17話 ローマ帝国と二天一流
カルデア
第一特異点から帰宅後数日が経ち、タツキ達は次の特異点へ出発するまでの時間を潰していた。
タツキは自室でカルデアの制服に着替え、刀を帯刀するためのベルトを巻き、三本の刀を帯刀し、部屋を出た。
四本あった刀の一本は折れてしまったため、今は三本しかない。
今日のタツキの予定はダヴィンチちゃんの工房?に赴き、ルーン文字の勉強方法が書かれた本と、折れてしまった刀の代わりとなる刀をダヴィンチちゃんに作成してもらうように頼んでいたのでそれを取りに行く。
武蔵は黒いセイバーにやられた傷を回復するため霊体化し、身体を再構築しているらしい。何でも霊体化とは危険を伴うらしく戦闘中やレイシフト中は避けていたらしい。てっきり傷が治らないのかと思っていたが、治るのであればよかった。
しかし、少しの休暇を貰えたので、修行に付き合ってもらおうと考えていたが、それはまたの機会にしよう。
実際、トレーニングは欠かしてはいない。第一のレイシフトの時にわかったことは、サーヴァント相手にも、ある程度は戦える。だがそれはあくまで先手必勝に限る。戦いがもつれるにつれ、不利になって行くのは俺の方。
まったく、呆れるほどに強いやつらだ。
などと考えているうちにダヴィンチちゃんの工房に到着した。
タツキは扉をノックすると自動ドアが開きタツキは部屋の中へ入った。
「出来たって聞いたから来たけど。。。それは?」
タツキは部屋に入ると己の目を疑った。
ダヴィンチちゃんの手に握られている刀は赤黒く輝いており、ダヴィンチちゃんは徐ろにその刀をこちらに向け、「エクスカリバー。なんちゃって」と言った。
しかし、なんちゃったのはダヴィンチちゃんの言葉だけで、赤黒い輝きはタツキに向かい放たれた。
うん。やばい。
タツキは咄嗟に刀を抜刀し、刀を赤黒い輝きに合わせた。
《一刀-流波》
本来は相手の刀を流す技だが、緊急事態のためこの技を選んだが結果としてそれは吉と出た。
そしてダヴィンチちゃん的には凶と出た。
タツキに上手く流された赤黒い輝きは部屋に置かれていた、奇妙な形の木で作られたような車を破壊した。
「なああああああああああああああ!!!」
ダヴィンチちゃんは手に持っていた、刀を放り投げると破壊された車の元へ足を運んだ。
「ごめんよ。スピンクスメギド号。ごめんよ。必ず蘇らせてあげるからね」
あああああと膝を地につき手でその残骸をすくい上げた。
タツキはそれを横目で確認しながら、先ほどダヴィンチちゃんが落とした刀を拾い上げた。
重さは前の俺の使っていた刀と遜色はない。だが、なんだこの刀の柄に空いている星型のような穴は。
そして問題はこの刀が先ほど赤黒い輝きを放ち攻撃したことだ。
エクスカリバーと言っていたが。。。
「エクスカリバー?」
「ああ、あれは冗談だ。厳密にはルーンによる攻撃ということだ。君がルーンの勉強をするというならそれに特化した刀を一本作ってみようと思ってね」
「なるほど、それは考えてもなかったな。それに重さ的にも少し軽いくらいだから、違和感はあまりない、完璧だ」
「まー待ちたまへ、少し軽いくらいだったら完璧ではないだろ?」
そういうとダヴィンチちゃんは虹色に輝くゴツゴツとした石をタツキに渡した
「これは?」
「それは聖召石と言ってね、高価なものだが、作れないことはない。一度のレイシフトにつき5個くらいまでなら渡せる。そしてそれをその柄の窪みにはめてみてくれ」
「これを?」
タツキは聖召石を柄の窪みに入れると聖召石が丁度全てが埋まる大きさだった。
そして驚くべきことにその石をはめた瞬間刀の重量が俺の前に使っていた刀の重さとの差が感じられなくなった。
「完璧みたいだね。それじゃ先ほどの赤い光をイメージしてケンと言ってみてくれ」
タツキは一つ息を吐き、そして
「ケン!」
タツキの言葉に反応し、聖召石が輝きそして、刀の刀身が赤く輝きを放った。
「振ってみて」
