FGO 宮本武蔵と二天一流inカルデア   作:詩七喜

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28話 ローマ帝国と二天一流12

 

「なんてこった」

「パンナコッタ?」

藤丸の言葉に俺は軽く冗句で返したのだが、なんの返答も貰えず悲しいことになった。

とまあそんなこんなで、カルデア&ローマ軍はピンチです。

そうローマ軍が半壊しました。

 

敵サーヴァントによる一斉射撃により。

 

 

「藤丸達は先に行ってくれ。こんなところで時間取られてる暇はないからな」

「いやでも、敵にはサーヴァントがいるんだ。共に戦った方がいいんじゃないか?」

「任せろって。こっちにも宮本武蔵っていう最強の剣豪がいるんだ。そう簡単にはそっちには行かせない」

「ま、敵は鉄砲使ってきてるから、不利なんだけどね」

武蔵はそう言いながらも笑っていた。

「言ってる言葉と、表情が一致してないよな。ま、俺も剣士って時点で敵が銃使ってくるとか不利でしかないけど」

「ええと。タツキさんも武蔵さんも何故そんなに感情が高揚してらっしゃるのでしょうか」

マシュに問われ俺と武蔵は目を見合わせて答えた。

 

 

「あいつ日本のサーヴァントだと思うぞ」

 

 

「そう、そして戦国時代のサーヴァントに違いない」

そうなのだ。敵のサーヴァントは完全に日本のサーヴァント。そしてそれも俺達に馴染みの深い。よく知る名前の人物しか候補に挙がらない程の、日本では有名な英雄なのだ。

「火縄銃だからそうだろうとは思っていましたが、やはり戦国時代の英雄なのでしょうか」

「ま、真名捜査は俺に作戦があるし、多分あっちも短気だったらすぐにボロが出る。ま、任せてくれよ」

「それじゃあたし達も残りましょうか」

ブーディカとスパルタクスも残ると言ってくれた。だがそうなると藤丸達の方が戦力が劣ってしまうので、断った。

「いんや、ここは俺と武蔵に任せてくれ」

 

俺は武蔵に耳打ちした。

 

(4つのワードを2つに分けて担当して、敵のサーヴァントの真名を炙り出す

ワードはこの4つ。

【うつけ】【ハゲ】【クソざる】【うんこたぬき】)

イメージの話なのだが、多分あの戦国4大有名人の誰かではないかと思うのだ。

 

織田信長、明智光秀、木下藤吉郎、松平元康

 

さて誰かな。鉄砲隊で有名な戦は長篠の戦いだからこの候補なわけだ。

「わかったわ。それじゃ私はハゲとタヌキを担当するわね」

武蔵はそう言って、刀を抜き、走り出した。

 

......

 

えぇ。

ハゲとタヌキって間違いようないじゃん。

一番の地雷はクソざるだからね?多分ほとんどの人は言われたら、怒るよ?

候補出したのは俺だけれど!

それじゃ俺も行きますか。

 

というかなんで日本のサーヴァントがこんなところに召喚されてるんだ?

ロマンの話では、この地に所縁のあるサーヴァントが召喚されるのではなかったのか?

それとも今回の特異点に関わりのある存在だったりするのか?

他の候補とすれば、敵側のマスターのサーヴァントだが、マスターらしき影は見えないんだよな。

 

武蔵はすぐに飛び出して敵の兵隊を倒してるし、あの敵サーヴァントさんは味方の兵の動きを見て、武蔵を狙うが武蔵は綺麗に交わしていた。

俺のいる場所は射程の外なので、此方は狙われていない。

よしそれじゃ俺も参戦するか。

 

「ダメだよ?タツキ君」

殺気ッ

咄嗟に刀を抜刀し後方へ振り抜いた。

タツキの刀と相手の刀がぶつかり火花を散らす。

 

「名代 静」

こいつは本当によく裏から出てくるな。

今回は殺気に反応できてよかった。

が、まずい体制が悪すぎる。

身体を返していたら斬られた可能性があったので、腕を後方に振り抜いたため、身体は名代の方を向いていない。

 

「やっほー。昨日ぶり?こっちのサーヴァントさん、動きたくないそうなんで〜来ちゃったよ!あーちなみにあそこの鉄砲撃ってるのが私のサーヴァント。アーチャーだよよろしくね」

そう言いながら目にも留まらぬ速さで、3回の切り返しを含めた技を打ち込んで来た。

 

受け止めるのは無理。

 

