1話 二天一流の後継者と開祖
「お前の先祖には宮本武蔵がいたとされている。お前は刀を振り続けろ。二本の刀を自在に操れるようになった時こそ、平成の宮本武蔵と呼ばれるような男になる」
そう祖父から言われたのは俺が幼い日、俺が小学校からいじめられて帰ってきた時だった。それが真実かはわからないが俺はそれを信じた。
その時の祖父は何処か厳しく、悲しい優しさのこもった声をしていた。
何故かわかったのは俺が宮本武蔵の流派、二天一流を学んでいた時だ。祖父や母の教えで刀は触れるようになった。もちろん竹刀だが重さは本物の日本刀の重さの物を振っていた。
そう。俺の力ではその重さの刀を2本同時に片手で持ち自由自在に操ることができないのだ。
二刀流は今の俺には操れない。
同じように祖父や母も操れない。というかあの人達は刀と刀という事をしない。
母は少しは刀をしているが本業は、妖術?と言っていたがよくわからない術を使う。なんか急に酔ったりするしわけわからん。
祖父はそれを知っていてあの時、優しさの中に悲しみがあるような声になったのだろう。
祖父は、弱かった俺に生き甲斐を、強く生きていく生き甲斐をくれたのだ。
そして二天一流を教えてくれたのは、一族が平成まで密かに繋いだ流派を廃れさせないためだ。
ただ、型は覚えたが操れない。
二天一流は宮本武蔵にしか操ることのできない型だったのだ。 それに気づいたのは半年前だった。
筋トレをしても意味がないことに気づき祖父に尋ねたところそういうことだった。
父の先祖は武家ではない、姫様奉行というものらしい。家紋はあの井伊直弼と同じものを持ってはいるがあまり関係がないらしい。
だから父は俺の相談にすぐにのってくれる。
もちろん型についてや技については祖父や母に聞く方が良いのだが父からは別のことを学んでいる。
「二本の刀を操れない」父にそのことを話すとこう言われた。
「タツキ。俺にはよくわからないが、お前に二天一流が操れないのなら、お前なりの二天一流を編み出せ。宮本武蔵の二天一流は刀と刀の二刀流だ。俺なら刀と他の何かを合わせて二天を一つに纏めるがな」
父はそういう人間だ。
型にはまらないというか、一般的な考え方をあまりしないというか、だからそういうことを言う。
だが、理には叶っていた。
二天一流の二天とは何も刀と刀ではないのだ。
ただ宮本武蔵が刀と刀を二天で繋いだだけだ。
なら俺はーーー。
ーーー
「すぐにマスター適性のある人間を集めて!レイシフト実験を実用に移します!カルデアスの光を取り戻さない限り、人類に未来はないわ」
白髪の髪の女性の発言により、マスター適性のある人間を集める計画が始まった。
ーー
「おめでとう。貴方は此度のマスター適性有とみなされました。本日より、此方に来ていただきたいと思い、お伺いした次第です。」
茶色の髪の毛、黒い服、デザインとして服の中心は水色のラインが入っている嘘くさい男、それが初めの印象だった。
「あー。そういうの、いらないんで。めんどい。」
タツキはただ流し、その場を去ろうとした。
タツキは現在、実家を出て修行をしながら大学に通っていた。
現在は大学へ通う通学途中だ。
「まあまあ。君は選ばれた。だからこそ来なければならない。君のご家族にお話したところ、学んでこいということで快く快諾していただいた。」
「は?まじで言ってんのか?」
「はい。これを授かって参りました。」
そう言って渡されたのが、二本の刀と二本の小太刀、そして黒色の袴だった。
「まあ。刀とは今時古いとは思ったのですが、いちよう。」
どうぞと言われ、それを渡された。
そしてその男が何かを呟き、俺の意識はどんどん遠ざかっていった。次に俺は目が醒めると、俺は、
【人理継続保証機関カルデア】
という場所にいた。
量子ダイブというやつをやらされたりといろいろ説明された。
大まかな説明は先ほど俺を連れてきたやつからなんとなく説明された。その男はまた人材探しとかでその場から立ち去った。
俺の部屋には四本の刀に黒色の袴、そして白色の服に黒いズボン、制服らしい。
俺はサーヴァント?というやつと契約をして、地球を救う?らしい。
ただし補欠らしいので活躍の場があるかは不明とのこと。
なんのこっちゃ。
2016年12月31日までに救わなければ、人類の未来はないらしい。
まったく嘘くさい話だが。なんとなく真実なのだとわかってしまう。
それほどまでにこの場所で行われているものは、規模が大きかった。
そしてこれから制服を着てブリーフィングと呼ばれる講義を受けなければならないらしい。
制服は高校に通っている時に何度も着ていたがまったく。どこに行っても制服はあるものだ。
俺はブリーフィングを受けるために、制服を着て自分の部屋から出た。
うん。わからん、どこへ行けばいいんだ。
とりあえず歩こっ!?!
