「負けられないわね。行くか!」
二刀流使いの女が鎧を装備した敵を倒している。
圧倒的だった。
初めて見る夢だ。
この二刀流使いは、名城?
いや、どうだろう。
服装がカルデアのものではない。
袴というわけでもない。
その服装は青や赤の色味があり、綺麗な色合いをしていた。
それはどこか武蔵の、衣装を連想させるものだった。
だが武蔵の衣装より、赤要素が強い気がする。
ーー
ジジジジ
うるさい。
タツキは寝ぼけながら、ベッドから起き上がり、耳元で鳴る、時計のボタンを押すと音は鳴り止んだ。
「朝か」
タツキはヨロヨロとベッドから降り、部屋を出た。
「おはよう、タツキ」
「武蔵か。おはよう」
部屋の前で待っていた?武蔵と挨拶を交わし、タツキはパジャマのままであることを武蔵に指摘されすぐに部屋に戻り、カルデアの制服に着替え、腰に四本の刀を帯刀し、ポーチに残り少なくなった、戦闘用の道具を入れた。
「よし!」
タツキは気合いを入れ、部屋を出た
部屋を出たタツキを見て、「よし」と武蔵が頷き、管制室へ向かった。
途中、武蔵から「何か夢を見なかった?」と聞かれたが、見たのは確かだが、内容をあまり覚えていなかったため、「覚えてないな」と答えると「ならいいか」と返して来た。
何でも、サーヴァントとマスターはたまに同じ夢を見ることがあるらしい。
不思議な話だと思いながらもタツキは、見た夢を思い出そうとするも、記憶から出てこなかった。
管制室に入るとロマンとダヴィンチちゃん、そして、藤丸とマシュが俺たちが来るのを待っていた。
「タツキ寝坊か?」
「ちげーよ」
藤丸と少し言葉を交わすとロマンがコホンと話を始める合図を出したので、二人でそちらを見た。
「既にレイシフトの準備は整っている。今回向かう先は一世紀のヨーロッパだ」
ヨーロッパね。
わからないな。未知だ。行ったこともなければ、歴史を学んだことも......あったかもしれないが覚えていない。ローマか?ローマだった、気がする。
違うか?わからん。
「タツキ君が悩んでいるようだから、より具体的に言うと、古代ローマだ」
「ローマ。古代?」
ローマとわかったが、古代とおまけが付いた。
お風呂か?いやあれは映画だな。
「イタリア半島から始まり、地中海を制した大帝国だ」
「ロマン。タツキが混乱してます」
藤丸がロマンにそう言うと
「その辺のことは言って見て確かめてくれればいいよ。特にタツキ君はその方がいいだろう」
と言われた。
「タツキ君、案内係として私も行こうか?」
ニヤニヤしながら、ダヴィンチちゃんに言われ、タツキがいいのか?と返そうとした瞬間にロマンから頭にチョップを食らった。
「君にはこちらの仕事がある。タツキ君もあまり調子に乗りすぎないように!」
「チッ」
「チッ」
タツキとダヴィンチのダブル舌打ちが鳴った。
「ローマ皇帝と話したかったのに」
「ローマ皇帝ってのは王の類か?」
「まあそんなところだね、特にカリギュラ帝や、ネロ帝はきっと趣味が合う」
カリギュラ帝とネロ帝か。
覚えておくか。
コホン
ロマンが再び話を戻す合図を出した。
「いいかな、藤丸君、タツキ君。転移地点は帝国首都であるローマを予定している。
地理的には前回と近似と思ってもらって構わない」
「ん?てことは聖杯や、歴史の変化的な面もってことで合ってるか?」
「そうなるね。済まないね。観測精度が安定していないんだ」
「てことは、今回も俺たちが陰で動いて、藤丸達が攻略班って感じになるな」
「そこは君たちに任せるよ、こちらからの指示があまり出せないから、君達には負担をかけることになる」
「最初は共に行動して、役割があれば離れるって感じでやるよ」
「作戦の要旨は前回と同じ、特異点の調査及び修正。そして、聖杯の調査、並びにその入手、破壊だ」
「どうか今回も成功させて無事に帰って来るように」
「わかってるって!それに俺は今回新武器を使えるからな!楽しみでならない」
タツキは腰に収めている、裏斬を触ると、ダヴィンチちゃんが「あ!」と手を叩き、タツキに袋を渡した
「これは君から頼まれていたものだ、君の父上のレシピを見て作って見たが、私なりにアレンジもしているからね、それと支給のタイミングで必要であれば言ってくれれば送ることもできるから存分に使ってくれ」
タツキは渡された袋を見ると要求したアイテムが全て中のケースに入っていた。
「流石です。ダヴィンチ様!」
「次回作を楽しみにしておきたまへ」
「当たり前だ!」
ハハハハハと二人で笑いあっていると、藤丸とロマンとマシュと武蔵が
「いつからあんなに仲良くなったんですか」
と藤丸
「わからないけど、タツキ君は楽しそうに発明品を使うからね」
答えるロマン
「意外ですね、堅い人かと思っていました」
とマシュ
「タツキは堅い時もあるけど、集中してないとただの一般人だからね」
と武蔵
皆から呆れ顔で見られていた。
「先輩。作戦遂行のためには先輩の力が必要です」
マシュが藤丸の話しかけているのを横目で見て、タツキは武蔵に。
「武蔵も頼ってくれて構わないぞ?」
「どっちのセリフよ」
「さあな」
「ま、作戦遂行のためなら、タツキに頼ることもあるから、その時は頼むわよ」
「もちろん」
「あーでも、きっと、ローマにも召喚されたサーヴァント達がいるだろうから、可能であれば、彼らの力を借りるように」
ロマンの言葉にタツキは
「可能で無ければ?」
「敵対する者に対しては、君達に判断を任せる」
「任せる?ということは、俺の場合は問答無用で叩き斬るって結論になるけどいいのかな」
「タツキ。あまりロマンを困らせるなよ」
「藤丸に判断は任せるさ。どうしてもの時以外は、指揮官である藤丸が決めることだからな」
「重要だな」
「ま、頑張ってくれ、マスターさん」
「一様、タツキもマスターだからな?」
「無能マスターでごめんなさいね!」
「本当だよ」
「肯定したらダメなところだからな!」
ふっ、と二人は笑って話していた。
「てか敵対するサーヴァントが、見分けられたらいいんだが」
ロマンをじーっと見つめるタツキ、藤丸にマシュ
「え!?あー。うん。すまない。少なくとも現時点では不可能だ」
「ま、仕方ないか」
「シバとトリスメギストスを併用しても、現在は生体や魔力の反応を読み取るのがせいぜいだ。敵対しているとかっていうのは、多分精神的なものに区分されるからね」
「現時点では不可能か、てことは状況によっては最悪の展開も予想しないといけないか」
「すまない」
「ロマン。では敵対かそうでないかは状況から判断ということになるだろうから、ある程度の推測は任せる」
「わかったよ」
「危険度は高いまま......か」
少しは楽に動けるかとも思ったが甘い考えだったか。
「可能な限りこちらもサポート、バックアップはするからよろしく頼むよみんな」
「じゃあさっそく!レイシフトと行こう!」
!?
何そのテンション。
「ロマン?」
「なーに!精神的なバックアップも大切だろ!」
「はあ。」
「ささ、準備準備!」
「了解!」
【 アンサモンプログラム スタート
霊視変換を開始 します
レイシフトの開始まで
あと
3
2
1
全工程 完了
グランドオーダー
実証を 開始 します 】
タツキ達の身体は光に包まれ消えた。