベーターの中ですし詰め状態で惨殺されていたのだ。その血は最上階から地下まで溢れていたらしい。

 今回の事件の元となった使用された銃がある古美術商であることからだった。その古美術商が古里真という人物だ。そして、血の洪水事件が起きた現場にも古里真の拳銃が見つかったのだ。その夜、古里真の自宅が襲撃され、室内からは惨い殺され方をした古里真の妻と、娘の遺体が発見されたのだ。

 

「でも、ちょっと待って。古里真の家族構成は妻、娘そして一人の息子がいるって書いてあるの」

「じゃあ、その息子は一体……」

 

 二人は深刻な顔をして考えたが、その答えはどうやら見つからなかったようだった。

 遥は冬花から資料を取り、受付の情報屋に渡した。

 

「旦那、これも頼む」

「あんたらもまだ若いんだからこういうのには首突っ込まない方が良いよ。特に、この事件は危険だよ」

「いいさ。この世界に入った時から覚悟している」

 

 情報屋から資料のコピーを貰うと、遥はお礼を言い、地下図書館を出ようとした時、情報屋に呼び止められた。

 

「“シモン”それがその事件の鍵を解くヒントだってさ」

 

 情報屋は本を読みながら言った。

 

「それは、貴方の言葉ですか?」

「さぁね。ここからは企業秘密だよ」

 

 遥達は図書館を出た。その時の太陽の光はいつも以上に眩しかった。




 こういう図書館があったらいいなと思いました。
 図書館に地下があって、そこには隠された資料とかあったら面白そうじゃないですか?私はこういうの大好きです。
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