「りょーかい!」
タツキはテンションがマックスになっており、少し考えなしに、刀を縦一文字にに振り切った。
ズサーンと、いう斬撃の後にブォンという爆破音
壊れ果てていた車がさらに酷い姿へと変わった。
「んー?」
「なっ......」
「タツキ君。限度ってわかるかな?」
「は、はい。そうですね。はい。」
「次やったら君に幸運はないと思いたまへ。」
「わかりました」
「わかってくれればいいんだ、ま、とりあえず説明を済ませよう。それは君の魔力ではない。君はあまり魔力を使うのに慣れていないようだったから、その聖召石がある。それは一度使うと砕けてなくなる。だが一度だけ君の代わりに魔力を生み出してくれる。その証拠に君は今魔法を使えた。そしてその代わりに砕けてなくなっているだろ?」
タツキは柄を見るとそこには窪みがあり、石は無くなっていた。
「とりあえず3つ渡しておく。今2つ使ってしまったからね、聖召石の使い道は慎重にね、それじゃ、また次に呼ぶ時には新たなる発明を期待しておいてくれたまへ」
「流石。期待しておくよ、ちなみにこの刀に名前はあるのか?」
「好きにつけてくれて構わないよ」
「裏斬にするよ」
「なるほど、いいんじゃないか?」
「ちなみにルーン文字は3種類、彫っておいたからそれ以外は使えない、まずはその3種から学ぶことを進めるよ」
「ありがとう」
タツキは裏斬を腰のベルトへ入れ、部屋を出た
タツキは部屋へ戻り、ダヴィンチちゃんから貰った、【 ルーン魔術攻略本 これで一流貴方もルーン魔術師 】という胡散臭さMAXの本を読むことにした。
読んでいてわかったことは、以前クーフーリンから学んだことの内容に近い、つまりはクーフーリンが口頭のみで説明してくれたあの内容。あの人はわかりやすく端的に教えてくれていたことになる。
それに比べこの本は。。。
アンスズの対応アルファベットでAです。アルファベットでもいいならその方が覚えやすいと思いますよ!
まあ一度やってみよう!
Aの文字を書いて、アンスズと言うだけ!
これで貴方もルーン魔術が使えますよ!
多少魔力を取られますが貴方ならできるでしょう!
え?どんなことが起こるか?それはやってみてからのお楽しみというやつですよ!
ほら!まずはやってみる!ルーン魔術!
タツキはイライラと本を持つ手に力が入るがそっと緩めると、ベッドで横になった。
しっかり読むから流し読みスタイルに変え、本を流し読みした。
うん。これはアレだ。
信用してはいけない系のやつだ。
中身がない。
やり方と結果のみが書かれた本。
簡単にいうなら3+3x3=12という答えをそれはそうなると教えられている感じ。
掛け算を先にするという説明がないという、とても危険な説明しかない。
応用が効かない。
でも、その問題は答えることができる。
ダヴィンチちゃんはこの本をどこから取り入れたのだろうか。
作者は誰だと思い作者欄を見ると
《 作: 戦闘センスしかない男 》
《 内容解説: 戦闘馬鹿 》
《 試し撃ち: 戦闘センスしかない男 》
ははは。
ビリという音と共にその本は破り捨てられた。
ルーンの意味は把握できた。
そしてどうなるのかも。
だが、応用ができない。
そして所々に書かれていた言葉が、イメージすることが重要だ。という一文句。
いざという時にしか使わないでおこう。
ちなみに裏斬に掘られていた文字は、K、H、Iの三文字だった。
裏斬の柄に聖召石をはめ込んでおけば、重さ自体は、慣れ親しんだ重さになる。
ルーン魔術を使うかは置いておいて、とりあえずはいつも通りで行くか。
別の問題として、こちらに持ってきていた戦闘アイテムが底をつきかけてる。あれは親父に作ってもらってたことが多かったため、タツキ自身では量産はできないし、それに。作るために必要な素材がない。
一様ダヴィンチちゃんには頼んでおいたけれど、先ほど渡してもらえなかったところから察するに、まだ作成中なのだろうか?
