なので大方の方、お初にお目にかかります。
ドライブサーガと銘打っていますが、もちろん非公式の二次創作です。
平成二期の仮面ライダーの原作準拠の、オリジナルストーリーとなっています。といっても、何番煎じになるかもわからないネタではありますが。
また、全部のライダー作品を読み込めているわけではないので、原作との矛盾点等ございましたら忌憚なくご指摘いただければと思います。
もしよろしければ、お付き合いくださいませ。
その年のはじめは、記録的な豪雪だった。
何もかもを埋め尽くし、変化させてしまうような吹雪のなか、一台のジープが一本の山道を進んでいた。
その頭上には、一軒の洋館が建っている。
大きくはあるが、派手ではない。白い屋根が特徴的だった。
その門扉は車の到着に合わせ、自動的にその口を開けた。
軋みをあげてふたたび閉じる門を背に、ジープは停車した。
運転席と助手席から現れた男たちは、荷台のロープを解き、荷物を覆っていたケープを取り払った。
痩身とやや肥満がちの、好対照の二人組だったが、両人の顔は抱え上げた荷物の重量と、その希少価値による緊張とで紅潮していた。
長持のような形状な鉄箱を、おそるおそる中に運び入れる。
中は外の極寒の風景とは違い、暖房がきいていた。
そして玄関では、二人の老人が立っていた。
「ついにきたか」
興奮を隠しきれない様子で、片方の老人は言った。
杖をつき、僧侶の紫衣にも似た、派手な衣装を身にまとっている。
そして、彼よりかはいくばくかは若い、頭に丸眼鏡を置いた軍服姿の老人が、作業員たちに荷を開けるように指示する。
リモコン操作で開錠されたそれが時間を立てて開かれ、中身があらわになった。
「O・H!」と、のぞきこんだ年上の老人のほうが奇声じみた感嘆をもらす。
「まるで、眠っているようですね」
と、丁寧ながらも熱に浮かされたように、初老の男が応じた。
「これならば、きっと上手くいく。今度こそ……! このボディと、この
震える枯れ手が手にしていたのは、巨大な眼球を模した、黄金の装置だった。
それを、鉄箱の中で眠る肉体の腹に置く。
その両端から生成されたベルトが腰の裏まで回り込み、その鋼鉄のボディが浮き上がる。
〈ゼンカイガン! …………!〉
そのベルトから発せられた音声と共に、全身から青白い雷光が漏れ出た。
やがてそれは、その場にいた誰も彼もを飲み込んだ。
二〇三四年の一月は、例年でもまれにみる記録的な豪雪だった。
そして、ごく局地的な轟雷が落ちた日でもあった。
この落雷により一軒の山家が焼失した。
後日、三人の遺体が発見され、一人が行方不明となった。
さらにその半年後、この事件を追っていたある男が行方不明になる。
そして翌年二〇三五年。三人の仮面ライダーが生まれ、この惨劇を端緒とした事件をめぐって争うことになろうとは、誰も予期しえないことだった。
それこそ、宇宙の神様でさえ。