避けるが懸命な判断だ。

逃げるはない。刀の間合いから抜けることは無理。

つまりこの体制から、避けなければならない。

だが避けられる。

それはわかった。

俺は身体を上手く捻り、刀で弾き、足捌きにて、相手の間合いを拍子を変えて、避けきった。

 

「やっぱ。君の目は凄いねぇ。よく見えているよ」

こいつ。試してきたな。俺が殺気に反応していると読んで、最後の一撃は俺を狙うつもりなんてなかった。

殺気が込められていなかった。だが振り抜きの途中で殺気が宿り、太刀筋が変化した。

 

その刀に当たれば、俺は殺気に反応していると判断し、それを避ければ俺が目で見て避けていると判断する、か。

 

正解だ。

 

しっかり見えている。

 

「セヤァアアアアアアアアアアアア」

一度攻撃のリズムを止めたならば、そこから返してこちらのリズムを作らねばならない。

先手を取られる事は、それだけ不利になる。だが、一度でもリズムを掴めたらこちらのものだ。

 

「いっ!」

フェイク、本筋、本筋、切り返し、フェイク、目線誘導、太刀筋の変化、足での攻撃、塚での攻撃、投剣。

 

数多の攻撃を用いて、名代を圧倒した。

 

「つっよいなァ」

ガン

名代が振り抜こうとした、刀を此方の刀で押さえつけた。

「力強ッよ!」

 

「タツキィイイイイイイイイ!!!」

 

え?

 

それは弾丸だった。

 

後方を見ると、アーチャーが武蔵と対面している武蔵はアーチャーの弾を避けながら接近したのだろう。

アーチャーと武蔵は距離を図りながら、動いていた。

そして俺の場所が火縄銃の射程に入っていた。

 

敵のアーチャーの宮本武蔵を狙った弾丸は、武蔵が避けた瞬間、武蔵と直線上に並ぶ形になっていた、タツキを狙う弾へと変わったのだ。

 

アーチャーの顔に笑みが浮かぶ。

 

確実に仕留めたという顔だ。

 

ああ、これは避けられない。

 

 

そう。避けられない。

 

 

 

 

だからどうした?

 

 

 

ーーー我は生きる事をヤメナイーーー

 

 

 

え?

 

世界が広がる。

脳裏に描かれるは何通りもの、未来だ。

タツキはほんの少し身体を逸らし、顔を動かす、それだけで、アーチャーの弾丸はタツキの頰を掠めるだけで終わった。

 

「反応した?それはおかしい。確実に直撃コースだった。見ていない?ただその動きをした事により、偶々弾丸が外れたというの」

名代が目の前のタツキを見てそう言った。

「タツキ......まさかやっぱり」

武蔵は何か思うところがあるらしい。

「ふむ。避けるか小僧」

アーチャーはそう言って、詰まらなそうに腕を組んだ。

俺はというと。

(何が起きた?)

これが正直な感想だ。

あの瞬間、時間が凝縮されるような感覚、走馬灯だと思った。

だがあの瞬間、確かに俺はあの弾丸をこの目で見ていた。

そしてこうしたら避けられると判断して避けた。

 

名代、アーチャー、そして武蔵も手を止め、その光景を見ていた。そのため場の優位や先手を取られた不利がリセットされていた。

 

作戦開始だ。

 

刀の峰で、唖然としていた名代を叩き、気絶させた。

隙を見せればいくら強くても、弱者と変わらない。

武蔵の元へ駆け寄り「やるぞ」と言って、俺はアーチャーめがけ走った。

 

数秒遅れて、武蔵が走り出す。

鉄砲の弾の雨の中を剣士が走り抜けるというのは、異様な光景だった。

「小僧が宮本タツキじゃな。静の奴が気にする理由がわかったわ。お主の眼は只の眼ではないな?」

アーチャーの言葉を無視して、俺は叫んだ。

「クソ猿!!」

うーんどう考えても、小学生レベルの悪口だよなぁ。

そう思った瞬間だった。

 

数百という数の火縄銃が宙に展開され、同時射出された。

銃弾が地を打ち撃ち轟音をならす。

タツキの前に武蔵が入って全て弾き飛ばした。

「死ぬかと思った」

 

「ハゲ!」

武蔵も続いて口撃した。

俺は武蔵の後ろに隠れて敵を見た。

「猿は儂じゃないわ!それにハゲとらんわッ!バカモノォァアアアアアアア」

アーチャーは帽子を脱ぎ捨て、頭を見せてこう言ったのだった。

うっそー。そんな反応なんですか?

明智さんかな?

