ダークゴーストのガンガンセイバーと、ギルガメッシュのシャフトが噛み合い、火花を散らす。
飛び散ったエネルギーの余波が、周囲の砂地を弾けさせてえぐり、木々を焼いて火柱をあげた。
さながら地獄の様相を見せる山道で、彼らはお互いに、決着のつかない迫合いをやめ、間合いをとった。
体勢を立て直したのは、仙人が先だった。
大剣を投げ捨て身軽になった彼の身体が、黒い霧に覆われる。高速で蛇行しながらギルガメッシュを翻弄し、その手前で実体化したダークゴーストが、野太い雄たけびとともに跳躍と共に、ギルガメッシュのプレートメイルへと拳を叩きつけた。
よろめくギルガメッシュの前で、振りぬいた右腕を得意げに回しながら、その腕で自らのドライバーのレバーを左右させた。
〈ダイカイガン! ダークライダー! オメガドライブ!〉
再びジャンプした彼は、そのまま大きく一回転。黒雲を背にまとって、くりだした飛び蹴りの前で、黄金のライダーは濃紺色のガイアメモリを取り出した。
〈ZERO! MAXIMUM DRIVE!〉
シャフトのスロットに差し込むと同時にギルガメッシュはその鉄棒を投擲した。
楕円形がいくつも重なり合ったかのような、異質なエネルギーフィールドがシャフトとギルガメッシュ、仙人との間を遮った。
十分な威力をともなっていたはずのダークゴーストの必殺技は、それに触れた瞬間に輝きを失い、そのまま地面へと落下した。
「な、なんじゃ……力が……!?」
脚を支えることさえやっとといった様子の仙人の頭上を通過し、黄金のライダーの手元に得物は戻ってくる。
そこからつまらなさげにメモリを引き抜き、今度は黄金のメモリを
「多様なメモリを使えるのは、別に照井春奈と特権というわけでもないんでね」
〈NASCA……MAXIMUM DRIVE!〉
テンションの低いガイダンスボイスを鳴らすそのシャフトの先端を地面へと叩き付けると、そこから地上絵のような幾何学的な刻印が地面に拡散し、それが触手のようにダークゴーストの脚部を捕らえた。
途端にその全身がスパークを起こし、仙人は苦悶の絶叫をあげた。
ギルガメッシュ自身は一瞬、赤と青の閃光を放ったかと思えば、目にもとまらぬ神速で仙人を襲った。
雷光一閃、ともいうべき棒術の打撃は執拗に、ダークゴーストが完全に立っていられなくなるまで続いた。
「今度こそ、成仏するがいい」
冷酷な宣言とともに、シャフトの刺突がゴーストドライバーを刺し貫いた。
その勢いに流されるまま、変身能力を喪った借り物の肉体は、数十メートルを彼方に吹き飛ばされた。
「やりすぎたか」
戦闘の興奮の醒めない様子で、ギルガメッシュはサディスティックに嗤った。
だが、その背後から駆動音が聞こえてきた。
「まったく、良いところで」
とぼやきながら振り返り、乱入してきたライダー、照井春奈をマスクの下から睨みつける。
「今忙しいんだがな」
シャフトを構え直しながら、ギルガメッシュは喉を鳴らして嗤う。
「お前の手品に構っているヒマはない」
「安心しろ、私にもお前に割いている時間はない」
と春奈は返し、タコメーター型のドライバーを握りしめた。
「それにここからは、小細工抜きだ」
……T3アクセルの変身とは、バックルの上下を逆にして。
ドライバーを腹の上にセットする。伸びてきたのは白い帯。その中を、黒い回路が幾重にも交差している。
バイクから離れたUFOのガジェットが二つ、両方の腰にセットされた。
「
天をあおいでつぶやいた彼女の言葉に反応するかのように、両腰の円盤のスロットに、二本の赤いメモリが設置された。
〈ARMS!〉
〈ARROW!〉
という音声が流れ、最後に自身のアクセルメモリのボタンを押して、バックル中央のスロットへと装填した。
〈ACCEL! ADVANCEDSYSTEM……ACCESS!〉
「超……変身」
その掛け声とともに、彼女の肢体に装甲のパーツが構築される。
深緑を主体としたカラーリングが反転し、赤がメインに移り変わり、銀色のホーンは金へと染色され、T3のそれとは逆向きに頭部へと取り付けられる。昆虫の触覚のように二本に伸びたそれを輝かせ、直垂のようなスカートを脚部の上からなびかせる。
手にした銃はより分厚い装甲に覆われて一回りほど拡張され、半月状の弦のようなものが、銃身の上に形成された。それは、もはや重火器というよりは、あきれるばかりに巨大なボウガンといった具合だった。
「仮面ライダートリプル
黒いバイザーの下、緑に変色した眼光に必殺の念をたぎらせて、照井春奈は引き金を引いた。
設定盛りすぎウーマン