ランチアと山本を木陰まで移動させ、六道骸がいる建物にツナ達は入っていった。
途中で獄寺が落ちている携帯を拾った。
「それ、雲雀のじゃねぇか?」
「ああ、雲雀君のだね」
雲雀に限って倒される事は無いと思うが、嫌な予感はしていた。六道骸は裏の人間だ。雲雀とは経験の差が違う。
「それにしても、上へ行く通路がほとんど壊されてるな」
「敵を招いているもんだよ。よほど自身があるんだろうね」
ようやく階段を見つけると、そこには柿本が待ち伏せていた。獄寺は先制して煙幕を投げてツナ達に先に行くように言った。
「てめぇは残ったのかよ」
「先輩に対する言葉遣いじゃねぇだろ。もっと先輩を敬え後輩」
遥は刀を鞘から抜き、構えた。二対一は不本意だったが、こうなれば仕方が無いと遥は自分に言い聞かせた。
無数の針が遥と獄寺を襲う。それを二人はローリングしてかわし、獄寺はダイナマイトを投げる。それを柿本は導火線をヨーヨで切って爆発を防ぐ。その隙に遥が刀で攻撃するが、柿本は身軽に攻撃をかわし、獄寺を追いかける。その時、導火線が燃える音がした。獄寺が部屋を出る時に粘土にダイナマイトを張りつけ、壁に設置したのだ。大きな爆発が起きたが、柿本は爆発する寸前で体を縮め、ダメージを軽減した。
獄寺はダイナマイトを投げた。柿本はさっきと同じように導火線を切り、爆発を防ぐが、獄寺は上だけでなく、下にもダイナマイトを投げていた。防ぎきれず、爆発した。
「気を抜くな!」
遥は刀を鞘に納め、姿勢を低くして走り出した。爆発による煙の中に飛び込み、柿本とすれ違う直前に刀を抜いた。走りぬけた所で刀を鞘に納めた。煙が晴れた頃には柿本は倒れていた。
「獄寺、先を急ぐぞ」
獄寺の方を振り向くと、獄寺ではなく、そこに立っていたのは敵だった。遥が来る前にツナ達が倒した刺客だろう。
「柿ピーやられちゃったれすかー次はアンタか」
遥は刀に手をかける。その時、爆発が起きた。階段の下からだ。階段のほうを見るとそこには倒れた獄寺と、傷だらけの雲雀だった。
「その面、笑える」
「うるさいね。黙ってよ」
無理でーすと遥はいたずらっぽく言う。
「そこの獲物、僕にくれるの?」
「早い者勝ちで」
ふらつきながらも雲雀は階段を上がり、遥の一歩手前でトンファーを構えた。
それからは早かった。一分も経たない内に敵を倒した。
「お前、そんな体で大丈夫なのか?」
「君に心配される覚えはない」
獄寺は雲雀にサクラクラ病の処方箋を渡した。
「アンタら、ボロボロなんだしさ、ここで休んでろよ」
「できるわけねぇだろ!今頃、十代目は戦っているんだ!ここで休んでいる暇なんてねぇんだよ!」
はぁと遥はため息を吐く。
雲雀も獄寺同様、ここで休むという選択肢は無いんだろう。遥は獄寺と雲雀の手を肩にまわし、ゆっくりと歩き出した。
「またてめぇに貸しをつくちまったじゃねぇか」
「そんな怪我して言われてもなぁ。あの時の事なら別にいい。あれは私の所為だからな。あと、先輩には敬語だろ」
遥と獄寺が言い合っている所を肩を借りながら聞いていた雲雀は思っていた。この二人は似ているのではないかと。
銀髪に緑の瞳を持つ者はそう多くないだろう。だが、二人は兄弟でも無く親戚でも無い。雲雀は遥の事には興味があった為、ある程度調べていたが、彼女は養子。一宮冬花も同じ人物に引き取られ養子になっている。
経歴は幼稚園の頃から明確になっている。特に不自然な所はない。肝心なのはそこではない。彼女達を引き取った親だ。彼の名は九条三日月。遥の名字は彼から貰ったものだと考えられる。結婚はしていない。独身だ。彼は一流大学を卒業しているが、何かをやっている訳ではない。要は宝の持ち腐れと言う奴である。そんな彼が身元が不明な子供を引き取ったと言うのは余程の物好きだなと思っていた。だが、今回の件で一つ引っ掛かるした事があった。それは数時間前に遡る。
「君のような人はたくさん見てきた」
敵のアジトに乗り込み、敵の黒幕に出会ったが、相手の妙な技によってただ攻撃されるだけになった雲雀を見て言ったのだ。
「そう言えば、ランキングには君を遥に上回る者が二人いましたねぇ。名前は、九条遥と一宮冬花といいましたね。そう言えば、一宮は有名な歴史ある一家でしたね。僕の記憶が確かなら、十一年ほど前に幼い末の女の子を表では事故と発表していましたが、あれ、実は意図的なものらしいですね」
雲雀も有名な一家だ。もちろん、その後取りである彼も一宮家の事は知っていた。六道骸の話が本当なら一宮冬花は何者なのだろうかと雲雀は謎に思っていた。
居合好きなんですけど、自分の言語力では上手く表現はできませんでした。難しいですね。