武蔵が女だし、女でも不思議ではないけど。

でも何よりも

「武蔵無理死ぬ。俺を抱えて逃げてくれ」

武蔵に言うと武蔵は直ぐに、俺を抱えて走ってくれた。

まあ事もあろうにお姫様抱っこなのですが。

「明智さんかな?」

「違うんじゃない?ハゲって言われて怒っただけだと思うけど」

「ですよね」

ある程度射程から離れた所まで行くと武蔵が「それじゃあ、行ってくる」と言ってアーチャーの元へ走って行き叫んだ。

「うんこ狸!」

その瞬間、宙に浮かぶ火縄銃の数が増して、地を砕く爆砕の轟音と共に弾が放たれた。

 

「それは儂のあだ名ではなァアアアアアアアい!」

なんとも楽しい、アーチャーですこと。

 

「外したわね。さ、次はタツキよ」

笑いながら武蔵がそう言ってくる。

ああ武蔵もこの現状を楽しんでいるな。

戦いを楽しむとは違う。

これはそう。

クイズを楽しむ的な、遊びを楽しむの方の楽しむなのだ。

「行ってくるぜ!」

俺は走って弾丸を避け、アーチャーの近くまで行き叫んだ。

 

「この大うつけ!」

 

その瞬間アーチャーの顔から笑顔が消え、冷たく冷酷な表情に変わり、刀を抜いた。

 

「そうじゃな。もうよかろう。儂こそは、尾張のおアッ!?」

突然アーチャーの口元に後方から手が当てられた。

 

「アーチャー。ダメよ〜勝手に自己紹介なんてしたら。私が困る」

名代静だった。

だが少し違和感がある。

先程まで着ていたカルデアの制服ではなく、紺色の雅な陣羽織で身を包んでいたのだ。

 

「何をする!静!離さぬか!これ!」

暴れるアーチャーを無理矢理抱きかかえて、「帰るわね」と言って帰って言った。

「謀反か!謀反じゃな」

というアーチャーの声が最後まで聞こえていた。

「なんだったんだ?」

「と言うよりあれもう答えじゃない?戦国の世で天下人を目前にして、本能寺にて破れた武将。織田信長」

武蔵の意見に俺も同意だったのだが、問題はその性格だ。

イメージとかけ離れすぎていて、信じがたいのだ。

『織田信長ね。また大物が敵になったものだ。決まったわけではないが、ほぼ確定だろう。タツキ君。宮本武蔵。気をつけてくれ。何をやってくるかわからないのが織田信長の恐ろしい所だ』

ロマンから通信が入りそう言われた。

「了解」

俺と武蔵は通信を切ると走った。

 

先に行った藤丸達の事が心配だ。

 

 

少し走ったところで周りの景色を見てそう思った。

走っても追いつけないか。

ゴーレムの残骸やら、負傷者達、何者かがこの場所を中央突破していったようだ。

「私達の出番なしか〜」

武蔵はつまらなそうに頭の後ろで手を組んで言った。

「だが、見えたぞ。何やら壮絶な戦いをしているようだ。サーヴァントか?」

剣と剣がぶつかり合う音が聞こえてきた。

目の先には1人の人を取り囲む、3人。

マシュ、藤丸、ネロか。

ここまで伝わってくるよ。闘気がな。

魔力を感知はできない。だが、わかるものはある。

「行くぞ武蔵」

「ええ」

二人の顔には笑みが溢れていた。

その理由は簡単だった。

 

((敵は剣士(セイバー)だ))

 

これほど胸踊る戦いはないよ!

セイバーの敵なんて、楽しそうじゃないか!

「さぁ、お手並み拝見!」

 

マシュが防いで、ネロが攻撃という布陣はそう簡単に破られない。

相手のセイバーはなんと太かった。

ええとアレで動けるのだから凄いよね。

左腕は巨大な白い鎧のような物が装備されており、右手に持つ金色の剣の細さと比べるとバランスが悪い。

だがその剣戟は器用な物だ。

「私は来た! 私は見た! ならば次は勝つだけのこと」

セイバーがそう叫んだ瞬間、寒気がした。

だが次に繰り出された一撃は平凡なものだった。

セイバーと剣を交えていたネロも同じように感じただろう。

寒気は増した、嫌な気配はした。

だが、ただの一刀でしかない。

避けられる。そう思ってしまう程に。

 

「ネロさん!」

 

マシュの駆け声で、ネロが反応しセイバーの攻撃を避けようとした瞬間、その攻撃がネロに直撃した。

「なっ!」

ネロはその場で蹌踉めき、続く二撃目を避けることはできず、剣でそれを弾いた。

「やるな」

ネロはそう言いながらも、続く一撃を剣で受け止めることしかできない。

連続の剣戟がネロを襲う。

 

