黒曜ランドの入口は開いていた。ここは数年前の土砂崩れで立ち入り禁止になったはずだ。恐らく、ビアンキのポイズンクッキングで錠前を溶かしたのだろう。
途中で大きな穴があったが遥は気にせず奥へ進んで行った。
その頃、ツナ達は事件の黒幕、六道骸の刺客達を倒しながら進んでいた。そして、目の前に一人の男と女が立ちふさがっていた。
「沢田君達は下がっていて」
「一宮先輩!」
冬花はツナの前に出て、上着のポケットから仕込みナイフを取り出し構える。
相手は二人だ。この状況では冬花が不利だ。ツナもそれを分かっていた。だが、ツナ達は男が出す殺気の所為で足が動かなかったのだ。
「ねぇねぇ、あの子ユートの殺気に怯まないって一般人じゃあないよね?」
「……」
女が喋るが、ユートという男は黙ったままだ。
冬花の目つきが変わったのと同時に両者は走り出した。ユートの武器も冬花と同じくナイフだった。
女は手に持っていた鎖鎌を振り回す。
「おっらよっと!」
鎖の先端に付いた鎌が冬花を襲うが、冬花は背を低くして避け、ユートのナイフを受け止める。ナイフ同士が交わり、火花が散る。
男と女の力の差では不利になる。冬花は後ろに下がり、息を整える。だが、そんな余裕はない。鎖が冬花めがけて飛んできたその時、鎖はカーンと金属音を響かせて弾かれた。冬花の目の前に立ち、目を鋭く光らせた。
「おいおい、二人で一人を攻めようってのはかっこ悪くないか?」
「遥!」
遥が間にあったのだ。
いきなり現れた遥に周りは困惑していた。
遥は冬花に手を差し出すと冬花は笑い、その手をとり、立ち上がった。
「これで二対二だ。対等だろ?」
「ふん、一人増えた所で変わりないわよ!」
女は鎖を振り回し、投げる。遥はそれをかわそうとせず、刀に鎖が巻きついた。
「これでアンタは刀を使えないわよ」
「それはアンタも同じだろ?」
「なっ……」
遥は鎖が巻きついた刀を思いっきり宙に放り投げ、走りだし、女の腹に一撃、拳を入れた。
女は倒れ、手に持っていた鎖鎌が手から落ちた。それを遥は拾い、男に向かって投げた。刀が巻きついたまま投げた為、刀がそのまま男に向かって突っ込んでいくように。男はそれを難なくかわす。だが、後ろに回っていた冬花には気付かず、不意打ちで捕手術を使い、男の手を縛った。
「手刀やるより腹を殴る方が効果的だよな」
「まぁね……」
冬花は呆れながら返した。
男と女を木とロープで巻きつけ、動けなくした。
「ちょっといいか?」
「何かな?」
「お前ら、ただの一般人じゃねぇだろ。さっきの男の殺気に動じなかったし、何より、あの動きだ。格闘術をやってただけじゃあできねぇぞ」
それだけでなく、刀も持っていたと付け加えた。
確かにツナと山本はともかく、獄寺はまだ経験は浅いが、裏の人間だ。それにもかかわらず冬花と遥は怯んでいなかった。そして、女の鎖鎌が飛んで来た時に避けたのも一般人じゃあありえない反射神経だったのだ。
リボーンの問いに遥は人差し指を鼻に立てて言った。
「オチビちゃん、誰にだって知られたくない秘密ってのがあるんだぜ?」
それだけ言うと遥は先に歩いて行った