フランス軍を抜けたタツキはまずはジャンヌの元へ走った
「ジャンヌダルク!黒い方もいるな。で、ジャンヌはあの黒いの担当って感じでいいのか?」
「はい、そういうことです」
「助太刀したいが、この戦いの勝敗はあのデカイ竜を倒せるかだと俺は考えてるんだが、ジャンヌはどう考える?」
「はい、同意見です」
「なら俺はあの竜殺しの助太刀に行くよ、それで武蔵はどこにいる?」
「彼女なら、あそこです。。。怪我をなさっているのであまり動かない方がといったのですが」
竜殺しやジャンヌ、藤丸達に近づくワイバーンが一匹もいないのは武蔵が一点に引き受け始末しているからだった
「あっちにいった方がいいかな」
「あ、それなんですが、タツキさんが来たらこう言っておいてと言われました『合流するのが遅い。待ってたわよ』らしいです。それと『やるべきことをやってきなさい』らしいです」
「ジャンヌありがとう」
「はい」
タツキはジャンヌに頭を下げ、すぐに竜殺しの男の元へ向かった。
「おいそこの竜殺しの男、共に戦うことを許可してもらえないか?」
男はタツキに呼ばれ、タツキを見てその腰に帯刀されている4本の刀を見て一人頷いた。
「剣士か、構わん。今は人手が多い方が良い」
「すまない」
「それは私のセリ......」
ジークフリートは何かをボソッと呟いた。
「え?」
「イヤなんでもない」
「そうか、藤丸、任せたぜ」
「タツキ!やっときたか心配したよ」
「俺は死なないさ!多分!」
「ははは、怖いな」
「まさか、三度。貴様と相見えることになるとはな」
「三度?」
「そうだよタツキ、彼は竜殺しジークフリートさ、あのファヴニールを倒したことで有名な英雄だよ」
「まじか!あれを倒したとか」
「ファヴニール!邪悪なる竜よ!俺は此処に居る!」
「ブォオオオオ」
ジークフリートの宣言にファヴニールが反応を示した。
「サーヴァント達よ!前に出よ!」
「やあ、君達!」
「あああああああ!お前!おい!お前!男か!女か!どっちなんだ!」
「失礼だね、それは何方でも良いこと、私はシュヴァリエ・デオンそれだけだ」
「武蔵!ワイバーンはフランス軍の援護もあるから無理しすぎるなよ!」
武蔵に聞こえるぐらいの声で叫び、タツキは前を向いた。
「シュヴァリエデオンとかその他諸々は藤丸任せていいか?」
「ああ、それはいいがタツキは?」
「もちろんあの竜を倒すしかないだろ?」
「そうか、わかった、任せろ」
「サンキュー!」
タツキはジークフリートの隣へ向かった
「ジークフリートって言うんだってな、俺はタツキよろしく頼む」
「よろしく」
「早速だが、竜討伐とでも行きますか」
「そうしたいところなんだが、敵のサーヴァントが多すぎる」
「そんなの勿論、急行突破しかないじゃないですか?」
「成る程。やるか?」
「勿論!お前はメインだろ、俺の後ろに退がってついてこいよ」
「俺が?俺は守られる立場には無いんだがな」
「まあ、今回は役割分担ってやつさ」
「すまない」
そう言ったジークフリートは何処かドヤッとしていた。
「なんだ、そのドヤ顔。。。」
「気にするな」
「じゃ、行きますぜ!お客様」
タツキは二本の小太刀を抜き全力で走り出した。
「行かせない!」
シュヴァリエが阻止しようとタツキよ前へ割り込んできたがタツキは気にすることなく走り続けた
(任せたぞ)
「行かせません!」
シュヴァリエの前にマシュが立ち塞がった。
「ナイスだ!マシュ!」
「頑張ってください!」
シュヴァリエはマシュを振り払おうとするもマシュは鉄壁だった。
流石だ