「うわっ!」
「おっと」
なんとなくで行動してしまったため、何かとぶつかってしまった。
「すまない、大丈夫かい?」
「あ、ああ、はい」
深緑色の高帽子をかぶり、深緑色のスーツを着たもじゃもじゃ髪の男だった。
男だった。
ヒロイン的な展開は何処へ行ってもないらしい。
「うん?君は?」
そういうと、その男は腕にはめていた銀色の何かをタッチし此方を見た。
「ナンバー46......あぁ。一般採用の子だね。悲観することはない。今回のミッションは全員の力が必要だ。ああ、私はレフ・ライノールここの技師の一人だ」
「はあ。宮本タツキです。よろしくお願いします。」
悲観することね。俺的には同世代の中では群を抜いて刀は強かったんだけどな。それでも補欠とか他の奴らは一体どんな連中だよ。
「ところで行かなくていいのかい?遅刻すると所長に睨まれるから気をつけたまえ」
「ええと、非常に言いづらいのですが、ブリなんとかを受けるための場所を教えてもらいたいと思っておりまして」
「それならーーー」
レフさんという男から場所を聞きその場所へ向かった。
エレベーターのようなもので下へ降りていき、ほぼ埋まった席の中から空いてる席を見つけそこへ座った。
「つーかアレなんだ?エレベーター......だよな?」
見慣れない物は、少し興味が湧いてしまう。
ブリーフィングでは初っ端から所長に「最低5分前には来なさい!次は許さないわ!」といきなり怒られた。
講義は進んでいき、途中で所長に怒られ追い出されるやつもいたりと普通に進行はしなかったが、なんとか終わり、俺はその場を去った。まあ。めんどい。帰ろうと思う。何故?決まってる。言ってることが意味わからん。
俺らのことを道具とか言いやがって。それで納得してる連中も連中だ。まあ、所長も納得がいかないなら去れと言っていたし、部屋を出て行く前にレフという男に一瞬睨まれたが、何もなく俺はその場を去った。
刀と袴は家宝だからそれを回収して帰るか。
自分の部屋へ入った瞬間、俺の顔の横を何かが走った。
「私の刀を奪うなんてやるじゃない」
うーん?俺の顔ギリギリを俺の刀が貫き壁に突き刺さった。
青い着物に桃色の羽織、桃色がかった、白色の髪を右だけ長く、後ろで束ねた女の子が俺の部屋にいた。
「私の刀を返してもらうわ」
「めちゃくちゃ言うんじゃない、それは俺のだ」
「へー。刀を使うんだ。なら、私のもう一対の刀を貸すわ、やりましょう立会い」
そういって俺の刀を貸すと言って渡された。彼方さんは俺の刀を使うらしい。その腰に帯刀している刀は何なんですかね。
「あぁ、いいぞ、やってやるよ、クソ甘」
「二天一流・継承者 佐藤立樹宮本玄三 手加減はしない、女としてではなく一人間として相手をする所存、覚悟去れよ」
「へー。なるほどねぇ、縁とはこういうものなのかもねぇ」
何か訳のわからないことを言っている女。
「おい!お前も名乗らないのか?見た目はアレだが、太刀筋からするに、刀に自信があるんだろ?」
「そうね、じゃあ名乗るわ、新免武蔵藤原玄信、どう?驚いた?」
「何に?」
「へ?」
俺の答えに、何処か拍子抜けと言った反応だった。
「わけわからないこと言ってないで、始めるぞ、ルールは片方が負けを認めるまでってのはどうだ?」
「なるほどねぇ。タツキだっけ?あなた、タチ悪いわね」
「なんだよ、わかったのか?」
「わかるわよ。そのルールだと私が貴方を殺しても勝ちにはならない、何故なら負けを認めてないから」
「なんだよ。気づいたのかよ、つまんねー」
「ふふっ、ほんっと上手いわね、でも私には効かないわ」
「私も流派を名乗らないとね、我が流派は二天一流!開祖である私が伝承者である貴方を試してあげるわ」
開祖?つまり始めた人?え?二天一流をはじめた人?それって
「なんだと?なら、あんたはまさか宮本武蔵なのか?」
「まあ、そういうことになるわね。じゃとりあえず始めましょうか」
そう言って刀を構える自称宮本武蔵。
「いや待てよ、ならあんたの本気は二刀流ならこそだろ、二本持てよ、あんたの脇差使いな」
「その言葉お返しするわ、貴方こそ、二刀流が刀一本でいいのかな?」
「ああ、構わない、俺が使う二天一流は俺の二天一流だからだ。立会の時には刀と刀の二天一流は俺は使わない」
「へぇ!面白いじゃない!貴方最高!」
「始めるよ!開始!」
宮本武蔵を名乗るだけの事はある。一閃の速さは異常だ。
宮本武蔵なのか確かではないが、わかることはこいつマジで強い。
先ほどから受けて避けるので精一杯だ。
真剣を使うのは初めてなのに馴染むのは、あの竹刀がそれほどまでに出来の良い竹刀だったのだろう、それもあり、この真剣を自在に操れている。
一本なら負けることはない。せめて引き分けなら。
「引き分けに持ちこもうとしてる?」
「いいんですか?鍔迫り合いの時に話すなんて阿呆ですよ?」
「言ってくれるわね、じゃあお言葉に甘えて二刀流やらせていただくわ」
そういうと宮本武蔵?は脇差を抜き二刀流の構えをとった。
そう、この後の太刀筋でわかる、二刀流は宮本武蔵本人にしか使えない流派だからだ。
「いくわ」
一太刀目は先ほどと同じくよけた。
先ほどと同じくだと?
