ここにくるのも久しぶりでした。今月中には暗殺教室のほうも投稿したいと思っています。
書くのも久しぶりなので、本編ではなく、番外編で短いお話となっています。これからちょくちょく書いていこうと思います。これを読んでいなくても大丈夫です。
それじゃあ、書くか……。
冬の日
ある貧民街にて、一人の男が一人の幼い少女に手を差し伸べていた。
「一緒に来るかい?」
少女は男の手を取った。
窓の外を覗けば、雪が降っていた。少女はその雪に触れたかった。だが、少女は勝手に外に出ることを許されなかった。
五年前、少女は貧民街に捨てられた子供だった。母親の顔は覚えていない。父親は知らない。覚えていることと言えば、自分とは違って愛された兄だった。兄は妙な炎を出すことができた。それからだった。母親の目の色が変わったのは。少女も期待された。だが、出せないことが分かると、寒い外に放り出されたのだ。お前は私の子ではないと言われて。
手足が赤かった。
吐く息は白かった。
帰る場所はもう、どこにもなかった。
涙は流さなかった。流せなかった。そんな時に一人の男性が手を差し伸べてきたのだ。少女は誰でもよかった。
震えた手で男性の手を取ると、男性は自分の首に巻いていたマフラーを外すと、少女の首に巻きつけた。
「さぁ、行こうか」
「どこに……?」
もう、帰る場所なんて、どこにも無いのにと言おうとした。
「君の家だよ。君が帰る場所に」
「帰る場所?」
「そう。“ただいま”って言わないとね」
大きすぎるマフラーに少女は自分の顔をうずめた。
「君の名前は?」
「名前は、無い」
母親からにはいつも「お前」と呼ばれていた。一時期は自分の名前がお前だと思っていたこともあった。
「そうか、じゃあ私がつけてもいいかな。君の名前は……冬花だ」
「冬花?」
「今は雪が降るくらい寒い冬だからね。そして、君の瞳が真っ赤な色をしているからだ。その瞳は真っ赤な花にように情熱的だ」
その時の少女、もとい冬花には意味が分からなかったが、兄と同じ真っ赤な瞳を褒められたことは嬉しかった。
冬花は今までの暮らしとは正反対のものを男性からたくさんもらった。服、食べ物、物。そして、帰る場所。冬花の帰る場所は今いる場所よりも遠くにあることを男性に教えてもらった。
飛行機というものに初めて乗り、やって来たのは異国だった。
「こっちだよ」
迷子にならないように男性は冬花の手を繋いでくれた。どれだけ冷たい手でも温かい手で握ってくれた。
着いたのは山奥にある大きな日本家屋だった。
男性が扉を開け、中に入ると大きな声でただいまと言った。冬花も小さな声でただいまと言った。
すると、一人の女性が出てきた。
「おかえりなさい。で、貴方、その子供は?」
「今日から私の子供だ」
「何を言って……」
「だから私の子供だ。今日からこの子も家族だ。名前を冬花という」
「そんな話をしているのでは……」
何やら言いあっているのは幼い冬花でも分かった。男性は自分の意見を全て押し通し、冬花はこの家の子供となった。
千文字でかなりきつい……。これから少しずつ伸ばしていきます……。