俺的にはレイシフトまでに間に合わせてくれたらいいのだが、感覚的に不安が残る。
などと考えていると、タツキの部屋の扉が開いた。
「タツキー!暇?復帰したから、相手頼める?」
武蔵がドンと入ってきた。
回復したというのに、その矢先にそんなことして
「怪我しても知らないぞ?」
「へー?タツキが怪我をするの間違いじゃない?」
「ははは」
「ふふふ」
《一刀-袈裟斬り》
一瞬の笑いの後、タツキは刀を抜刀と共に武蔵に向かい何の躊躇いもない、斜め切りをした。
武蔵は片手で瞬間で抜刀し、袈裟斬りと自らの刀を当て、受け身なしで、物理法則に従い横へ飛ばされた。
しかし、その横飛びに合わせ足を出した。
タツキは技を止められた反動でそれを回避できず、武蔵の蹴りがタツキの肩を蹴り飛ばした。
「ぐっ」
タツキは後ろに倒れたがすぐに体制を、立て直し、武蔵を確認すると、武蔵も同じく体制を立て直しこちらを見ていた。
タツキは肩を少しだけ動かし、動くことを確認し、息を吐いた。
あぶねー。肩を狙うとか、ズリィ!
片手が上がらないとか負け確定。
じゃ、こっちも相手の片手を奪いますか。
「タツキ、肩は平気?」
「安心しろ、お陰様で平気だ」
「そうなの!?残念」
「おい、てめ、こちとら一般人だぞ!サーヴァントじゃないんだから回復遅いんだ馬鹿!」
「これは真剣勝負よ」
「わかってるって!」
《 一刀-衝撃剣-天 》
見た目は何の変哲も無い、上段斬りをタツキは行なった。
何か別の技が控えてるとかってわけじゃなさそう?
「え?何それ。流石にそれは舐めすぎ......」
武蔵は片手の刀で受け止め、もう片方の刀でタツキを斬り伏せようとした。
スッ
一瞬、武蔵の目に恐怖が過ぎり、武蔵は受け止めようとした刀を引き、身体を半身にし刀を避けた。
「何故?避けたんだ?」
「危ない気がしたからよ」
「正解だ」
「やっぱりね」
武蔵は刀を鞘に収めると、まあまあねと呟きタツキの部屋のベッドのうえで寝転がった。
「疲れたあー。タツキー、団子もらってきてー」
「は?お前が行けよ、あとそれ俺のベッドだ」
「いいじゃない、減るものじゃないし、それに病み上がりよ、早く団子」
「はいはい。わかったって。たく。」
タツキは刀を鞘に収めると、部屋を出て行った。
「全く。小細工ばかりしてるかと思ったら、危険な技まで持ってるっていうのが、腹立たしい」
武蔵はあの刀を受け止めていたらどうなったのか想像しようとはしない。
それが見れるときを楽しみにしているから。
タツキは部屋を出ると、また手を抜かれたと思った。あの蹴りは普段ならやらないだろう。武蔵の戦闘センスならあのまま斬撃を繰り出せたはずだ。
試されてるのはわかるけど、ああもわかりやすく手加減されると、流石に。
いつか見返してやる。
てか、衝撃剣を見抜かれるとはな。
ちなみに衝撃剣とはタツキがたまたま読んだ漫画のキャラクターが使っていた技をタツキなりにやってみたらできたという、漫画から盗んだ技である。
そして、タツキがみたらし団子を持って部屋に帰ってきたので、二人でそれを食べた。
そしてその日が終わった。
そして、次のレイシフトが始まる。
お久しぶりです
夏ガチャは頼光ママを宝具5にするために頑張りました