「一気に走り抜けるぞ、竜様がお待ちですよ!」
「ああ!」
「ブォオオオオアアアアア」
ジークフリートの接近にファヴニールが反応を示した
ファヴニールの前に着いたタツキとジークフリートは辿り着くまで何体かの骸骨達を始末したものの無傷で辿り着くことができた。
「タツキ、これだけは言っておく、俺が前回こいつに勝てたのは無数の敗北からわずかな勝ちを拾い上げたようなものだ、覚悟はできているか?」
「覚悟とは?俺がお前の無数の敗北分の時間を稼げってことか?」
「違う、それでも戦う覚悟はあるのかと聞いているんだ」
「なければ来ないだろ。それに俺がさっき言った事は違わない、俺はお前の無数の敗北分を引き受けてやるよ」
「何を!?」
「見てろよ、それと見落とすなよ」
タツキは小太刀を二本とも鞘へ納め。紅色の鞘の刀【 紅刃命要 】を抜いた
「久しぶりだな、蜥蜴野郎!」
「ブォオオオオ」
ファヴニールもタツキと事を忘れてはいなかった。
一瞬とはいえ、ファヴニールは彼に畏れをなしてしまったのだから
「ブォオオオオオオオオ」
ファヴニールは方向の直後、その足で踏み潰さんとタツキへ向かい振り下ろした
タツキはそれを避け、返しでファヴニールのその足を斬りつけた
「ブォ‼︎」
タツキは一本の刀を何回も切返し、ファヴニールの右前足を斬りつけ続けた。
ファヴニールはそれを回避しようと翼を広げた
「ジークフリート!今!」
「任せろ!」
広がった翼をチャンスを伺っていたジークフリートが切断した
「ブォゴオ‼︎」
ファヴニールは少し後退をしたが、直ぐにジークフリートへめがけ左前足を上げた
「しまっ!?」
ジークフリートは着地地点を少し誤っていたため完全にファヴニールに潰される未来が見えた。
「いや、任せたんだったな」
「そうさ!任せろって言ったろ?」
《 一刀−滝登り》
斬り上げの攻撃の中でもタツキの滝登りは剛の技、ただ力一点に絞られた技であり、この技は隙が大きい分威力に関しては申し分ない
ファヴニールの足はタツキの斬り上げにより着地地点をズラされた。
「ジークフリート!」
「ああ!」
ズラした足の逆足にジークフリートが斬り込んだ
二本の足を同時に意識して動かすのはそう簡単な事じゃないだろう
苦戦を強いられたファヴニールは空に向け何かを吐き出した
「なんだあれ?」
「タツキィイイイイ!回避ィイイイイ!」
ジークフリートが突然叫んだが遅かった。
吐き出された何かが弾け、周辺を花火の如く拡散したブレスが襲った。
「ジークフリートさん!」
後方から藤丸の指示により飛び出してきたマシュがジークフリートを守った。
しかしタツキはジークフリートとは真逆の足を狙っていたため完全に回避するしかなくなった。
「タツキさん!」
「マシュはジークフリートを守れ!」
「ですが!」
タツキはブレスを避け続けたが、こういう時に襲ってくるのが傷というやつで
タツキの動きはファヴニールという強大な敵を前にアドレナリンが放出され、痛みを感じていなかったが、それが切れ始めタツキの動きは鈍かった。
「やべぇ!こいつのブレスが花火のように拡散するとか聞いてねぇ!」
タツキは全力で地を走り回りそして、同時にファヴニールへの注意を忘れてはならないという状況は続いたが直ぐに終わった。
ファヴニールのブレスによって
「おいおい、なんだよその口にで光ってるやつはよ!」
「マシュ!宝具展開!」
「はい!」
藤丸の指示によってマシュが宝具を展開した
《ロード・カルデアス》
展開された巨大な盾の宝具
あそこに行けば守られるんだよ!もっと早く動けっての!