太刀筋に鈍りがない、片手で振ってることを忘れてしまっていた。
やばいもう一太刀来る、腰に収めていた鞘を咄嗟に抜き二太刀目を止めた。
「鞘で止めるなんて、負けを認めたようなものよ?」
「わかってるさ、でも勝つためにはってやつだよ」
宮本武蔵の腹に蹴りを入れた。
「イッ!」
「しゃっべってばっかで、足元に注意を払えてなかったな!こっちだって二天一流なんだ、負けるわけにはいかねーよ」
ポチッと。
タツキが部屋の壁のスイッチを押すと部屋の灯りが消えた。
そして、先ほど宮本武蔵(多分本人)がいたところの後ろへすり足で周り込み、見えない敵を全力で斬った。
悪く思うなよ、俺はこういうやり方が正しいと思ってる。
「へぇ、案外、私好みなことするじゃない」
「なっ!?」
タツキの刀は空を斬っていた。
「ふふふ、私だってよくやるもの灯り落とし。」
「なっ!正面から闘えよ!」
「なっ!貴方だってやってるでしょ!」
暗闇の中声をあげ、お互いはお互いの場所をなんとなく把握した。
きっとあいつは感で斬りつけてくる、きっとそれは避けられない。
立っていればだ。
刀を持ちゆっくり腰を下ろし床に伏せ、匍匐前進で前へ進んだ。
そして足を斬る。
ゴチン!
「イッテェえええ!」
「イッタアアアア!」
お互いの頭がぶつかり二人してその場で転げ回った。
「何してんだよ!戦ってる時に寝てるとか何考えてんだ!」
「それもこっちのセリフよ!なんなのよ!全く同じこと考えてるじゃない!」
「この辺にしないか?」
「そうね、貴方を認めるわマスター」
「は?」
「サーヴァントセイバー、召喚に応じ参上した。よろしくマスター」
武蔵は刀を収め膝をつき俺の目を見てそう言った。
「?よくわからんがよろしく頼む」
「ねぇ、聞いていいマスター。貴方は何と何を結んだの?」
「俺は刀と何でもやるずるさを結んだ。なんとでも言え。これこそが俺の二天一流だから否定はさせない」
「いいえ、否定はしないわ、でもその代わり刀があの程度じゃ駄目よ、もっと修行しなさい、せめて私と打ち合える位にね」
「そうだな、宮本武蔵さんは俺に修行してくれるのか?」
「君が私に飽きるまで自称宮本武蔵が精一杯相手をしましょう」
「自称ってwそらそーか宮本武蔵にそんなバカデカイ栄養袋が二つもついてるわけないしな」
「デカイ栄養袋?......?なっ!?!?殺すわよ?」
「ごめん!冗談!だって俺の世界じゃ宮本武蔵って男だぜ?」
「そうなんだ。まあいつかわかる時が来るわよ」
「じゃあまあ、お互い、自らのために一蓮托生しますか」
「で?宮本武蔵さんはなんて呼んだらいいんだ?俺はタツキでいいけど」
「そうねぇ、もう武蔵でいいわよ、マスター」
「なあ、そのマスターって何?キモいんだけど」
「なっ!?信じられない!貴方が私の刀まで用意して召喚したんでしょ!」
「はっ!?そんなことするわけねぇだろ!」
「えぇ!?何それ!」
「それはこっちのセリフだ!」
「じゃ、なんかよくわからないけど、でも貴方が私のマスターなのは確定なんだけど」
「タツキでいいぞ?」
「マスターが私のマスターで確定なんだけど?」
「タツキって呼べ?」
「マスターが」
「令呪よ、こいつに俺のことをタツキって呼ばせるようにしろ」
俺がそういうと右手に刻まれていた赤色の刻印が一つ消えた。
「は?タツキあんた馬鹿じゃないの!阿呆よ!阿保!タツキは阿保だよ!」
「いいだろ別に!マスターとか気持ち悪い言い方されるの嫌だっつーの!」
「それに俺はもう此処から去るんだぞ?」
「それはいいんだけどさ、タツキ多分出られないわよ」
「え?」
ゴオオオオオオオ
という轟音の後
警報器の音が鳴り響いた
FGOにて190連爆死
宮本武蔵さんと出会えず、今回はFGOにて出会うための作品。
こんな感じに何気なく出会えたらいいのですが......。
まあそれはそれとして、
マシュではなく、宮本武蔵さんとの出会いで始まる物語です
マシュは藤丸立花さんのところにいるので奪えないです笑
二天一流を継承する主人公の物語
↓こちらオリジナルキャラクターのタツキのイメージイラストです
絵は苦手なので申し訳ないですが
少しでもイメージとして持っていただければ幸いです
【挿絵表示】