キーンコーンカーンコーン
「今日はここまで。板書写した人から終わりな」
そういって、若い教師が教室を出ていく。
10月最初の月曜日。金曜日までは、まだ長いみたいだ。
←∀》…『?※∑>:』・←∀》…『?※∑>:』・←∀》…『?※∑>:』・
部活に向かう者、帰宅する者、しばらく友達と話してから帰宅する者。
僕は鞄を引っ掴み、一人で教室を出た。
向かうは屋上。
階段を上がり、錆び付いたドアを開けた。
屋上からの眺めは良いほうだ。マンションやビルなどがなく、夕方は地平線に沈む夕日が見える。
――見る余裕があれば、だが。
突然、背中に衝撃が走る。状況を把握する前に地面を転がった。
「ぐっ……」
痛みを堪えて顔を上げると、数人の体格の良い男子生徒が立っていた。
「よー、篠井。久しぶ……りィ!」
「うっ!」
手前にいた男子生徒に腹を蹴られ、また地面を転がる。
ゲラゲラという汚い笑い声が耳に入る。
早くもぼんやりとしてきた視界に写った、一人の女子生徒。
茶色の
「蒼伊くぅーん、ひっさしぶりぃ。元気だったぁ?」
――
河野財閥の一人娘。クラス、いや、学校内でも知らない人はいないであろう苛めっ子。
河野財閥は、
警察庁や自衛隊などの軍事関連から、銀行や生命保険などの民間にまで精通する巨大
朧気な意識でそんなことを考えていると、肩を蹴られて仰向けにされる。
「っぐ」
体が、動かない。
そこに、河野がちょこんとしゃがんで顔を覗き込んできた。
「ねぇ、蒼伊君、覚えてる?」
始まった、
「去年、蒼伊君が私にしたこと」
やめろ、
「辛かったよ、蒼伊君に裏切られて」
やめてくれ、
「私は何か悪いことしたかな?」
頭がおかしくなる、
「私の、何がいけなかったのかな?」
ああ、もうだめだ。
「ねぇ、蒼伊く――」
「僕はっ!! 何もしてなっいぐぁっ!?」
叫んだ途端、腹に膝蹴りを食らった。
「げほっ、げほっ……っはぁ、はぁ」
痛い。痛い、痛い痛い痛い痛い――!!
「口答えしちゃだめだよ、蒼伊君」
痛みを堪えているところにかけられる声。
僕は河野を睨んだ。睨んでしまった。
殺気。
「……だめだって、蒼伊君……ずっと我慢してたのに、そんな顔されたら……ゾクゾクしちゃうって……我慢できなくなっちゃうからさぁ……」
頬を紅く染めた河野に、畏怖を感じた瞬間、
僕の意識は、途絶えた。