タツキは自らの足を鼓舞し全力でマシュの方へ走ったがファヴニールがそれを許すはずが無く
《ブォオオオオオオオオオオオオオ》
閃撃
と呼ぶには軽すぎるか
ファヴニールの口から放出されたブレスは狂い無くタツキを襲った
「タツキィイイイイ!」
「タツキさん!!!!」
「タツキッ!!」
藤丸、マシュ、ジークフリートの声が耳に入ってくるのがわかったがこれはやばいというか死んだ
タツキはそれを見ていることしかできなかった。
数分前フランス軍
「ジルさん、あんなこと言っていいのですか?殺されるんですよ?」
タツキが去った後、ジルドレェの隣にレコンがいた。
「構わない」
「ジルさんもカルデアに行きたいって感じですね、いや、カルデアというより、ジャンヌダルクの元へ。ですか?」
レコンの言葉にジルドレェはフッと笑みを浮かべ
「今、共に戦えているでしょう。それ以上は望みません」
・・・
レコンはその台詞に違和感を感じた。
「それが、貴方を良からぬ方向へ連れて言ってしまうということをお忘れなきよう」
「フフフ、わかっていますよ。レコンさん無駄話をしている暇は無くなって来ましたよ」
ジルドレェが指差す方向はタツキと竜殺しと呼ばれていた男がファヴニールと戦闘を開始していた。
「行かなくてもよろしいので?」
「え?いやいや、行っても役に立ちませんよ!」
「もう芝居は良いのですよ、貴方も彼らと同じなのでしょう?」
「あらら、バレていましたか」
「はい。彼の息子はレコンという名前ではありませんからね。しかし、証言だけは確かなものでした。ですのでフランス軍へ配属を許可しました」
「何故、信じたのですか?」
「それほどまでにあの時のフランス軍はギリギリだったのです。貴方の偵察力などがありフランス軍はすごく助かりました。ありがとうございます。さてお別れです。最後に本当の名前を伺うことはできますか?」
「そういうことだったのですね、上手く騙せていると思っていたのですが。ですが申し訳ありません。私に真名は無いのですよ。本来僕のような者はサーヴァントとして召喚されません。僕は各国で暗躍していた、偵察者の集合体のような者なのです、だから、彼の息子の記憶もその中にあった。」
「なるほどわかりました。reconnaissances偵察者から取ってレコンですか、安易ですね、ですが気づきませんでしたよ。ではお気をつけてレコンさん」
「今までお世話になりました」
レコンはその場で姿を消した。
「やはり彼を誘ったのは過ちでは無かった」
ジルドレェは彼に裏があることには気づいていた。それでもジルドレェは彼をフランス軍へ配属させた。
そしてそのようにして配属させた人間はもう一人いた。
「タツキさん、大丈夫ですか?」
ファヴニールのブレス攻撃がタツキを襲う直前、タツキをレコンが拾いその場を離れていた。
「は!?レコン!?お前今の動き......。」
レコンのその動きは速いをはるかに超えていた。
「ははは、まあ僕は一様タツキさんのサーヴァントなんで」
レコンはタツキを地面におろしながらそう言って微笑んだ。
「え?今なんて」
「話してる暇はなさそうですね。竜殺しさんもいるみたいですし、一気に行きましょうか」
「レコン、事情の説明は今はいい!そして俺たちがやることはジークフリートの動きに合わせてジークフリートへの直撃を全て弾くことだ!」
「ジークフリート......。なるほどわかりました」
レコンはそういうとファヴニールに向かって走り出した
そのレコンの身体からは黄色の粒子が溢れ始めていた。
「ジークフリート!お前のやりたいように動け!今までは俺一人だったが、今はこいつがいる!こいつは頼りなさそうに見えるが信頼していい!」
ジークフリートは首を縦に振り、了解と示した。
タツキは手に持っていた、刀《紅刃命要 》を鞘に収め小太刀を二本抜いた。
「ここで終わりにしよう、蜥蜴野郎」
「無事でよかったです」
「タツキ心配させすぎ!」
「タツキ、すまない」
「タツキさん、勝ちますよ」
《 二天一流-皐月其の一 稲妻 》
突きからの斬撃は其の傷跡が稲妻のように見えることから稲妻と名付けた技
ファヴニールの胸に刻まれた、輝く刻印に稲妻の刻印が刻まれた
《「邪悪なる竜は失墜し、世界は今、落陽に至る。撃ち落とす、 幻想大剣・天魔失墜バルムンク! 》
《僕の全てを力に》
「マシュ!」
「はい!先輩」
連続された大技はファヴニールという伝説を打ち倒した。
「倒せた......?」
『 ファヴニールの完全沈黙を確認!凄い』
「ああ、やったなタツキ」
「先輩!ワイバーン達が!」
ワイバーン達はボスの消滅により統率が取れなくなっていた。
「なっ......!」
ジャンヌオルタはそれを受け入れられないというように呆然とそれを眺めていた。
「お戻りあれ、ジャンヌ!」
そうジャンヌに声をかけたのは、首に大きな花のような赤黒の物を巻き、目の視点があっていない目をしており、肌はとてもいい肌色とは思えない男だった
「ジル!」
は?