黄の死(クロケア・モース)

『カエサルの宝具か!』

ロマンが突然そう言ったので、俺は咄嗟に反応して前に出た。

 

さて、お手並み拝見だ。セイバー。

「ふん!」

「ぬぅうう!?」

タツキの二刀がカエサルの剣を止めていた。

「初めまして、俺はカルデアのタツキよろしくな。セイバー」

「セイバーか。ならば私も名乗ろう。他の者達には既に名乗ってある。私はガイウス・ユリウス・カエサルだ」

知らん。だが多分有名人なんだろう。

ならば全力で相手してほしいものだ。

「なるほど。ガイウス・ユリウス・カ」

俺の言葉を聞こうとしていた、セイバーの一瞬の隙を見逃さない。

敵の前で話すということはリスクを負うという事。

例えば、その言葉の途中で、撃たれるとか。

「ヌァア」

デカイ図体しているんだから、隙を見せれば打つ。

 

タツキの刀はユリウスの腹を斬っていた。

ユリウスは反撃し、刀を振るもタツキはそれを避けて、敵の右腕を斬った。

「面倒ダ」

なんだ?動揺しているのか?でもそれは悪手だ。

「今の打ち合いでわかったよ」

「何をだ?」

「ユリウスの戦い方はこんな風に、タイマン勝負することにはないんじゃないか?その証拠に剣技に関しては俺が優っている」

ユリウスの剣を避け、もう一度右腕を斬り、左手の刀でユリウスの剣を受け止めた。

「やっぱりな。この戦い方。向いていないんじゃないか?」

「うむ。俺が一兵卒の真似事をするのは無理があるのはわかっている。しかしだ。そこまで言われたんじゃ、見せてやらねばなるまいな」

ユリウスから、先程同様の寒気がした。

 

「私は来た! 私は見た! ならば次は勝つだけのこと」

 

振り抜かれたのは、やはり平凡な一撃、どうしてこれがネロには避けられなかったのだろうか。

不思議でならない。

少し動けば避けられ

「ふん!」

なんだと、身体が動かない、いや違うこれは不可避の一撃なのか!

クソッタレ!

その剣が俺に直撃しようとした瞬間、割って入るように誰かが間に入ってその一撃を受けた。

 

「大丈夫ですか!」

 

マシュだった。

「マスターがあの一撃は避けられないって言っていたので、もしもの為に控えていました。やはり不可避の一撃のようですね」

マジかよ。藤丸は先のネロへの一撃のみで、その可能性を感じていたのか。

「助かった」

黄の死(クロケア・モース)

マシュの盾に目掛けて二撃目が入ろうとした瞬間、その剣は止まった。

 

「マシュちゃん無事?それとタツキは油断しすぎ」

武蔵が二撃目をシャットしていた。

「ハァッ!」

俺の刀はユリウスの心臓を貫いていた。

「いい剣だ」

俺はそう言って刀を納刀した。

 

「む、やった、のか?」

ネロの前ではユリウスのが蹌踉めきながら、ネロを見ていた。

『ああ、反応が弱くなっているが観測できている。君たちは勝利したんだ、おめでとう』

ロマンに言われて、勝ったんだと確信する。

 

「あなたの剣は強力な攻撃でした。けれど、先輩の指示さえあれば守り切れます」

マシュの最後の防御は本当に助かった。

まさか不可避の攻撃だったとはな。

「うむ、うむ。美しい女たちに負けるのも悪くはない。まったくあの御方の奇矯(ききょう)には困ったものだ」

ユリウスは然程、悔しいというわけではなさそうだ。

それよりも誰かに呆れている?

「あの御方?」

ネロの問いに、ユリウスは答えた。

「そうだ。当代の正しき皇帝よ。連合首都であの御方は貴様の訪れを待っているだろう。正確には【皇帝】ではない私だが、まあ死した歴代【皇帝】さえも逆らえん御方だ。その名と姿を目にした時、貴様はどんな顔をするだろうか。楽しみだ」

ユリウスの言葉はネロに向けられている。

「嫌味で言っているのではないぞ。貴様は美しい。どんな表情を浮かべても、等しく......」

何かを言おうとしたのだろうが、その言葉は無く、光の粒子となって消えていった。

 

俺達の勝ちだ。

 

 





さて、3周年ですね!
英霊旅装はもちろん武蔵ちゃんにしました
もう一人が悩みます。。。
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