「・・・ジル?」
「......ジル......!?」
タツキと同じくその一言にジャンヌが反応した。
「まずはこの監獄城に帰還を!態勢を立て直しましょう」
「わかりました」
「まちなさい!」
撤退しようとしたジャンヌオルタをジャンヌが呼び止めたが撤退を阻止することはできなかった。
「ジル......か。」
「タツキさん、貴方はジルと同じ場所で戦っていたのですよね」
「そうだ、フランス軍に助けてもらったからな」
「では、あのジャンヌが言っていたジルって」
「ああ、それは俺も思った。確かにジルと呼ばれて......まさか。」
「何か?」
「いや、なんでもない、わからないことは考えすぎない方がいいよ、俺が言えた立場じゃないが迷いは戦いを鈍らせる」
「はい、わかりました」
またフランス軍として戦わないと行けないかもな
そういえばフランス軍といえば
「レコン!?」
「あ、タツキさんすみません」
レコンは地に足をつき下を向いていた。
「大丈夫か?」
「大丈夫じゃないですよ、ははは、やりすぎてしまいました。」
「何処もやられてないだろ!しかもお前サーヴァントって真名もまだ聞いてないぞ」
そう言ってる間にもレコンの身体は黄色い光に包まれていっていた。
「僕は真名がないんです、だから本来は召喚されない。タツキさん貴方の二天により繋がれたんです。我々名もなき偵察兵が。そして我々は力を使う度に霊力を失います。今ので最後でした。ですので、お別れですありがとうございました、タツキさん」
レコンはタツキに笑顔を見せた
「ありがとうレコン」
タツキはレコンにそう言った
レコンは笑顔でそれに返答し消えた。
レコンはサーヴァントではありサーヴァントではない。これが最後。彼は二度と召喚されることはないのだろう。
だからこそ。そう言った奴との別れに涙はタツキは流さない。
「タツキ、次がここでの最後の戦いになる。気を落とたなんて言わないでよね」
武蔵がタツキの肩に手を置き、タツキを武蔵なりに励ました。
「武蔵......なんか久しぶりだよ」
「タツキ、泣きそうになってる」
「泣かないんだよ。少しの間でも仲間だったやつが全うしたんだよ、俺が涙なんて流したら悲しくなるだろ」
「タツキは優しすぎるよ」
武蔵がタツキに抱擁した
タツキは何故か武蔵の肩に顔を埋めた。
タツキは初めてだった、
死にそうになること
一人で知らない軍に行くこと
仲間と別れてしまうこと
その仲間が死ぬかもしれないこと
そして仲間との別れ
そう言ったものが武蔵の慈愛のこもった台詞によってタツキが隠していた高校生としての宮本タツキは を引き出した。
タツキは少しの間武蔵の肩に顔を埋め続けた。
武蔵はタツキの頭をを我が子のようにずっと撫でていた。
「ジャンヌさん。追撃は少しだけ待ちましょう」
「そうですね。アレを見せられたら無理やり行こうなんていえません」
マシュやジャンヌ全てのメンバーがタツキと武蔵を見ていた。
タツキはここで一度に経験した数々を忘れないだろう
だからタツキが泣き崩れることはもう無い
藤丸はそんなタツキをやっと人間らしいところを見せてくれたと思いながらみていた。